Sorry Japanese Only
AMC ジャベリン SST アメリカ 1970年
AMC(アメリカンモータース社)が、BIG3(GM/フォード/クライスラー)に対抗するには、中型/小型車に特化するしかありませんでした。1960年代になるとBIG3もコンパクトカーを発表したことで、AMCの売上げは低下しました。1950年代には数モデルあったAMCのフルサイズカーは1960年代にはアンバサダーだけとなり、その下位にはコンパクトカー(小型車)のランブラー アメリカン、ミッドサイズカー(中型車)のクラシック、マリーンがありました。1970年代になるとランブラーという名前は消滅し、その代わりに小型車マタドール、サブコンパクトのホーネット、ジャベリンなどが登場しました。
スポーティカーとして成功したフォード マスタングと同じようなコンセプトの車として、AMCでは1968年にジャベリンが登場しました。同時期にAMCのイメージリーダーカーとしてジャベリンの上級車で高性能なスポーツカー AMXも登場しました。AMXはV型8気筒4.8L-6.4L(325HP)エンジンを搭載する2ドアクーペで、高性能版はGM シボレー コルベット並みの高性能でした。ジャベリンは同じようなスタイルでしたが少しサイズが大きく、6気筒3.8L/V型8気筒4.8L-6.4L(325HP)エンジンを搭載していました。ジャベリンはマスタングやシボレー カマロより大きかったので室内が広くデザインもシンプルでしたので人気があり、AMCの車としてよく知られています。AMXは1970年まで、ジャベリンは1971年に2代目が登場し1974年まで生産されました。(実車画像→ AMC AMX 1968、AMC ジャベリン 1971)
ミニカーは1972年頃に発売されたスペインのオートピレン製の当時物です。フロントグリルとテールライトのデザインから1970年式のジャベリンで豪華な内装のSST仕様をモデル化しています。オートピレンのミニカーは他社をコピーした物が多かったのですが、同社オリジナルのミニカーもありました。このジャベリンは他社が手掛けていないので、同社のオリジナルのようです。プロポーションが良くシャープな造形で実車がうまく再現され当時のミニカーとしてレベルの高い出来ばえでした。ホイールは質感の良い金属製パーツで、ボンネット/ドア/トランクが開閉するギミック付きです。またエンジンルーム内や室内などの細部も良く再現してあります。これ以外のAMX/ジャベリンのミニカーはナコラルの当時物のAMX、マッチボックスの当時物 ジャベリン、アーテルのAMX 1/18、ジョニーライトニングのAMX 1/64、グリーンライトのジャベリン 1/64などがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります
https://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=451
AMC グレムリン アメリカ 1970年
1970年代のAMCのモデルラインアップは、サブコンパクトカーのグレムリン、コンパクトカーのホーネットとペーサー、ミッドサイズのマタドール、フルサイズカーのアンバサダーがありました。1970年に登場したグレムリンは上級車のホーネット(3ボックスセダン)のホイールベース短縮版でした。ホーネットのテールエンドを斜めに切り落としたようなデザインは当時としては極めて斬新なハッチバック車でした。リアサイドウィンドーが固定された2人乗りクーペと、ウィンドーが開く4人乗りハッチバックがありました。名前のグレムリンとは機械の中に住み着いて悪さをする小悪魔のことで、ビッグ3に対抗する厄介者というような意味があるようです。 (実車画像→ AMC ホーネット 1971)
エンジンは4気筒2L、6気筒3.3L/3.8/4.2L、V型8気筒5Lなどがあり、3段自動変速で最高速166km/h(6気筒3.3L)の性能でした。1972年に2人乗り仕様が廃止され、1973年に衝撃吸収バンパーが採用され、1976年にフロントグリルの意匠が変更されました。1977年にもフロント/リアの意匠が大きく変更されました。1979年にグレムリンをベースにして外観を大きく変更したスピリットにモデルチェンジしました。(実車画像→ AMC スピリット 1979)
グレムリンのデザイン コンセプトをさらに発展させてボディを大型化したぺーサーが1975年に登場しました。1970年にAMCはジープの製造元であるカイザー ウィリス社を買収しました。1979年にAMCはフランスのルノー社の傘下になり、1987年にはクライスラー社に買収されて消滅しました。AMCが買収していたカイザー ウィリス社のジープはクライスラー(現在はステランティス N.V.)社の有力なブランドとして今も残っています。
