ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

LOTUS 25 F1 1963 UK

LOTUS 25 F1
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
LOTUS 25 F1


BRUMM R331 1/43 90㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.56m 全幅約1.55m エンジン 変速機: DOHC V型8気筒 1.5L 195HP 5段変速
性能: 最高速270km/h  データーベースでロータス 25のミニカー検索

ロータス 25 F1 イギリス 1963年

 

 ロータスはイレブンでのルマン参戦に続き、F1/F2に参戦しました。最初のF1/F2マシンは1957年登場の12で、コベントリー クライマックスの4気筒2L/2.2Lエンジンをフロントに搭載していました。1958年に16が登場し、1960年にはミドシップ方式を採用したロータス 18が登場します。18は1960年のモナコGPでS.モスのドライブで初優勝します。S.モスはアメリカGPでも優勝し、ロータスはコンストラクター選手権の2位に躍進します。

 

 1961年からF1の排気量が1.5Lに変わりました。1961年にロータス 21が登場しこのシーズンはロータスとフェラーリの2強の争いで、フェラーリ 156が勝利しました。1962年にロータス 24が登場しますが、すぐに革新的な軽量モノコックシャーシを採用したロータス 25に変わりました。このシーズンはロータスとBRMの2強の争いで、BRM P57が勝利しました。1963年には改良されたロータス 25でJ.クラークが7勝を挙げて初のチャンピオンドライバーとなり、ロータスは念願のコンストラクターチャンピオンを獲得しました。

 

 

 1964年シーズン前半はJ.クラークがロータス 25で3勝し、シーズン後半に改良型のロータス 33が登場します。ロータスが後半に勝てなかったことで、フェラーリ 158のJ.サーティースがチャンピオンドライバーとなり、コンストラクターチャンピオンもフェラーリが獲得しました。1965年シーズンはロータス 33が主力となりJ.クラークがほとんどのレースで勝利し、ドライバーとコンストラクタータイトルを獲得しています。その後もロータスはコスワース DFVエンジン(V型8気筒3L)開発、グラウンド エフェクトカー(ロータス 78)の開発など、F1レース界に革新を起こし、名門チームとなりました。

 ミニカーはブルム製で、2002年頃に発売されました。1963年のベルギーGPの優勝車(ドライバー J.クラーク)をモデル化しています。風防形状が適当なのは当時のブルム流で、タイヤ外径も少し小さいような気がしますが、それ以外は当時のミニカーとしてはまずまずの出来ばえです。ブルムは8種類ほどのバリエーションを作っています。これ以外ではポリトーイの当時物(プラスチック製)、最近のものではカルツォやスパークがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像とコクピットの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

LOTUS 25 F1 1
LOTUS 25 F1 2

 以下は2000年頃に発売されたブルムのロータス 25 シャーシ付 (1/43 型番A005)の画像です。これはロータス 25 イタリア GP #8 J.クラーク イタリア GPとそのボディを外したシャーシをセットにした限定品です。限定品といっても1000台も作っていますから、希少性はあまりないです。シャーシはそれほどリアルという訳でははないですが、面白いセット物です。ブルムは同じような構成のセット物をA00*の型番で数種類作っています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
LOTUS 25 F1 3
LOTUS 25 F1 4

ロータスのレーシングカーのミニカーは非常にたくさんあります。以下のリンクで1970年前後に分けて検索できます。
データーベースで1970年以前のロータス レースカーのミニカーを検索
データーベースで1971年以降のロータス レースカーのミニカーを検索"

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PORSCHE 904 GTS 1964 GERMANY

PORSCHE 904 GTS
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
PORSCHE 904 GTS


VITESSE V98069 1/43 96mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.09m 全幅約1.54m エンジン 変速機: DOHC 空冷水平対向4気筒 2L 180HP 5段変速
性能: 最高速252km/h  データーベースでポルシェ 904のミニカー検索

ポルシェ 904 GTS ドイツ 1964年

 

 レーシングカー ポルシェ 718の後継車として904が1964年に登場しました。GT2クラスのホモロゲーション取得のため、100台以上が生産されました。バックボーンフレームにFRP製ボディを載せる構造のGTカーで、サーキットまで自走していく程度の実用性がありました。標準のエンジンはDOHC 空冷水平対向4気筒2L(180/155HP)で、ワークス用の904/6は911用の6気筒2L(210HP)、904/8は804F1用をベースとした8気筒2Lでした。

