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ザウバー メルセデス C9/88 #63 ルマン 優勝 ドイツ 1989年
ザウバー モータースポーツ AG (Sauber Motorsport AG)はスイスのレーシングカー コンストラクターで、レーシングドライバーでもあったペーター ザウバー(Peter Sauber)が1970年に創立しました。1970年に製作したザウバー C1と1973年に製作したC3は国内のスポーツカーレースで活躍しました。(実車画像→ ザウバー C1 1970) 1975年に自社初のモノコックシャシーを採用したC4、1976年にはBMWエンジンを搭載したC5を製作し、インターセリエでチャンピオンとなりました。1977年からルマンに参戦し1978年のルマンでは、2Lクラスの2位となりました。
1982年にコスワースDFLエンジンを搭載したグループCカーのC6、1983年にはBMWエンジンを搭載したC7を製作しルマンに参戦しました。1985年にメルセデス ベンツと提携し同社のエンジンを搭載したC8を開発しルマンに参戦しましたが、予選で車体が空中に舞い上げるトラブルが発生し棄権しました。C8は1986年のニュルブルクリングで初優勝し、C8の重量バランスを改良したC9が1987年に登場しました。
1988年にメルセデスは1955年ルマンでの事故以来離れていたレース(WSPC 世界スポーツプロトタイプカー選手権)に公式に復活することになり、C9はワークスチーム ザウバー メルセデスとして活動することになりました。C9は開幕戦から優勝するなど11戦中5勝を挙げ、チーム 2位となりました。なおルマンでは予選でタイヤのバーストが発生し決勝を棄権しました。1989年にはエンジンをDOHC化してパワーアップし、ボディカラーをシルバーアローと呼ばれた伝統のシルバーに変えました。C9は1989年のルマンで1-2フィニッシュで37年ぶりに優勝し、WSPCでは8戦中7勝と圧倒的に強くチーム/ドライバーの2タイトルを獲得しました。1990年にはC9の後継車C11が登場しWSPCのタイトルを連覇しました。1991年を最後にしてメルセデスは耐久レース活動を終了し、ザウバーは1993年からF1に参戦しました。
ミニカーは2019年に発売されたアシェット製 ルマン レースカーコレクション製です。メーカーはスパーク(ダイキャスト製)で、1989年ルマンで優勝した#63をモデル化しています。ルマン レースカーコレクションは定価2540円と安価な雑誌付きミニカーでしたが、いずれも値段以上によく出来ていました。(スパークはレジン製で同じ車をモデル化していることがほとんどなので、型設計などを省略でき安く作れるのでしょう) このザウバー C9も実車画像と見比べると、プロポーションが良くカラーリングも含めて実車が正確に再現されていることが分かります。灯火類、ホイール、エアダクト、ロゴステッカーなどの細部もリアルに再現されています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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BMW Z1 ドイツ 1989年
BMW Z1はBMWの研究開発部門が担当した2座ロードスターで、新技術をテストする実験車的な位置づけでした。(Z1のZは'Zukunft:ドイツ語で未来'に由来していました) シャーシから完全に取り外せるプラスチック製ボディとそれを可能とするプラットフォーム式床構造、上下にスライドするドアなど新しいボディ構造が使われていました。エンジンやサスペンションは3シリーズ(E30)がベースとなっていて、325iと同じ6気筒2.5Lエンジンを搭載していました。
後輪サスペンションはZ1用に特別に設計されたもので、BMW初のマルチリンク式サスペンションでした。このサスペンションは「セントラルアーム式」と呼ばれ、後の3シリーズ(E36)などに採用されました。1987年にZ1がフランクフルト ショーで発表されると、当初は大人気を博しましたが、結局は1989年から1991年の2年間で約8000台が生産されただけでした。後に同じ2座ロードスターでZ3、Z4、Z8が登場しました。
ミニカーは1989年に発売されたシャバック製の当時物です。独特の顔つきのフロント周りなど、実車がうまく再現されていて、とても良く出来ています。Aピラーに付いたバックミラーや室内などの細部も良く再現されています。ボンネットの開閉とドアの上下スライド、トランク開閉のギミックが付いています。なおドアの上下スライドは指では操作し難いので、ドアの内側に引っ掛けて操作する簡単なツールが付属していました。シャバックは1/24でもZ1をモデル化していました。Z1の当時物ミニカーはこのシャバックだけですが、当時物以外ではミニチャンプスの1/43と1/18、ヘルパの1/87などがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フォルクスワーゲン コラード ドイツ 1989年
フォルクスワーゲン シロッコ 2代目の後継車としてコラードが1988年に登場しました。ゴルフ IIをベースにしていましたが、全長が短く2+2シーターのかなり本格的なスポーツカーでした。リアのスポイラーは速度感応式でリフトし、ABSやエアバックも装備するなど先進的な技術を搭載した車でした。当初のエンジンはゴルフ IIと同じDOHC 4気筒1.8L(134HP)とG60 スーパーチャージャー付4気筒1.8L(160HP)エンジンを搭載し、5段自動変速で最高速227km/h(G60仕様)の性能でした。