ミニカーは1976年頃に発売されたポリトーイ(ポリスティル)製の当時物です。型番EL**のELシリーズは現在の感覚では廉価版的なミニカーで、安っぽいフリーホイールが付いていてあまり良い出来ばえではありませんでした。ただグレムリンの特徴的なボディはそれなりにうまく再現されていました。ドアが開閉するギミック付きです。グレムリンの当時物ミニカーはこれしかありませんでしたのでその点では貴重でした。これ以外のグレムリンのミニカーはジョニーライトニングの1/64、MOTORMAXの1/24などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります
https://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=452
ケンウォース カートランスポーター アメリカ 1970?年
ケンウォース社はアメリカのトラックメーカーで、1912年にガーリンガー兄弟が自動車車販売店 ガーリンガー モーターカー ワークス(Gerlinger Motor Car Works)として創業しました。自動車販売だけでは満足出来なかった兄弟は、1914年に自ら自動車製造会社を設立し、当時一般的であった4気筒エンジン搭載トラックではなくより強力な6気筒エンジンを搭載したトラックを開発しました。強力なエンジンを搭載し頑丈であったことから、同社のトラックは成功しました。
同社はビジネスマンのエドガー ウォージントン(Edgar K. Worthington)とハリー ケント(Harry W. Kent)に買い取られ、1923年に会社名を両者の名前を冠したケン アンド ウォース(Ken and Worth)に変更しました。1930年代にはバスと消防車も手掛けるようになり、業界をリードする会社となりました。またトラックにディーゼルエンジンを搭載したアメリカ初の会社でもありました。第2次大戦が始まると軍需産業に転換し航空機製造を行いました。戦後は現在のトラックメーカー パッカー(PACCAR)の前身であったパシフィック カー & ファウンダリー(Pacific Car and Foundry Company)に買収されました。現在はパッカーのケンウォース部門で、アメリカの主要なトラックメーカーです。
ミニカーは1979年に発売されたエイダイ グリップ製です。1960年代に創業したプラモデルメーカー 株式会社永大は1970年代にエイダイ グリップ ブランドでミニカーを販売していました。サンダーバード(国際救助隊)などのキャラクター物のグリップキャラクター、消防車や建機のグリップゼッケン、1/43と1/28サイズのスポーツカーやレースカーのグリップテクニカの3つのシリーズがありました。これはグリップゼッケンシリーズの1台で、ケンウォース カートランスポーターをモデル化しています。トラクターは1965年に登場したケンウォース W900A型をモデル化しているようです。トレーラーは当時の一般的なカートランスポーターをモデル化しています。全長が420㎜ 重量1.6㎏の大きなサイズで、金属製パーツが多く全体的に頑丈に出来ています。トラクターは煙突のような排気管、燃料タンク、後方のスリーパーキャブなどが再現されていて、とても良く出来ています。ドア/ボンエット開閉ギミック付きで、エンジンも再現されています。トレーラーとの接続は実車同様にトラクター後部のカプラーにトレーラー前部のキングピンをスライドさせて接続する方式となっています。以下はトラクターとボンネットを開いたエンジンルーム/室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります
https://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=2055
GM シボレー カマロ Z28 アメリカ 1971年
1970年にGM シボレー カマロ 2代目が登場しました。シャーシは初代と同じでエンジンなどの主要部品もそのままでしたが、ボディは大型化されてスポーツカー的なデザインに変更されました。安全基準の強化で屋根のないオープンカーの設定が無くなり、クーペだけになりました。(Tバールーフ仕様はありました) グレードは初代と同じSS、RS、高性能版のZ28とSS396があり、1973年に豪華仕様のLTが追加されました。当初のエンジンは6気筒3.8L/V型8気筒5L/5.7L(350HP Z28)/6.5L(375HP SS396)などがありました。
