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メルセデス ベンツ LP1920 フルトレーラー ドイツ 1963年
メルセデス ベンツ LP1920は1963年に登場した戦前のL5 トラックの流れをくむ大型トラックです。LP1920のLPはキャブオーバー型、19は車両総重量(GVW)が19t、20はエンジン出力200HPを示します。この当時のメルセデス ベンツの大型トラックはキャブオーバー型が標準となり、他社も追随したことから、1960年代以降のヨーロッパでは大型トラックはキャブオーバー型が一般的になりました。なおアメリカでは道路事情が違う(道が広い)ことなどから、マックやケンウォースに代表されるボンネット型大型トラックに人気があります。
小型トラックでは、1950年に登場したフォルクスワーゲン T1の成功に対抗して、メルセデス ベンツは戦前のL1/L3トラックの流れをくむL319を1955年に登場させます。L319はキャブオーバー型で、180Dの4気筒1.8L(43HP)ディーゼルエンジンを搭載した後輪駆動車でした。最大積載?は1.5/1.8tで、ガソリンエンジン仕様も追加され、パネルバン、トラック、ミニバス、消防車など多くのボディ形式がありました。(実車画像→ メルセデス ベンツ L319)
1970年代にL319よりも小型の商用車として、ハノマーク ヘンシェル社の商用車をベースにしたL206とDKW社の商用車をベースにした前輪駆動車のN1000(後にMB100)が追加されました。1967年にL319は短いノーズを持つT2シリーズ(L406/408など)に変わり大型化されていきました。1977年にはL206が短いノーズを持つT1シリーズ(L207/307など)に変わりました。小型トラックが短いノーズを持つデザインになったのも、メルセデス ベンツがその流れを作ったようです。(衝突安全性向上などが理由でしょう) 1995年から各シリーズに名前が付けられるようになり、一番大型のT2シリーズはバリオ(VARIO)、T1シリーズはスプリンター(SPRINTER)、MB100シリーズはヴィト(VITO)となりました。(実車画像→ メルセデス ベンツ L206) (実車画像→ メルセデス ベンツ N1000) (実車画像→ メルセデス ベンツ L207)
ミニカーは1967年に発売されたディンキー(英)の当時物です。大型トラック LP1920にトレーラーを連結したフルトレーラー仕様をモデル化しています。縮尺1/43なので連結状態で全長392㎜とかなり大きなサイズになっています。ディンキーらしいがっちりとした作りで、ヘッドライトがバンパーに組込まれた特徴的なデザインのキャブが再現されています。ドアの開閉、荷台後部パネルの開閉、幌の脱着ができます。トレーラーとの連結方法は簡単な差し込み式で、頑丈な金属パーツでできています。当時のトラックのミニカーにはもう少し出来の良いテクノ製がありましたが、ディンキーのトラックも独特の魅力がありました。最近の国産ミニカーにはこの類の商用車が少ないのですが、外国産ミニカーには昔から出来の良い商用車がたくさんありました。(最近の物は結構な値段がしますが) 上述したメルセデス ベンツの商用車はシュコー、ブレキナ、ブッシュなどがフルトレーラー/トラック/バン/消防車など非常に多くの種類をモデル化しています。(ヨーロッパにはこの類の商用車マニアが多いようです) 以下はフロント/リアの拡大画像と幌を外した荷台の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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メルセデス ベンツ 230SL ハードトップ (W113) ドイツ 1963年
1963年にメルセデス ベンツ 190SLの後継車として230SLが登場しました。190SLをベースにして、スリー ポインテッド スターの大きなロゴを配したフロントグリルを持つスポーティなデザインにボディを一新していました。ソフトトップとオプションの脱着式ハードトップを備えた2シータークーペと、シート背後のソフトトップ収納部を折畳み式ベンチシートに変えた2+2シーター ロードスター(カリフォルニア クーペと呼ばれる)がありました。屋根の中央部分がへこんだ独特の形状のハードトップはパゴダルーフ(PAGODA ROOF)と呼ばれました。
エンジンは220系の2.2Lを2.3L(150HP)にボアアップしたもので、最高速200km/hと高性能でした。1966年に排気量が2.5L(150HP トルクアップ)に拡大された250SLが登場し、1967年に排気量が2.8L(170HP)の280SLに発展しました。この230SLから始まったSLクラスはパーソナルな高級スポーツカーとしての地位を確立していきました。280SLは1971年まで生産され、230SLからの総生産台数は約49000台でした。後継車は350SL(R107)でした。
ミニカーは1964年に発売されたディンキー(フランス)製の当時物です。全体的にやや細身にデフォルメされていますが、当時のミニカーとして良い出来ばえでした。ボンネットとトランクが開閉するギミック付きです。リアルに再現された独特な形状のハードトップ(パゴダルーフ)は実車同様に取り外すことが出来ます。230SLは人気が高かったので当時物のミニカーがたくさんありました。テクノ、メルクリン、ガマ(1/37)、ジク(SIKU 1/60)、マーキュリー、ポリトーイ、スポットオンなど当時の主要なミニカーブランドのほとんどがモデル化していました。最近のミニカーではミニチャンプス、ノレブの1/18、シュコーの1/43と1/72、イクソとその型を使った国産名車コレクションなどがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ポルシェ 356C クーペ ドイツ 1963年
1948年に登場したポルシェ 356は1963年に最終型の356Cとなりました。4輪ディスクブレーキが採用され、サスペンション設定が変更されました。356Cの性能は1.6L(75HP)エンジン搭載車で最高速175km/h、2L(130HP)エンジンを搭載したカレラでは最高速200km/hでした。大衆車フォルクスワーゲン ビートルをベースにして生まれたポルシェ 356は、当初はスポーティなツーリングカーでしたが、長い間に熟成されて第一級のスポーツカーに変わりました。
