ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

ROLLS ROYCE SILVER CLOUD III 1962 UK

ROLLS ROYCE SILVER CLOUD III
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ROLLS ROYCE SILVER CLOUD III


POLISTIL S634 1/30 181mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5.34m 全幅約1.9m エンジン 変速機: V型8気筒 6.2L (214HP) 4段自動変速
性能: 最高速(180km/h)  データーベースでロールス ロイス シルバー クラウドのミニカー検索

ロールス ロイス シルバー クラウド III イギリス 1962年

 

 1955年にロールス ロイス シルバー ドーンはシルバー クラウド Iに、ベントレー R タイプはS1 タイプに発展しました。これ以前のロールス ロイスとベントレーはホイールベースが異なるなどの明確な違いがありましたが、この時点で両車はグリルとエンブレムだけが異なるだけのほとんど同じ車になってしまいました。1959年に新設計のV型8気筒6.2Lエンジンが搭載され、シルバー クラウドはII型となりました。

 昔のロールス ロイスのエンジン出力は「Enough(必要十分)」と表現され数値は公表されないのが伝統でした。(現在は公表してますが) シルバー クラウド IIに搭載された6.2Lエンジンのパワーは推定で200HP程だったそうで、4段オートマティック変速機を介して車重約2tの車体を最高速180km/hで走らせました。

 

 またシルバー クラウド IIから国内仕様でもパワステが標準装備となり、標準ではないもののエアコンが装着できるようになりました。1962年にシルバークラウドとベントレー SタイプはIII型となりました。III型の主たる改良点はエンジンのパワーアップ(214HP)とパワステの強化で、外観ではヘッドライトが4灯式となり顔付が変わりました。

 

 

 ミニカーは1978年に発売されたポリスティル(旧ポリトーイ)製の当時物です。シルバー クラウド IIIのリムジンを縮尺1/43より大き目の縮尺1/30でモデル化しています。キャビン部分が小さめにできているのでプロポーション的にはいまひとつですが、その分だけ大きな車に見えます。縮尺1/30なのでフロントグリル上のマスコット、フェンダーミラー、ラジオ用アンテナ、室内などの細部がそこそこリアルに再現されています。ボンネット/ドア/トランクが開閉するギミック付きです。以下はフロント(マスコット拡大)/リア(トランク開閉)の拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

ROLLS ROYCE SILVER CLOUD III 1
ROLLS ROYCE SILVER CLOUD III 2

 以下はボンネットを開いたエンジン部と室内の画像です。室内の出来はまずまずですが、エンジンは1/30としては物足りないレベルの出来ばえです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ROLLS ROYCE SILVER CLOUD III 3
ROLLS ROYCE SILVER CLOUD III 4

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ROLLS ROYCE SILVER CLOUD III COUPE 1962 UK

ROLLS ROYCE SILVER CLOUD III COUPE
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ROLLS ROYCE SILVER CLOUD III COUPE


DINKY(UK) 127 1/43 123mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5.3m 全幅約1.9m エンジン 変速機: V型8気筒 6.2L (220HP?) 4段自動変速
性能: 最高速(180km/h?)  データーベースでロールス ロイス シルバー クラウドのミニカー検索

ロールス ロイス シルバー クラウド III クーペ イギリス 1962年

 

 前述したように1962年にロールス ロイス シルバー クラウドとベントレー Sタイプは4灯式ヘッドライトを採用したIII型となりました。ロールス ロイスとベントレーにはパーソナルなスポーティ仕様として2ドア クーペとそのオープン仕様のドロップヘッド クーペがありました。ベントレー S3にはマリナー パークウォードが架装した独特のデザインで知られた2ドア クーペ/ドロップヘッド クーペがありました。この車はつり上がった4灯式ヘッドライトの印象から「チャイニーズ アイ(吊り目)」の名前で知られていました。同じデザインがロールス ロイス シルバー クラウド IIIの2ドア クーペ/ドロップヘッド クーペにも採用されました。

