ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

FERRARI 250 GTO 1962 ITALY

FERRARI 250 GTO
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FERRARI 250 GTO


BBURAGO 3011 1/18 242㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.32m 全幅約1.67m エンジン 変速機: V型12気筒 3L 300HP 5段変速
性能: 最高速254km/h  データーベースでフェラーリ 250 GTOのミニカー検索

フェラーリ 250 GTO イタリア 1962年

 

 1961年にGTカーレースにチャンピオンシップが導入され、そのレース用に開発されたのがフェラーリ 250 GTOでした。GTOとは(Gran Turismo Omologato(GTのホモロゲーション))の意味でした。250 GTOは250 SWBのボディを空力的にリファインして総アルミ製に変更し、250TR用に改良したV型12気筒3Lエンジン(300HP)を搭載した特別な車でした。250 GTOは約40台程しか製作されませんでしたが、250 SWBの製作台数と合算することでGTカーとして認証されました。(当時の規定ではボディ形状が同じでなくても同じ車としてカウントされたのです)

 

 250 GTOはGTカーレースで好成績を収めました。250 GTOの後継車として1963年に250 LMが開発されましたが、250 LMはエンジン搭載位置が異なることから250のGTカークラスとして認証されませんでした。そこでフェラーリは1964年シーズン用に、既存の250 GTOに新たなボディを架装した 250 GTO/64(シリーズ II)を開発しました。この車の活躍でフェラーリは1962年から3年間連続してGTカーチャンピオンシップを獲得しました。 (実車画像→ フェラーリ 250 GTO/64) 250 GTOは2018年のオートオークションで約50億円で落札されていて、世界で最も希少価値のある車といわれています。

 

 

 ミニカーは1984年に発売されたBブラーゴ製です。Bブラーゴは1974年にイタリアで設立されたミニカーメーカーのマートイ(MARTOYS)が1976年に改名したブランドで、1/24と1/18の大ケールミニカーのパイオニア的なブランドでした。この250 GTOはブラーゴがダイアモンドシリーズと称していた縮尺1/18の高級なミニカーでした。当時の定価は6800円(現在の約2万円相当)と高価でしたが、その値段に見合った当時としてはかなり出来の良いミニカーでした。ボンエット/ドア/トランクが開閉するギミック付きで、床下のシャーシやサスペンション、エンジン、室内などが結構リアルに再現されています。ただ40年以上も前のミニカーですから、ワイパーやミラーが付いていないなど現在のオートアート並みというわけではありません。以下はフロント/リアの拡大画像とトランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変わります)

FERRARI 250 GTO 1
FERRARI 250 GTO 2

 以下はボンネットを開いたエンジンルームの画像と車体床下部分の画像です。ボンネットは実車同様に固定金具のロックを外してから開けるといった凝りようで、FERRARIのロゴが付いたエンジンが再現されています。床下部分には変速機/サスペンションなどが結構リアルに再現されていて、前輪はステアリングホイールと連動した操舵が可能です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変わります)
FERRARI 250 GTO 3
FERRARI 250 GTO 4

 以下はドアを開いた室内の画像とボックスモデルの1/43のフェラーリ 250 GTOと並べた画像です。室内は当時のこのサイズのミニカーとしては良く再現されています。1/18サイズのミニカーは1/43サイズのミニカーの約2.5倍でかなり大きいです。1/18や1/24のミニカーは大きいので迫力があって面白いですが、いかんせんコレクションするには収納する場所をとりすぎるのが難点です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変わります)
FERRARI 250 GTO 5
FERRARI 250 GTO 6

 250 GTOの当時物ミニカーはありません。当時物以外のミニカーとしては、古いものではボックスモデル、バン(BANG ボックスモデルの後継ブランド)、ソリド、コーギーなど、最近のものでは、マテル、京商の1/18と1/43と1/64、イクソ、ブルム、CMCの1/18などたくさんあります。 以下は1984年に発売されたボックスモデル製のフェラーリ 250 GTO (1/43 型番8401)の画像です。1980年代のミニカーとしてはリアルな造形でかなり良い出来ばえのミニカーです。プロポーションが良くフロント周りの造形など実車の雰囲気がうまく再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変わります)
FERRARI 250 GTO 7
FERRARI 250 GTO 8

