ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

TRAM SOUTHAMPTON CORPORATION TRAMWAYS 1923? UK

TRAM SOUTHAMPTON CORPORATION TRAMWAYS
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
TRAM SOUTHAMPTON CORPORATION TRAMWAYS


CORGI C990/1 1/72 126mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約9m? 全幅約2.4m? エンジン 変速機: 電気モーター 
性能: 最高速 不詳   データーベースで路面電車のミニカー検索

路面電車 サウサンプトン コーポレーション イギリス 1923?年

 

 都市内の交通機関であった乗合い馬車は、1840-50年代には道路上に敷設された線路上の車両を馬で引く路面鉄道となっていきました。路面鉄道は馬車よりも乗り心地が良く乗降りがスムーズにできるメリットがありました。その後馬の代わりに動力を蒸気エンジン、ケーブル牽引、電気モーターとする試みが行われ、1890年以降は電気モーターが主流となりました。ケーブル牽引はその名の通り地中に這わしたケーブルで車両を引っ張ります。ケーブル牽引の実例としては現在も使われているサンフランシスコ名物のケーブルカーがあります。

 

 電気モーターによる路面鉄道(路面電車)は英語ではトラム(TRAM又はTRAMWAY)と呼び、1879?にドイツのシーメンスがベルリン博覧会で公開したものが最初でした。なお線路を必要としない自動車による乗合いバスも同時期に発達しており、有名な2階建てロンドン バスの最初のモデル(ディムラー製)が1904年に登場しています。路面電車は乗合いバスに比べて給電線/ポイント/レールのメンテナンスなどの運行システムにコストがかかるので、自動車の発達に伴い徐々に衰退していきました。なお最近は路面電車が見直され、ヨーロッパなどで復活しています。(実車画像→ ディムラー製の最初の2階建て ロンドン バス 1904)

 

 

 ミニカーは1990年頃に発売されたコーギー製です。1920年代のイギリスのディック カー(DICK KERR)社製の2階建て路面電車で、イギリス南部の都市サウサンプトンのサウサンプトン コーポレーションで使われていた路面電車をモデル化しています。縮尺は1/72で、コーギーの2階建てバスや路面電車はこの縮尺で作られているものが多いです。路面電車の特徴である運転レバー、屋根上の集電器、床下の動輪/排障器などが再現されています。運転手のフィギュアが付いていて梱包箱は街並みのジオラマ風になっていますので、ノスタルジックな雰囲気のある楽しいモデルに仕上がっています。この路面電車は前後の運転席がオープンになっていますが、運転席が客室と一体化していたタイプもありました。当時の古い路面電車の画像を探すと、ほとんどが2階建て路面電車で、コーギーは2階建て路面電車もモデル化しています。コーギーはこの種のクラシックなバスや商用車を数多くモデル化していますが、それらは日本国内ではほとんど販売されていません。(日本国内ではこのジャンルのミニカーは売れないからでしょう) 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

TRAM SOUTHAMPTON CORPORATION TRAMWAYS 1
TRAM SOUTHAMPTON CORPORATION TRAMWAYS 2

 以下はジオラマ仕立てとなっている梱包箱の画像と床下の画像です。梱包箱の道路上には線路があり、路面電車床下の動輪がその線路の上に乗っています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
TRAM SOUTHAMPTON CORPORATION TRAMWAYS 3

 以下は上記と同時期に発売されたコーギー製の2階建て路面電車 (1/72 型番C992/1)の画像です。上記の路面電車のバリエーションで、同じディック カー(DICK KERR)社製の2階建て路面電車です。側面下部に「LEEDS CITY TRANSPORT」と表示されていますので、イギリスのリーズ市で使われていた路面電車をモデル化しています。上記のバリエーションですので、同じような出来ばえになっています。こちらには運転手のフィギュアが付いていませんが、やはりフィギュアが付いている方がリアルな感じがします。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
TRAM SOUTHAMPTON CORPORATION DOUBLE DECKER TRAMWAYS 1
TRAM SOUTHAMPTON CORPORATION DOUBLE DECKER TRAMWAYS 2

