ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

PANHARD DYNA X 1950 FRANCE

PANHARD DYNA X
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
PANHARD DYNA X


NOSTALGIE NO045 1/43 92㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.82m 全幅約1.44m エンジン 変速機: 空冷水平対向2気筒 600cc 22HP 4段変速
性能: 最高速100km/h  データーベースでパナール ディナのミニカー検索

パナール ディナ X フランス 1950年

 

 第2次大戦前は高級車メーカーであったパナールも、戦後は特権階級がいなくなった社会構造の変化に対応する必要があり、小型大衆車を量産することになりました。戦後のパナールのベースとなったディナ Xが1946年に登場しました。ディナ Xはアルミ軽合金のフレームとアルミ製ボディによるセミモノコック構造で、アルミ軽合金製の空冷水平対向2気筒600cc(22HP)エンジンを車軸の前にオーバーハングさせて搭載した前輪駆動方式という極めて革新的な車でした。中身は革新的だったのですが、外観は見てのとおり古くさくユーモラスな感じもします。

 

 外形寸法はルノー 4CVとほとんど同じで最高速100km/hの性能も同じでした。ただしアルミ製ボディなどでコストが数割高いディナはルノー 4CVの1/10ぐらいしか売れませんでした。1954年に外観を大幅に変更したディナ Zにモデルチェンジしました。総生産台数は約4.7万台でした。ディナ Xをベースにした小型2ドアスポーツカー(ロードスター/カブリオレ) ディナ ジュニア(JUNIOR 仏語式に読むとジュニオル)が1952年に登場し、1956年までに約4500台が生産されました。なお優れたサスペンションなどシャーシ性能が高かったディナは、改造されてレースで活躍しました。レースカーではルマンに出場したDB パナールが有名でした。
(実車画像→ パナール ディナ ジュニア 1952)
(実車画像→ DB パナール 1955)

 

 

 ミニカーはイクソの別ブランドであるノスタルジー製で2010年頃に入手した物です。1949年式フォードを思わせる丸いグリルがフロントに追加された1950年式をモデル化しています。ユーモラスな感じがする面構えがよく再現されていて、灯火類や室内などの細部も結構リアルで良く出来ています。これ以外のディナ XのミニカーはCIJの当時物、エリゴールの商用車、イクソ、ノレブのカブリオレなどがあります。ディナ ジュニアのミニカーはCIJの当時物、ビザール(レジン製)などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

PANHARD DYNA X 1
PANHARD DYNA X 2

 以下は1960年に発売されたソリドの当時物 DB パナール HBR5 ルマン 1959 (1/43 型番112)の画像です。1959年ルマンで9位となった車をモデル化しています。1960年代のビンテージミニカーですので素朴な作りですが、DB パナールの数少ないミニカーの一つです。(画像はWEBショップの商品画像を借用しました)
PANHARD DYNA X 2

DB パナールのミニカー → データーベースでDB パナールのミニカー検索

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戦後のイギリス国産自動車メーカーの変遷 1950 UK

第二次大戦後、外国資本から自国資本を守るためイギリスの国産自動車メーカーは団結してBMC(ブリティッシュ モーター コーポレーション)を結成しました。その後も国産自動車メーカーは合併・分裂等を続けました。その変遷を以下のように年表にまとめました。

makers

 1952年に誕生したBMCはライレー、MG、モーリス、ウーズレーを有するナッフィールド グループと、オースチン、バンデン プラを有するオースチンが合併して生まれました。BMCは伝統のある各ブランドの個性を守りながら部品の共通化と車種統合を進めました。1966年には、ジャガーとデイムラーを加えBMH(ブリティッシュ モーター ホールディングス)となり、1968年には、トライアンフと大型商用車レイランドを有するレイランド グループと、ローバー、ランドローバー、アルビスを有するローバー グループを併合しBLMC(ブリティッシュ レイランド モーター コーポレーション)に発展しました。

 BLMCは1975年に財政再建の為に国有化され、BL(ブリティッシュ レイランド)と改名されました。1984年にはジャガーが分割民営化され、オースチン ローバー グループに変わりました。この時点でジャガー、ミニ、ローバー、MG以外のブランドは全て消滅してしまいました。

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ALFA ROMEO 1900 1950 ITALY

ALFA ROMEO 1900
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ALFA ROMEO 1900


BRUMM R089 1/43 101mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.4m 全幅約1.6m エンジン 変速機: DOHC 4気筒 1.9L 90HP 4段変速
性能: 最高速150km/h  データーベースでアルファ ロメオ 1900のミニカー検索

アルファ ロメオ 1900 イタリア 1950年

 

 前述した戦後のアルファ ロメオの新路線に沿って1950年に登場したのが1900でした。1900はモノコック構造の4ドアボディにDOHC 4気筒1.9L(80HP)エンジンを搭載し、4段変速で最高速150km/hの性能でした。戦前のアルファ ロメオほど高性能ではありませんでしたが、1900は当時の2Lクラスとしては最速の車でした。高性能ながら価格は中級車 フィアット 1900の約1.5倍と低価格でしたので、この車は成功しました。

 

 アルファ ロメオの標準ボディはベルリーナ(セダン)だけでしたが、コーチビルダーによって2ドアクーペやカブリオレなど様々なボディが架装されました。その代表的なモデルとしてはトゥーリング製のスーパー スプリント クーペ、ピニンファリーナ製のカブリオレ、ザガート製のSS クーペなどがありました。1951年には100HPにパワーアップしたTIが追加され、1953年には排気量を拡大した2L(90HP)のスーパー、2L(115HP)のTI スーパーが追加されました。1958年に後継車の2000が登場し、1959年に生産中止となりました。1900シリーズの総生産台数は約21000台でした。

 

 

