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クライスラー プリムス クーダ 440 (ヘミ クーダ) アメリカ 1971年
プリムスはクライスラーの大衆車クラスで、1960年代後半のラインナップとしては、コンパクトカーのバリアント、中級車のベルヴェデアとサテライト、フルサイズのサヴォイとフューリー、スポーティカーのバラクーダ、GTX、ロードランナーなどがありました。1964年に登場したプリムス バラクーダ 初代はベルヴェデアをベースした2ドアファーストバックの小型スポーティカーで、大きなラップラウンドのリアウィンドーが特徴でした。エンジンは6気筒2.8L/3.7L(145HP)で、1965年にV型8気筒4.5L(235HP)が追加されました。(実車画像→ プリムス バラクーダ 1966)
1967年にバラクーダ 2代目にモデルチェンジし、リアウィンドーは小さくなり、ハードトップクーペとコンバーチブルが追加設定されました。エンジンはV型8気筒5.2L/5.6L/7.2L/7Lヘミなど高性能エンジンが搭載されるようになり、マッスルカーとして発展していきました。特に高性能なヘミエンジン(半球型燃焼室でOHV方式の給排気バルブを持つ)を搭載したモデルはヘミ クーダと呼ばれるようになりました。(実車画像→ プリムス バラクーダ 1967)
1970年にバラクーダ 3代目にモデルチェンジし、ダッジ チャレンジャーの姉妹車となりました。先代と全長は同じながら幅の広いスタイルとなり、ファーストバッククーペがなくなりました。豪華仕様はグランクーペ、高性能版はクーダと呼ばれるようになりました。先代と同様でV型8気筒7.2L(440キュービック インチ 390HP)ヘミ エンジンを搭載した440はヘミ クーダと呼ばれました。1971年にグリルのデザインが変更されヘッドライトが丸形4灯式となり、テールライトのデザインも変更されました。1972年には丸形2灯式ヘッドライトに戻りテールライトが丸形4灯式に変更され、1974年まで生産されました。最終型のバラクーダは最後のマッスルカーとしてマニアには人気があるそうです。
ミニカーは1997年に発売されたマッチボックス製のマッスルカーシリーズです。バラクーダ 3代目の高性能版 クーダ 440 1971年式をモデル化しています。マッチボックスのマッスルカーシリーズは1960-1970年代のマッスルカー 十数種類をモデル化したものでした。このクーダ 440は作風はややレトロなのですが、プロポーションが良く実車の雰囲気がうまく再現されとても良く出来ていました。4灯式ヘッドライト、ボンネットのエアスクープ、リアスポイラー、派手なリアフェンダーのロゴ、室内などの細部も実車に忠実に再現されていました。またカラーリングのせいで幅広の車体がより際だって見えます。ただし車高が高めになっているのだけは今ひとつです。これ以外のバラクーダ 3代目のミニカーはフランクリン ミントの1/24、ダンバリー ミントの1/24、GMPの1/18、アーテルの1/18、ジョニーライトニングの1/64、M2マシーンの1/64などたくさんあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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スタッツ ブラックホーク I 型 クーペ アメリカ 1971年
1971年にスタッツ ブラックホークが登場しました。1920年代の有名なスポーツカー スタッツ ブラックホークと同じ名前ですが、このスタッツは1930年代に破産したスタッツ社(Stutz Motor Car Company of America)を1968年に復活させたスタッツ社 (Stutz Motor Car of America)の高級車でした。基本のドライブトレーンはGM ポンティアック グランプリ 2代目(1969年)をベースにしており、クライスラーのデザイナー V.エクスナーがボディをデザインしていました。縦型のフロントグリルと大きなヘッドライト、リアに背負ったスペアタイヤなどややノスタルジックなデザインが特徴で、ボディはイタリアのギア社で架装されました。(実車画像→ GM ポンティアック グランプリ 1969)
