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GM ビュイック リーガル ’刑事 コジャック’ アメリカ 1975年
ビュイックはGMのブランドとしてキャディラックに次ぐ高級車です。1973年にビュイックの中型車センチュリーの最上級仕様としてセンチュリー リーガルが登場しました。当初はクーペだけでしたが、1974年にセダンが追加され、1975年にはセンチュリー シリーズから独立してリーガルとなりました。(実車画像→ GM ビュイック リーガル 1974) 1976年のマイナーチェンジで、丸形ヘッドライトが合法化された角形ヘッドライトに変わりました。この年までアメリカでは規格品の丸形ヘッドライトしか使えなかったので、角形ヘッドランプのメルセデス ベンツなどは北米仕様では丸形に変えていました。
ビュイック リーガルの2代目は1978年に登場しました。当時のアメリカ車としては珍しくターボエンジン搭載車が設定されました。ターボエンジン搭載で高性能だったリーガルはNASCARに参戦し、1981年と1982年のマニュファクチャラー タイトルを獲得しました。それを記念して1982年にグランド ナショナルという高性能版が設定されるなど、リーガル ターボは人気があったようです。
1988年に登場したリーガルの3代目は高性能版がなくなり、本来の高級パーソナルカーに回帰しました。1997年に登場した4代目もほぼ同様の位置づけで、オペル インシグニアをベースにした5代目が2008年に登場しました。(実車画像→ GM ビュイック リーガル 1997、GM ビュイック リーガル 5代目 2011)
ミニカーは1976年に発売されたコーギーの当時物です。ビュイック リーガル 初代をモデル化しています。1970年代後半にはサイズが大きく見た目が立派な割にはコストが掛からない大スケール(縮尺1/24-1/36)のミニカーが多くなりました。(内容的には1/43を単に大きくしただけでしたが) この1/36のビュイック リーガルもその類のミニカーでした。当時アメリカ車がモデル化されることは少なかったのですが、これは'TVドラマ 刑事 コジャック'のキャラクター物として企画されたことでモデル化されたようです。キャラクター物でしたが、基本的なプロポーションはきちんと出来ていて実車のイメージがうまく再現されていました。コジャックと相棒の刑事のフィギュアが付き、パトライト(ビーコン)を屋根に取り付けられるようになっていました。
キャラクター物として目新しいしかけが欲しかったようで、リアバンバーにある円盤型ノブを回すことで銃の発射音がでるという変わったギミックが付いていました。その音ですが、銃声というよりは雑音のようなものでさほど面白くありません。(実際の音声→ ギミック音録音ファイル) なお同じ型でビュイック センチュリーのポリス仕様もあり、後にギミックなしで再生産されたものもありました。これ以外のビュイック リーガル 初代のミニカーは見当たりませんが、リーガル 2代目のミニカーはレーシングチャンピオンのTタイプ 1/64、アゴスティーニ製のアメリカンカー コレクションとグリーンライトのグランド ナショナルなどがモデル化されています。以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)


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フォード マスタング II マッハ I アメリカ 1975年
1974年にマスタングの2代目マスタング IIが登場しました。初代がサイズを拡大して販売が低迷したことやアメリカ車全体の小型車化の流れから、2代目は初代に原点復帰したコンパクトなサイズとなりました。コンパクトカー ピントのシャーシを流用し、ボディは全長X全幅が4.45X1.78mと初代並みのサイズになりました。デザインはフォード傘下となったイタリアのギアによるもので、ノッチバッククーペ(ハードトップ)とハッチバッククーペがありました。ノッチバッククーペには豪華仕様のギア、ハッチバッククーペにはスポーツ仕様のマッハ Iがありました。(実車画像→ フォード ピント 1971)
当初のエンジンはピント用の4気筒2.3L(88HP)と高性能版マッハ I 標準のV型6気筒2.8L(105HP)で、1975年にV型8気筒4.9L(122HP)が追加されました。1976年にはブラックアウトしたグリルやスポイラーを装備してマッハ Iより高性能にチューンされたコブラ II(エンジンは全て選択可)が設定され、1978年にはコブラ IIの発展型であるキング コブラが設定されました。(実車画像→ フォード マスタング II コブラ II 1976)
当時オープンカーの転倒時の保安基準が強化され、マスタング IIにはフルオープンのカブリオレが設定されず、その代わりに1977年にTバー ルーフが設定されました。マスタング IIのコンパクトカー回帰は成功し、初年度に約38万台(初代とほぼ同等)を販売しました。マスタング IIはその後のアメリカ車全体の小型化の良い先例となり1978年まで生産され、1979年に3代目にモデルチェンジしました。(実車画像→ フォード マスタング 1979)
ミニカーはトミカ ダンディ製の外国車シリーズで1978年に発売された当時物です。スケールが1/45とやや小さめなのが今一つでしたが、プロポーションが良く当時の国産ミニカーとしては良い出来ばえでした。ボンネットとドアが開閉するギミック付きで、ボンネットを開くとエンジンが再現されていて、室内もそこそこ良く再現されていました。これ以外のマスタング II の当時物ミニカーとしてはダイヤペットのマッハ I 1/30、トミカのギア 1/63、マッチボックス Kシリーズのコブラなどがありました。当時物以外ではNEO(レジン製)の1/43、グリーンライトの1/18と1/43と1/64、ジョニーライトニングの1/64などがあります。マスタング 2代目/3代目/4代目のミニカーは実車の人気が低下したことから、初代に比べるとあまりミニカーがありませんでしたが、2010年以降に増えました。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)


