ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

BUGATTI T41 ROYALE No.41100 COUPE NAPOLEON 1930 FRANCE

BUGATTI T41 ROYALE No.41100 COUPE NAPOLEON
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BUGATTI T41 ROYALE No.41100 COUPE NAPOLEON


FRANKLINMINT RB69 1/24 260mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約6m 全幅約2m 車重約3t エンジン 変速機: 8気筒 14.7L 300HP? 3段変速
性能: 最高速180km/h?  データーベースでブガッティ T41のミニカー検索

ブガッティ T41 ロワイヤル No.41100 クーペ ナポレオン (1号車) フランス 1930年

 

 前述したようにブガッティ T41 ロワイヤル ウェイマン (1号車)は事故で大破しましたが、その後修復されてT41 ロワイヤルのなかでも一番よく知られている「クーペ ナポレオン」と呼ばれるボディが載せられました。このボディはクーペ デビルと呼ばれる馬車時代からの伝統的なボディ形式で、エットーレの長男ジャンがデザインしたものでした。後席の屋根がガラス張りになっていてフロントフェンダーが長く裾を引いた優美なスタイルをしていました。

 

 フロントグリルの上には前足を挙げて立ち上がっている象のマスコットが付いています。このマスコットは彫刻家として名を成したジャンの弟のレンブラントの作品で、巨大で豪華なT41 ロワイヤルのコンセプトをよく象徴していました。この車はブガッティ家が所有し、第2次大戦中のパリではドイツ軍に見つからないように隠されていて、戦火を免れました。戦後ブガッティ コレクターのシュルンプ兄弟が購入し、現在はフランスの国立自動車博物館が保存しています。

 

 

 クーペ ナポレオンのミニカーはフランクリン ミント、ソリド、マッチボックスなどがあります。最初に紹介するのは1990年に発売されたフランクリン ミント製のブガッティ T41 クーペ ナポレオン 1930 (1/24 型番RB29)です。1980年代から1990年代に発売されたフランクリン ミント製の1/24のミニカーは、ボンネットやドアが可動しエンジンやサスペンションなどの内部のメカもリアルに再現されていて、当時最も精密なミニカーでした。精密さのレベルは現在のオートアート並みでしたが、フランクリン ミント製は金属パーツが多かったのでかなり丈夫に出来ていました。このクーペ ナポレオンも全長260㎜の大きなミニカーですが、保管している自動車博物館がこのミニカーを公式認可しているだけあって、全体のカラーリング、内装、エンジンなどの詳細が見事に再現されています。特筆すべきは後席のシートで、実車と同じ柄の布地が貼られてます。インパネのメーター類もリアルで豪華な実車の雰囲気がよく分かります。エンジンも良く再現されていて、床下回りのメカも特殊な駆動部の構造が結構リアルに再現されています。当時の価格は25000円で当時としてはかなり高価でしたが、出来ばえは価格に見合ったものでした。 以下はフロント周り/象のマスコット/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

BUGATTI T41 ROYALE COUPE NAPOLEON 1
BUGATTI T41 ROYALE COUPE NAPOLEON 2

 以下はドア開閉ギミック動作と室内の画像です。シートは本物の布製で図柄を印刷したものではありません。なお実車の客室内部は全てこの図柄の布で内張されているのですが、ミニカーではシートだけになっています。床は絨毯張りのようになっています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BUGATTI T41 ROYALE COUPE NAPOLEON 3
BUGATTI T41 ROYALE COUPE NAPOLEON 4

 以下はボンネットを開いたエンジンルームの画像と床下部分の画像です。エットーレ ブガッティは出来ることならピストンも四角くしたいといったそうですが、その美的センスに基づいたシンプルな直方体の巨大な8気筒エンジンと美しく配置された補機類もよく再現されています。床下のメカでは前輪はステアリングホイールと連動してステア可能です。エンジンとシャフトで接続されて後方にある箱がクラッチボックスで、その後方には変速機とリアアクスルが一体化されたトランスアクスルがあります。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BUGATTI T41 ROYALE COUPE NAPOLEON 5
BUGATTI T41 ROYALE COUPE NAPOLEON 6

