Sorry Japanese Only
フェラーリ ディノ (ディーノ) 206 GT イタリア 1967年
1968年に登場したディノ(ディーノ)はフェラーリの市販車としてエンジンを初めてミドシップ搭載した車でした。ただフェラーリは12気筒エンジンが基本であったので、V型6気筒エンジンを搭載するこの車にはディノという新しいブランド名(フェラーリ ディノでは無く単にディノ)を与えました。このディノという名前は創業者エンツォ フェラーリの長男で24歳の若さで亡くなったアルフレード フェラーリの愛称であり、彼がアイデアを出したこのV型6気筒エンジンに付けられた通称でもありました。
初期に製作されたディノ 206 GTのボディは総アルミ製で車重900kgと軽く、排気量2Lながら185HPのハイパワー、5段変速で最高速235km/hと高性能でした。またミドシップ エンジン方式でしたので、その操縦性は市販車としては並外れたものだったそうです。性能もさることながら、ピニンファリーナがデザインした一度見たら忘れられない個性的で美しいスタイルもこの車の魅力です。
フェラーリはフォーミュラー 2 レースのホモロゲーションをとるために、ディノの6気筒エンジンを量産する必要がありました。そこで提携関係にあったフィアットにエンジンを提供したことで、そのエンジンを搭載した フィアット ディノが生まれました。フォーミュラー 2の規定生産台数(500台以上)が達成された後、役目を終えた206 GTは150台ほどで生産中止となり、1969年に2.4L(195HP)エンジンを搭載したディノ 246 GTに切り替わりました。 246 GTは206 GTに比べるとホイールベースと全長が少し大きくなり、ボディは量産しやすいスチール製となっていました。車重が重くなりましたが、パワーアップで動力性能はほぼ同じでした。1971年にタルガトップの246 GTSが追加されました。1974年まで約3600台が生産されました。
ディノの当時物ミニカーはノレブのJET CARシリーズ、トミカ ダンディ、サクラのスーパーカーシリーズなどがありました。その後ビテス、マッチボックス、バン(BANG)などでもモデル化されました。最近では京商、イクソ、マテル、レジン製ではアイドロンなどでモデル化されています。このイタリアのバン製のディノ 206 GTは1996年頃に発売されましたが、1/43量産ミニカーでは現在でも最高の出来ばえといって間違いないでしょう。この種のかっこいいイタリア車のミニカーはイタリアのメーカーが一番うまく作ります。(芸術的なセンスが違うのでしょう) 特徴的なノーズの造形、ホイール/ライト類のリアルさなどとても気に入っています。またディノ 206 ストリート仕様の1/43量産ミニカーはバンしかモデル化していないようです。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります
https://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=735
ランボルギーニ マルツァル ベルトーネ イタリア 1967年
ランボルギーニ マルツァルは1967年ジュネーブ ショーで公開されたコンセプトカーでした。ベルトーネのマルチェロ ガンディーニのデザインで、広いガラス面積のガルウイング式ドアが大きく開くのが特徴でした。ベースとなっているのはミウラで、シャーシを延長して完全な4座の室内を確保していました。エンジンはミウラのV型12気筒の片バンクだけを使った6気筒2Lで、後輪車軸を跨ぐ位置に横置き搭載されていました。低いノーズ先端の小さなフロントグリルには6連式角形ヘッドライトが付いていました。ルーフはガラスサンルーフで、リアカウルにはハニカム形状の開口部を持つルーバーが付いていました。
ドア形状、メーターパネル、シートの座面などに6角形のハニカム形状のモチーフが繰り返して使われているのはショーカーとしてのお遊びでした。大きなガルウイング式ドアはショーカーとしてはインパクトがあるのですが、丸見えの室内はプライバシーが全くなく夏場はとても暑くなるでしょうから、実用的ではありません。この車のコンセプトを引き継いで実用的に仕立てたのが、1968年に登場した4座のエスパーダ(エンジンはフロント搭載) でした。
