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GMC FC102 (シボレー 3100) ピックアップ アメリカ 1950年
ピックアップは日本では物を運ぶ商用車として使われますが、アメリカでは乗用車的な使われ方もされます。アメリカ初のピックアップはフォード T型を改造して後部に荷台を追加したものでした。(参照→ フォード T型 ランチ ワゴン) この車は農場で使われましたが、貨物用だけではなく乗用にも使われました。ライバルのGMは既存の商用車メーカーを買収して傘下に収め1911年にGMCブランドを設立し、当初はその商用車メーカーのトラックをGMCブランドで販売していました。1920年以降になるとGMCの小型/中型トラックは大衆車シボレーをベースにしたトラックになりました。(実車画像→ 1930年代のシボレー トラック)
1940年代のGMCの小型/中型トラックはシボレーのAKシリーズ(6気筒3.5L/3.7Lエンジン搭載)をベースにしたトラックと同じで、フロントグリルの意匠が多少変えてありました。第2次大戦後の1947年にシボレーの小型/中型トラックとそのGMC版はアドバンス-デザイン(Advance-Design)シリーズにモデルチェンジしました。ボディはAKシリーズより大きくなり、6気筒3.5L/3.9L/4.3Lエンジンを搭載していました。その後1955年にはタスクフォースシリーズにモデルチェンジ、1960年にはシボレー C/Kシリーズにモデルチェンジして、アメリカを代表するピックアップとしてフォードの Fシリーズと同様に親しまれました。シボレー C/Kシリーズ (Cシリーズが後輪駆動、Kシリーズが4輪駆動)の姉妹車としてGMC版がありました。
ミニカーは1995年頃に発売されたヤトミン製のビンテージ アメリカ車シリーズの1台です。アドバンスーデザイン シリーズのGMC FC102 ピックアップ 1950年式(シボレー 3100 1/2t積の姉妹車)をモデル化しています。シボレーとGMCのピックアップはフロントグリルの意匠が多少異なるだけのほとんど同じデザインで、ノーズとテールゲートにはそれぞれのロゴが表示されていました。ヤトミンのビンテージ アメリカ車シリーズは定価1400円程の安価なミニカーでしたが、実車の雰囲気がうまく再現されていました。このGMC ピックアップも木目調の荷台など結構リアルで値段の割には良く出来ていました。(フロントグリルの一番下の横枠がバンパー裏に隠れてしまっているのが変ですが) これ以外の1940-1950年代のGM/GMC ピックアップのミニカーは同じヤトミンのSIGNATUREシリーズの1/32、フランクリン ミントの1/24、ブッシュの1/87、ジョニーライトニングの1/64、ホンウェルの1/72などたくさんありますので、アメリカでピックアップの人気が高いことが良くわかります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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GM シボレー コルベット C1 アメリカ 1953年
第2次大戦後にヨーロッパに派兵されたアメリカ軍人が祖国に持ち帰ったヨーロッパ製小型スポーツカー(MG、ジャガーなど)の魅力に気付いたGMは、小型スポーツカー シボレー コルベット(C1型)の開発に着手しました。1953年にプロトタイプが発表され同年にシボレー初の2シーターオープン スポーツカーとして発売されました。量産車として初めてボディにFRP樹脂製パネルを採用していました。初期のC1型は6気筒3.9L(150HP)エンジン搭載で2段自動変速機仕様しかなく、本格的なスポーツカーと言うよりも見た目重視のスポーティカーでした。
初期のC1型の不評に対応して、1955年にはV型8気筒4.3L(195HP)エンジンと手動変速仕様がオプション追加され、その後エンジンは4.6Lに拡大され燃料噴射で300HP以上まで強化されていきました。またボディも1956年にフロントとリアのデザインが一新されました。その後様々なオプションが追加されたことで、C1型は本格派スポーツカーとして認められるようになっていきました。
コルベット C1型はレースカーとしてアメリカの国内レース(SCCA:スポーツカークラブ オブ アメリカなど)でクラス優勝するなど活躍しました。レースではジャガー D タイプなどと互角に勝負していたそうですから、エンジンがハイパワーだっただけではなく操縦性もそこそこの実力があった?と思われます。1963年にコルベット 2代目(C2型)にモデルチェンジしました。
ミニカーは1990年頃に発売されたフランクリン ミント製です。コルベットの各世代を1/24でモデル化したフランクリン ミントのコルベット コレクションの1台でした。なお当時のフランクリン ミント製ミニカーは日本では通信販売だけで販売されていて一般市販はされていませんでした。C1が登場した初年度の1953年式をモデル化していて、フロントやリアの独特のデザインがうまく再現されていて良く出来ていました。ヘッドライトカバーにストーンガード(金網)が付いているのは初期型の特徴です。ボンネット/ドア/トランクが開閉し、エンジンやサスペンションなどのメカ部分や室内もリアルに再現されていました。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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GM シボレー ベルエア アメリカ 1955年
GM シボレー セダン 1950年の解説に記載したように、1953年にシボレーは210(Two-Ten)/150(One-Fifty)と呼ばれる世代にモデルチェンジしました。デザイン的には先代のデラックス世代と同じようなデザインでしたが、それまではの4ドアセダン、2ドアクーペに加えてコンバーチブル、ステーションワゴンなどボディ形式が増えました。エンジンは6気筒3.5L/3.9Lが搭載され、3段変速/2段自動変速で最高速137km/h(3.9L)の性能でした。なお先代のシボレーには上級グレードの2ドアハードトップ ベルエアが1950年に設定されました。