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ROLLS ROYCE PHANTOM I 1926 UK

ROLLS ROYCE PHANTOM I
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ROLLS ROYCE PHANTOM I


MATCHBOX Y36 1/45 115mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5m エンジン 変速機: 6気筒OHV 7668cc 約100HP 4段変速
性能: 最高速141km/h  データーベースでロールス ロイス ファントムのミニカー検索

ロールス ロイス ファントム I イギリス 1926年

 

 ロールス ロイスは1907年からシルバー ゴーストだけを作り続け、1925年までに6000台以上を販売し、その高い信頼性で「The Best Car of the World」の名声を確立しました。シルバー ゴーストは高価なため顧客は王侯貴族がほとんどで日本の皇室も1920年に2台を購入しています。そのシルバー ゴーストもさすがに性能的に時代遅れになり、1925年に後継車として登場したのがファントムでした。(なお1929年にファントム IIが登場してからはファントム Iと呼ばれるようになりましたが、これは公式の名前ではありません)

 

  旧型のサイドバルブ式エンジンは新型のOHV6気筒 7668cc(90-100HP)エンジンに変更されました。技術的な特徴としてはギヤボックスの回転力を使った精巧なメカニカル サーボのついた4輪ドラムブレーキが採用されていることで有名でした。ファントム Iはイギリスとアメリカに製造工場があり、イギリスでは1929年まで約2200台が生産され、アメリカの工場では1931年まで約1200台が生産されました。なおイギリス版とアメリカ版ではステアリングホイールの位置、ホイールベース、変速機の仕様などが少し異なっていました。

 

 

 ミニカーはマッチボックスのYシリーズで、1990年に発売されました。コーチビルダー フーパー(HOOPER)が架装した4ドア リムジンをモデル化しています。マッチボックスのYシリーズの初期の物はカラーリングや造形にやや玩具的なところがあったのですが、1980年代後期になるとスケールモデル的な造形がされるようになりました。このファントム Iも縮尺1/45と標準的な縮尺の1/43より少し小振りなのがいまいちですが、プロポーションがしっかりしていてかなり良い出来ばえです。赤茶と黒のツートンのカラーリングもロールス ロイスの雰囲気によく似合っています。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

ROLLS ROYCE PHANTOM I 1
ROLLS ROYCE PHANTOM I 2

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BENTLEY 3L 1926 UK

BENTLEY 3L
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BENTLEY 3L


IXO CLC016 1/43 98mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.34m 全幅約1.74m エンジン 変速機: 4気筒OHC 3L 90HP 4段変速
性能: 最高速150km/h  データーベースでベントレー 戦前のミニカー検索

ベントレー 3L イギリス 1926年

 

 ベントレー社は第1次大戦中に航空機エンジン設計を手がけたウォルター オーエン (W.O.) ベントレーが1919年に設立しました。1921年に発売された最初のモデル 3Lは、当時のレーシングカー並のOHC 4バルブ4気筒3L(90HP)エンジンを搭載し4輪ブレーキを備えた高性能車でした。1923年に80HPにパワーアップしたスピード、1925年に85HPにパワーアップしたスーパースポーツが追加されました。1929年まで生産され、総生産台数は約1600台でした。

 

 ベントレーは1923年から始まったルマン 24hレースに参戦し、1924年のルマンで3Lが初優勝しました。当時の自動車レースではベンツ、プジョーなどが活躍していてイギリス車は不振でした。そんな訳でベントレーがルマンで初優勝したことはずいぶん画期的なことだったようです。当時のベントレーのレース活動を資金援助やアマチュアドライバーとしてサポートしたファクトリーチームは「ベントレー ボーイズ」と称されました。このベントレーボーイズの活躍で、ベントレーは1927年からルマンで4連勝してイギリスのスポーツカーとして有名になりました。なお1931年にベントレー社はロールス ロイス社に買収されレース活動から撤退しました。

