ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

MORRIS OXFORD BULL NOSE 1913 UK

MORRIS OXFORD BULL NOSE
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MORRIS OXFORD BULL NOSE


DINKY 477 1/38? 93㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.6m 全幅約1.5m エンジン 変速機: 4気筒 1018cc 16HP? 3段変速
性能: 最高速88km/h  データーベースでモーリス ブルノーズのミニカー検索

モーリス オックスフォード  ブルノーズ イギリス 1913年

 

 ウイリアム リチャード モーリス(William Richard Morris)は自転車製造からはじめバイク製造を経て、1912年に自身の頭文字を付けたWRMモータ社を興し4輪車製造に進出しました。1913年に開発した第1号車のオックスフォードは、会社の所在地のオックスフォード州に因んだ名前でした。オックスフォードは4気筒1Lエンジンを搭載する2座の小型車で、ほとんどの部品が他社製でモーリスでは組立だけを行ったそうです。1914年にクーペとバンが追加されました。この車は低価格ながら出来の良い車として好評で、フロントの丸みを帯びたラジエータ形状からブルノーズ(牛の鼻)と呼ばれるようになりました。

 

 1915年にアメリカ製の4気筒1.5Lエンジンを搭載したカウリー ブルノーズが追加されました。従来のブルノーズより大型化したので4人乗りが可能となり装備も充実しました。1919年にアメリカ製エンジンが入手できなくなったので、オックスフォード ブルノーズはライセンス生産したフランスのオチキス製の4気筒1.5L(12HP)エンジンに変更しました。その変更でオックスフォード ブルノーズは4人乗り、カウリー ブルノーズは2座の小型ボディだけになりました。オックスフォード ブルノーズとカウリー ブルノーズは1926年まで生産されました。第1次大戦後に価格を下げたカウリーがヒットし、モーリス社はオチキス社やウーズレー社を吸収合併してイギリス有数のメーカーになっていきました。

 

 

 ミニカーは1971年に発売されたディンキー(英)製です。ディンキー(英)のモーリス オックスフォードは型番476で1965年に発売されました。これはそれを流用した「Parsley's Car」という名前のキャラクター物ミニカーで、BBCのTV番組「The adventures of Parsley(パセリの冒険)」のキャラクター人形が付いていました。(人形は外して撮影しています) この「Parsley's Car」はキャラクター物ですのでカラーリングなどがやや玩具的ですが、モーリス オックスフォードの特徴であるブルノーズがうまく再現されているなど、当時のミニカーとしては良くできていました。1/43より大きめ(1/38ぐらい)のサイズで出来ていて、リアのトランクが開閉するギミックが付いています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

MORRIS OXFORD BULL NOSE 1
MORRIS OXFORD BULL NOSE 2

 以下は上述したBBCのTV番組「The adventures of Parsley(パセリの冒険)」のキャラクター人形ライオンのパセリ(Parsley)が付いた状態の画像です。このTV番組はコマ撮りの人形劇でライオンのパセリと彼の友人のディル ザ ドッグの冒険物語(コメディ)でした。(参照 YouTube動画→ The adventures of Parsley) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MORRIS OXFORD BULL NOSE 3

 以下は1964年に発売されたスポットオン製のモーリス カウリー ブルノーズ 1923 (1/42 型番266)の画像です。1923年式ですのでビンテージ期の車ですが、ブルノーズの後期型ということでここに載せています。イギリスのスポットオンはバスなどの大型車もすべて縮尺1/42で統一していたミニカーブランドで、当時としてはレベルの高いミニカーを作っていました。このカウリー ブルノーズも実車の雰囲気がうまく再現され、フェンダー上やウィンドースクリーン横の灯火類などの細部も良く仕上げてあり当時のミニカーとしてはかなり良い出来ばえでした。なおヘッドライトが付いていないのは欠品ではなく、左右の前フェンダー上の灯火がヘッドライトなのです。(実車画像→ モーリス カウリー ブルノーズ 1922) スポットオンのミニカーにはドライバーのフィギュアが付いている物が多いのですが、これにも当時のイギリス紳士らしい人物のフィギュアが乗っています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MORRIS COWLEY (BULLNOSE) 1
MORRIS COWLEY (BULLNOSE) 2