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AMC ペーサー X アメリカ 1975年
BIG3(GM/フォード/クライスラー)の小型車シボレー ベガやフォード ピントとは全く異なる小型車であったAMC グレムリンのコンセプトをさらに発展させたAMC ペーサーが1975年に登場しました。ペーサーはロータリーエンジンを搭載する前輪駆動車として計画されたのですが、オイルショックによるガソリン価格高騰で燃費の悪いロータリーエンジン採用は見送られ、コストの問題で一般的な後輪駆動車となりました。しかし小型車ながら車幅はフルサイズカー並みで、大きな曲面ガラスを採用した金魚鉢のような2ボックスハッチバックのボディは極めて前衛的なデザインでした。(実車画像→ GM シボレー ベガ 1971、フォード ピント 1971)
エンジンは6気筒3.8L(101HP)/4.2L(112HP)を搭載し4段変速/3段自動変速で最高速160km/h(3.8L)の性能でした。発売当初は爆発的な人気でヒットしましたが、2年目には奇抜なデザインが飽きられて人気が落ちました。1977年には荷物が積めないという弱点を補うために、リアを拡張したステーションワゴンが追加されました。1978年にV型8気筒5L(130HP)エンジンが追加されエンジンをカバーする為ボンネットにパワーバルジが追加されました。他社からも燃費の良い2ボックス小型車(日本車なども含む)が登場したことで、AMCは業績が悪化し1979年にフランスのルノーに買収され、ペーサーは1980年に後継車なしで生産中止となりました。AMCは1987年にクライスラーに買収されました。
ミニカーは2013年に発売されたイクソのプレミアムX製です。ペーサーの初期型をモデル化しています。プロポーションが良く実車の前衛的なボディがうまく再現されていました。またフロントグリル/灯火類や室内などの細部も良く再現されていてかなり良く出来ていました。少し細かいことをいうと、エッチングメタル製のリアルなフロントワイパーは不使用時は見えない状態のはずなんです。さらにもっと細かいことをいうと、ペーサーの右側ドアは後席へのアクセスをよくするため左側よりも10㎝程大きいのです。これは1/43サイズでは2mmほどの違いになりますが、ミニカーでは違いがありません。ただしこのような細部にこだわるのはスケールモデル的な見方で、実車のイメージから外れてさえいなければミニカーとしては大した問題ではありません。(ドアのサイズの違いを反映したところで、見た目ではわからないですし、面白いわけでもありませんから) これ以外のペーサーのミニカーはコーギーの当時物 1/36、トミカの当時物 1/64、グリーンライトの1/43などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)