 

 

 ミニカーは2002年に発売されたイクソ製です。イクソが作るクラシックカーはいずれも出来が良いのですが、このベントレーも実車のスパルタンな雰囲気がうまく再現されていて、ホイールや泥よけフェンダーなどの細部もリアルで良い出来ばえです。フロンスクリーンの横についたクラクションが時代を感じさせます。イクソは同じ型で1924年と1927年のルマン優勝車もモデル化しています。イクソ以外のベントレー 3Lのミニカーは1960年代のコーギーがストリート仕様と1927年のルマン優勝車をモデル化していました。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

BENTLEY 3L 1
BENTLEY 3L 2

 以下は上述のバリエーションで2002年に発売された3L 1924年 ルマン 優勝車(1/43 型番9001)の画像です。ルマン仕様車といってもヘッドライトのストーンガードとゼッケンがついているぐらいしか外観の違いはありません。当時はストリート仕様車をパワーアップしただけの車がルマンで優勝できたのです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BENTLEY 3L LE MANS 1
BENTLEY 3L LE MANS 2

 以下は1964年に発売されたコーギーの3L 1927年 ルマン優勝車(1/43 型番9001)の画像です。1960年代のコーギーのクラシックカーのミニカーは数種類しかありませんが、いずれもマニア向けで当時としてはかなり出来の良いミニカーでした。このベントレーも真鍮パイプ製の排気管など凝った作りで実に良く出来ています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BENTLEY 3L LE MANS 3
BENTLEY 3L LE MANS 4

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AUSTIN SEVEN AD TOURER 1926 UK

AUSTIN SEVEN AD TOURER
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
AUSTIN SEVEN AD TOURER


VITESSE VCC092 1/43 67㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約2.87m 全幅 約1.59m エンジン 変速機: 4気筒 747cc 10HP 3段変速
性能: 最高速74km/h  データーベースでオースチン セブンのミニカー検索

オースチン セブン AD ツアラー イギリス 1926年

 

 ウーズレー社の技術者であったハーバート オースチン(Herbert Austin)はウーズレー社を退社して1905年にオースチン モーター社を設立しました。最初のオースチン車は4気筒5Lエンジンを搭載した高級車でした。その後エンジンの種類を増やしレースに参加するなどして企業規模を拡大し乗用車ベースの商用車やトラック/軍用車なども手がけました。第1次大戦中は装甲車などの軍需品を生産し業績を伸ばしました。

 第1次大戦後は1919年に4気筒3.6Lエンジンを搭載する大型車トゥエンティ(20)を大量生産する方針を立てましたが、これはうまくいかず資金難に陥りました。そこで方針を変更して1921年に投入した4気筒1.7Lエンジン搭載の中型車トゥエルブ(12)はある程度成功し、この車はロンドンタクシーとして良く知られています。(実車画像→ オースチン トゥエルブ)

 

 1922年に4気筒747(10HP)㏄エンジンを搭載した小型車セブン(7)が登場しました。発売当初は専門家に「まるでおもちゃだ」と評価されましたが、簡素ながらも普通車と同じ本格的な構造で大量生産による低価格で人気を博しました。セブンは同じようなコンセプトのフランスのシトロエン 5CVと同様に、当時の低価格車であったサイクルカーを駆逐して大ヒットしました。当社はオープンカーだけでしたが、密閉型ボディのセダンや商用バンも追加され、1939年までに約29万台が生産されました。この成功でオースチンはイギリスを代表する自動車会社に成長しました。

 

 

 セブンの2シーター ロードスターのスポーツ仕様はモータースポーツで活躍しました。1931年にはスーパーチャージャー付きの750ccエンジン搭載車がこのクラスとして初の最高速100マイル/h(160km/h)オーバーの記録を達成しています。セブンは小型車のお手本としてドイツのBMW ディキシーなどでライセンス生産されました。オースチンはその後モーリス、ウーズレー、ライレーと合併しBMCとなり、セブンという名前は戦後のオースチン セブン(ミニ)に使われました。