 

 904のデビュー戦は1964年セブリング 12hで、クラス優勝(総合9位) しています。その後タルガ フロリオ優勝、ルマン クラス優勝などで活躍し、国際マニュファクチャラーズ選手権 GT2クラス チャンピオンを獲得し、1964年の第2回日本GPでもクラス優勝しています。(ドライバーは式場壮吉) 1965年にはプロトタイプクラスの904/6 904/8が主力となり、タルガ フロリオ GTクラス優勝、ルマン プロトタイプクラス優勝などで活躍し、GT2クラス チャンピオンを連続して獲得しました。後継車は1966年に登場した906でした。

 

 

 ミニカーは2001年頃に発売されたビテス製です。倒産する前のビテス絶頂期のもので、精密に再現されたエンジン/サスペンションが見えるようにリアカウルを外して配置したディスプレイケースに収められています。ワイパーやリアカウル上の排気グリルにエッチングパーツを使うなどレベルの高い仕上げで、とても良くできています。ビテスはルマン仕様などバリエーションも数種類出しています。これ以外の904のミニカーはポリトーイの当時物、ミニチャンプス、シュコー、スパーク(レジン製)などがあります。最近の新興ブランドのミニカー(主にレジン製)を「精密」と表現することがありますが、私はこのミニカーのように内部構造を細かいパーツで再現していることを「精密」だと考えます。したがって外観はリアルながら内部メカを全く再現していないミニカーが「精密」であるとは思いません。なお「精密」と「出来の良し悪し」とは別の評価基準で、「精密」=「出来が良い」という訳でもありません。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

PORSCHE 904 CARRERA GTS 1
PORSCHE 904 CARRERA GTS 2

 以下はディスプレイケースの画像とリアカウルを外したエンジンルームの画像です。エンジンルーム内には水平対向4気筒エンジン/ギヤボックス、コイルスプリングのサスペンション、後輪駆動シャフトなどがかなりリアルに再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
PORSCHE 904 CARRERA GTS 3
PORSCHE 904 CARRERA GTS 4

 以下は1967年に発売されたポリトーイ製の当時物 ポルシェ 904 カレラ GTS(1/43 型番535)の画像です。上記と同じ904のモデル化ですが、これはポリトーイ流の作風でちょっと違った雰囲気になっていますが、当時のミニカーとしては良い出来ばえでした。フロントパネル/ドア/リアカウルが開閉するギミック付きです。ポリトーイの初期モデルはエンジンなどのメカをリアルに再現するのが特長でしたので、この904もエンジン/サスペンションなどが当時のミニカーとしてはかなりリアルに再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
PORSCHE 904 CARRERA GTS 5
PORSCHE 904 CARRERA GTS 6

 以下はフロント/フロントパネルを開いた状態の画像とリア/リアカウルを開いたエンジンルームの画像です。上記のビテスほどではないですが、これもエンジンやサスペンションがリアルに再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
PORSCHE 904 CARRERA GTS 7
PORSCHE 904 CARRERA GTS 8

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FERRARI 158 F1 1964 ITALY

FERRARI 158 F1
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FERRARI 158 F1


BRUMM R290 1/43 89㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4m 全幅約1.5m エンジン 変速機: DOHC 8気筒 1.5L 210HP 6段変速
性能: 最高速270km/h  データーベースでフェラーリ 158 F1のミニカー検索

フェラーリ 158 F1 イタリア 1964年

 

 156 F1の後継として158 F1が1964年に登場しました。156 F1後期型がベースで、エンジンはV型8気筒1.5L(210HP)で、ボッシュの燃料噴射を採用していました。ノーズ左右のNACAダクトと空色に塗られたホイールが外観上の特徴です。(鋳造マグネシウム製ホイールは酸化されやすくので強度保持の為塗装されていました) バンク角180度(水平対向)のV型12気筒エンジン(225HP)を搭載する1512 F1も同時に開発されました。(1512とは1.5L12気筒の意) このエンジンは後の365 BBなどのミドシップ スポーツカーで使われたエンジンのベースとなりました。