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GM キャディラック エルドラド アメリカ 1976年
1973年に起こったオイルショックでガソリンが高騰し低燃費が要求されるようになり、アメリカ車はサイズが小さくなり始めました。1976年式あたりのアメリカ車がやたらと大きなサイズであったアメリカ車の最後の世代になりました。この年式のフォーマルなキャディラック フリートウッド 75は全長約6.4m 全幅約2mで、パーソナルなキャディラック エルドラドでも全長約5.7m 全幅約2mもありました。
また同時期の安全基準の強化により屋根の無いオープンカー(コンバーチブル)が消えつつありました。1971年に登場したキャディラック エルドラド 9代目のコンバーチブルは当時数少なくなっていたオープンカーのひとつでした。そんなわけでこのエルドラド コンバーチブルは大きくて派手なアメリカ車が栄華を極めた時代の最後の一台といえる車でした。1975年にはサイズダウンしたコンパクトなキャディラックとして全長約5.2mのセビルが登場しました。1977年にはGMのフルサイズの車が一斉に小型化され、キャディラックも一番大きいフリートウッドが1974年式の全長5.94mから全長5.62mに小型化されました。(それでもまだ大きいですが)
ミニカーは2009年に発売されたイクソ製のプレミアムX ブランドの初期物でイクソとしては数少ないレジン製でした。プロポーションが良く、大きくて派手な実車の雰囲気がうまく再現されていました。リアルな造形の4灯式ヘッドライトのフロントグリル、そこそこ良く再現された室内、ニューヨーク州のナンバープレートなど細部も良く仕上げてあり、とても良く出来ていました。ただレジン製なのでサイズの割に軽いのがいまいちでした。(格別に軽いわけではないですが、ダイキャスト製ミニカーならもう少し重いので) イクソは同じ型で幌付きの色違いもモデル化していました。 当時物では同年式のフリートウッドをトミカが型番F2(1/77)でモデル化していました。 同時期のキャディラック エルドラドの当時物以外のミニカーはアンソンの1/18、オートワールドの1/64などがあります。 以下はフロント(フロントグリル拡大)/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)


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フォード グラン トリノ GT アメリカ 1976年
フォード トリノはアメリカ フォードの中型乗用車で、トリノの初代は1968年にフェアレーンの上級車として設定されました。前述したようにトリノ 3代目は1972年に登場しました。1976年式はトリノ 3代目の最終モデルで、この当時のトリノは大衆車ながら一部はハイパワーエンジンを搭載したマッスルカーとしても知られていました。2ドアハードトップ、4ドアセダン、4ドアワゴンの設定がありました。高性能版グラン トリノのエンジンはV型8気筒(5.8L-7.5L(202HP))で、3段自動変速機で、最高速186km/h(7.5L)の性能でした。グラン トリノ 1976年式はTVドラマ「刑事スタスキー&ハッチ」に登場する赤い車として有名です。(実車画像→ フォード グラン トリノ 刑事スタスキー&ハッチ)
1974年にグラン トリノ スポーツのファストバックモデルが廃止され、その代わりにグラン トリノ エリートが設定されました。この車は当時人気のあったGM シボレー モンテカルロに対抗するために設定されたもので、フォード サンダーバードより安価なパーソナル ラグジュアリーカーでした。この車はトリノよりも売れるようになり、1976年にトリノの名前は廃止され、1977年に後継車としてLTD IIが登場しました。(実車画像→ フォード グラン トリノ エリート 1976、フォード LTD II 1977)
ミニカーは2012年に発売されたミニチャンプス製で、グラン トリノをモデル化しています。実車のサイズ全長5.43m全幅2m)を反映して、かなり大きなミニカーで、前後のオーバーハングが大きくてでかいこの車のプロポーションをうまくとらえていました。(ただタイヤがやや小さいような気もしますが) フロントやリアの造形はミニチャンプスらしいリアリティがある良い出来ばえでした。以前はやや大げさで目立っていたワイパーもあまり目立たなくなりました。ただこの頃からミニチャンプスの1/43サイズのミニカーは少しづつ仕上げレベルが低下していて、このトリノにもその兆候が感じられました。以前はドアのサイドウインドーが開いていたので、内装が良く見えました。しかしこのグラン トリノはサイドウインドーが閉じていましたので、彩色されたインパネやステアリングホイールがあまり良く見えません。このウインドーを閉じたことが、内装仕上げ簡素化の前兆だったと思います。(このグラン トリノの内装は簡素化されていませんが) これ以外のトリノのミニカーとしてはグリーンライトやM2 マシーンなどがあります。「刑事スタスキー&ハッチ」の赤い車もコーギーやグリーンライトがモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)


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