 以下は1985年に発売されたソリド製のフェラーリ 250 GTO (1/43 型番4507)の画像です。サイドビューの抑揚を強調したソリドらしいセンスの良い造形で、これも当時のミニカーとしてはよく出来ていました。ドアが開閉するギミック付きです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変わります)
FERRARI 250 GTO 9
FERRARI 250 GTO 10

 以下は1991年頃に発売されたコーギー製のフェラーリ 250 GTO (1/43 型番D739)の画像です。1990年代のミニカーですが、コーギーのマニア向けに昔のコーギー流のややレトロな作風でモデル化されています。プロポーションが良くこれも実車の雰囲気がうまく再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変わります)
FERRARI 250 GTO 11
FERRARI 250 GTO 12

 以下は1992年に発売されたジョエフ製のフェラーリ 250 GTO/64 (1/43 型番7202)の画像です。250 GTO/64(シリーズ II)をモデル化しています。ジョエフが数車種だけモデル化した1/43サイズで精密さを売り物にしたシリーズの1台です。プロポーションが良くあまりモデル化されていない250 GTO/64の外観がうまく再現されていると思います。(フロント周りの造形はレース毎に異なるようですので、多少の違いはありますが) ボンネット/ドア/トランクが開閉するギミック付きです。このミニカーの見せ所はエンジンやサスペンションなどのメカ部分の再現ですが、このサイズとしてはかなりリアルに再現され、室内もそこそこ良く再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変わります)
FERRARI 250 GTO 64 1
FERRARI 250 GTO 64 2

 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。「FERRARI」ロゴの付いたエンジン、赤いハイテンションコード、オイルフィルター、ホーンなどが再現されています。なおラジエーターが見えませんが、ラジエーターはノーズ先端の下側にあり、床下部分の画像で確認できます。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変わります)
FERRARI 250 GTO 64 3
FERRARI 250 GTO 64 4

 以下は床下部分の拡大画像です。エンジン/変速機/ドライブシャフトやサスペンションなどがかなりリアルに再現されてます。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変わります)
FERRARI 250 GTO 64 5

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FERRARI 158 F1 1964 ITALY

FERRARI 158 F1
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FERRARI 158 F1


BRUMM R290 1/43 89㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4m 全幅約1.5m エンジン 変速機: DOHC 8気筒 1.5L 210HP 6段変速
性能: 最高速270km/h  データーベースでフェラーリ 158 F1のミニカー検索

フェラーリ 158 F1 イタリア 1964年

 

 156 F1の後継として158 F1が1964年に登場しました。156 F1後期型がベースで、エンジンはV型8気筒1.5L(210HP)で、ボッシュの燃料噴射を採用していました。ノーズ左右のNACAダクトと空色に塗られたホイールが外観上の特徴です。(鋳造マグネシウム製ホイールは酸化されやすくので強度保持の為塗装されていました) バンク角180度(水平対向)のV型12気筒エンジン(225HP)を搭載する1512 F1も同時に開発されました。(1512とは1.5L12気筒の意) このエンジンは後の365 BBなどのミドシップ スポーツカーで使われたエンジンのベースとなりました。

 

 1964年シーズンはフェラーリ、ロータスBRMの3チームが競う展開でした。フェラーリはJ.サーティースのドライブでドイツ GPとイタリア GPで2勝し、オーストリア GPでは156 F1が1勝し、フェラーリはドライバーとコンストラクターの2冠を獲得しました。なおフェラーリは競技運営上のトラブルで競技ライセンスを返上した為、終盤のアメリカ GPとメキシコ GPでは、ワークスではないアメリカのNARTチームとして参加しました。 1965年シーズンはロータス 33が圧倒的に強く、フェラーリ 158 F1は1勝もできませんでした。1966年に後継車の312 F1が登場しました。

 

 

 ミニカーはブルム製で、1999年頃発売されました。1964年のイタリアGP 優勝車(ドライバー J.サーティース)をモデル化しています。ブルムのF1 ミニカーもこの頃には、コクピットのインパネやエンジン部などの細部が初期に比べるとまずまずの良い出来ばえになりました。ブルムはバリエーションでアメリカのNARTチームが使ったカラーリングが赤ではない158 F1と1512 F1もモデル化しています。それ以外の158 F1のミニカーはイクソ、マテルなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像とコクピット/俯瞰の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FERRARI 158 F1 1
FERRARI 158 F1 2