ブラックホークは豪華な内装や高度な装備を持つ非常に高価な車で、オーナーにはエルヴィス プレスリーやフランク シナトラなどの有名人がいました。当初はクーペだけでしたが、後にセダンやベアキャットと呼ばれるコンバーチブルも追加されました。ベースとしていたGMのポンティアックのモデルチェンジに合わせてブラックホークも変更され、1980年代まで生産されました。スタッツ社は量産車をベースにした高級車を1995年まで少量生産していたようですが、現在は活動していないようです。1995年までの総生産台数は約600台でした。(実車画像→ スタッツ ベアキャット 1988)
ミニカーは2013年に発売されたイクソの別ブランド プレミアムX製です。スペアタイヤを後方に張り出した(バンパーの代わりらしい)、初期のI型のクーペをモデル化しています。実車のレトロで派手なデザインがうまく再現してあり、室内もリアルな造形で良く出来ていました。プレミアムXにはコンバーチブルとそのハードトップ仕様など6種類ほどのバリエーションがありました。これ以外のブラックホークのミニカーはホットホイールの1/64、グリーンライトのエルヴィス プレスリー仕様などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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GM ビュイック リビエラ GS アメリカ 1972年
1960年代後半のアメリカ車は直線を基調としたシンプルなデザインが多かったのですが、1970年代になるとまたデザインがダイナミックになっていきました。1971年に登場したGM ビュイック リビエラ 3代目はその代表的な車で、フロント周りはリビエラ 初代のモチーフを継承していましたが、リアはリアウィンドーも含めて中央部がV字型に突き出した不思議な造形となっていました。(上からの画像で見ると良く分かります) これはシボレー コルベット C2のリアウィンドーのオマージュで、必然性のない奇をてらったデザインでしたが、非常にインパクトがあり昔のアメリカ車らしいデザインでした。
ビュイック リビエラは2ドアクーペだけの最上級パーソナルカーで、V型8気筒7.5L(315HP)エンジンを搭載し3段自動変速で最高速225km/hと高性能でした。ただ排ガス規制の為、これ以降エンジン出力は徐々に低下していきました。1973年のマイナーチェンジでリアの突起部分が少しおとなしいデザインに変わりました。(実車画像→ ビュイック リビエラ 1973) リビエラ 3代目はボディが大きくなったことでスポーティなイメージがなくなり、初代や2代目のリビエラほどは売れませんでした。1974年にリビエラ 4代目にモデルチェンジしました。(実車画像→ ビュイック リビエラ 1974)
ミニカーは2012年に発売されたイクソ プレミアムX製です。プレミアムXは2009年に登場したイクソの新ブランドで、当初はイクソとしては初のレジン製でやや高級なミニカーでした。(後にダイキャスト製がメインになりましたが) このリビエラはダイキャスト製でプロポーションが良く、フロントグリル造形と特徴的なリアの造形がリアルで実車の雰囲気がうまく再現されていました。またカラーリングも実車に即したもので、室内も良く再現されています。これ以外のリビエラ 3代目のミニカーはアーテルの1/18、ヤトミン、ジョニーライトニングの1/64、トゥルースケール(レジン製)などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フォード グラン トリノ スポーツ アメリカ 1972年
フォードの中型乗用車トリノの初代は1968年に登場したフェアレーン 6代目の最上級モデルとして設定されました。名前はイタリアのトリノ市にちなんだものでした。フェアレーン 6代目はフロント全面をグリルとしてそこに4灯式ヘッドライトを配置したのが特徴のシンプルなデザインの車でした。エンジンは6気筒4.1L、V型8気筒4.9L/5.8L/6.4L/7Lなどが搭載されました。4ドアセダン、4ドアステーションワゴン、2ドアハードトップ、2ドアファーストバック、2ドアコンバーチブルとボディ形式は何でもありでした。スポーツ仕様としてトリノ GTや高性能版のトリノ コブラが設定されました。
1970年にトリノは2代目にモデルチェンジしましたが、その際にフェアレーンはトリノのサブブランドに変わり、トリノが主力車種に変わりました。特徴的なフロントグリルを踏襲していましたが、ボディはコークボトルラインを取り入れたダイナミックなデザインとなりました。グリル内にヘッドライトを格納するハイダウエイ(HIDEAWAY)ヘッドライトを採用した上級仕様車のフロントデザインはかっこよかったです。エンジンは6気筒4.1L、V型8気筒4.9L/5.8L/7Lなどが搭載されました。(実車画像→ フォード トリノ 1970目、ハイダウエイヘッドライトを採用した2ドアファーストバック)
