ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

ALFA ROMEO CARABO BERTONE 1968 ITALY

ALFA ROMEO CARABO BERTONE
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ALFA ROMEO CARABO BERTONE


SOLIDO 172 1/43 98㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.18m 全幅約1.79m エンジン 変速機: DOHC V型8気筒 2L 230HP 6段変速
性能: 最高速250km/h  データーベースでアルファ ロメオ カラボのミニカー検索

アルファ ロメオ カラボ ベルトーネ イタリア 1968年

 

 アルファ ロメオ カラボは1968年のパリ サロンで公開されたデザイン コンセプトカーです。直線的で鋭くとがったウエッジシェイプを基調にした極めて前衛的なデザインはベルトーネのM.ガンディーニによるものです。シャーシはアルファ ロメオ ティーポ 33で、V型8気筒エンジンをミドシップ搭載しています。前方に跳ね上がるドアの開閉方式(シザードア)はこの車で初めて採用された目新しいものでした。ボディ後方はエンジンの排熱の為ルーバーで覆われていて、後方視界はそのルーバーの隙間から見るようです。このルーバーのモチーフはフロントノーズやボディ前後の下部にも反復されています。

 

 特徴的な前方に跳ね上がるドアというと真っ先にランボルギーニ カウンタックが思い浮かびます。このシザードアはカラボが公開された3年後の1971年に発表されたランボルギーニ カウンタックに市販車として始めて採用されました。(カウンタックのデザインはカラボと同じM.ガンディーニでした) なおカラボという名前は昆虫のオサムシ(CARABIDAE)に由来していて、ボディカラーの緑とオレンジもその虫の色にあわせたようです。

 

 

 ミニカーは1969年に発売されたソリド製の当時物です。ソリドらしいシャープな造形でカラーリングも含めて実車を忠実に再現したソリドの傑作でした。また跳ね上げ式のドアが開閉するギミック付きで、その動作はスムーズかつ開閉部の隙間も最小でソリドの鋳造技術の高さを示しています。(ソリドやメルクリン等の可動部のある1960-1970年代のダイキャスト製ミニカーの鋳造技術は、現在の可動部のないミニカーよりレベルが高いです) ソリド以外の当時物ミニカーではディンキー(仏)、ポリトーイ、マーキュリー、マッチボックスなどがモデル化しており、当時の実車の人気の高さを反映しています。エンジンなども再現しているポリトーイの1/25やディンキー(仏)の1/43も結構良い出来ばえでした。当時物以外ではスパーク(レジン製)とTOPMARQUES(レジン製 1/43と1/18)でもモデル化されています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

ALFA ROMEO CARABO BERTONE 1
ALFA ROMEO CARABO BERTONE 2

 以下は俯瞰図とシザーズドアを開いた室内の画像です。俯瞰図でもボディ全体がウエッジシェイプになっていることが分かります。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ALFA ROMEO CARABO BERTONE 3

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ALFA ROMEO 1750 BERLINA 1968 ITALY

ALFA ROMEO 1750 BERLINA
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ALFA ROMEO 1750 BERLINA


STARLINE 510967 1/43 103mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.39m 全幅約1.57m エンジン 変速機: DOHC 4気筒 1779cc 122HP 5段変速
性能: 最高速176km/h  データーベースでアルファ ロメオ 1750/2000のミニカー検索

アルファ ロメオ 1750 ベルリーナ イタリア 1968年

 

 アルファ ロメオ 2600 シリーズの後継車として、1967年に1750 ベルリーナが登場しました。ジュリアのホイールベースを延長して室内を拡大し、排気量を1779cc(122HP)に拡大したエンジンを搭載し最高速176km/hの性能でした。エンジン排気量が1779ccなのに名前が1750というのは、戦前の名車6C 1750に因んだものでした。ボディはジュリアをシンプルにしたようなスタイルで、ベルトーネのデザインだったそうです。

 