 以下は1999年に発売された同じブルム製の158 F1 1964年 (1/43 型番R291C)の画像です。メキシコ GPで6位となった#18号車(ドライバー P.ロドリゲス)をモデル化しています。上述したようにこの車はフェラーリのワークスではなくアメリカのNARTチームとして参加していましたので、ボディカラーが赤ではありません。このレースでは158 F1の#7が2位、#8が3位となっていますが、それもブルムがモデル化しています。 (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FERRARI 158 F1 1
FERRARI 158 F1 2

 以下は1999年に発売された同じブルム製の 158 F1 1965年 (1/43 型番R296)の画像です。イタリア GPでリタイアした#6号車(ドライバー N.バッカレラ)をモデル化しています。上記の型番290と同じ158 F1ですが、エンジン上部のカバーなどが違っています。エンジン上部に8本の吸気管があり8気筒エンジンであることが分かります。 (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FERRARI 512 F1 1
FERRARI 512 F1 2

 以下は1999年に発売された同じブルム製の 1512 F1 1965年 (1/43 型番R298)の画像です。こちらはイタリア GPでリタイアした#8号車(ドライバー J.サーティース)をモデル化しています。上の158 F1と同じように見えますが、エンジン上部に12本の吸気管があり12気筒エンジンを搭載していることが分かります。エンジン下の排気管の部分も変更されています。 (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FERRARI 512 F1 1
FERRARI 512 F1 2

フェラーリ 1512 F1のミニカー →データーベースでフェラーリ 1512 F1のミニカー検索

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FERRARI 275 GTB 1964 ITALY

FERRARI 275 GTB
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FERRARI 275 GTB


POLITOYS 540 1/43 101㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.37m 全幅約1.7m エンジン 変速機: DOHC V型 12気筒 3.3L 300HP 5段変速
性能: 最高速260km/h  データーベースでフェラーリ 275のミニカー検索

フェラーリ 275 GTB イタリア 1964年

 

 フェラーリ 250シリーズは1964年からV型12気筒3.3L(260HP)エンジンを搭載する275シリーズに切り替わりました。(275とは1気筒の排気量が275㏄の意) ロングノーズ/ショートデッキのボディはピニンファリーナのデザインで、2ドアクーペのGTB(GRAN TURISMO BERLINETTA)とオープンのGTS(GRAN TURISMO SPIDER)がありました。275シリーズはトランスアクスル方式(変速機をリアのデフギアと一体化した構造で前後輪重量配分が向上)と全輪独立懸架をフェラーリのロードカーとして初めて採用しました。またレースカーをベースとせず、最初からロードカーとして遮音などを考量して設計されたので、居住性が向上していました。

 

 1966年にはフェラーリのロードカーとして初めてエンジンがDOHC化され、吸排気バルブを駆動する4カムを意味する4が追加されて名前がGTB/4となりました。エンジン出力は300HPにパワーアップし、最高速は260km/hでした。エンジン変更でボンネット中央にわずかな膨らみ(パワーバルジ)が追加され、フロントの空力特性改善の為ノーズが少し長くなりフロントグリルが小さくなりました。1968年まで生産され、275シリーズの総生産台数は約900台でした。後継車は1968年に登場した365 GTBでした。

 

 

 ミニカーは1968年に発売されたポリトーイ製Mシリーズの当時物です。キャビン部分を小さめにしたポリトーイ流のデフォルメがされているので、ミニカーとしてはかっこいいのですが、実車と比べるとフェンダーラインより下の部分のボリュームがやや大きすぎます。ボンネット/ドア/トランクが開閉するギミック付きです。ポリトーイのMシリーズはエンジンなどのメカをリアルに再現しているのが特長で、この275 GTBも12気筒エンジンがリアルに再現されています。購入してから50年以上経過していますが、ボディは新品同様の艶があり、当時の塗装技術が優れていたことが分かります。

