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ブガッティ T50 クーペ フランス 1932年
前述したブガッティ T44とT41 ロワイヤルの間を埋める車としてT46が1929年に登場しました。T46はホイールベースが全長約4.5m(ホイールベース 約3.5m)の大型車で当時のブガッティの最高級車となりました。(T41は別格の超高級車でしたので) エンジンはT44用のSOHC8気筒3Lエンジンを5.4L(140HP)に拡大して搭載していました。4ドアセダン/リムジンや2ドアクーペ/カブリオレなどのボディが架装され、3段変速で最高速136km/hほどの性能でした。1930年にスーパーチャージャーを追加して160HPにパワーアップしたT46Sが追加されました。T46は1936年まで生産され総生産台数は約400台でした。
1931年にT46のホイールベースを約3.1mに短縮したスポーツ仕様のT50が登場しました。T50はDOHCを初めて採用した新設計のスーパーチャージャー付DOHC 8気筒5L(225HP)の高性能エンジンを搭載していました。ボディはスポーティな2ドアクーペが架装されたものが多く、創業者エットーレ ブガッティの長男ジャンがデザインした極端に寝かされたフロントスクリーンが特徴的なクーペが有名でした。3段変速で最高速175km/hほどの性能でした。ツーリングカー仕様のT50T、470HPにパワーアップされたレースカー仕様のT50Bがありました。T50は約65台が1934年までに生産されました。
ミニカーは1972年に発売されたリオ製です。T50では一番有名な極端に寝かされたフロントスクリーンを持つクーペをモデル化しています。実車の独創的なデザインが誇張したデフォルメでかっこよく再現されていて良く出来ています。特に側面からみるとこのデザインの独創性がよく分かります。赤/黒の派手なカラーリングも実車に即していますが、昔のミニカーなので赤と黒の塗り分け部分があまりきれいでは無いのが惜しいです。またミニカーのホイールベースは90㎜で1/43で換算すると約3.9mになりますので、1/43サイズとしてはかなり大きめに出来ています(実際には縮尺1/35ぐらいとするのが正しいでしょう) ボンネットを取り外すとエンジンが再現されていて、ドアが開閉し室内もリアルに再現されています。これ以外のT46/T50のミニカーはウエスタンモデル(ホワイトメタル製)のT46、ルックスマート(レジン製)のT50、マトリックス(レジン製)のT46などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ブガッティ T41 ロワイヤル No.41131 リムジン パークウォード (4号車) フランス 1933年
ブガッティ T41 4号車はイギリス人のカスバート W フォスター (Cuthbert W. Foster)大佐が1933年に購入しました。イギリスのコーチビルダー パークワード(Park Ward)社がイギリス的な落ち着いた雰囲気のリムジーンボディを架装しましたので、フォスターカー又はパークウォード リムジンと呼ばれています。実車の写真ではフロントグリル上にブガッティ T41のシンボルである象のマスコットが付いていますが、フォスター大佐は以前に所有してお気に入りであったロールス ロイスと同じフライイング レディのマスコットを付けていたとも言われています。
1946年にイギリスのブガッティのディーラー ジャック レモン バートン(Jack Lemon Burton)に売却されました。その後1956年にアメリカのブガッティ コレクターであるジョン シェイクスピア(John Shakespeare)に売却され、彼のブガッティ コレクションの1台となりました。その後財政難に直面したシェイクスピアは、1963年に彼の車のコレクションを同じブガッティ コレクターであるフリッツ シュルンプ(Fritz Schlumpf)に売却しました。現在は「シュルンプ コレクション」としてフランス国立自動車博物館に1号車 クーペ ナポレオンと一緒に展示されているそうです。
この車は最近まではミニカーがありませんでしたが、2008年ごろにフランスのミニカー付き雑誌「VOITURES CLASSIQUES」シリーズのNo.48でモデル化されました。画像はその「VOITURES CLASSIQUES」のWEBサイトから拝借しました。メーカーはイクソで、同社のクラシックカーはいずれも良い出来ばえでしたので、このブガッティ T41 4号車のミニカーもかなり良い出来ばえであるはずです。実物を入手したいのでイクソのカタログモデルが発売されるのを待っているのですが、2020年現在でまだ発売されていないようです。(2023年現在でもカタログモデル化されていないので、たぶんもう発売されないでしょう)
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ブガッティ T59 フランス 1933年
1920年代の傑作レーシングカー ブガッティ T35の後継車として、T51が1931年に登場しました。T51のエンジンはT35BのOHC 3バルブ8気筒2.3Lスーパーチャージャー(138HP)エンジンをDOHC 2バルブに変えて160-180HPにパワーアップしたものでした。外観的には、T51はT35とほぼ同じでした。1931年に排気量を4.9L(250HP以上)に拡大し、ホイールベースを延長したT54が登場しました。なおT51/T54は単座ではなく助手席の付いた2座のマシンでした。
1934年から始まった750㎏フォーミュラー(現在のF1)に向けて、ブガッティ最後のグランプリカーとなったT59が開発されました。T59は改良したT54のシャーシにDOHC 8気筒2.9Lスーパーチャージャー エンジンを搭載していました。1933年のスペイン GPに参戦し結果は4位とリタイアでした。1934年には排気量を3.2L(250HP)に拡大し、フランスGPで4位となっています。T59は美しいデザインのマシンでしたが、メルセデス ベンツ GPなどの強いドイツ勢に対して総合的な競争力で劣っていました。