 以下は1987年に発売されたソリド製のブガッティ T41 ロワイヤル クーペ ナポレオン (1号車) 1930 (1/21 型番8001)の画像です。ソリドはクーペ ナポレオンを1/43、1/18、1/21の3種類の縮尺でモデル化しています。これはやや中途半端な縮尺1/21のもので、全長285㎜と上記フランクリン ミント製よりも少し大きいです。全体的にソリドらしいシャープな造形で、フランクリン ミント製よりスマートな感じに仕上がっています。当時の定価は4000円とフランクリン ミント製の1/6ぐらいの値段でしたのでフランクリン ミント製ほどの高度な出来ばえではありませんが、それでも値段相応以上に良く出来ていました。このサイズでドア開閉ギミックが付いていないのはいまひとつですが、ボンネットが開閉可能でエンジンが再現されています。インパネのメーター類は紙のシールですが、当時はこれが普通でした。室内のシートにも紙のシールを貼るということが出来たとは思いますが、このサイズではやや見た目が良くないでしょうから、そこまではやっていません。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BUGATTI T41 ROYALE COUPE NAPOLEON 7
BUGATTI T41 ROYALE COUPE NAPOLEON 8

 以下はフロント/象のマスコット/ボンネットを開いたたエンジンルームの画像とリアの拡大/床下部分の画像です。象のマスコットとエンジンは値段相応でまずまずの出来ばえです。前輪はステアリングホイールと連動して操舵可能で、床下の駆動部造形もフランクリン ミント製ほど凝ってはいませんが、同じような構造が再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BUGATTI T41 ROYALE COUPE NAPOLEON 9
BUGATTI T41 ROYALE COUPE NAPOLEON 10

 以下は1964年に発売されたソリド製のブガッティ T41 ロワイヤル クーペ ナポレオン (1号車) 1930 (1/43 型番136 全長138mm)の画像です。ソリドはクーペ ナポレオンを1/43、1/18、1/21の3種類の縮尺でモデル化しています。これは1960年代に発売されたソリド製の最初の1/43のクーペ ナポレオンです。1960年代のソリドのクラシックカーのミニカーは当時としては一級品でしたので、このこのクーペ ナポレオンもかなり良い出来ばえでした。ドアが開閉しボンネットを取り外すことができエンジンが再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BUGATTI T41 ROYALE COUPE NAPOLEON 11
BUGATTI T41 ROYALE COUPE NAPOLEON 12

 以下はフロントの拡大画像/象のマスコットとボンネットを外したエンジンルームの画像です。象のマスコットはこの1/43でもその形状が良くわかるようサイズを意図的に大きくして再現しています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BUGATTI T41 ROYALE COUPE NAPOLEON 13
BUGATTI T41 ROYALE COUPE NAPOLEON 14

 以下は1985年頃に発売されたソリド製のブガッティ T41 ロワイヤル クーペ ナポレオン (1号車) 1928 (1/43 型番4036)の画像です。これは上記の型番136を1980年代に再生産したものです。ただし単なる再生産ではなく型の変更や仕様の変更が行われています。まず一番大きな変更としてはキャビン部分の形状で、以下の画像のように初期型(赤シート)はルーフ全体がガラス張りですが、再生産型(青シート)は上記のフランクリン ミント製などと同じようなガラス張りに修正されています。次にボンネットが固定されて外せなくなりエンジンの再現がなくなりました。さらに運転席の変速レバーも外され、ウィンドスクリーンが枠付の物に変更されています。さらにナンバープレートの紙シールもなくなりました。以上ほとんどがコストダウンする為の変更で、1980年代には定価約2000円ほどで販売されました。(ちなみに1960年代に発売された初期型も定価が約2000円ほどでしたが、1980年代に物価換算するとその数倍になるはずですから、かなりコストダウンしている訳です) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BUGATTI T41 ROYALE COUPE NAPOLEON 15
BUGATTI T41 ROYALE COUPE NAPOLEON 16