 子供の頃から実車とプロポーションが異なるこのミニカーを見慣れているので、実車の写真を見て「ミニカーに実車が似ていない」という変な感覚を生んでしまう程、私はこのミニカーに格別の魅力を感じています。こんな具合にミニカーには実車の魅力を別にしてミニカー独自の魅力が生じることがあり、その点では実車を正確にスケールダウンしたスケールモデルとデフォルメしたミニカーには違いがあります。(ただし最近のミニカーはほとんどがスケールモデルですが) フェラーリ 275の当時物ミニカーはディンキー、エディルトイ、ノレブ、ジク(SIKU)などがありました。当時物以外ではボックスモデル、アートモデル、ベストモデル、イクソ、Bブラーゴなどがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームとリア(トランク開閉)/の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FERRARI 275 GTB/4 1
FERRARI 275 GTB/4 2

 以下は1986年頃に発売されたボックスモデル製のフェラーリ 275 GTB/4 (1/43 型番8416)の画像です。イタリアのボックスモデルは主にスポーツカーをモデル化していましたが、1980年代当時のミニカーとしては細部までリアルに仕上げてあってかなり良い出来ばえでした。これは275GTB/4をモデル化していますので、ボンネット中央のパワーバルジやフロント周りの造形が275GTBとは違っています。(上記のポリトーイ製の275GTBと見比べると違いが分かります) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FERRARI 275 GTB/4 3
FERRARI 275 GTB/4 4

 以下は1986年頃に発売されたボックスモデル製のフェラーリ 275 GTB/4 スパイダー (1/43 型番8428)の画像です。これは上記の275 GTB/4をベースにしたバリエーションです。スパイダーはアメリカ市場向けに欠かせないモデルでした。275シリーズのスパイダー 275 GTSは275 GTBから屋根を外しただけのデザインではなくGTBとは異なるリアデザインでした。このミニカーはGTBから屋根を外しただけのデザインですので、GTSではなくGTB スパイダーと呼ばれたアメリカ独自仕様車をモデル化しています。オープンカーなのでよく見える室内もそこそこ良く仕上げてあります。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FERRARI 275 GTB SPIDER 1
FERRARI 275 GTB SPIDER 2

 以下は2000年頃に発売されたベストモデル製のフェラーリ 275 GTB/4 エンツォ フェラーリ 所有車 (1/43 型番9167)の画像です。ベストモデルは1991年にボックスモデルから分離したブランドで、現在はM4社のブランドです。フェラーリ創業者 エンツォ フェラーリが所有していた275 GTB/4をモデル化しているようです。上述したボックスモデルの物をベースにして、細部をよりリアルに仕上げたものです。ホイールとワイパーがエッチングメタル製のよりリアルなものに変更され、フロントの小さなウインカーや室内など細部の仕上げレベルも向上しています。275 GTBの1/43量産ミニカーとしては2022年現在でもベストに近い出来ばえであると思います。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FERRARI 275 GTB/4 5
FERRARI 275 GTB/4 6

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FERRARI 275 GTB/4 7
FERRARI 275 GTB/4 8

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FERRARI 250 LM 1965 ITALY

FERRARI 250 LM
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FERRARI 250 LM


BOX MODEL 8445 1/43 98㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.27m 全幅約1.7m エンジン 変速機: V型12気筒 3.3L 305HP 5段変速
性能: 最高速290km/h  データーベースでフェラーリ 250 LMのミニカー検索

フェラーリ 250 LM イタリア 1965年

 

 1950年代後半のF1 レースでは、クーパーのミドシップエンジン方式がその優位性を示していました。フェラーリは1961年にミドシップエンジン方式を156 F1で採用し、レース用スポーツカーでは1961年にディノ 246 SP(V型6気筒2.4Lエンジン搭載)で採用しました。ディノ 246 SPは、1963年にV型12気筒3Lエンジンを搭載する250Pに発展し、250Pは1963年のセブリング、ルマンなどで優勝し、マニュファクチャラー チャンピオンを獲得しました。(実車画像→ フェラーリ 250P)

 

 フェラーリ 250 GTOの後継車として、250Pをベースにしてルーフと内装を追加したGTカー仕様の250 LMが1963年に開発されました。しかし250 LMはGTカークラス認証に必要な台数が生産できず、プロトタイプクラスとなりました。250 LMの最初の1台は3Lエンジンを搭載していましたが、それ以外は3.3Lエンジンだったので275 LMとも呼ばれました。(数字は1気筒分の排気量を示します) 250Pは1964年に275P(3.3Lエンジン)/330P(4Lエンジン)に発展し、同年のセブリング、ニュルブルクリング、ルマンで優勝しました。1965年のルマンでは250 LMが優勝しました。

