ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

BMW 2000 TILUX 1966 GERMANY

BMW 2000 TILUX
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BMW 2000 TILUX


DINKY (UK) 157 1/36? 122㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.5m 全幅約1.65m エンジン 変速機: 4気筒 2L 120HP 4段変速
性能: 最高速181km/h  データーベースでBMW 1500/1600/1800/2000のミニカー検索

BMW 2000 TILUX ドイツ 1966年

 

 1500はBMW社内でNeue Klasse(ノイエ クラッセ:新しいクラス)と呼ばれていたシリーズの第1弾で、その後このシリーズには1963年に1.8Lエンジン搭載の1800、1964年に1.6Lエンジン搭載の1600、1966年に2Lエンジン搭載の2000が追加されました。2000はまずクーペの2000C/CSが登場し、すぐにセダンも追加されました。2000セダンは2000C/CS クーペと同じ横長角形ヘッドライトを採用した特徴的なフロントデザインと横長テールライトで上級車として差別化されていました。エンジンは2000Cと同じ4気筒2L(100HP)でした。

 

 2000セダンには2000CSと同じツインキャブレターで120HPにパワーアップしたエンジンを持つ高性能版の2000TIと、それにウッドパネルや本革シートなどを装備した豪華仕様の2000TILUXがありました。1969年にはBMW初の機械式燃料噴射を採用して130HPにパワーアップした2000TIIが追加されました。ノイエ クラッセ シリーズは1966年に1500が1968年に1600が生産中止となりましたが、1800/2000は1972年まで生産されました。このシリーズの2Lクラスの後継車は5シリーズ(E21)でした。

 

 

 ミニカーは1968年に発売されたディンキー(英)の当時物です。あまりプラスチック製パーツを使わないディンキー(英)らしい頑丈な作りで、プロポーション的にはやや腰高な感じがします。単4乾電池と豆電球を使ってボディの4隅のウインカー部分を点灯させるギミックが付いています。なおミニカーを走行させると、後輪に付いたカムが点灯回路を断続させてウインカーが点滅する構造になっています。なお車体を分解して内部構造をさらに調べてみると、前輪が操舵できるようになっていて、その操舵した方向のウィンカーだけが点灯する仕掛けにもなっていました。ただしこの仕掛けはあまりに雑すぎてきちんと動作しないので、実際にはハザード的な点灯しかできません。したがってミニカーに付属する説明書にウィンカーの点灯が前輪と関連する旨の表示などはありません。この仕掛けに必要な電池ボックス、点灯回路、ウインカーまでの導光板などの内部メカを収納する為に、ミニカーは全長122㎜とかなり大柄になっています。(腰高なのも内部構造によるものでしょう) 以下はフロント/リアの拡大画像(ウインカーが点滅します)と底板の電池収納部の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

BMW 2000 TILUX 1
BMW 2000 TILUX 2

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BMW GLAS 3000 V8 1966 GERMANY

BMW GLAS 3000 V8
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BMW GLAS 3000 V8


SABLON 10 1/43 111㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.6m 全幅約1.8m エンジン 変速機: V型8気筒 3L 160HP 
性能: 最高速195km/h  データーベースでグラースのミニカー検索

BMW グラース 3000 V8 ドイツ 1966年

 

 前述したようにグラース社の破綻の原因となった2600 V8は、既存の4気筒1.3Lエンジンを2つ組み合わせたV型8気筒2.6L(150HP)エンジンを搭載し、油圧式車高制御サスペンションなどシャーシも凝った設計でした。ボディはイタリアのピエトロ フルアのデザインで、同じデザイナーによるマセラティ クワトロポルテによく似た重厚な感じの車でした。

 

 BMWはこのV型8気筒エンジンを開発済であった3Lに変更し、BMW グラース 3000 V8として1967年に発売しました。前述した1600GTと違いこの車にはデザインが合わない為、キドニーグリルは付いていませんでした。ただこの車も短命で、約400台を生産しただけで、翌年に登場したBMW 2800CSと交代で生産中止となりました。その後BMWのV型8気筒エンジン搭載車は、1994年に740i(E32)が登場するまで途絶えました。

 

 

