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ジャガー SS 100 イギリス 1935年
ウイリアム ライオンズがサイドカー製造を行う「スワロー サイドカー カンパニー」を1922年に興したのがジャガー社の始まりでした。スワロー サイドカー カンパニー社は自動車のボディ製造を手がけ、大衆車オースチン セブンにアルミ製ボディを換装したオースチン セブン スワローは大成功しました。1933年に専用設計のシャシーを持つSSシリーズ(SS1、SS2など)を発売しこの車がヒットし、社名を「SS カーズ リミテッド」と変更しました。1935年にはエンジン、シャシー、ボディを自社開発したジャガー SS 100を発売しました。(実車画像→ ジャガー SS1)
ジャガー SS 100は6気筒2.7L(104HP)エンジンを搭載し、最高速は150km/hと高性能でした。なおSS 100の100には最高速が100mph(160km/h)という意味が込められていました。高級車ベントレーにも引けをとらない性能と見た目で、価格はその半額以下ということから高い人気を得ました。1937年には6気筒3.5L(125HP)エンジン搭載車が追加されて、この車は名前どうりの最高速100mphを達成しました。第二次世界大戦の勃発で1940年に生産中止となり、総生産台数は約300台と少数でした。
ミニカーは1988年に発売されたフランクリン ミント製です。フランクリン ミントの1/24のミニカーとしては初期の物になりますが、当時の量産大スケールミニカーでこれ以上に精密なミニカーはありませんでした。(その分値段も18000円と高価でした) ボンネット/ドアが開閉し、エンジン/シャーシ/サスペンションなどのメカ部分や室内もリアルに再現されています。(室内の床は起毛仕上げで、シートも柔らかいプラスチック製でリアルな質感です) 前輪はステアリングホイールと連動して操舵できます。それらのギミックは既にBブラーゴなどが1/24で実現していましたが、その仕上げレベルをもう一段階リファインさせたのがフランクリン ミントでした。このSS 100も最近の大スケールミニカーと比べてもあまり遜色がないほどの良い出来ばえでした。(最近の物より頑丈にできています) これ以外のSS 100のミニカーはディンキー(英)のビンテージ物、マッチボックス、Bブラーゴの1/18、ウエスタン モデル(ホワイトメタル製)、デルプラドの世界の名車シリーズなどがあります。以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ジャガー 2.5 サルーン (MK IV) イギリス 1935年
ジャガーのSSシリーズのSS1の後継車としてジャガー 2.5 サルーンが1935年に登場しました。同時にSSシリーズのSS2の後継車としてジャガー 1.5 サルーンも登場しました。SSカーズ リミテッド社として初めての4ドア セダンで、この車に初めてジャガーという名前が付けられました。2.5 サルーンは前述したSS 100と同じ自社開発した6気筒2.7L(104HP)エンジンを搭載し、セダンなのでシャシーはホイールベースが違っていましたが半楕円リーフの前後サスペンションなどはSS 100と同じでした。最高速はこのクラスのセダンとしては俊足の138km/hでした。ボディは当時の高級車ベントレーあたりをよりスポーティにした美しいデザインでした。
6気筒エンジンを搭載する既存メーカー高級車に劣らない装備や性能を持ちながら、半額ほどの価格であったのでこの車もヒットしました。1938年には3.5L(125HP)エンジンを搭載する3.5 サルーンが追加されました。第2次世界大戦の勃発で生産が一時中断されましたが、戦後の1945年に会社名が車名と同じジャガーとなり、1.5/2.5/3.5 サルーンは1948年まで再生産されました。この車の後継車がMK Vという名前となったので、2.5 サルーンと3.5 サルーンはMK IVと呼ぶようになりました。(実車画像→ ジャガー MK V)
ミニカーは2010年に発売されたオックスフォード製です。オックスフォードは2009年から輸入されるようになったイギリスの新ブランドで、老舗のコーギーのブランドであるバンガーズに似たノスタルジックな作風で、主に古いイギリス車をモデル化しています。このジャガー 2.5 サルーンも特別に凝ったところはありませんが、最近のミニカーとして良く出来ています。戦前のジャガー セダンの量販品ミニカーは今まで無かったので車種的には貴重です。戦後型のMK IVのミニカーはフランクリン ミントの1/43とCENTURY DRAGON(レジン製)があります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ジャガー MK IV イギリス 1946年
1945年に戦前型のジャガー 1.5/2.5/3.5 サルーンが再生産されてMK IVとして登場しました。なおこのMK IVという名前は当時の正式な名前ではなく、1948年に発表された後継車の名前が何故かMK Vとなったので、このモデルをMK IVと呼ぶようになったものです。したがってこのモデル以前のMK IからMK IIIというモデルは存在しません。また1955年に登場した小型車のMK Iも全くの別物です。(ジャガーの名前はややこしいのです)