 

 1964年シーズンはフェラーリ、ロータスBRMの3チームが競う展開でした。フェラーリはJ.サーティースのドライブでドイツ GPとイタリア GPで2勝し、オーストリア GPでは156 F1が1勝し、フェラーリはドライバーとコンストラクターの2冠を獲得しました。なおフェラーリは競技運営上のトラブルで競技ライセンスを返上した為、終盤のアメリカ GPとメキシコ GPでは、ワークスではないアメリカのNARTチームとして参加しました。 1965年シーズンはロータス 33が圧倒的に強く、フェラーリ 158 F1は1勝もできませんでした。1966年に後継車の312 F1が登場しました。

 

 

 ミニカーはブルム製で、1999年頃発売されました。1964年のイタリアGP 優勝車(ドライバー J.サーティース)をモデル化しています。ブルムのF1 ミニカーもこの頃には、コクピットのインパネやエンジン部などの細部が初期に比べるとまずまずの良い出来ばえになりました。ブルムはバリエーションでアメリカのNARTチームが使ったカラーリングが赤ではない158 F1と1512 F1もモデル化しています。それ以外の158 F1のミニカーはイクソ、マテルなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像とコクピット/俯瞰の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FERRARI 158 F1 1
FERRARI 158 F1 2

 以下は1999年に発売された同じブルム製の158 F1 1964年 (1/43 型番R291C)の画像です。メキシコ GPで6位となった#18号車(ドライバー P.ロドリゲス)をモデル化しています。上述したようにこの車はフェラーリのワークスではなくアメリカのNARTチームとして参加していましたので、ボディカラーが赤ではありません。このレースでは158 F1の#7が2位、#8が3位となっていますが、それもブルムがモデル化しています。 (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FERRARI 158 F1 1
FERRARI 158 F1 2

 以下は1999年に発売された同じブルム製の 158 F1 1965年 (1/43 型番R296)の画像です。イタリア GPでリタイアした#6号車(ドライバー N.バッカレラ)をモデル化しています。上記の型番290と同じ158 F1ですが、エンジン上部のカバーなどが違っています。エンジン上部に8本の吸気管があり8気筒エンジンであることが分かります。 (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FERRARI 512 F1 1
FERRARI 512 F1 2

 以下は1999年に発売された同じブルム製の 1512 F1 1965年 (1/43 型番R298)の画像です。こちらはイタリア GPでリタイアした#8号車(ドライバー J.サーティース)をモデル化しています。上の158 F1と同じように見えますが、エンジン上部に12本の吸気管があり12気筒エンジンを搭載していることが分かります。エンジン下の排気管の部分も変更されています。 (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FERRARI 512 F1 1
FERRARI 512 F1 2

フェラーリ 1512 F1のミニカー →データーベースでフェラーリ 1512 F1のミニカー検索

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FERRARI 250 LM 1965 ITALY

FERRARI 250 LM
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FERRARI 250 LM


BOX MODEL 8445 1/43 98㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.27m 全幅約1.7m エンジン 変速機: V型12気筒 3.3L 305HP 5段変速
性能: 最高速290km/h  データーベースでフェラーリ 250 LMのミニカー検索

フェラーリ 250 LM イタリア 1965年

 

 1950年代後半のF1 レースでは、クーパーのミドシップエンジン方式がその優位性を示していました。フェラーリは1961年にミドシップエンジン方式を156 F1で採用し、レース用スポーツカーでは1961年にディノ 246 SP(V型6気筒2.4Lエンジン搭載)で採用しました。ディノ 246 SPは、1963年にV型12気筒3Lエンジンを搭載する250Pに発展し、250Pは1963年のセブリング、ルマンなどで優勝し、マニュファクチャラー チャンピオンを獲得しました。(実車画像→ フェラーリ 250P)

 

 フェラーリ 250 GTOの後継車として、250Pをベースにしてルーフと内装を追加したGTカー仕様の250 LMが1963年に開発されました。しかし250 LMはGTカークラス認証に必要な台数が生産できず、プロトタイプクラスとなりました。250 LMの最初の1台は3Lエンジンを搭載していましたが、それ以外は3.3Lエンジンだったので275 LMとも呼ばれました。(数字は1気筒分の排気量を示します) 250Pは1964年に275P(3.3Lエンジン)/330P(4Lエンジン)に発展し、同年のセブリング、ニュルブルクリング、ルマンで優勝しました。1965年のルマンでは250 LMが優勝しました。