 

 この変わったヘッドライトのデザインは、同時期のトライアンフ ビテス(1962)やプリンス スカイライン スポーツ (1962)などのスポーティな車にみられたデザインでした。(実車画像→ プリンス スカイライン スポーツ) リアにはアメリカ車風のテールフィンが付いていますが、これは同時期のイギリス車(モーリス オックスフォードなど)にみられたデザインでした。今見ると変わったフロントの造形だと思いますが、このデザインのシルバー クラウド III クーペ/ドロップヘッド クーペは約100台が生産されていますので、当時は人気があったようです。

 

 

 ミニカーは1964年に発売されたディンキー(英)製の当時物です。プロポーションが良く、特徴的なフロントの造形がリアルで、実車の雰囲気がうまく再現されています。ディンキー(英)は自国の誇りであるロールス ロイスのモデル化には力が入るようで、このシルバー クラウド III クーペも細部まで良く仕上げられたディンキー(英)の傑作ミニカーの一つでした。ボンネットとドアの開閉ギミックが付いています。これ以外のシルバー クラウド III クーペは、ポリトーイの当時物のクーペ、ネオ(レジン製)のクーペとドロップヘッド クーペ、マトリックス(レジン製)のドロップヘッド クーペ(チャイニーズ アイではない) などがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

ROLLS ROYCE SILVER CLOUD III COUPE 1
ROLLS ROYCE SILVER CLOUD III COUPE 2

 以下は1966年に発売されたポリトーイ製の当時物 ロールス ロイス シルバー クラウド III クーペ (1/43 型番518)の画像です。これはイギリス仕様ではない左ハンドル版をモデル化しています。こちらもかなり良い出来ばえで、同じ車のモデル化ということもありますが、上記のディンキー(英)と非常によく似た感じで仕上がっています。ボンネット/ドア/トランクの開閉ギミック付きで、室内は高級車らしい起毛仕上げが施されています。フロントグリル上のマスコットがありませんが、これは破損しているのではなく最初から付いていません。このミニカーには安っぽいフリーホイールに変更した後期型があり、1977年にはマスコットを付けてトランク開閉を止めた仕様変更版(型番OC2)も発売されました。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ROLLS ROYCE SILVER CLOUD III COUPE 3
ROLLS ROYCE SILVER CLOUD III COUPE 4

 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。トランク内も起毛仕上げがされています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ROLLS ROYCE SILVER CLOUD III COUPE 5
ROLLS ROYCE SILVER CLOUD III COUPE 6

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ROLLS ROYCE PHANTOM V LIMOUSINE 1962 UK

ROLLS ROYCE PHANTOM V LIMOUSINE
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ROLLS ROYCE PHANTOM V LIMOUSINE


DINKY(UK) 152 1/43 142㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約6.1m 全幅約2m エンジン 変速機: V型8気筒 6.2L (200HP) 4段自動変速
性能: 最高速(165km/h)  データーベースでロールス ロイス ファントム IV-VIのミニカー検索

ロールス ロイス ファントム V リムジーン イギリス 1962年

 

 1959年に登場したロールス ロイス ファントム Vの標準的なボディは全長6mを越える大型のリムジーンでした。V型8気筒エンジンはコンパクトでしたので、室内は十分に広く油圧ダンパーのサスペンションで揺れの少ない乗り心地だったそうです。車重は2.5tを越えていましたが、それでも最高速は160km/hを越え加速も並みの乗用車以上に速く、しかも室内はほとんど無音でした。1960年にはファントム Vをベースにしたパレード用の特別仕様の王室御料車も作られました。 (実車画像→ ロールス ロイス ファントム V 御料車 1960)

 