1953年にベルエアは210/150よりも上級な車という設定になり、フロント/リアの意匠が変更され4ドアセダン/ハードトップや2ドアクーペ/コンバーチブルも設定されました。1955年にベルエア/210/150は外観が一新され、ベルエアは2代目となりました。リアフェンダーが完全にボディと一体化しその後流行となるテールフィンがまだ控え目でしたが採用されました。エンジンはV型8気筒4.3Lが追加され、1957年にはコルベットと同じ高性能なV型8気筒4.6L(185HP-燃料噴射270HP)が追加されました。1958年にベルエアは3代目にモデルチェンジしました。(実車画像→ シボレー ベルエア 1958)
ミニカーは1990年頃に発売されたフランクリンミント製です。1950年代の著名なアメリカ車を1/43でモデルしたフランクリンミントの1950年代シリーズの1台で、ベル エアの2ドアコンバーチブルをモデル化してます。メッキパーツによるヘッドライトやクロームモールなどはこのシリーズ独特のレトロな作風でしたが、この作風は1950年代のクラシックカーの雰囲気に良くマッチしていて、全体的に良く出来ていました。ボンネット/ドアが開閉するギミック付きで、ボンネットを開くとV型8気筒エンジンとベルト/補器類がリアルに再現されていました。また室内も紙シールながらメータ類がそこそこ良く再現されていました。以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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GM オールズモービル 98 スターファイアー コンバーチブル アメリカ 1956年
オールズモービルは1897年に設立されたアメリカで最も古い自動車メーカーで1908年にGM傘下となりました。GMグループではビュイックに次ぐ中級車で、1950-1960年代には先進的な技術やデザインを特徴とするブランドでした。オールズモービルの98シリーズはオールズモービルの最上級モデルで初代は1941年に登場しました。(実車画像→ オールズモービル 98 初代 1941) 1954年に98シリーズ 4代目が登場し、その最上級仕様のコンバーチブルにつけられた名前がスターファイアーでした。(スターファイアーとは当時のジェット戦闘機の名前にちなんだものです) 1958年には98のシリーズ名が消えて単にスターファイアーとなりました。
1961年にスターファイアーの2代目が登場し、この世代ではハードトップクーペも追加され1966年まで生産されました。(実車画像→ オールズモービル スターファイアー 2代目 1961)その後スターファイアーの名前は一時的に消滅し、1975年にスターファイアーの3代目はサブコンパクトカーとして登場しました。この車はシボレー モンザの姉妹車で1980年まで生産されました。(実車画像→ オールズモービル スターファイアー 3代目 1975)
ミニカーは1990年頃に作られたフランクリン ミント製の1950年代シリーズの1台で、スターファイアー 初代をモデル化しています。ややレトロな造形ながらもドア/ボンネットが開閉しエンジン/サスペンションや内装もリアルに再現されているなど、このシリーズに共通する凝った作りで良く出来ていました。なおこのミニカーはウインドー枠が少し太いですが、これは簡単に壊れないよう考慮されているのであって、技術的に細く作れなかった訳ではありません。この辺の事情は昔の国産のダイヤペットなども同じで、当時のミニカーは購入者(主に子供)が多少乱暴に扱っても簡単には壊れないことという制約下で設計されていたのです。このような背景を考慮しないで昔のミニカーをリアルではなかったとするのは正しい評価ではありません。(もちろん作りが稚拙だったものもありましたが) これ以外の同時期のオールズモービルのミニカーはウエリー(WELLY)の1/18、ダンバリー ミントの1/24、ニューレイ、ヤトミンのシグネチャーなどがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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GM キャディラック エルドラド ビアリッツ アメリカ 1957年
1954年にGM キャディラック 62は4代目にモデルチェンジしました。先代のデザインを踏襲していましたが、フェンダーが完全にボディと一体化してボンネットの膨らみも小さくなりました。1956年には4ドアハードトップのセダン デビル(SEDAN DE VILLE)と2ドアハードトップのエルドラド セビル(SEVILLE)が追加されました。(実車画像→ GM キャディラック 62 4代目)
1957年にキャディラック 62は5代目にモデルチェンジしました。やはり同じようなデザインのボディでしたが、ボンネットの膨らみがなくなり直線的なデザインになりました。3代目で採用されて1950年代の流行りとなったテールフィンはモデルチェンジの度に徐々に大きくなっていきました。5代目の4ドアセダン系ではリアフェンダーの後端がサメの背びれのように盛り上がった形で、2ドアクーペ系ではテールエンドがなだらかに下がり、そこに垂直尾翼のように尖ったフィンが突き出していました。またフロントグリルにもテールフィンに呼応した2本の円柱形の突起がありますが、これは航空機のイメージを取り込んだデザインで、当時はかっこよかった?のでしょう。1958年には2灯式ヘッドライトが4灯式ヘッドライトに変わリ、1959年に6代目にモデルチェンジしました。(実車画像→ のキャディラック 5代目 4ドアセダン)
ミニカーは1985年に発売されたソリド製です。キャディラック エルドラドの豪華仕様であるビアリッツをモデル化しています。1980年代にソリドは1950-60年代のアメリカ車を数種類ほどモデル化していました。このキャディラックもその一つで、特徴的なテールフィンを持つリアエンドをうまく再現していました。当時の定価が2200円と比較的安価なミニカーでしたので、プロポーションなど基本的な部分はきちんと作ってありましたが、細かい部分は値段相応の仕上げとなっていました。ボンエットが開閉するギミック付きで、簡単な造形ですが「CADILLAC」ロゴが付いたV型8気筒エンジンが再現されています。幌を畳んだバリエーションもありました。これ以外のキャディラック 5代目 エルドラドのミニカーはフランクリン ミントの1/24、サンスターの1/18、シグネチャーの1/32、レジン製ではネオ(NEO)やGREAT LIGHTNINGなどがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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