 以下は1991年に発売されたマッチボックス製のブガッティ T41 ロワイヤル クーペ ナポレオン (1号車) 1930 (1/46 型番Y45)の画像です。マッチボックスのY(Yesteryear)シリーズはクラシックカーをモデル化していましたが、これはYシリーズでも新しい物でした。Yシリーズはマッチボックス流の簡略化がされているので、リアルさではいまひとつの物が多かったです。ただしこのクーペ ナポレオンは縮尺が1/46ですこし小振りなのがいまひとつですが、実車に準じたカラーリングやそこそこリアルなフロントグリルなど、レベルの高い出来ばえになっています。(ただし定価4000円ほどとマッチボックス製としては高価でしたが) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BUGATTI T41 ROYALE COUPE NAPOLEON 17
BUGATTI T41 ROYALE COUPE NAPOLEON 18

 以下は2014年に発売されたイクソ製のブガッティ T41 ロワイヤル クーペ ナポレオン (1号車) 1930 (1/43 型番MUS053)の画像です。クーペ ナポレオンのミニカーとしては2020年現在で一番最新のミニカーとなります。最近のミニカーですので、綺麗なカラーリングでレベルの高い出来ばえになっています。客室内は上述したフランクリン ミント製と同じような図柄の装飾を再現していますが、これは印刷された紙シールを使っているようです。フロントグリルも良く出来ていますが、その上の象のマスコットは小さいのでそれが象であることが分からないものとなっています。(1/43サイズではマスコットを縮尺どおりに作ると形状が分からなくなるので、大きめに作るのが良いのです) 画像はありませんが床下部分のトランスアクスルなどの特殊な構造も簡素な型彫りながら再現されています。 (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BUGATTI T41 ROYALE COUPE NAPOLEON 19
BUGATTI T41 ROYALE COUPE NAPOLEON 20

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BUGATTI T41 ROYALE No.41121 1931 FRANCE

BUGATTI T41 ROYALE No.41121
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BUGATTI T41 ROYALE No.41121


RIO 36 1/43 145mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約6m 全幅約2m 車重約3t エンジン 変速機: 8気筒 12.7L 290HP 3段変速
性能: 最高速180km/h?  データーベースでブガッティ T41のミニカー検索

ブガッティ T41 ロワイヤル  No.41121 (3号車) フランス 1931年

 

 ブガッティ T41 3号車はドイツの医師ヨーゼフ フックス博士が購入し、ミュンヘンのコーチビルダーがドイツ式の分厚い幌が付いた4シーターのカブリオレ ボディを架装し1931年に納入されました。ドイツの政情不安でフックス博士は1937年にアメリカに移住し、T41 3号車もアメリカのロングアイランドに移動しました。その後寒さでエンジンが凍結して破損し、修理不能ということでスクラップ同然で放置されていました。

 

 このスクラップ状態のT41 3号車は1946年にGMの副社長であったチャールス チェイン氏が購入して、一部を改造してレストアを行いました。チェイン氏はこの車を使用した後、ミシガン州ディアボーンにあるフォード社を創立したヘンリー フォードが建設したヘンリー フォード ミュージアムに1957年に寄贈しました。現在もそのヘンリーフォード ミュージアムに展示されているようです。

 

 

 ミニカーは1972年に発売されたリオ製です。リオのクラシックカーはマニア向けで、灯火類、操作レバー、フェンダーなどの細かいパーツからシャーシやサスペンションなどのメカ部分までリアルに再現されています。リオのブガッティ T41のミニカーとしては最初にモデル化された物でした。実車が大きいのでミニカーも全長145㎜と大きなサイズで、ドイツ流の分厚いカブリオレを持つT41 3号車が再現されています。製作された年代を考えるとリオはチェイン氏がレストアしたT41 3号車をモデル化していると思われるのですが?、ヘンリーフォード ミュージアムに展示されている実車とは幌周りの造形やフロントグリルの上にあるマスコットなどが異なっています。ボンネットを外すとエンジン、床下部分のシャーシやサスペンションも表現されていますが、その部分は前述したリオ製のT41 1号車と同じですので、そちらを参照してください。同じボディで幌を畳んだ状態の色違い(緑と青)があります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