ミニカーは1970年に発売されたポリトーイ製の当時物です。廉価版として作られたEXPORTシリーズでしたので、ヘッドライトやテールライトなどの仕上げは簡素でしたが、プロポーションは良くホイールはリアルなメタル製でした。最大の特徴である大きなガルウィングドアが開閉し、室内は4座のシートと6角形をモチーフにしたインパネが再現されていました。これ以外の当時物ミニカーとしては、同じポリトーイのペニー(1/66)、ディンキー(英)、エディルトイ、サブロン(同じ型でナコラルもあり)、マッチボックスなどがありました。当時物以外では、プロバンス ムラージュ(レジン製キット)やホワイトボックスがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります
https://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=1818
デ トマソ マングスタ イタリア 1967年
デ トマソ アウトモビリ社はレーシングドライバーであったアルゼンチン出身のアレハンドロ デ トマソ(Alejandro de Tomaso)が1959年にイタリアのモデナで設立しました。当初はF1マシンのシャーシ製作を行っていましたが、1963年に2座の市販スポーツカー ヴァレルンガ 1500を発表しました。鋼管バックボーンフレームにチューンしたフォードの4気筒1.5L(102HP)エンジンをミドシップ搭載し、FRP製ボディを載せるといったレーシングカー技術を盛り込んだ車で、最高速208km/hの性能でした。この車は50台ほど製作されました。(実車画像→ デ トマソ ヴァレルンガ 1500)
1967年にフォードと共同開発した2台目の市販車マングスタが登場しました。シャーシはヴァレルンガをベースにして強化した物で、フォー ド製V型8気筒4.7L(305HP)エンジンを搭載し、全輪独立懸架、5段変速で最高速は250km/hでした。(構造的にテールヘビーで操縦性には難があったようです) ボディはG.ジウジアーロのデザインによる低い車高の迫力あるスタイルで、カロッツェリア ギアが製作しました。ランボルギーニやフェラーリなどより安価なスーパーカーとして人気を博し、1971年までに約400台が生産されました。後継車はマングスタをベースにしてフォードのスポーツカープロジェクトで開発されたパンテーラでした。
ミニカーは1969年に発売されたソリド製の当時物です。ヘッドライトやリアフードの形状(後部にスリットが付いていない)などから量産型ではなく、1966年にモーターショーで公開されたプロトタイプをモデル化しているようです。(実車画像→ デ トマソ マングスタ プロトタイプ 1966) 当時のソリドの特徴であったシャープな造形で、迫力のあるスタイルが見事に再現されていてかなり良い出来ばえでした。ドアが開閉するギミック付で、さらに最大の特徴であるリアパネルのガルウイング式開閉ギミックを緻密な鋳造技術でリアルに実現しています。これ以外のマングスタの当時物ミニカーはこのソリド製をコピーしたオートピレン、ポリトーイの1/25、ディンキー、コーギー、ナコラル(コーギーのコピー?)などがありました。当時物以外ではミニチャンプス、TECNO MODEL(レジン製)の1/18などがあります。これらのミニカーのなかでも実車のイメージを再現するという観点からは、現在でもこのソリド製当時物がベストだと思います。以下はフロント/リアの拡大画像とリアパネルの開閉ギミックの画像です。リアパネルはボディとの段差がほとんどなくソリドの鋳造技術が優れていたことが分かります。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります
https://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=761
フィアット 500 アバルト レコード モンザ イタリア 1968年
アバルトは量販車のチューニングやパーツ開発を行っていた会社で、フィアット車のチューニングで有名でした。1971年にフィアットに買収され、現在はフィアットグループの一員となっています。フィアット 500をベースにしたアバルトのモデルとしては
排気量479ccの500 アバルト (20HP) 1957年登場
排気量594ccの595/595 SS アバルト (32HP) 最高速130m 1963/1964年登場
排気量689cc)の695/695 SS アバルト (30-38HP) 最高速140m/h 1964年登場