 

 

 ミニカーは1988年頃に発売されたボックスモデル製です。1980年代に創業したイタリアのボックスモデルは現在のベストモデルの前身でしたが、ボックスモデルが製作していたミニカーは当時としてはかなり良い出来ばえでした。これは1965年のアメリカのブリッジ ハンプトン 500㎞で8位となった250 LM #69をモデル化しています。独特な形状のリアカウルの造形など実車の雰囲気が良く再現されています。今見るとホイールの出来がやや安っぽいですが、当時はこれが普通でした。ボックスモデルは250 LM プローバ(PROVA:テスト車)やレース仕様など数種類のバリエーションを作っていました。250 LMの当時物ミニカーは、コーギー、ポリトーイ、マーキュリーなどがありました。当時物以外ではベストモデル、Bブラーゴ、マテルの1/18、イクソ、京商の1/64、ルックスマート(レジン製)などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FERRARI 250 LM 1
FERRARI 250 LM 2

 以下は1967年に発売されたポリトーイ製Mシリーズの当時物 フェラーリ 250 LM ピニンファリーナ (1/43 型番525)の画像です。これは250 LMのレースカーではなく1965年に1台だけ製作されたロードカー仕様をモデル化しています。(実車画像→フェラーリ 250LM ピニンファリーナ スペシャル) 上述したレースカー仕様とはリアカウルの形状が大幅に異なっていて、ロードカーなのでバンパーが付いています。当時のミニカーとしては良く出来ていて、当時のポリトーイが売りにしていたギミックを満載しています。フロントパネル/ドア/リアカウルが開閉し、さらにルーフパネルとリアフェンダーに付いた燃料注入口のカバーまで開閉します。(ルーフパネルが持ち上がるのは昇降し易くする為) エンジンや室内などの細部も良く再現されています。以下のサイドビューで燃料注入口カバー/ルーフパネル/ドアの開閉動作がご覧になれます。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FERRARI 250 LM 3
FERRARI 250 LM 4

 以下はフロント/フロントパネル開閉の画像とリア/リアカウルを開いたエンジンルームの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FERRARI 250 LM 5
FERRARI 250 LM 6

 以下は1966年頃に発売されたマーキュリー製の当時物 フェラーリ 250 LM (1/43 型番39)の画像です。イタリアのマーキュリーは本業は自動車会社向けのダイキャスト部品のメーカーで、副業で玩具(ミニカーだけではない)も作っていたようです。副業とはいえ同社が作るミニカーは当時としてはかなり良い出来ばえでした。(自動車マニアの方がモデル化を担当していたのでしょう) この250 LMも実車の雰囲気がうまく再現されています。ドア開閉ギミック付きで、リアカウルを外すと上記のポリトーイ製と同様にエンジンが結構リアルに再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FERRARI 250 LM 7
FERRARI 250 LM 8

 以下はフロント/リアの拡大画像とリアカウルを取り外したエンジンルームの画像です。ヘッドライトが黄色に見えるのは、フランス仕様という訳ではなく、ヘッドライトを固定する接着材が劣化して黄色に見えているようです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FERRARI 250 LM 9
FERRARI 250 LM 10

 フェラーリ 250P/275Pのミニカーはイクソ、ジョリー、アートモデルなどがあります。→データーベースでフェラーリ 250P/275Pのミニカー検索

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HONDA RA272 F1 1965 JAPAN

HONDA RA272 F1
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
HONDA RA272 F1


JAPANESE CAR COLLECTION  1/43 93㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4m 全幅約1.7m エンジン 変速機: DOHC V型12気筒 1.5L 230HP 6段変速
性能: 最高速300km/h?  データーベースでホンダ RAのミニカー検索

ホンダ RA272 F1 日本 1965年

 