 なお1750 シリーズには2ドアクーペのGTV、2シーター オープン仕様のスパイダーもありましたが、それらはジュリア シリーズのボディを流用していました。1971年にはエンジンを2L(132HP)に拡大した2000 ベルリーナが追加され、アルファ ロメオの最上級車として1977年まで生産されました。1750シリーズの後継車として1972年にアルフェッタが登場しました。アルフェッタの内外装を豪華にして2Lエンジンを搭載した高級仕様のアルフェッタ 2000が1976年に追加され2000 ベルリーナの後継車となりました。

 

 

 ミニカーは2009年頃に発売されたスターライン製です。スターラインは2005年に設立されたドイツのメーカーです。主に1950-1980年代のアルファ ロメオやフィアットなどのイタリア車のダイキャスト製ミニカーをモデル化しています。(最近は新製品を出していないようですが) プロポーションが良く室内などの細部も結構リアルに出来ているのですが、ヘッドライトが小さめなので肝心のフロントグリルの顔つきがいまひとつ似ていないのが残念です。ただ1750 ベルリーナは当時物のミニカーがなく、2022年現在でもこれぐらいしかミニカーがないので、車種的には貴重なミニカーになります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

ALFA ROMEO 1750 1
ALFA ROMEO 1750 2

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ALFA ROMEO JUNIOR Z (ZAGATO) 1969 ITALY

ALFA ROMEO JUNIOR Z (ZAGATO)
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ALFA ROMEO JUNIOR Z (ZAGATO)


SOLIDO 183 1/43 89mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.9m 全幅約1.55m エンジン 変速機: DOHC 4気筒 1.3L 103HP 5段変速
性能: 最高速175km/h  データーベースでアルファ ロメオ ジュニア Zのミニカー検索

アルファ ロメオ ジュニア Z (ザガート) イタリア 1969年

 

 アルファ ロメオ ジュニアはジュリアに1.3Lエンジンを搭載したモデルでしたが、そのスペシャルモデルとして1969年にジュニア Z (ザガート)が登場しました。ザガートのデザインによる従来のジュリエッタ SZジュリア TZはアルミ製の軽量ボディを持つレース用のスペシャルモデルでしたが、このジュニア ザガートは実用的な2シーター スポーツカーとして設計され、ボディはスチール製でした。

 

 ウエッジシェイプを基調にしたボディ、4灯式ライトを透明カバーで覆ったユニークなフロントグリルなど、先進的で魅力的なスタイルで人気がありました。リアのハッチバックはベンチレーション用に電動モーターで僅かに開ける機能がありました。DOHC 4気筒1.3L(103HP)エンジンを搭載し、最高速175km/hの性能でした。1972年にはエンジンを1.6L(109HP)に拡大し、1600 ジュニア Z (ザガート)となりました。(1600 ジュニア Zはテールが100㎜ほど長くなるなど外観が少し変更されました) 1975年まで限定生産され、総生産台数は約1500台(1600 ジュニア Zが約400台)でした。

 

 

 ミニカーはソリド製の当時物で1971年に発売されましたプロポーションが良く、最大の特徴である独創的なフロントグリルが非常にリアルに再現されていて、購入した際にさすがはソリドと感心したものでした。(ソリドのミニカーは当時の一級品でした) 昔のミニカーに多いダイヤカットのラインストーンを使ったヘッドライトが妙にリアルに見えて、この造形は現在のミニカーとしても通用する良い出来ばえだと思います。ドアが開閉するギミック付きです。これ以外の当時物ミニカーとしてはメーベトイがありましたが、そちらはフロントグリルの透明カバーを再現していない点でやや見劣りします。 当時物以外ではミニチャンプス、京商(サークルK)の1/64、スパーク(レジン製)などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。室内にはセンターコンソール中央から水平に突き出したシフトレバーが再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

ALFA ROMEO JUNIOR ZAGATO 1
ALFA ROMEO JUNIOR ZAGATO 2

 以下は1971年に発売されたメーベトイ製の当時物 アルファ ロメオ ジュニア Z (1/43 型番A46)の画像です。フロントグリルの透明カバーが再現されていないので、その部分と灯火類は上記ソリドより見劣りします。ただプロポーションはソリドと同等レベルで、ボンネット/ドアが開閉するギミックや室内の造形はソリド製より凝っています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ALFA ROMEO JUNIOR ZAGATO 3
ALFA ROMEO JUNIOR ZAGATO 4