 ミニカーは1970年頃に米澤玩具(ダイヤペット)が代理店として輸入したベルギーのサブロン製です。サブロンのミニカーはホイールが合成ゴムのタイヤに添加された可塑剤で溶けることで知られています。(→参照ページ) この3000 V8もオリジナルのホイールが溶けたので、ホイールとタイヤを別の物に交換しています。ホイールの問題はありましたが、サブロンのミニカーは当時としては出来の良いミニカーでした。この3000 V8もプロポーションが良く、そこそこの良い出来ばえで、ドア/ボンネット/トランクが開閉できます。このミニカーを購入したときはBMWとグラースの関係を知らなかったので、これがBMW?と思ったものでした。当時物ミニカーとしてはメルクリンもありました。最近の物としてはノレブの2600 V8(1/87)と3000 V8(1/43)があります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内/ボンネットを開いたエンジン部の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

BMW GLAS 3000 V8 1
BMW GLAS 3000 V8 2

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BMW 1600-2 1966 GERMANY

BMW 1600-2
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BMW 1600-2


MINICHAMPS 430022102 1/43 100mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.2m 全幅約1.6m エンジン 変速機: 4気筒 1.6L 85HP 4段変速
性能: 最高速160km/h  データーベースでBMW 1600のミニカー検索

BMW 1600-2 ドイツ 1966年

 

 BMW 1500はヒットし1600、1800、2000と大型車に発展していきました。BMWは北米市場でのスポーティな2ドア車の要望に対応して、新しい小型車の1600-2を1966年に登場させました。1600-2は1500のスタイルを踏襲しつつ、ホイールベースを短縮して一回り小さい2ドア車となっていました。デザイン的にはリアのテールライトが丸型の物に変わり軽快な感じがします。エンジンは1600の4気筒1573cc(85HP)を流用し、 940kgの軽量ボディで最高速は160km/h でした。 

 

 1967年にはバウア社が架装するフルオープン4シーターの1600-2 カブリオレ(限定生産)と、エンジンを105HPにパワーアップした高性能版の1600-2 Tiが追加されました。1600-2は1971年に1602と名前が変更され、これがいわゆる02系の始まりになりました。1971年に3ドアハッチバックの1602 ツーリングが追加されました。1975年に1972年に登場した5シリーズ(E12)とデザインを統一した3シリーズ(E21)にモデルチェンジされました。

 

 

 ミニカーは初期のミニチャンプス製で、1994年に発売されました。初期物ですので最盛期の物ほどではないですが、ミニチャンプスらしい細部をリアルに再現した良い出来ばえです。なお当時の定価は3300円で、これは当時の国産ミニカーの約2倍と高価でした。ミニチャンプスはカブリオレ(1/18)やツーリング(BMW特注品)もモデル化しています。ミニチャンプス以外では、サブロンの当時物、トロフュー、ブレキナの1/87などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

BMW 1600-2 1
BMW 1600-2 2

 以下は1971年に発売されたサブロン(ダイヤペットが販売)の1600(型番05)の画像です。サブロンのミニカーはホイールが合成ゴムのタイヤに添加された可塑剤で溶けることで知られています。(→参照ページ) この1600もホイールが溶けたので、ホイールとタイヤを交換しています。(あまり違和感がないでしょう) ホイールの問題はありましたが、サブロンのミニカーは当時としては出来の良いミニカーでした。この1600もプロポーションが良く、ドア/ボンネット/トランクがきちんと開閉できるなどそこそこの良い出来ばえでした。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BMW 1600 3
BMW 1600 4

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BMW (GLAS) 1600GT 1967 GERMANY

BMW (GLAS) 1600GT
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BMW (GLAS) 1600GT


SABLON 8 1/43 95㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4m 全幅約1.6m エンジン 変速機: 4気筒 1.6L 105HP 5/4段変速
性能: 最高速190km/h  データーベースでグラースのミニカー検索

BMW (グラース) 1600GT ドイツ 1967年

 

 1895年に創立したドイツの老舗農機具メー カーであったグラース社は、第2次大戦後の1951年に125㏄エンジンを搭載したゴッゴローラーを開発しスクーター市場に進出しました。このスクーターがヒットしたことで、1955年には空冷2ストローク2気筒247ccエンジンをリアに搭載した超小型車ゴッゴモビル T250を開発し4輪車市場に進出しました。ゴッゴモビルが成功したことで1962年には4気筒1Lエンジンを搭載したグラース 1004を開発し本格的な乗用車市場へも進出しました。その後も上級指向は続きBMWクラスの中級車にまで進出し、1965年には高性能GTカーの2600 V8まで発表しました。しかしこれらの高級車は売れず、経営が行き詰まり1966年にBMWに吸収合併されました。