 ミニカーは1983年に発売されたブルム製です。特徴的なフロントグリルがうまく再現されているなど、1980年代の量産ミニカーとしては良い出来ばえでした。ただボンエット先端のマスコット(飛翔する鳥?)はもうすこしリアルに仕上げて欲しかったですが。このような地味なセダンをモデル化してくれるブルムは、私にとってはありがたいブランドでした。ブルムはラリー仕様など数種類のバリエーションを作っています。当時物ミニカーとしてはディンキー(英)のスプリント クーペ、マーキュリーのセダンがありました。当時物以外では、M4、M4傘下のリオ、ネオ(レジン製)などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

ALFA ROMEO 1900 1
ALFA ROMEO 1900 2

 以下は1987年に発売されたブルム製のアルファ ロメオ 1900 TI レース仕様(1/43 型番R145)の画像です。上記のバリエーションで1954年のカレラ パナメリカーナ メヒコに参戦して総合18位となった256号車をモデル化しています。なおこのレースで優勝したのはフェラーリ 375 プラス(19号車)でした。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ALFA ROMEO 1900 1
ALFA ROMEO 1900 2

 以下は1961年頃に発売されたディンキー(英)製の当時物 アルファ ロメオ 1900 スーパー スプリント(1/43 型番185)の画像です。コーチビルダー トゥーリング製の2ドア クーペをモデル化しています。60年以上も前に発売された当時物ですので、素朴な出来ばえですが、プロポーションは良くできています。同じ型を使ったディンキー(仏)版(型番527)もありました。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ALFA ROMEO 1900 1
ALFA ROMEO 1900 2

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BENTLEY MK VI 1950 UK

BENTLEY MK VI
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BENTLEY MK VI


IXO MUS052 1/43 114mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.88m 全幅約1.78m エンジン 変速機: 6気筒 4.3L 132HP 4段変速
性能: 最高速154km/h  データーベースでベントレー MKのミニカー検索

ベントレー MK VI イギリス 1950年

 

 1946年に登場した戦後型のベントレー MK VIはその1年後に発表されることになっていたロールス ロイス シルバー レイスのベントレー版でした。シルバー レイスのホイールベースが短縮されて、エンジンがチューンアップされていました。なおこの時代の高級車のボディはコーチビルダーが架装していましたが、このベントレー MK VIにはロールス ロイス社標準のスチール製ボディが設定されていました。

 

 このベントレーの標準ボディの採用はロールス ロイスにも波及しました。これはアメリカ市場でのコンパクトセダンの需要に対応したものでもありました。標準ボディ設定によって低コスト化されたベントレー MK VIのロールス ロイス版が検討され、それがロールス ロイス シルバー ドーン(DAWN:夜明け)として1949年に発表されました。1952年にシルバー ドーンがマイナーチェンジされた際にシルバー ドーンは名前を変えませんでしたが、ベントレー MK VIはベントレー R タイプに名前が変更されてモデルチェンジとなりました。ベントレー MK VIの総生産台数は約5200台でした。

 

 

 ミニカーはイクソ製のミュージアムシリーズで、2014年に発売されました。良くできたマスコットの付いたフロントグリルやヘッドライト類など、このシリーズに共通するレベルの高い仕上がりでした。銀/黒のツートンカラーは実車にそぐわしいカラーリングで、室内もそこそこ良く再現されています。ベントレー MK VIのミニカーは最近までウエスタンモデル(ホワイトメタル製)の物しかなかったので、イギリス製高級車を代表する車として標準ボディを採用したベントレー MK VIがダイキャスト製1/43ミニカーとしてモデル化されたのは嬉しいことでした。その後ベントレー MK VIはオックスフォードの1/43と1/76、マトリックス(レジン製)などで20種類ほどがモデル化されました。 以下はフロント(エンブレム/マスコット拡大)/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

BENTLEY MK VI 1
BENTLEY MK VI 2

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FORD V8 PILOT 1950 UK

FORD V8 PILOT
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD V8 PILOT


DINKY (MATCHBOX) DY05 1/43 104mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.55m 全幅約1.77m エンジン 変速機: V型8気筒 3.6L 85HP 3段変速
性能: 最高速130km/h  データーベースでフォード V8のミニカー検索

フォード V8 パイロット イギリス 1950年

 

 第2次世界大戦中のイギリス フォードはイギリス軍の要請に従い、軍用車両やそのエンジンの生産を行いました。Wikipediaによればロールス ロイスの航空機用エンジンをロールスロイスと同等の品質で本家よりも効率的に生産したとのことです。(さすがはフォード式生産方式恐るべしです)

 第2次世界終了後すぐに戦前型V8の小改良版で自動車生産が再開されました。戦前のモデルとしては欧州向けに開発した4気筒1Lクラスのエンジンを搭載し「ベビー フォード」と呼ばれた小型車のY型(アングリアとその上級車のプリフェクト)と、アメリカ本国と同じV型8気筒エンジンを搭載した中型車V8の2種類がありました。

 

 戦前型V8を改良して1947年に登場したのが、V8 パイロットでした。V型8気筒3.6L(85HP)エンジンを搭載し、3段変速で最高速130km/hの性能でした。セダン以外にワゴンやピックアップもありました。戦前型そのままのボディ、前後ともリーフ式のサスペンションなど旧式の設計でしたが、1951年までに約22000台が生産されました。

 

 

 ミニカーはマッチボックス傘下のディンキー製で、1991年頃に発売しされたものです。マニア向けとして作られたミニカーですので、プロポーションがしっかりしていて、実車の雰囲気がうまく再現された良い出来ばえです。この時代のフォードのオーソドックスなセダンはほとんどモデル化されていないので、車種的に貴重です。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FORD V8 PILOT 1
FORD V8 PILOT 2

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