 1962年から4灯式ヘッドライトが採用されたことで、フロントグリルがより近代的になりました。このファントム Vのフロントグリルは高級車の象徴として世界的によく知られていましたので、そのイメージを他社の高級車がコピーしていました。1968年にはエンジン出力を向上し、エアコンを前後キャビン独立式としたファントム VIに変わりました。ファントム V/VIは1991年までロールス ロイスの最上級車として長く生産されました。ファントム V/VIの総生産台数は890台(Vが516台 VIが374台)でした。1998年にロールス ロイスのブランド使用権をBMWが取得し、2003年にファントム VIの後継車ファントム(VII)が登場しました。

 

 

 ミニカーは1965年に発売されたディンキー(英)製の当時物ミニカーです。ヘッドライトが4灯式となったファントム Vをモデル化しています。プロポーションが良く特徴的なフロントグリルがリアルに再現され、実車の威厳ある雰囲気がうまく再現されています。またドア、ボンネット、トランクが開閉するフルギミックながら、可動部の立て付けもしっかりしています。室内も結構良く再現されていて、運転手のフィギュアが付いています。このミニカーは1960年代のミニカーとは思えないほど良く出来たディンキー(英)の傑作で、1965年から1976年の11年間販売されたロングセラーのミニカーでもありました。 これ以外のファントム V/VIのミニカーはトミカ ダンディの1/43、トミカの1/78、京商の1/18、オックスフォードの1/43と1/76、パラゴンの1/18、トゥルースケール(レジン製)の1/43などがあります。 以下はフロント(マスコット拡大)/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

ROLLS ROYCE PHANTOM V LIMOUSINE 1
ROLLS ROYCE PHANTOM V LIMOUSINE 2

 以下はドアを開いた室内の画像と、大きさを比較する為に同時期のフォード コルチナ MK II 1966 (ディンキー製 1/40 型番159)と並べてみた画像です。同じような縮尺のミニカーと並べるとファントム Vがいかに大きかったかが良く分かります。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ROLLS ROYCE PHANTOM V LIMOUSINE 3
ROLLS ROYCE PHANTOM V LIMOUSINE 4

 以下は1979年に発売されたトミカ ダンディ製の当時物 ロールス ロイス ファントム VI (1/43 型番DF06)の画像です。製作された時期が1979年なので、ファントム VIをモデル化しているようです。トミカ ダンディは当時の国産ミニカーとしては数少ない縮尺1/43でモデル化した物が多く、これも1/43なので実車の大きさが実感できる大きなサイズに仕上がっています。プロポーションが良く当時のミニカーとしてとても良く出来ていました。ボンネット/4ドア/トランク開閉のフルギミックで、リアドアは一般的な前ヒンジで上記ディンキー製とは開き方が違っています。室内のインパネは紙シールで結構リアルに再現され、内装は起毛処理が施されていて豪華な感じに仕上げてあります。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ROLLS ROYCE PHANTOM VI LIMOUSINE 1
ROLLS ROYCE PHANTOM VI LIMOUSINE 2

 以下はフロント(マスコット拡大)/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。フロント周りは1970年代のミニカーとしては良く出来ていますが、今見るとヘッドライトとボンネット上のマスコットの出来ばえはやや物足りない感じがします。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ROLLS ROYCE PHANTOM VI LIMOUSINE 3
ROLLS ROYCE PHANTOM VI LIMOUSINE 4

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ROVER P5 MK II 1962 UK

ROVER P5 MK II
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ROVER P5 MK II


VANGUARDS VA06905 1/43 110mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.74m 全幅約1.78m エンジン 変速機: 6気筒 3L 106HP 4段変速/3段自動変速
性能: 最高速160km/h  データーベースでローバー P5のミニカー検索

ローバー P5 MK II イギリス 1962年

 

 自転車メーカーとして起業したローバー社は、1904年に自動車の生産を始めました。1911年に発表したローバー トゥエルブは4気筒2.3Lエンジンを搭載した中型車で、安価ながら優れた品質で大ヒットしました。その後空冷2気筒1Lエンジン搭載の小型車から6気筒2.5Lエンジンの中型車までラインアップを広げましたが、業績は振るいませんでした。そこで1933年に車種を削減して生産合理化を行い、品質の向上をはかりました。その結果ローバーは高品質の中型車としての名声を確立していきました。第2次世界大戦中は軍用車のエンジン生産に専念しました。