 

 BMWがグラース社を買い取ったのは、車種構成を拡大するためでした。BMWは改良したグラース車をグラースの工場で生産し販売しました。BMWがグラースから選んだのは1300GT、2600 V8、ゴッゴモビルで、1300GTはイタリアのピエトロ フルアがデザインしたファーストバックのスポーティカーでした。この車のフロントにBMWの顔であるキドニーグリルを取り付け、1600TI用のエンジンとリアサスペンションを組み込んだのがBMW 1600GTで、1967年に発表されました。販売台数は約1000台ほどで直ぐに生産中止となりました。

 

 

 ミニカーは1970年頃に米澤玩具(ダイヤペット)が代理店として輸入したベルギーのサブロン製です。サブロンのミニカーはホイールが合成ゴムのタイヤに添加された可塑剤で溶けることで知られています。(→参照ページ) この1600GTもオリジナルのホイールが溶けたので、ホイールとタイヤを別の物に交換しています。ホイールの問題はありましたが、サブロンのミニカーは当時としては出来の良いミニカーでした。この1600GTもプロポーションが良く、そこそこの良い出来ばえで、ドア/ボンネット/トランクが開閉できます。1600GTの当時物ミニカーとしてはメルクリンもありました。最近の物ではネオ(レジン製)の1300GTがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内/ボンネットを開いたエンジン部の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

BMW 1600GT 1
BMW 1600GT 2

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BMW 2800CS (E9) 1968 GERMANY

BMW 2800CS (E9)
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BMW 2800CS (E9)


MARKLIN 1804 1/43 108㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.7m 全幅約1.7m エンジン 変速機: 6気筒 2.8L 170HP 4段変速
性能: 最高速210km/h  データーベースでBMW E3/E9系のミニカー検索

BMW 2800CS (E9) ドイツ 1968年

 

 BMWは上述した2000よりさらに上級の6気筒2.5L/2.8Lエンジンを搭載したセダン 2500/2800(E3系)を1968年に登場させました。ボディは6気筒エンジンを搭載するためにフロント部分が長くなり、ヘッドライトが横長角形から一般的な丸形4灯式に変更されました。この6気筒エンジンを搭載したクーペ 2800CS(E9系)も同じ年に登場しました。このE3/E9系の6気筒エンジンは卓越した静粛性とスムーズな吹上がりから「シルキー シックス」と呼ばれました。

 

 1971年にはより高性能な3L(180HP)エンジンを搭載する3.0S、燃料噴射式3L(200HP)エンジンを搭載する3.0 Siが追加されました。1973年には3.3L(190HP)エンジンを搭載しホイールベースを100㎜延長した最上級仕様の3.3Lも設定されました。また3Lエンジンを搭載しボディを軽量化したレース仕様のクーペ 3.0 CSLはレースで大活躍しています。E3系は高性能高級車を得意とするメルセデス ベンツに対抗するために開発され、その対抗馬としての地位を確立し、1977年には7シリーズに発展しました。このE3/E9系がノイエ クラッセ シリーズの最終的な発展型でした。

 

 

 ミニカーは1971年に発売されたメルクリン製の当時物です。メルクリンは鉄道模型の老舗メーカーで、1950-1970年代にはダイキャスト製ミニカーも作っていました。ホイールが走行性を重視したフリーホイールになっていることがやや残念ですが、デフォルメが巧みで実車の雰囲気を良く再現した素晴らしい出来ばえです。ドア/ボンネット/トランクが開閉するフルギミックとなっています。この開閉ギミックはヒンジ部に板バネを使うことで閉じたときの立付けが良くメリハリの付いた開閉動作を実現しています。メルクリンは2500 セダン(E3系)もモデル化しています。E3系の当時物ミニカーはシュコーの1/66、最近の物ではシュコーの1/43、ブレキナの1/87、NEO(レジン製)などがあります。また3.0CSL(E9系)はレース仕様も含めてソリド、ミニチャンプス、オートアートの1/18、スパーク(レジン製)などたくさんあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内/ボンネットを開いたエンジン部の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

BMW 2800CS 1
BMW 2800CS 2

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