 以下はフロント/リアの拡大画像です。リアのランブルシート(折り畳み式の補助席)が開閉するギミックが付いています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MORRIS COWLEY (BULLNOSE) 3
MORRIS COWLEY (BULLNOSE) 4

 以下は1958年に発売されたマッチボックス製のモーリス カウリー ブルノーズ 1926 (1/50 型番Y08)の画像です。これも上記スポットオン製と同じカウリー ブルノーズの後期型をモデル化しています。マッチボックス初期のビンテージ物ミニカーで1980年代にコレクター仲間から譲ってもらったものです。縮尺1/50で全長64㎜ほどの小さなサイズですが、実車の雰囲気はうまく再現されています。またこんな昔のミニカーながらリアのランブルシート(折り畳み式の補助席)が開閉するギミックが付いているのが、昔のミニカーらしいところです。なお右前輪のタイヤが欠品していますが、無視してください。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MORRIS COWLEY (BULLNOSE) 5
MORRIS COWLEY (BULLNOSE) 6

 以下は1993年に発売されたマッチボックス製のモーリス カウリー ライト バン FULLERS 1929 (1/39 型番YGB04)の画像です。これはカウリーのパネルバン 1929年式ですのでブルノーズではないカウリーでビンテージ期の車ですが、カウリーの派生車ということでここにまとめて載せています。マッチボックスの「Great beers of world series」というビール会社関係の商用車をモデル化しているシリーズ(型番YGB**で24種類ほどある)の1台です。側面に表示されている「FULLER'S」とはイギリスの有名なビール会社「フラーズ社 グリフィン醸造所 」のロゴです。1/39と中途半端な縮尺なので1/43より少し大きいサイズで、緑/赤のカラーリングのボディに企業ロゴが綺麗に印刷されています。当時のカウリー ライトバンにこのボディ形状の実車が存在しますので、それを忠実にモデル化していて良く出来ています。(実車画像→ モーリス カウリー ライトバン) なおこの類の商用車のミニカーはそのカラーリングや企業ロゴを楽しむものでもあるので、その点でもこれは合格点です。マッチボックスはこの類の企業ロゴが付いたクラシックカーのパネルバンを数多くモデル化しています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MORRIS COWLEY LIGHT VAN 1
MORRIS COWLEY LIGHT VAN 2

モーリスのミニカー→ データーベースでモーリスのミニカー検索"

このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります

https://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=115

VAUXHALL PRINCE HENRY 1914 UK

VAUXHALL PRINCE HENRY
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VAUXHALL PRINCE HENRY


MATCHBOX Y02 1/47 90mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4m エンジン 変速機: 4気筒 3970cc 75HP 4段変速
性能: 最高速120km/h  データーベースでヴォクスホールのミニカー検索

ヴォクスホール プリンス ヘンリー イギリス 1914年

 

 蒸気エンジン製造会社であったヴォクスホール アイアンワークス社は、1903年に単気筒1Lエンジンを搭載する小型車5HPを開発して自動車製造に進出しました。その後小型/中型車のメーカーとして発展し、1906年には4気筒2.4Lエンジンを搭載した12-16HPが登場し人気を博しました。この車に採用されたボンネットの両肩部分が凹んだライン(フルート FLUTE:丸溝の意)となっているデザインはその後のヴォクスホール車のシンボルとして継承されることになりました。 (実車画像→ ヴォクスホール 12-16HP 1906)

 

 後に優れた自動車技術者となったローレンス ポメロイ(Laurence Pomeroy)が1907年にヴォクスホールに入社しました。主任技術者が不在だった為に、彼は新型車Aタイプ用の4気筒3Lエンジンの改良を任され、彼の改良したエンジンは高性能を発揮し、Aタイプは1908年のRACのトライアルレースで優勝しました。Aタイプはその後も速度記録を達成するなど、ヴォクスホール車の名声を高めました。Aタイプを改良したCタイプは1910年にドイツで開催されたプリンツ ハインリヒ トライアル レースで活躍したことでプリンス ヘンリーと呼ばれることになりました。その後改良されたDタイプ(25HP)やEタイプ(30-98)が市販されました。それらは各種レースで活躍しプリンス ヘンリーは当時最も優れたスポーツカーでした。高性能車を少量生産するヴォクスホール社は第1次大戦後には経営不振となり、1925年にアメリカのGMに買収されGM傘下となりました。