1974年のマイナーチェンジで、衝撃吸収大型バンパーが採用されてグリルが後傾し、丸型4灯式テールライトが横長に変更されました。1975年に排ガス規制の影響でハイパワーエンジンがなくなり、高性能版のZ28が姿を消しました。1977年にZ28は復活しましたが1971年に馬力表示がグロスからネットに変更されたことと排ガス対応で、表示馬力は185HPと大幅に低下しました。1978年のマイナーチェンジでフロント/リアの意匠が変更されました。その後1981年までモデルチェンジされずに生産されましたが、これは排ガス規制への対応が新型車開発より優先された為でした。1982年にカマロ 3代目にモデルチェンジしました。
ミニカーは2021年に発売されたデアゴスティーニ製のアメリカンカー コレクションの1台です。シボレー カマロ 2代目の高性能版Z28をモデル化しています。メーカーは明記されていませんがイクソ系列のメーカーだと思われます。(ミニカーを台座に固定するネジに3角溝があるネジが使われていて、このネジを使用するのはイクソ系列のメーカーの特徴ですので) プロポーションが良く、カマロ 2代目のフロントの造形がうまく再現されているなど、実車の雰囲気が良く再現されています。定価が2000円ほどの安価なミニカーながら、ナンバープレートなど細部もそこそこリアルでかなり良い出来ばえです。これ以外のカマロ 2代目のミニカーはアーテル(ERTL)の1/18、スパーク(レジン製)の1/43、マテルの1/64、ブレキナの1/87、ジョニーライトニングの1/64、グリーンライトの1/64などたくさんあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります
https://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=2017
フォード マスタング I マッハ I アメリカ 1971年
フォード マスタングは1969年と1971年にボディが拡大され、1971年には全長4.81mX全幅1.88m(登場時4.63mX1.73m)となりました。それに伴いボディは幅が広いフラットなスタイルになっていきました。特に緩やかに傾斜したルーフを持つ1971年式のファーストバック(SPORTSROOFと称する)は見た目は実にかっこいいのですが、室内は狭く後方視界は最悪だったようです。マスタングの高性能版としてはマッハ I(MACH I)やレースのホモロゲーション用のボスシリーズ(BOSS 302/BOSS 429)がありました。特に1971年式のマッハ Iは映画「007 ダイヤモンドは永遠に (1971)」でボンドカーとしてとして使われたこともあって良く知られています。(劇中車の画像→ マスタング マッハ I 劇中車)
上述したように1969年と1971年に大幅なデザイン変更がありましたが、1973年まで生産されたモデルをマスタング 初代(マスタング I)と分類します。(1969年式を2代目とする分類もありますが) ボディの大型化やハイパワー化が、当初のマスタングの低価格コンパクトカーというコンセプトから外れるようになり、次第に販売は低迷していきました。また1970年代のオイルショックや排ガス規制が大型車やハイパワー車を駆逐するようになり、アメリカ車は次第に小型化されていきました。(この時流にのって販売台数を伸ばした代表が日本車でした) 1974年に2代目のマスタング IIにモデルチェンジしました。
ミニカーはミニチャンプス製のマスタング I マッハ Iで、2009年に黄色、2010年にこの緑色が発売されました。実車に即したカラーリングで平べったい感じが良く再現され、灯火類やストライプ/ロゴがリアルに再現されていて非常に良い出来ばえでした。マッハ Iの1/43量産ミニカーではこれが最高傑作であると思います。ミニカーがあまりに平べったいので、これはデフォルメで強調されているのだろうと思っていました。しかし実車の側面画像とミニカーの側面画像を以下の比較画像のように比べてみると、ミニカーは車高短ぎみですが、実車のプロポーションに忠実であることが分かりました。(室内が狭いことも想像がつきます) これ以外のマッハ Iのミニカーはコーギーの当時物 1/43、オートアートの1/18、サンスターの1/18、グリーンライトの1/43と1/64、京商の1/64などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)