そこで単座化などでシャーシを軽量化し、T50用の8気筒5Lエンジンをベースとする4.7L(402HP)/4.4L/3L(275HP)エンジンを搭載した改良型T59/50Bが1936年に開発されました。(外観も大幅に変わっていました) ただ基本設計が古いシャーシでは、このハイパワーを生かすことができませんでした。当時のブガッティは財政的に困窮しており、レースの予算は主にT57G(タンク)を有するスポーツカーレースに向けられてました。その為T59はこれ以上改良されることはなく、あまり活躍できませんでした。(実車画像→ ブガッティ T59/50B)
ミニカーは1981年頃に発売されたブルム製で、T59をモデル化しています。このミニカーがどのレースの参戦車をモデル化しているのかは明確ではないのですが、1933年式となっているのでたぶんスペイン GPに出場した車をモデル化しているのだと思われます。この型番R042は再生産された際には1934年 フランスGP #14(これも実車不明)に変更されました。ブルムの初期のミニカーは時代考証が適当なものが多いです。時代考証は今一つですが、ホイールやインパネのリアルな造形などは1981年当時のミニカーとして良くできていました。ブルムは10種類ほどのバリエーションを作っています。これ以外のT59のミニカーはBブラーゴの1/18などがあります。T51のミニカーはマッチボックスの1/35があり、T54はミニチャンプスのロードスターがあります。以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ブガッティ T57 ギャリビエ フランス 1935年
ブガッティ T57は1934年に登場した3Lクラスのツーリングカーで、約700台が生産され、ブガッティとして最もたくさん販売されたモデルでした。エンジンはレースカーT59でも使われたDOHC直列8気筒3.3L(135HP)を搭載していました。4ドアセダンや2ドアクーペのボディが架装され、デザインは創業者E.ブガッティの長男ジャンが担当し芸術的才能を発揮していました。なおギャリビエ(GALIBIER)とはセダンタイプにつけられた名前で、フランスの地名にちなんでいるようです。
T57の発展型としてT57C、T57S、T57SCなどがありました。T57Cはレース仕様で、スーパーチャージャーで160HPにパワーアップしていました。T57Cに流線型のカバーをつけたレーシングカー T57Gは「タンク」という名前で呼ばれルマンで優勝しています。T57Sはホイールベースを短くしたスポーツ仕様で、T57SCはT57Sをスーパーチャージャーで175-200HPにパワーアップしていました。T57では自動車デザインに多大な影響を与えた特徴的なスタイルのアトランティックやその発展型アタランテなども有名です。
ミニカーは2015年に発売されたイクソ製です。T57の2ドアセダンをモデル化しています。プロポーションがよく実車の雰囲気をうまく再現しています。スポークホイール、フロントグリルの赤いエンブレム、リアのライセンスプレート、内装などの細部もよく再現してあります。ブガッティ流の2トンカラーで塗分けられたボディも綺麗です。これ以外のT57 セダンのミニカーはスパーク(レジン製)がギャリビエの4ドアをモデル化しています。T57のクーペやカブリオレのミニカーはかなりあるのですが、セダンの量産ミニカー(ダイキャスト製)はこのイクソ製しかないようなので、その意味で貴重なミニカーです。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ブガッティ T57SC アトランティック フランス 1936年
ブガッティ T57は1934年に発表された3Lクラスのツーリングカーで1940年までに約700台が生産され、ブガッティとして最もたくさん生産されたモデルでした。主に4ドアセダンや2ドアクーペのボディが架装されました。エンジンはレーシングカーT59で使われたDOHC 直列8気筒3.3L(135HP)を搭載していました。ブガッティ T57Sはホイールベースを短縮したスポーツ仕様で、エンジンは170HPにパワーアップされ最高速185km/hと当時のスーパーカーでした。T57Sにスーパーチャージャーを追加して195HPにパワーアップした高性能版がT57SCでした。そのT57SCに一風変わったデザインの流線形クーペボディを載せたのがアトランティックでわずか4台しか生産されていません。(ボディの軽量化で最高速200km/hだったそうです)
アトランティックのボディの中央にある背びれのような部分は、左右のボディパネルをリベット止めしている接合部で、この部分のデザインが独特の迫力を生み出しています。現在の車も側面と屋根の接合部が左右に2カ所あり見えないように隠していますが、この車は接合部を外部に出して独特の迫力あるデザインとして成立させています。フロントスクリーンも2分割されていますので、ワイパーも変わった配置になっています。アトランティックのクーペボディはリアにスペアタイヤを格納するスペース(丸いカバー部分)があるので、リアの窓は位置が高く小さいです。たぶん後方はほとんど見えなかったと思います。
ミニカーは2009年に発売されたイクソ製のミュージアムシリーズです。個性的なクーペボディがうまく再現されていてかなり良く出来ています。ワイヤースポークホイール、エッチングパーツを使ったボンネットのルーバーやワイパー、室内などの細部も良く仕上げてあります。最近までアトランティックのミニカーはウエスタンモデル(ホワイトメタル製)、リオ、Bブラーゴの1/24、ブルムぐらいしかありませんでした。最近になってこのイクソ(ホワイトボックスも同じ)やオートアートの1/18、CMCの1/18、レジン製ではミニチャンプス、ルックスマート、マトリックスなどでモデル化されました。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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