などがありました。SSは高性能版でグループ2のレース仕様です。
アバルトはフィアットから未完成車を受け取り、アバルト製パーツを組み付けてアバルト仕様車に仕上げました。組み付けるアバルト製パーツはエンブレム、ダッシュボードのスピードメーター/タコメーター/油圧メーター、ステアリングホイール、キャブレターやマフラーなど吸排気系パーツ、エンジンのバルブ、ピストン、オイルパンなど非常に多岐にわたっていました。フィアット 500のレース仕様車はエンジン冷却を良くする為、リアフードを開いた状態に固定したものもありました。595/695の最終仕様は1971年まで生産されました。
ミニカーは2004年に発売されたブルム製です。1958年にモンザ サーキットでの1週間連続耐久走行で総走行距離18186.440km 平均時速108.252km/hの世界記録を達成した500 アバルトをモデル化しています。ボディカラー、フロントとサイドに表示された「500 ABARTH」のロゴなど実車がリアルに再現されていて良く出来ています。ブルムはこれ以外にも500ベースのアバルトをレース仕様車を含めて10数種類ほどモデル化しています。ブルム以外の500系 アバルトのミニカーはメーベトイの当時物 695SS アバルト、マーキュリーの当時物 595SS アバルト、ポリトーイの当時物 595 アバルト 1/25、ビテスの595/695 アバルト、ピンコ(レジン製)の500 レース仕様車などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります
https://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=1785
アルファ ロメオ カラボ ベルトーネ イタリア 1968年
アルファ ロメオ カラボは1968年のパリ サロンで公開されたデザイン コンセプトカーでした。直線的で鋭くとがったウエッジシェイプを基調にした極めて前衛的なデザインはベルトーネのM.ガンディーニによるものでした。シャーシはアルファ ロメオ ティーポ 33で、V型8気筒エンジンをミドシップ搭載していました。前方に跳ね上がるドアの開閉方式(シザードア)はこの車で初めて採用された目新しいものでした。ボディ後方はエンジンの排熱の為ルーバーで覆われていて、後方視界はそのルーバーの隙間から見るようです。このルーバーのモチーフはフロントノーズやボディ前後の下部にも反復されています。
特徴的な前方に跳ね上がるドアというと真っ先にランボルギーニ カウンタックが思い浮かびます。このシザードアはカラボが公開された3年後の1971年に発表されたランボルギーニ カウンタックに市販車として始めて採用されました。(カウンタックのデザインはカラボと同じM.ガンディーニでした) なおカラボという名前は昆虫のオサムシ(CARABIDAE)に由来していて、ボディカラーの緑とオレンジもその虫の色にあわせたようです。
ミニカーは1969年に発売されたソリド製の当時物です。ソリドらしいシャープな造形でカラーリングも含めて実車を忠実に再現したソリドの傑作でした。俯瞰した画像ではボディ全体が上から見てもウエッジシェイプになっていることが分かります。また跳ね上げ式のドア(シザーズドア)が開閉するギミック付きで、その動作はスムーズかつ開閉部の隙間も最小でソリドの鋳造技術の高さを示しています。(ソリドやメルクリン等の可動部のある1960-1970年代のダイキャスト製ミニカーの鋳造技術は、現在の可動部のないミニカーよりレベルが高いです) ソリド以外の当時物ミニカーではディンキー(仏)、ポリトーイの1/25、マーキュリー、マッチボックスなどがモデル化しており、当時の実車の人気の高さを反映していました。エンジンなども再現しているポリトーイの1/25やディンキー(仏)の1/43も結構良い出来ばえでした。当時物以外ではスパーク(レジン製)とTOPMARQUES(レジン製 1/43と1/18)でもモデル化されています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります
https://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=1807
当サイト掲載記事の無断転載を禁じます。
Copyright(C) 2004-2024 MINIATURECAR MUSEUM All rights reserved.