 

 戦争が終わるとすぐに戦前型の生産が再開され、1948年には戦後型のローバー 60/ローバー 75(コードネーム P3)が発売されました。前輪独立懸架を採用したシャーシは60/75に共通で、60は4気筒1.6L、75は6気筒2.1Lエンジンを搭載していました。 1949年にはボディを新しくしたローバー 75(コードネーム P4)が登場し、1953年には2.6Lに排気量が拡大された90に発展しました。

 

 

 さらに1958年には6気筒3L(106HP)エンジンを搭載したP5が追加されました。P5はイギリス車らしい落ち着いたデザインの上質な中型車で、4速手動/3速オートマティック変速機で、最高速160km/hの性能でした。P5は歴代首相の公用車に採用されるなど、政府の公用車として非常に人気が高かったそうです。1962年にMK II、1965にMK IIIに発展し、最終型のP5Bは1973年まで生産されました。

  ミニカーは2003年に発売されたバンガーズ製です。コーギーのブランドであるバンガーズはラインストーンを埋め込んだヘッドライトなど昔のコーギーを思わせるレトロな作風のミニカーが多いですが、プロポーションなどの基本はしっかりしています。このローバーも実車の雰囲気が良く再現されていて、なかなか良い出来ばえです。また壊れやすいフェンダーミラーは添付されたパーツをユーザーが後付けするようになっているのも個人的には好ましく思います。P5の当時物ミニカーはスポットオンなどがありました。最近の物ではネオ(レジン製)のクーペやMATRIX(レジン製)のセダンがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

ROVER P5 MK II 1
ROVER P5 MK II 2

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TRIUMPH VITESSE 1962 UK

TRIUMPH VITESSE
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
TRIUMPH VITESSE


DINK(UK) 134 1/45 85㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.89m 全幅約1.52m エンジン 変速機: 6気筒 1.6L 77HP 4段変速
性能: 最高速145km/h  データーベースでトライアンフ ビテスのミニカー検索

トライアンフ ビテス イギリス 1962年

 

 前述したヘラルドをベースにして、新設計の6気筒1.6L(77HP)エンジンを搭載した上級車がビテスで、1962年に登場しました。2ドアセダンとカブリオレがあり、ボディはヘラルドとほとんど同じですが、フロント部分が1960年代初めに流行した釣り目(チャイニーズ アイと呼ばれた)の4灯式ヘッドライトに変えられています。このデザインはミケロッティによるもので、同じデザイナーがデザインした日産 スカイライン スポーツ(1962年発売)も同じようなデザインのヘッドライトを使っていました。4段変速で最高速145km/hの性能でした。

 

 1966年にはエンジンが2L(95HP)に拡大され、1968年にはリアサスペンションをダブルウィッシュボーン式に変更したMK IIに発展しました。コンパクトなボディに高性能な6気筒エンジンを搭載し操縦性も優れていたビテス MK II(最高速160km/h)は、「プアマンズ ロータス コルチナ」と呼ばれたそうです。1971年まで生産され、総生産台数は約5万台でした。なおビテス(VITESSE)とはポルトガル語で「速い」という意味で、もともとはポルトガルのミニカーメーカーであったビテスも同じ意味です。

 

 

 ミニカーは1963年に発売されたディンキー(英)製です。ビンテージ物のミニカーですから素朴な作りですが、当時のミニカーとしてはかなりリアルに実車を再現していてかなり良い出来ばえです。サイドの白いストライプは実車に即したもので、スポーティな雰囲気を出しています。ビテスの量産ミニカーはこれしかないみたいで、最近の物でもネオ(レジン製)やブルックリン(ホワイトメタル製少量生産)のランスダウン(Lansdowne)シリーズのカブリオレぐらいしかないようです。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

TRIUMPH VITESSE 1
TRIUMPH VITESSE 2

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