エンジンは4気筒1.8L(65HP)、6気筒2.7L(105HP)、6気筒3.5L(125HP)の3種類がありました。ボディは戦前型とほとんど同じで、4気筒エンジン搭載車と6気筒エンジン搭載車はホイールベースが異なり、全長も4.39mと4.72mと違っていました。4気筒エンジン搭載車はセダンだけで、6気筒エンジン搭載車にはセダンとオープンのドロップヘッド クーペもありました。4段変速で6気筒エンジン搭載車の最高速は140km/hでした。1948年に後継車のMK Vが登場しました。 (実車画像→ ジャガー MK V)
ミニカーは1992年頃に発売されたフランクリン ミント製です。フランクリン ミントの1/43のクラシックカー「World`s Great Classic Cars」シリーズの1台で、ジャガー MK IVをモデル化しています。リアドアを開くと室内がそこそこ再現され、ボンネットを取外すと6気筒エンジンが再現されているなど凝ったつくりでした。またフロントグリル上のジャガーのマスコットも良くできています。ただフロントウインドーが小さめなのはデフォルメのやり過ぎで、プロポーション的には今一つでした。以下はフロント(マスコット拡大)/ボンネットを外したエンジンルームの画像とリアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ジャガー XK120 クーペ イギリス 1948年
第2次大戦中にジャガーは乗用車の生産を縮小し、軍用車の生産を行っていました。戦後の1945年には社名を「SSカーズ リミテッド」から「ジャガーカーズ リミテッド」に変更しました。1948年に発表されたXK120は戦後型としてはイギリス初のスポーツカーで、XKは新規開発したエンジンの形式名、120は最高速120マイル(193km/h)の意味でした。Xk120に搭載されたDOHC 6気筒3.5L(160HP)エンジンはその後4.2Lまで拡大され、1990年代まで長く使われました。Xk120の初期の約200台はアルミ製ボディで、その後はスチール製となりました。
ジャガー XK120は戦前のSS 100と同じく優れた性能と魅力的なデザインながら同等性能の車より安価だったので、アメリカ市場など世界中で大ヒットしジャガーの名声を確立しました。当初はオープンのロードスターだけでしたが、1951年にフィクスドヘッドクーペ(Fixed Head Coupe ハードトップ クーペの意)、1953年に折り畳めるソフトトップを持つドロップヘッドクーペ(Drop Head Coupe)が追加されました。1954年にXK140にモデルチェンジしました。XK120の総生産台数は約12000台で、そのほとんどがアメリカに輸出されました。
ミニカーは1984年に発売されたブルム製の初期物です。プロポーションが良く、1980年代のミニカーとしてはクロームモールの処理や室内の造形などが凝った仕上げで、当時としてはかなり良い出来ばえでした。ブルムはロードスターやレース仕様など20種類ほどのバリエーションがあります。当時物のミニカーではかなり古いものになりますが、ディンキー、コーギーなどがありました。当時物以外では、ウェスタンモデル(ホワイトメタル製)、シュコー、バンガーズ、オックスフォードなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ジャガー C タイプ イギリス 1951年
前述したようにジャガー XK120はその優れた性能と魅力的なデザインで、アメリカ市場など世界中で大ヒットし、ジャガーの名声を確立しました。ジャガーは自社のスポーティなイメージをさらに高める為、XK120をベースにしたレーシングカーでルマンに参戦することにしました。その目的で開発されたのがC タイプ(XK120C)で、1951年に完成しました。 XK120がベースとはいうものの、シャーシはラダーフレーム構造から鋼管スペースフレーム構造にかわり、リアサスペンションも変更されていました。総アルミ製ボディも別物ですが、フロントグリルとヘッドライトあたりにXK120のイメージをもたせたデザインになっていました。
この時代のルマン出場車は公道走行できたので、C タイプはルマンのサルト サーキットまで自走していったそうです。ジャガーの思惑通りに1951年ルマンでC タイプは初優勝しました。1952年ルマンでは空力を改善するために小型化したフロントグリルが冷却性を低下させ、オーバーヒートで全車リタイアしました。1953年ルマンでは、フロントグリルをもとに戻しエアスクープを追加してオーバーヒートを回避し、レーシングカー初のディスクブレーキを前輪に装着するなどしたC タイプ改良型が優勝しました。(実車画像→ ジャガー C タイプ 1953)
ミニカーは2003年に発売されたブルム製です。C タイプのストリート仕様車をモデル化しています。この頃のブルムは初期の物(前述したXK120など)に比べるとホイールやコクピットなど細部の仕上げレベルが上がり、かなり良い出来ばえになっていました。ブルムは1951年と1953年のルマン出場車など20種類ほどのバリエーションを作っていました。ブルム以外のC タイプのミニカーはトップモデル、オートアートの1/43と1/18、イクソ、CMCの1/18などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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