1963年に後継車のポルシェ 911が発表され翌年から発売され、356Cは1965年に生産中止となりました。356シリーズの総生産台数は約76000台でした。ポルシェは従来のスパルタンな軽量スポーツカー(イギルスのMGやトライアンフなど)とはひと味違った、居住性の良い高性能なスポーツカーというジャンルを確立させていきました。
ミニカーは1995年頃に発売されたブルム製です。356C クーペをモデル化していますので、同じブルム製の356と較べると、1962年から変更されたリアのエンジンカバー上のグリルの大型化、バンパー形状の変更などが反映されています。それ以外にはフロントウィンドー左端にラジオのアンテナとバックミラーが追加されていました。ブルムは356Cのカブリオレやポリス仕様もモデル化していました。ブルム以外の356Cのミニカーは、ミニチャンプス、シュコー、スパーク(レジン製)などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ポルシェ GT ルマン (718 RS61 GTR) ドイツ 1963年
ポルシェ 550は550RS、550RSKと発展し、1957年に後継車の718 RSK(RSはレースカー、Kはショートホイールベースの意)が登場しました。718 RSKは空冷水平対向4気筒1.5L(142HP)エンジンをミドシップ搭載した2座スパイダーで、5段変速で最高速250km/hの性能でした。デビュー戦の1957年ルマンではリタイアしていますが、1958年ルマンではクラス優勝(総合3位)するなど各種レースで活躍しました。(実車画像→ ポルシェ 718 RSK)
1960年のレギュレーション変更でウインドー面積を広げ、リアサスペンションを改良しエンジンを1.6L(160HP)に拡大した718 RS60が登場しました。1961年のレギュレーション変更でリアにトランクが追加され、718 RS61となりました。RS61からクーペ仕様が設定され、4気筒2L/8気筒2L(210HP)エンジンが追加されました。ルマン、タルガ フロリオ、ヒルクライムなど各種レースで活躍しました。1996年に登場したボクスター 初代は718 RS60 スパイダーをイメージしたデザインだとされています。
ポルシェは718 RSKを単座に改造した718 F2で、1957年からF2(フォーミュラ2)レースに参戦しました。(実車画像→ ポルシェ 718 F2) 1960年には改良型の787が登場し、同年にF2のコンストラクターズ チャンピオンを獲得するなど活躍しました。(実車画像→ ポルシェ 787 F2) 1961年にF1レースの搭載エンジンが1.5Lに変わったことでF1に参戦し、1962年には新開発の804(水平対向8気筒1.5L(180HP)エンジン搭載)が登場しました。804は1962年のフランス GP(ドライバー D.ガーニー)で優勝しました。(実車画像→ ポルシェ 804 F1)
ミニカーは1964年に発売されたソリド製の当時物です。発売時期から考えると1963年のルマンに出場した718 RS61 GTR クーペをモデル化していると思われます。ミニカーのゼッケン#8は該当車がなく、モデル化していると思われる718 GTR クーペのゼッケンは#27で、事故に巻き込まれてリタイアしています。ソリドは当時からセンスの良いリアルな造形が特徴で、60年前に作られたミニカーとしては良くできていました。サイドラインの抑揚が少しオーバーですが、これはソリド流のデフォルメです。ドアが開閉するギミック付きです。ソリドは同時期にポルシェ F2 (787)も型番117でモデル化していました。(ミニカー画像→ ソリド製 ポルシェ F2 (787)) これ以外のポルシェ 718/787/804のミニカーはオートアートの804 F1 1/18、ミニチャンプスの718 RS、スパーク(レジン製)の787 F2と718 RSなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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オペル レコード (レコルト) A ドイツ 1963年
前述した小型車オペル カデットに引き続き、中型車レコードも1963年にデザインを一新しレコード Aとなりました。ボディは大きくなり、カデットと同じようなシンプルで直線的なデザインでオペルとして統一されたスタイルとなっていました。当初はカデットと同様に2ドアセダンだけでしたが、後に4ドアセダン、ルーフを変えた2ドアクーペ、3ドアワゴン(バン)が追加されました。クーペには特注でカブリオレもあったようです。
レコード Aはサスペンションなどの主要な構造は先代のレコード P2を踏襲していました。エンジンは4気筒の1.5L(55HP)、1.7L(60HP)の2種類で、4段変速で最高速135km/h(1.7L)の性能でした。1964年に上級車のカピタンと同じ6気筒2.6L(100HP)エンジンを搭載し、最高速度160km/hのレコード L-6が追加されました。当時のレコード Aのドイツ国内のライバルはフォード タウナス 17Mでしたが、この両車は当時の中型車クラスで同じような販売実績でした。1965年にレコード B (2代目)にモデルチェンジしました。総生産台数は約88万台でした。
ミニカーは1964年に発売されたディンキー(仏)製の当時物です。1960年代のミニカーですのでグリルやバンパーが銀色の塗装処理となっていて素朴な出来ばえですが、プロポーション的にはかなり正確でスケールモデル的な作りとなっていました。ヘッドライトに黄色のラインストーンを使っているので、フランス仕様をモデル化しているようです。ドアが開閉するギミック付です。当時のミニカーは基本的には子供向けのおもちゃでしたが、ディンキー(仏)のミニカーは当時から既に大人のコレクターを念頭に置いた作りになっていたと思います。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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