 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ALFA ROMEO JUNIOR ZAGATO 5
ALFA ROMEO JUNIOR ZAGATO 6

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ALFA ROMEO MONTREAL 1970 ITALY

ALFA ROMEO MONTREAL
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ALFA ROMEO MONTREAL


POLITOYS S6 1/25 177㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.22m 全幅約1.67m エンジン 変速機: DOHC V型8気筒 2.6L 200HP 5段変速
性能: 最高速220km/h  データーベースでアルファ ロメオ モントリオールのミニカー検索

アルファ ロメオ モントリオール イタリア 1970年

 

 1970年に登場したアルファ ロメオ モントリオールはフェラーリのような本格的なスポーツカーでした。この車のプロトタイプが1967年モントリオール万国博覧会にショーカーとして出展されたことがモントリオールという名前の由来でした。デザインはベルトーネで、1964年に発表されたショーカーのカングーロがベースとなっています。リアクオーターパネルのエアーベントとまつ毛(スリット付のカバー)の付いたヘッドライトがデザイン上の特徴です。ヘッドライトを点灯するとまつ毛部分は手前に一回転してヘッドライトの下に格納されるようになっています。(→実車ライト点灯動画)

 

 アルファ ロメオ 2000GTをベースにして、レーシングカーのティーポ 33用のV型8気筒2.6Lエンジンを200HPにデチューンしてフロントに搭載し、最高速220km/hとスーパーカー並みの性能でした。ただしお値段も当時の価格で770万円とスーパーだったので、1977年までの7年間で約3700台ほどしか生産されていません。

 

 

 ミニカーは1973年に発売されたポリトーイ製の当時物です。縮尺が1/25のポリトーイ Sシリーズの初期物で、大スケールミニカーの先駆けとなったミニカーでした。このSシリーズは最初の数種類はかなり良い出来ばえでしたが、その後だんだん単に大きいだけの低レベルなミニカーになっていきました。これはSシリーズでは6台目で、プロポーションが良く特徴的なヘッドライト造形は結構リアルで、当時のこのサイズのミニカーとしては良い出来ばえでした。ボンネットとドアが開閉するギミック付きで、エンジンや室内などの細部も大きさに見合ったレベルでそれなりに再現されています。これ以外のモントリオールのミニカーはメーベトイ、マーキュリー、ノレブなど当時物ミニカーがありましたが、ミニカー全体の品質レベルが落ちていった時期だったのであまり良い物がありません。サイズが大きいので当たり前かもしれませんが、当時物ではこのポリトーイが一番出来が良いと思います。当時物以外のミニカーではオートアートの1/18、ミニチャンプス、M4、国産名車コレクション(イクソ製)などがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

ALFA ROMEO MONTREAL 1
ALFA ROMEO MONTREAL 2

 以下は1971年に発売されたマーキュリー製の当時物 アルファ ロメオ モントリオール (1/43 型番304)の画像です。マーキュリーらしいややオーバーにデフォルメされた部分もありますが、当時のミニカーとしては標準的な出来ばえでした。ドアが開閉するギミック付きです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ALFA ROMEO MONTREAL 3
ALFA ROMEO MONTREAL 4

 以下は1972年に発売されたノレブ製の当時物 アルファ ロメオ モントリオール (1/43 型番816)の画像です。これは当時のノレブの廉価版ミニカーであったJETCARシリーズの物です。廉価版でしたが、プロポーションなどの基本的なところはちゃんと押さえて作ってあります。これも当時のミニカーとしては標準的な出来ばえでした。ドアが開閉するギミック付きです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ALFA ROMEO MONTREAL 5
ALFA ROMEO MONTREAL 6

