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フォルクスワーゲン ビートル カルマン カブリオレ ドイツ 1949年
フォルクスワーゲン ビートルのカブリオレ仕様は戦前のKdFにも設定がありました。戦後はコーチビルダーのヘップミューラー(HEBMULLER)社が2座席のカブリオレ、コーチビルダーのカルマン社が4座席のカブリオレを製作していました。ヘップミューラー社のカブリオレは畳んだ幌の大部分が座席後方部分に隠れてしまうのが特長でした。一方カルマン社のカブリオレは4座で、畳んだ幌は後部座席の後方に大きくはみ出しました。
1949年にヘップミューラー社の工場が火災にあってカブリオレの生産ができなくなってからは、カルマン社だけの生産になりました。カルマン社のカブリオレは通常のビートルの約1.5倍の価格でしたが、高級なビートルとして人気が高く1979年まで生産されました。 カルマン社カブリオレの総生産台数は約23万台で、ビートルの総生産台数は約2153万台ですから100台に1台ぐらいがカブリオレだったことになります。ビートルの後継車ゴルフ Iに1979年に設定されたカブリオレがビートル カブリオレの実質的な後継車となりました。
ミニカーは1997年頃に発売されたリオ製のカブリオレです。前述したセダンのバリエーションなので、セダンと同じく適度に古くさい(懐かしい)作風がビートルの雰囲気に合っていて良い出来ばえです。実車同様の2トンカラー仕立てのカラーリングも綺麗です。ビートル カブリオレのミニカーはたくさんありますが、ほとんどはカルマン社製カブリオレです。当時物としてはポリトーイのELシリーズとSシリーズの1/25、トミカ、ダイヤペットの1/30などがありました。当時物以外ではビテス、ブッシュの1/87、ホンウェルの1/72と1/43、ミニチャンプス、シュコー、ノレブ、リオなどたくさんあります。ヘップミューラー社製カブリオレのミニカーは少なくてミニチャンプス、ノレブ、ブッシュの1/87ぐらいしかありません。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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シトロエン 2CV A フランス 1949年
シトロエン 2CVはその独特のスタイルで良く知られています。2CVの外観/仕様などを理解するには、開発の背景を知る必要がありますので、簡単に説明します。この車は農村で荷物等を運搬する手押し車や馬車を代替する交通手段として1930年代に開発が始まりました。(当時のフランスは農業国でしたので、農作業の近代化が必要だったのです) したがって荷物がたくさん積めて、農道のような悪路でも快適に走れ、購入価格と維持費が安く、操作が簡単といった無理難題が課せられました。要するに人と物を運ぶ最低限度の車を目指したわけで、このためには見た目は問わないということでした。
第2次大戦を挟んで開発が進められ、2CVはシトロエンの新型小型車として1948年のパリ サロンでお披露目されました。その場にはフランス大統領も臨席していたそうですが、登場した2CVの奇妙な外観にその場に居合わせた人々は唖然としたそうです。そんなわけで2CVは「醜いアヒルの子」「乳母車」などと嘲笑されて、最初は全く理解されなかったそうです。初期型は空冷水平対向2気筒375cc(9HP)エンジンを搭載する前輪駆動車で、4段変速で最高速65km/hの性能でした。(続く→ シトロエン 2CV 1966)
ミニカーは1994年頃に発売されたノレブ製です。シトロエン 2CVの初期モデル(タイプ A)をモデル化しています。波状鋼板を使ったボンネット、前開きの前ドア、キャンバスで覆われたトランク部など初期モデルの仕様が再現されていて、ボディカラーもそれらしい雰囲気です。ノレブは1990年代からマニア向けのレベルの高いミニカーを作るようになりましたが、この2CVも当時のミニカーとしては良い出来ばえでした。ノレブはバリエーションで1950年式や1957年式もモデル化しています。(ノレブ初期のプラスチック製もありました) これ以外の2CV 初期モデルのミニカーとしては、ディンキー(仏)の1959年式と1961年式、JRDの当時物の1952年式(レア物です)、マッチボックス ディンキーの1957年式、ビテスの1954年式、ブレキナの1963年式 1/87、フランクリン ミントの1951年式 1/24などたくさんあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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プジョー 203 デクヴェラブル フランス 1949年
第2次大戦後のプジョーは戦前型のプジョー 202だけをしばらく生産していました。1949年に202の後継車として戦後型の203が登場しました。203はモノコックボディを採用し、新開発した4気筒1.3L(42HP)エンジンを搭載する後輪駆動の中型車で、4段変速で最高速116km/hの性能でした。デザイン的にはフロントグリルが戦前のシボレーなどのアメリカ車によく似たスタイルで、あまりフランス車らしくありません。4ドアセダン/カブリオレ、ロングホイールベースの5ドアワゴン(ファミリアーレ)/商用バンと少量生産された2ドアクーペ/カブリオレがありました。