1972年に登場した3代目は、大きな楕円形のグリルが特徴で、ロングノーズ/ショートデッキの派手でダイナミックなデザインでした。4ドアセダン、4ドアワゴン、2ドアハードトップ、2ドアファーストバックの4タイプがあり、トリノ コブラの設定はなく先代のトリノ GTがグラン トリノ スポーツの名前に代わり、一番高性能でした。3代目のなかでも1972年式はハンドリングなどの性能評価が高く、大ヒットしました。また1972年式のグラン トリノ スポーツはクリント イーストウッドが監督/主演した映画「グラン トリノ」で主人公の愛車として登場していました。
ミニカーはイクソ プレミアムX製で、2013年に発売されました。高性能版のグラン トリノ スポーツをモデル化しています。プロポーションが良く、特徴的なフロントグリルの造形は実車のイメージをうまく再現していて良く出来ていました。フロリダ州のナンバープレートやホワイトレター付のワイドタイヤが当時のアメリカ車の雰囲気を出しています。さらにイクソお得意のメッキ風塗装が、アメリカ車のクロームモールをうまく再現しています。これ以外のトリノのミニカーとしてはグリーンライトやM2 マシーンなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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GM シボレー ベガ イェンコ スティンガー クーペ アメリカ 1972年
1950年代にヨーロッパ製の小型乗用車がアメリカに輸入され、セカンドカーとして使われました。この小型車需要に対応してGM シボレーは1960年にコルベアを発売しました。コルベアは欠陥車問題などを起こし1969年に生産中止となりました。シボレーは次世代小型車の開発に取り組み、1970年に小型車シボレー ベガが登場しました。ベガはコルベアよりも小さなシンプルなデザインのコンパクトカーで、ノッチバックの2ドアセダン、ハッチバッククーペ、ワゴン、パネルバンがありました。専用設計されたアルミ合金シリンダーブロックの4気筒2.3L(80HP)エンジンを搭載した後輪駆動車で、3段自動変速で、最高速度140㎞/hの性能でした。新設計されたエンジンなどに問題があり改良されましたが、あまり品質がよくなかったようで、1977年に生産中止となりました。
車名のイェンコ(YENKO)とはペンシルバニア州にあったシボレーのディーラーの名前でした。1982年まで営業していたこのディーラーは、1960年代後半頃にカスタマイズしたスポーツカーを販売していたことで最もよく知られていました。このベガ イェンコ スティンガー クーペもその1台で、4気筒2.3Lターボエンジン(155HP)を搭載した高性能版のカスタムカーで、フロントとリアにスポイラーが追加され、専用のカラーリングが施されていました。なおターボはEPA認証がされなかったので車両販売時には未装着で、アフターマーケットのターボ キットで後付けする必要がありました。販売されたのは約200台ほどの希少なモデルでした。
ミニカーは2023年に発売されたデアゴスティーニ製のアメリカンカー コレクションです。シボレー ベガの高性能版イエンコ スティンガーをモデル化しています。メーカーは明記されていませんがイクソ系列のメーカーだと思われます。(ミニカーを台座に固定するネジに3角溝があるネジが使われていて、このネジを使用するのはイクソ系列のメーカーの特徴ですので) プロポーションが良く、実車に即したカスタマイズされたスポイラーやカラーリングが再現されていて、とても良く出来ています。定価が2200円ほどの安価なミニカーながら、室内の造形もリアルに再現されています。このアメリカンカー コレクション シリーズがこのレベルの上質なミニカーを安価で発売できるのは、このシリーズがアメリカ本国で大量に売れているからでしょう。(現在でも大量生産すればこの価格で発売できるのです) これ以外のシボレー ベガのミニカーはアーテルのクーペ 1/18、ジョニーライトニングのイェンコ スティンガーとワゴン 1/64などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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