 

 

 ミニカーは1970年に発売されたマッチボックス製です。年式が1914年式となっているので、4気筒4L(75HP)エンジンを搭載したDタイプをモデル化しているようです。マッチボックスのYシリーズ(クラシックカー)は安価でしたので細部が簡素化されていますが、実車の雰囲気はうまく再現してありました。このプリンス ヘンリーもヘッドライトがラジエーターグリル横から生えているなどの簡素化がされていますが、V字型の鋭く尖ったノーズやヴォクスホールの特徴であるボンネットの凹んだライン(フルート)はちゃんと再現してあります。当時の定価は950円と安価で、値段相応ながら良く出来ていました。これ以外のプリンス ヘンリーの量産ミニカーは、2023年現在でも見当たらないのでその点では貴重なミニカーです。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

VAUXHALL 'PRINCE HENRY' 1
VAUXHALL 'PRINCE HENRY' 2

このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります

https://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=116

GARRETT 4CD SHOWMAN’S TRACTOR ’LORD GEORGE’ 1918 UK

GARRETT 4CD SHOWMAN’S TRACTOR ’LORD GEORGE’
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
GARRETT 4CD SHOWMAN’S TRACTOR ’LORD GEORGE’


CORGI 80306 1/50 103㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5m 車重 7t エンジン 変速機: 蒸気エンジン 4HP? 
性能: 最高速 不詳  データーベースで蒸気車のミニカー検索

ギャレット 4CD ショーマンズ 蒸気トラクター ’ジョージ卿’ イギリス 1918年

 

 1800年頃に実用化された蒸気機関は工場の動力用途だけではなく、農業においても脱穀や収穫物を運ぶために馬のかわりとして使われました。このような物を運搬する車は蒸気トラクターと呼ばれ、作業場所へ荷物を運搬し作業場所で発電機としても使われました。このギャレット製の蒸気車はその代表的な蒸気トラクターです。なおショーマン(SHOWMAN)とは興行師のことで、移動遊園地などを行う興行師がこの蒸気トラクターを使って回転木馬などの大型遊技施設を運んでいたとのことです。

 

 ギャレット社(RICHARD GARRETT&SONS LTD)は1778年に設立された農業機械、蒸気機関の製造メーカーで1932年まで存続しました。同社は農業機械の製作から始め、蒸気エンジン、蒸気トラクター、蒸気トラック、電動トロリーバス、ディーゼルエンジントラックなどを製造しました。4CD 蒸気トラクターは1907年からの21年間で514台が製造された同社で最も成功した蒸気トラクターでした。画像のミニカーの実車はイギリスの愛好者が保存している「ジョージ卿(LORD GEORG)」というニックネームが付いた車で、1918年に軍需用に製作されたそうです。その後1921年にショーマンに売却されて使用された後に放置され、1950年代にレストアされたもののようです。ショーマンが使っていたトラクターでしたので、明るい色のカラーリングで塗装され、装飾された屋根を支える支柱は真鍮製のパーツが使われていました。

 

 

 ミニカーは2005年頃に入手したコーギー製です。実在する蒸気トラクター「ジョージ卿」を忠実にモデル化しています。実車の雰囲気を再現する為に、真鍮製金具はプラスチック製パーツで再現していますがそれ以外は金属製パーツを使い、金属の質感が感じられる造形になっています。(金属でできているものをプラスチックで再現すると見た目は似ていても質感が違うのです) 前輪を操舵する為に使うと思われる床下の金属製チェーンやベルト駆動される発電機のプーリー/ベルトなどの細部がリアルに再現されていて、実によく出来ています。屋根の上に付いている黒い筒は停止中にエンジンを作動させる際に使用する延長煙突で、これを使って煙突を高くして煙突から出る煙が近くの人の迷惑にならないようにするものです。屋根に「GALLOPERS ON TOUR」「NEW DODGEMS ON TOUR」と表示されていますがGALLOPERSとは回転木馬、DODGEMSとはバンパーカー(遊園地によくあるぶつけて遊ぶカート)のことなので、この蒸気トラクターも移動遊園地の遊技施設の運搬に使われていたのでしょう。コーギーは同じような蒸気トラクターを20種類以上発売しています。同じようなミニカーはマッチボックスのYシリーズの1/68、オックスフォードの1/76などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