 以下は2015年に発売された国産名車コレクションのアルファ ロメオ モントリオール (1/43 No.240)の画像です。メーカーはイクソです。最近のミニカーですので、フロントグリル、灯火類、ホイール、ボディ各部のスリットなどの細部がきちんと仕上げてありますので、安価な雑誌付きミニカーとしては良く出来ていると思います。なおサイドビューをみるとノーズの尖り方が一番少ないことがわかります。スケールモデル的な観点では、このノーズが一番リアルなようですが、イメージ的にはやや物足らない感じがします。またヘッドライトのカバーは結構リアルですが、立て付けが悪いのか左右で開き方が違っているのが惜しいです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ALFA ROMEO MONTREAL 7
ALFA ROMEO MONTREAL 8

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ALFA ROMEO ALFETTA 1972 ITALY

ALFA ROMEO ALFETTA
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ALFA ROMEO ALFETTA


EDISON GIOCATTOLI 804521 1/43 102㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.28m 全幅約1.62m エンジン 変速機: DOHC 4気筒 1.8L 122HP 5段変速/3段自動変速
性能: 最高速180km/h  データーベースでアルファ ロメオ アルフェッタのミニカー検索

アルファ ロメオ アルフェッタ イタリア 1972年

 

 アルファ ロメオ 1750の後継車アルフェッタが1972年に登場しました。アルフェッタという名前は1950年代のGPカー 159に付けられた愛称で、159は変速機を後輪デフ直前に配置するトランス アクスル方式(前後重量配分が良くバネ下重量が軽い)を採用していました。同じトランス アクスル方式を採用したことからこの新型車にもアルフェッタという名前が付けられ、50:50の前後重量配分で優れた操縦性と良好な乗り心地を実現していました。自社でデザインしたボディスタイルもなかなか魅力的でした。(同時期のBMWに良く似ています) DOHC 4気筒1.8L(122HP)エンジンを搭載し、最高速180km/hの性能でした。

 

 1974年に2ドアクーペのGTが追加されました。1975年に丸形2灯式ヘッドライトで1.6Lエンジンを搭載した廉価版1.6、1977年に角形2灯式ヘッドライトで内外装を豪華にして2Lエンジンを搭載した高級版の2000、1979年に2Lターボ ディーゼル エンジンを搭載したターボ Dが追加されました。さらにアルフェッタをベースにしてボディを大型化しV型6気筒2.5L(158HP)エンジンを搭載したアルファ ロメオの最上級車 アルファ 6が1979年に登場しました。(実車画像→ アルファ ロメオ アルファ 6) アルフェッタは基本設計は素晴らしかったのですが、当時のイタリアの製造品質の問題(ボディ鋼板の錆、シャフトの振動などの不具合)があって商業的には失敗しました。1984年に内外装を変更した後継車の90にモデルチェンジしました。

 

 

 ミニカーはエジソン(EDISON GIOCATTOLI)製で2007年に発売されました。エジソンはイタリアの玩具メーカーでモデルガンが有名なようですが、1/43のダイキャスト製ミニカーも手掛けていたようです。(他社からのOEM品だと思われます、このアルフェッタはノレブの物によく似ています) 直線的なスタイルや端正なフロントマスクが良く再現されていて、かなり良い出来ばえです。室内も結構リアルに再現されています。アルフェッタ セダンの当時物ミニカーはポリトーイとメーベトイがありました。当時物以外ではミニチャンプス、ノレブ、ネオ(レジン製)などがあります。アルファ 6のミニカーはノレブ、KESS MODEL(レジン製)、ネオ(レジン製)があります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

ALFA ROMEO ALFETTA 1
ALFA ROMEO ALFETTA 2

 以下は1974年に発売されたメーベトイ製の当時物 アルファ ロメオ アルフェッタ (1/43 型番A76)の画像です。安っぽいスピード ホイールと車高が高いのがいまいちですが、実車の雰囲気の再現はまずまずの出来ばえです。コストを下げる為、バンパーとヘッドライトとグリルを一体化するという大胆なパーツ削減をしています。この当時のヨーロッパは第1次オイルショックによる不況でそれまでのような凝った作りのミニカーが売れなくなっていました。その為いずれのブランドもこのような廉価版ミニカーを主力にしていましたので、この時期のミニカーはあまり出来が良くありません。廉価版ですが、まだドア開閉ギミックは付いています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ALFA ROMEO ALFETTA 3
ALFA ROMEO ALFETTA 4

 

 

 

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