 マン島TTレースでの優勝など2輪車レースで成功したホンダは、1962年にF1に参戦することを表明しエンジンの開発を進めました。開発されたV型12気筒1.5L RA271型エンジンは、当初ロータスへ提供される予定でした。しかし1964年にロータスが提携をキャンセルした為、ホンダはシャーシも自社開発して参戦することとなりました。 最初のF1カーRA271型は、1964年のドイツGPでデビューし、結果は事故でのリタイヤでした。しかし翌年の1965年メキシコGPではアメリカ人ドライバー リッチー ギンサーが操るRA272が初優勝を遂げました。これは今考えると凄いことですが、当時はモータースポーツに対する理解が少なくあまり評価されなかったようです。

 

 ホンダのF1はRA273、RA300、RA301、RA302と発展し活躍を続けましたが、低公害型エンジン開発に注力するとして1968年シーズン終了後に活動を休止しました。このF1参戦はホンダ F1 第1期と言われています。その後1983年にエンジン供給する形でF1に復帰し、1980年代後半はマクラーレン ホンダが圧倒的に強い時期がありました。これはホンダ F1 第2期と呼ばれますが、国内のバブル崩壊による業績不振で1992年末にF1から撤退し第2期が終わりました。   

 

 

 2000年にエンジン供給でF1に復帰し、2006年からはエンジンだけではなくシャーシも開発するフルコンストラクターとして参戦しました。しかし第2期のような活躍が出来ず、サブプライム問題の不況による業績不振で2008年末でF1から撤退しF1 第3期が終わりました。2015年にエンジン供給で3度目のF1復帰を果たし、当初の結果は期待外れでしたが、2021年にはレッドブル ホンダがコンストラクター2位の好成績を残しました。ただ自動車のEV化対応に注力する為、2021年末でホンダはF1を撤退し第4期が終わりました。

 ミニカーは2006年に発売された国産名車コレクション製です。国産名車コレクションの購読予約者向けプレゼント品で、メキシコ GPで初優勝したRA272をモデル化しています。メーカーはノレブで、エンジンなどの細部もそこそこリアルに再現されていて、安価な雑誌付きミニカーとしては結構良い出来ばえです。RA272のミニカーとしても貴重な一台です。  以下はフロント/リアの拡大画像とエンジン/コクピットの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

HONDA RA272 F1 1
HONDA RA272 F1 2

 以下は1968年に発売されたカドー製のホンダ RA273 (1/43 型番No.1)の画像です。玩具問屋であった可堂玩具がミニカーの普及活動としてNMCC(日本ミニチュアカークラブ)を1968年に設立し、その会員向けにカドー ブランドでこのミニカーを発売しました。私の保有するこのミニカーは1980年に再販されたものです。(最初に販売された物はボディが白/エンジンなどが黒に塗装されていた物もあったようです) タイヤとフロントウィンドー以外は全て真鍮(BSBM)製で、塗装されていないので経年変化で多少錆びています。エンジンやサスペンションの細部まで実に良く再現されていて、当時のミニカーとは思えないほどとても素晴らしい出来ばえです。(ミニカーというより手作り工芸品に近いです) 特にサスペンションは細いアームやコイルスプリングまでリアルに再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
HONDA RA273 F1 1
HONDA RA273 F1 2

 以下はフロント/リア(エンジン拡大)の拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
HONDA RA273 F1 3
HONDA RA273 F1 4

 これ以外のホンダ F1のミニカーですが、1960年代の国内ではF1のミニカーはあまり一般的ではなく、ホンダ RA271/272型の当時物ミニカーにはこれといった物はありません。海外ではポリトーイのペニーでホンダ RA F1がありますが、これもあまりぱっとしません。1970年代になるとF1が一般に知られるようになり、RA302型(1968年)はトミカとトミカ ダンディが当時物をモデル化しています。2010年頃にはエブロがホンダ F1 第1期のRA271からRA302まで20数種類をモデル化し、ホンダ F1に力を入れていました。ホンダ F1 第2期のミニカーは、ウィリアムズ ホンダ、マクラーレン ホンダ、ロータス ホンダなどがたくさんモデル化されています。第3期ではBAR ホンダ、ホンダ NSR500、ホンダ RC211Vなどがモデル化されています。第4期ではマクラーレン ホンダやレッドブル ホンダがモデル化されています。

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