 ミニカーは2000年に発売されたビテス製です。セブン初期のAD ツアラー(オープンカー)をモデル化しています。実車が小さいのでミニカーも全長67㎜ほどと小さなサイズながら、実車の雰囲気がうまく再現されています。初期型の特徴である黒い枠のラジエータグリルと運転席手前(スカットル)両脇につけられたヘッドライト、リアルなワイヤースポークホイール、そこそこ再現された室内など細部も良く出来ています。ビテスはセダンのRK サルーンもモデル化しています。これ以外のセブンのミニカーはイクソのセダンとバン、マッチボックスのバン、オックスフォードのセダンとバン 1/43と1/76などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

AUSTIN SEVEN AD TOURER 1
AUSTIN SEVEN AD TOURER 2

 以下は室内の画像と俯瞰/床下部分の画像です。床下部分にはセブンが採用した特殊な三角形のフレーム構造やリアサスペンション構造などが簡単な表現ながら再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
AUSTIN SEVEN AD TOURER 3
AUSTIN SEVEN AD TOURER 3

 以下は2002年に発売されたイクソ製のオースチン セブン RK サルーン 1927 (1/43 型番CLC014)の画像です。密閉式キャビンを持つRK サルーンをモデル化しています。イクソは倒産したビテスの業務を引き継いでいるので、これはビテスのセダンをそのまま流用したものです。キャビン部分が変更されてドアが大きくなり、ラジエータグリルの枠がメッキされ、ヘッドライトがラジエータグリルの横に付いているなど細部まできちんと変更されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
AUSTIN SEVEN RK SALOON 1
AUSTIN SEVEN RK SALOON 2

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ROLLS ROYCE PHANTOM I 1927 UK

ROLLS ROYCE PHANTOM I
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ROLLS ROYCE PHANTOM I


DIAPET G122 1/30 197mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約6m エンジン 変速機: 6気筒OHV 7668cc 約100HP 4段変速
性能: 最高速141km/h  データーベースでロールス ロイス ファントムのミニカー検索

ロールス ロイス ファントム I イギリス 1927年

 

 ロールス ロイスは1907年からシルバー ゴーストだけを作り続け、1925年までに6000台以上を販売し、その高い信頼性で「The Best Car of the World」の名声を確立しました。そのシルバー ゴーストもさすがに性能的に時代遅れになり、1925年に後継車として登場したのがファントムでした。(なお1929年にファントム IIが登場してからはファントム Iと呼ばれるようになりましたが、これは公式の名前ではありません)

 

 これもファントム Iのミニカーですが、こちらはクーペ デビルと呼ばれる運転席の屋根がない馬車時代からの伝統的なボディ形式のセダンをモデル化しています。日本のダイヤペット製で、1979年に3種類発売されたクラシックカーシリーズ(1/30)の1つです。シリーズにはこれ以外にフォード リンカーン ロードスター 1927、デューセンバーグ J 1930がありました。この当時日本のメーカーがクラシックカーをモデル化するのは珍しいことでした。1970年代後半はスーパーカーブームの後でミニカー市場は景気が良かったので、ダイヤペットはマセラティやシボレー コルベットなどの外国車をモデル化するなど、いろいろ新しいことをやっていましたので、その一環だったと思います。

 

 

 この手のクラシックカーの大スケールミニカーでは定番のフランクリンミント製と比べると精密さでは見劣りしますが、ダイヤペットとしてはかなりリアルに仕上げてあり金属部品が多いしっかりした作りで、なかなか見応えのあるモデルになっています。またこのシリーズは全て運転席のレバー操作でライトが点灯するというギミックもついていました。(単3電池2本を使用する) 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

ROLLS ROYCE PHANTOM I 1
ROLLS ROYCE PHANTOM I 2

 以下はライトが点灯するギミック/ボンネットを取り外したエンジン部の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ROLLS ROYCE PHANTOM I 3
ROLLS ROYCE PHANTOM I 4

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