1991年にパサート B3と同じVR6 V型6気筒2.8L(190HP)エンジンが追加され、最高速235km/hに性能が向上し、翌年にはDOHC4気筒1.8Lエンジンが2L(136HP)に拡大されました。高性能な車でしたが、フォルクスワーゲンのスポーツカーはいまひとつブランド力に欠けたようであまり売れず、1995年に生産中止となりました。総生産台数は約9.7万台でした。コラードの後継車は設定されませんでしたが、シロッコは2008年にシロッコ 3代目として復活し2017年まで生産されました。(実車画像→ フォルクスワーゲン シロッコ 2008)
ミニカーは1988年に発売されたシャバック製の当時物です。前述したシャバック製のパサート B2と同じく、これも実車の雰囲気がうまく再現され非常に良い出来ばえでした。特筆すべきはダイキャスト鋳造技術の高さです。ボンネットはボディとの隙間がほとんど見えないのでボディと一体のように見えますが、実際には開閉が可能でエンジンも再現されてます。現在の1/43サイズの一般的なミニカーは開閉機構がないのであまり高度な鋳造技術は不要なのですが、このようなチリ合わせが良い開閉機構は高度な鋳造技術が必要なのです。(このレベルでは塗装の厚みが問題となるので、エンジンルーム部分の塗装をマスキングするなど、塗装や組立ても面倒になります) これ以外のコラードの当時物ミニカーはガマ製もありました。当時物以外ではノレブ、ミニチャンプス、ヘルパの1/87などがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ポルシェ 944 S2 ドイツ 1989年
ポルシェ 924と928の間を埋める車として開発されたのが944で1983年に登場しました。924とほぼ同じスタイルで、リアフェンダーが張り出していました。924はアウディのエンジンを流用していましたが、944用としては928のV型8気筒エンジンの片バンクをベースにして4気筒2.5L(165HP)エンジンが開発されました。(このエンジンは1985年から924Sにも採用されました) 5段変速で最高速220km/hの性能でした。
1985年に水冷インタークーラー付ターボエンジン(220HP)を搭載した944 ターボが追加され、1987年にエンジンをDOHC化(190HP)した944Sが追加されました。1989年には排気量を3Lに拡大した944 S2が登場し、オープンカーのカブリオレも追加されました。当初944は911の後継車とみなされ、操縦性に優れたスポーツカーとして評価され営業的にも成功しました。1991年に968にモデルチェンジしました。
ミニカーは1989年に発売されたNZG製の当時物で、944 S2をモデル化しています。NZGは現在は建設機械のミニカーメーカーですが、1985-1990年頃にポルシェを1/43でモデル化していました。この924もその1台でプロポーションが良く実車の雰囲気がうまく再現されていて当時物ミニカーとしてはかなりレベルの高い出来ばえでした。ボンネット/ドア/ハッチバックが開閉するギミック付きで、室内などの細部も良く再現してあります。NZGは944、944 ターボ、944 S2 カブリオレもモデル化していました。NZG以外の当時物ミニカーはソリド、べレムのカブリオレ、マッチボックスなどがありました。当時物以外では、ミニチャンプス、オートアートの1/18、ヘルパの1/87などがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/ハッチバック開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ポルシェ 911 (964) カレラ 4 ドイツ 1989年
ポルシェ 911の3代目 964型が1989年に登場しました。最初のモデルはカレラ 4で、フルタイム4WD方式を採用していましたが、959のような電子制御ではなく遊星ギアによるセンターデフを持つ機械式でした。エンジンが3.6Lに拡大され、サスペンションがトーションバーから一般的なコイル スプリングに変更されたのが大きな変更点でした。またスタイルは先代の930を継承していましたが、ボディ構造はモノコックになりました。バンパー組込みのコーナーランプが大きめなのが964の外観上の特徴でした。オープンカーのタルガ、カブリオレも設定されました。
1990年にカレラ 4を2WDに簡略化したカレラ 2、1991年に930ターボの3.2Lエンジン(320HP)を搭載したターボ、1993年に3.6Lターボエンジン(360HP)を搭載したターボ 3.6などが追加されました。1992年のマイナーチェンジでホイールなどの外観が変わりました。この当時は高性能エンジンを搭載した日本車などが台頭し、スポーツカー市場でのポルシェの優位性はかつてほどではなくなりました。1993年に4代目の993型にモデルチェンジしました。
ミニカーは1992年に発売されたビテス製の当時物です。この当時のビテスは子供向けではない大人のマニア向けのミニカーとしてのブランドを確立していました。このポルシェ 964もプロポーションが良くマニア向けのミニカーとしてレベルの高い出来ばえでした。(ただライト類などの細部については現在の最新ミニカーと較べると見劣りしますが) ビテスはバリエーションでレース仕様など964を30車種以上モデル化していました。バリエーション展開の車種が多いのもビテス後期の特徴でした。当時物ミニカーとしてはNZG、シャバックのカブリオレ、ミニチャンプスなどがありました。当時物以外ではオートアートの1/18、ソリドの1/18、スパーク(レジン製)のレース仕様、VISION(レジン製)などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)