 

 

 ミニカーは1988年頃に発売されたボックスモデル製です。1980年代に創業したイタリアのボックスモデルは現在のベストモデルの前身でしたが、ボックスモデルが製作していたミニカーは当時としてはかなり良い出来ばえでした。これは1965年のアメリカのブリッジ ハンプトン 500㎞で8位となった250 LM #69をモデル化しています。独特な形状のリアカウルの造形など実車の雰囲気が良く再現されています。今見るとホイールの出来がやや安っぽいですが、当時はこれが普通でした。ボックスモデルは250 LM プローバ(PROVA:テスト車)やレース仕様など数種類のバリエーションを作っていました。250 LMの当時物ミニカーは、コーギー、ポリトーイ、マーキュリーなどがありました。当時物以外ではベストモデル、Bブラーゴ、マテルの1/18、イクソ、京商の1/64、ルックスマート(レジン製)などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FERRARI 250 LM 1
FERRARI 250 LM 2

 以下は1967年に発売されたポリトーイ製Mシリーズの当時物 フェラーリ 250 LM ピニンファリーナ (1/43 型番525)の画像です。これは250 LMのレースカーではなく1965年に1台だけ製作されたロードカー仕様をモデル化しています。(実車画像→フェラーリ 250LM ピニンファリーナ スペシャル) 上述したレースカー仕様とはリアカウルの形状が大幅に異なっていて、ロードカーなのでバンパーが付いています。当時のミニカーとしては良く出来ていて、当時のポリトーイが売りにしていたギミックを満載しています。フロントパネル/ドア/リアカウルが開閉し、さらにルーフパネルとリアフェンダーに付いた燃料注入口のカバーまで開閉します。(ルーフパネルが持ち上がるのは昇降し易くする為) エンジンや室内などの細部も良く再現されています。以下のサイドビューで燃料注入口カバー/ルーフパネル/ドアの開閉動作がご覧になれます。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FERRARI 250 LM 3
FERRARI 250 LM 4

 以下はフロント/フロントパネル開閉の画像とリア/リアカウルを開いたエンジンルームの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FERRARI 250 LM 5
FERRARI 250 LM 6

 以下は1966年頃に発売されたマーキュリー製の当時物 フェラーリ 250 LM (1/43 型番39)の画像です。イタリアのマーキュリーは本業は自動車会社向けのダイキャスト部品のメーカーで、副業で玩具(ミニカーだけではない)も作っていたようです。副業とはいえ同社が作るミニカーは当時としてはかなり良い出来ばえでした。(自動車マニアの方がモデル化を担当していたのでしょう) この250 LMも実車の雰囲気がうまく再現されています。ドア開閉ギミック付きで、リアカウルを外すと上記のポリトーイ製と同様にエンジンが結構リアルに再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FERRARI 250 LM 7
FERRARI 250 LM 8

 以下はフロント/リアの拡大画像とリアカウルを取り外したエンジンルームの画像です。ヘッドライトが黄色に見えるのは、フランス仕様という訳ではなく、ヘッドライトを固定する接着材が劣化して黄色に見えているようです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FERRARI 250 LM 9
FERRARI 250 LM 10

 フェラーリ 250P/275Pのミニカーはイクソ、ジョリー、アートモデルなどがあります。→データーベースでフェラーリ 250P/275Pのミニカー検索

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FERRARI DINO BERLINETTA PININFARINA 1965 ITALY

FERRARI DINO BERLINETTA PININFARINA
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FERRARI DINO BERLINETTA PININFARINA


POLITOYS 536 1/43 97㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.2m 全幅約1.7m エンジン 変速機: DOHC V型8気筒 2L 217HP 5段変速
性能: 最高速 不詳  データーベースでフェラーリ ディノ ピニンファリーナ のミニカー検索

フェラーリ ディノ ベルリネッタ ピニンファリーナ イタリア 1965年

 