GARRETT 4CD SHOWMAN'S TRACTOR 'LORD GEORGE' 1
GARRETT 4CD SHOWMAN'S TRACTOR 'LORD GEORGE' 2

 以下は各部の拡大画像です。煙突の手前にあるのは発電機でエンジンのフライホイールからベルト駆動しています。発電機は屋台の照明などに使用されました。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
GARRETT 4CD SHOWMAN'S TRACTOR 'LORD GEORGE' 4
GARRETT 4CD SHOWMAN'S TRACTOR 'LORD GEORGE' 3

このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります

https://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=118

ATKINSON MODEL D STEAM WAGON 1918 UK

ATKINSON MODEL D STEAM WAGON
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ATKINSON MODEL D STEAM WAGON


MATCHBOX Y18 1/60 110㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約6.5m エンジン 変速機: 蒸気エンジン 70HP 
性能: 最高速約20km/h  データーベースで蒸気車のミニカー検索

アトキンソン モデル D 蒸気ワゴン イギリス 1918年

 

 蒸気ワゴンは蒸気エンジンで走行する荷物運搬用のトラックで、20世紀初頭に登場した最も初期のトラックでした。蒸気ワゴンは主にイギリスで使われ、イギリス以外の製造メーカーはほとんどなかったそうです。蒸気ワゴンの形式には、オーバータイプとアンダータイプの2タイプがありました。これは蒸気エンジンをシャーシの上に配置するか下に配置するかの違いです。オーバータイプは蒸気エンジンと横型蒸気ボイラーをシャーシの上に配置するので、蒸気機関車のような外観になりました。アンダータイプは縦型ボイラーの下に蒸気エンジンが配置されていました。

 

 アトキンソン社は1907年創業の商用車メーカーで創業当時は蒸気ワゴンの製造メーカーで、1970年頃に同業の商用車メーカーに買収されました。この蒸気ワゴンはアンダータイプで、運転席の真ん中にあるのが蒸気を発生させる縦型ボイラーで煙突が付いています。その蒸気で動作する蒸気エンジンは床下に配置されています。トラックの積載量は4tぐらいで、ミニカーの箱に書かれた説明によれば蒸気エンジンは2気筒で出力は70HP(300rpm)、最大積載時の最高速は12mph(約20km/h)だったとのことです。なおトルクは十分だったので変速機はほとんど必要なかったそうですが、2段変速機が付いたモデルもあったそうです。

 

 

 ミニカーは1985年に発売されたマッチボックス製のYシリーズです。アトキンソンの平ボディトラックを縮尺1/60でモデル化しています。荷台に表示された「BLUE CIRCLE PORTLAND CEMENT」とは実在したセメント会社です。運転席を巨大な縦型ボイラーが占拠していて、2気筒の蒸気エンジンはボディ床下中央にあり、そこから後輪(タイヤではなく鉄輪の付いたホイール)をチェーンで駆動する構造となっていました。運転席は冬は暖房?が効いたでしょうが、夏はさぞかし暑かったことでしょう。ミニカーは縦型ボイラーや床下の2気筒蒸気エンジンがリアルに再現されていて良く出来ています。Yシリーズにはバリエーションでアトキンソンの蒸気トラックが5種類ほどありました。蒸気ワゴン以外のアトキンソンの商用車はコーギーやオックスフォードがモデル化しています。 以下はフロント(室内)/リアの拡大画像と俯瞰/床下部分の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

ATKINSON MODEL D STEAM WAGON 1
ATKINSON MODEL D STEAM WAGON 2

 以下は1993年に発売されたマッチボックス製のアトキンソン 蒸気トラック 'SWAN' (1/60 型番YGB03)の画像です。上記と同じ蒸気ワゴンのバリエーションでボックスバンをモデル化しています。「THE SWAN BREWERY Co.LTD」とはオーストラリアの実在するビール会社です。商用車のミニカーは人目を引くカラーリングで会社のロゴが大きく表示されているので、乗用車にはない面白味があります。特にマッチボックスのクラシックカーの商用車はそのレトロなボディにも魅力がありました。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ATKINSON MODEL D STEAM WAGON 3
ATKINSON MODEL D STEAM WAGON 4

このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります

https://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=119

CROSSLEY DELIVERY TRUCK ’BEER LORRY’ 1918 UK

CROSSLEY DELIVERY TRUCK ’BEER LORRY’
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CROSSLEY DELIVERY TRUCK ’BEER LORRY’


MATCHBOX Y26 1/47 98㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.6m 全幅約1.7m エンジン 変速機: 4気筒 4.5L 40HP 4段変速
性能: 最高速90km/h  データーベースでクロスレイのミニカー検索

クロスレイ デリバリー トラック ’BEER LORRY’ イギリス 1918年

 

 イギリスのマンチェスターでクロスレイ兄弟が1867年に設立したクロスレイ ブラザーズ社はポンプや小型蒸気エンジンを製造していました。同社は1880年から内燃エンジンのライセンス製造を始め、1903年から自動車の生産を開始しました。1906年に車両製造部門としてクロスレイ自動車(CROSSLEY MOTOTS Ltd)が設立され、1910年から独立した会社になりました。1909年に登場した4気筒エンジンを搭載したクロスレイ 20HP(1912年から20/25HP)はイギリス軍の軍用車として採用され、ほとんどが軍用車(スタッフカー、軽トラック、救急車)として第1次大戦中に使われました。(民生用の乗用車もありましたが) 同社は第1次大戦後の1920年代にはバス製造に主軸を移しました。

 

 第2次大戦中は再び軍用車製造に専念することになりました。第2次大戦後の1945年にバス製造を再開しましたが、バス以外の車両は製造しませんでした。同社は単独での存続が出来ないと判断し、1940年代後半に同業のバス製造メーカー AEC(Associated Equipment Company)による買収に同意しました。クロスレイの工場での生産は1958年に終了しました。なおクロスリー ブラザーズ社は大型エンジンを製造するプレミア ガス社を買収して1935年にクロスレイ プレミア エンジン社に改名するなどして、現在はロールスロイス パワー エンジニアリング グループの一員となっています。

 

 

 ミニカーは1984年頃に発売されたマッチボックス製です。上述したクロスレイ 20/25HPのトラックをモデル化しています。マッチボックスのクラシックカーのミニカー Yシリーズ(YESTERYEAR SERIES 型番Y**)は、他のメーカーがモデル化していないユニークな車種を安価でモデル化していて、これもその1台でした。マッチボックス流のコストダウンでフロントグリル枠とヘッドライトを一体成型してあるなど細部が簡素化されていますが、実車の雰囲気はうまく再現されています。また運転席周りもそこそこ良く再現してあります。荷台に積んでいるのはドイツのビール レーベンブロイ(LOWENBRAU)の樽ですが、レーベンブロイのロゴ(獅子)が綺麗に印刷されています。マッチボックスは同じ型で数種類のバリエーションを発売しています。それ以外のクロスレイの量産ミニカーはコーギーの2階建てバス 1/76などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

CROSSLEY DELIVERY TRUCK 'BEER LORRY' 1
CROSSLEY DELIVERY TRUCK 'BEER LORRY' 2

 以下は1975年に発売された同じマッチボックス製のクロスレイ RAF テンダー (1/47 型番Y13)の画像です。上述したイギリス空軍RAF(Royal Air Force)で採用された軽トラック(テンダー)をモデル化しています。幌に赤十字のマークがついていますので、救急車仕様なのでしょう。RAF テンダーはクロスレイ車としては一番有名なモデルなので、Yシリーズではクロスレイ車として最初にモデル化されていました。(これ以外のトラックは後から発売されたバリエーションでした)  (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CROSSLEY RAF TENDER 1
CROSSLEY RAF TENDER 2

 以下は1979年に発売された同じマッチボックス製のクロスレイ トラック 'Coal & Coke' (1/47 型番Y13)の画像です。これも上記のバリエーションで、Coal & Coke(石炭とコークス)を積載したトラックに仕立てています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CROSSLEY TRUCK 'Coal & Coke' 1
CROSSLEY TRUCK 'Coal & Coke' 2

このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります

https://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=2062

 

ページ  « 前へ 1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  ...49 次へ »

 

 

 

当サイト掲載記事の無断転載を禁じます。
Copyright(C) 2004-2024 MINIATURECAR MUSEUM All rights reserved.