1950年代のフランスには1Lクラス以下の小型車はたくさんありましたが、1.3L-1.5Lクラスの中型車がなかったので、丈夫で経済的であった203は大ヒットしました。昔のフランス車というと、シトロエンに代表されるような個性的な車を想像しますが、実際はプジョーのようなオーソドックスな車がよく売れたということです。1955年に後継車の403が登場した後も203は403の廉価版として1960年まで生産され、総生産台数は約50万台でした。
ミニカーは1997年頃に発売されたソリド製です。キャビン側面のピラー部分を残したままで、屋根だけが幌になっているデクヴェラブルという形式の4ドアカブリオレをモデル化しています。ソリドの型番45**の4500シリーズは安価(定価2500円程)故にあまり細かいパーツなどは付いていませんが、プロポーションなどの基本的なところはきちんと押さえてあるシリーズでした。この203も実車の雰囲気がうまく再現された良い出来ばえです。バリエーションでセダン(型番4546)、クーペ(型番4597など)、ファミリアーレ(型番4550)、商用バン(型番4551など)もありました。これ以外の203のミニカーはディンキーの当時物、ソリドの別ブランドのべレムの商用車、エリゴール、ノレブの初期物と最近の物、イクソ、ブレキナの1/87などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フィアット 500C イタリア 1949年
第2次大戦の敗戦とその後のインフレでイタリア経済は壊滅状態でした。したがって戦後のイタリアは一般大衆が車を買えるような状況ではなく、スクーターなどの2輪車に需要が移っていました。当時の映画「ローマの休日」(1953年)には劇中車として2輪車のべスパや戦前型の500A(トポリーノ)がたくさん出てきますが、当時のイタリアの世相をよく反映していました。そんな訳で安価な小型車500Aは、戦後もそのまま生産されていました。
1948年にはエンジンを16HPにパワーアップした500Bとなり、同時に派生車として4シーター ワゴンのジャルディニエラ(GIARDINIERA)が追加され、それをベースにした商用バンのフルゴンチーノも追加されました。1949年にはボディを一新した500Cとなりました。500Cはライトをフェンダーに埋め込み、スペアタイヤを内蔵しバンパーを追加して現代的なスタイルに変わりました。この変更でトポリーノのユーモラスなイメージは薄くなり、ビジネスライクな小型車といった感じが強くなりました。1951年にジャルディニエラは側面の木製パネルを金属製に変更したベルヴェデーレ(BELVEDERE)に変わりました。500Cは1955年まで生産され、後継車の600にモデルチェンジしました。500シリーズの総生産台数は約65万台でした。
ミニカーは1978年に発売されたブルム製で、1970年代に作られたブルム初期のミニカーです。前述した同じブルム製の500Aと同様に、実車の雰囲気が良く再現され当時のミニカーとしては良く出来ていました。少し古くさい作風ですが、この車のイメージにはうまくマッチしています。ブルムは500Cのワゴンのジャルディニエラやベルヴェデーレ、商用バンなどのバリーエーションもたくさん作っています。ブルム以外の500Cのミニカーはマーキュリーの当時物、イクソ、リーツェの1/87、ノレブのジャルディニエラなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ロールス ロイス シルバー ドーン イギリス 1949年
1946年に登場したベントレー MK VIは同時期に登場したロールス ロイス シルバー レイスのホイールベースを短縮したものでした。ベントレー MK VIにはメーカー標準のスチール製ボディが設定されていました。当時のアメリカ市場のコンパクトセダンの需要に対応して、ロールス ロイス初の標準ボディ設定で低価格化したMK VIのロールス ロイス版が検討され、ロールス ロイス シルバー ドーン(DAWN:夜明け)として1949年に発表されました。当初のシルバー ドーンは全てが左ハンドル(輸出仕様)でした。
シルバー ドーンとベントレー MK VIはエンジンのチューンとグリルが異なるだけで基本的には同じ車でした。(ベントレーはツインキャブ、シルバー ドーンはシングルキャブで少しだけパワーが小さい) 当初のエンジンは直列6気筒4.3Lで、1951年にはシルバー レイスの変更に合わせて4.6Lに拡大されました。1952年には4段自動変速がオプションで設定されました。シルバー ドーンは1955年にシルバー クラウド Iに切替わって生産中止となり、生産台数は約760台でした。なお標準ボディではなく、従来通りのコーチビルダー製ボディのシルバー ドーンもあったようです。
ミニカーはオックスフォード製で、2017年に発売されました。シルバー ドーンの標準スチール製ボディ仕様をモデル化しています。品の良いツートンカラー、良くできたフロントグリルとその上のマスコット、そこそこ再現された室内など、実車の雰囲気が良く再現されている非常に良い出来ばえです。ただ屋根のラジオのアンテナは、少し目立ち過ぎで目障りです。最近のオックスフォードは数年前より仕上げレベルが向上していますが、それでも値段は約6000円とそんなに高くはありません。以下はフロント(マスコットの拡大)の拡大画像とリアの拡大画像です(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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