 1965年のパリ サロンで公開されたフェラーリ ディノ (ディーノ) ベルリネッタは、2年後の1967年に登場したディノ 206 GTのプロトタイプでした。デザインはピニンファリーナによるもので、ミドシップエンジン故に実現できた極めて低いノーズとその先端に配置したプレクシグラスカバー付のヘッドライトが特徴でした。キャビン後方からリアエンドまで伸びたラインはピニンファリーナならではの優雅なデザインでした。またリアウインドーを垂直にしたことは、エンジン音が室内にこもることを防ぐとともに排熱にも有利になっていました。1966年に一般的なヘッドライトが付いた量産型のプロトタイプが公開され、ほぼそのままのデザインでディノ 206 GTとなりました。

 

 ディノをベースにしたプロトタイプとしては1967年のトリノ ショーで公開されたディノ コンペティツィオーネも有名でした。それはレーシングカーをイメージしたショーカーで、抑揚の強いダイナミックなボディ、ガルウイング式ドア、車体前後に装備したスポイラーが特徴でした。漫画「サーキットの狼」に登場するディノ RSはこの車をオマージュした架空の車です。(実車画像→ フェラーリ ディノ コンペティツィオーネ 1967)

 

 

 ミニカーはポリトーイ製Mシリーズの当時物で1967年に発売されました。ポリトーイ流のデフォルメで実車のイメージをかっこよく再現したポリトーイの傑作ミニカーの一つです。最大の特徴であるヘッドライト(ラインストーン製)/カバーの造形が巧みで、リアパネルを開くと6気筒エンジンとスペアタイヤがリアルに再現されています。ドア/リアパネルの開閉ギミック付きで、初期物には前輪操舵ギミックが付いた物もあったようです。これ以外のディノ ベルリネッタの当時物ミニカーとしては同じポリトーイのペニー(1/66)、ポリトーイをコピーしたナコラル、マーキュリー、ディンキー(英)があります。当時物以外ではイタリアのABC-BRIANZAのレジン製があるようです。ディノ コンペティツィオーのミニカーはポリトーイ Eシリーズとペニー(1/66)、ダイヤペット、マルシン、京商(1/64)などがあり、「サーキットの狼」のディノ RSもエイダイ グリップや京商がモデル化しています。 以下はフロントの拡大画像とリア/リアパネルを開いたエンジンルームの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FERRARI DINO BELRLINETTA PININFARINA 1
FERRARI DINO BELRLINETTA PININFARINA 2

 以下は1967年に発売されたディンキー(英)製の当時物 フェラーリ ディノ ピニンファリーナ (1/43 型番216)の画像です。同じ車をモデル化していますが、上記のポリトーイ製とはかなり雰囲気が違っています。(ポリトーイはシャープでかっこ良く、ディンキーは実直でごつい感じに仕上げてあります) このようなメーカーによる作風(出来ばえ)の違いは、良くも悪くも、1960-1970年代のミニカーメーカー毎の個性の反映であってそれが面白いところでもありました。ドア/リアパネルの開閉ギミック付きです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FERRARI DINO BELRLINETTA PININFARINA 3
FERRARI DINO BELRLINETTA PININFARINA 4

 以下は1969年に発売されたコーギー製の当時物 ディノ 206 スポーツ (1/43 型番344)の画像です。これはレースカー仕様の ディノ 206Sを想定してモデル化しているようです。(実車画像→ ディノ 206S) ただし206Sの実車にはこのような大きなスポイラーが付いていません。上述したディノ コンペティツィオーネはこのようなスポイラーを前後に備えていました。コーギーは見た目の派手さを演出する為に、ディノ コンペティツィオーネのイメージを借りて大きなスポイラーをこのミニカーに追加したのだと思われます。そんなわけで206Sのミニカーとしては実車に忠実ではありませんが、206のイメージはそれなりに再現されています。ドア開閉ギミック付きで室内やエンジンルームもまずまずの仕上げで、当時のミニカーとしては良い出来ばえでした。(昔のミニカーはスケールモデルではないので、実車のイメージから大きく外れていなければ良いのです) なおタイヤをスムーズに回転させる為にピアノ線を車軸に使ったフリーホイール(コーギーは「WHIZZWHEELS」と称していた)をコーギーが最初に採用したのはこのミニカーでした。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FERRARI DINO 206 GT 1
FERRARI DINO B206 GT 2

「サーキットの狼」の劇中車のミニカー→ データーベースでフェラーリ ディノ RSのミニカー検索

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