BUGATTI T41 ROYALE No.5 1
BUGATTI T41 ROYALE No.5 2

 以下は上記の幌を畳んだバリエーション ブガッティ T41 ロワイヤル (3号車) 1931 (1/43 型番37)の画像です。幌を畳んだ色違いで、幌以外の違いはありません。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BUGATTI T41 ROYALE No.5 3
BUGATTI T41 ROYALE No.5 4

 以下は2002年に発売されたデルプラド製の世界の名車シリーズ ブガッティ T41 ロワイヤル (3号車) 1931 (1/43 No.64)の画像です。メーカーは不詳ですが、幌周りの造形は上記リオ製より実車に忠実で、フロントグリル上のマスコットもヘンリーフォード ミュージアムの実車に即しています。ただしフロントグリルの形状が似てないこととウエストラインより下の部分が大き目なので、全体的には今一つの出来ばえです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BUGATTI T41 ROYALE No.5 5
BUGATTI T41 ROYALE No.5 6

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BUGATTI T41 ROYALE No.41150 BERLINE DE VOYAGE 1932 FRANCE

BUGATTI T41 ROYALE No.41150 BERLINE DE VOYAGE
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BUGATTI T41 ROYALE No.41150 BERLINE DE VOYAGE


FRANKLINMINT PW07 1/43 145mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約6m 全幅約2m 車重約3t エンジン 変速機: 8気筒 12.7L 290HP 4段変速
性能: 最高速180km/h?  データーベースでブガッティ T41のミニカー検索

ブガッティ T41 ロワイヤル No.41150 ベルリーヌ ド ヴォワヤージュ (6号車) フランス 1932年

 

 ブガッティ T41 ロワイヤル 6号車はエットーレ ブガッティが自らデザインし、ブガッティ社内でボディが架装されたそうです。1930年代の車としてはやや古典的な馬車風のボディは「ベルリーヌ ド ヴォワイヤージュ(旅行用セダンの意)」と呼ばれていて、黄と黒のツートンカラーとなっていました。1号車(プロトタイプ)の2番目と3番目のボディも黄と黒のツートンカラーでしたので、このカラーリングはエットーレのお気に入りだったようです。(なお6号車の年式は5号車と同じ1932年としましたが、これは私の見解です)

 

 この車も売れずにブガッティ家に保管されていました。1950年のルマンに参戦したアメリカ人の起業家でレーシングドライバーでもあったブリックス カニンガム(Briggs Cunningham)がブガッティ家を訪問し、同家に保管してあったこの6号車と5号車を格安の価格で購入しました。カニンガムは5号車と6号車を整備し、6号車は1952年にアメリカのコレクターに売却されました。その後6号車は有名なハラーコレクション(HARRAH'S COLLECTION)の所有となりました。1986年にハラーコレクションからアメリカの不動産会社経営者に転売され、その後もアメリカ国内を転々とし一時的にアメリカのブラックホーク コレクション(博物館)が所有していました。現在はブラックホーク コレクションが売却したそうですが、所有者は不明です。

 

 

 ミニカーは1992年頃に発売されたフランクリン ミント製です。フランクリン ミントの1/43の「CLASSIC LUXURT CARS」シリーズ(全12種類)の1台です。フランクリン ミントのクラシックカーは1/24が標準で1990年代には最も精密なミニカーでしたが、この1/43のシリーズも当時としてはかなり良い出来ばえでした。このブガッティ T41も実車の雰囲気がうまく再現されています。ボンネットを取り外すと巨大なエンジンが再現されていて、室内も良く再現されています。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

BUGATTI T41 ROYALE BERLINE DE VOYAGE 1
BUGATTI T41 ROYALE BERLINE DE VOYAGE 2

 以下はボンネットを取り外したエンジンルームと底板部のシャーシ/ドライブトレーンなど下回りの画像です。エンジンは1/43としては結構リアルな造形で、底板部の造形もエンジンの後方に接続された変速機、リアアクスルが一体化されたトランスアクスルなどがリアルに再現されています。 (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BUGATTI T41 ROYALE No.41150 BERLINE DE VOYAGE 3
BUGATTI T41 ROYALE No.41150 BERLINE DE VOYAGE 4

 上記以外のブガッティ T41 ロワイヤル 6号車のミニカーはリオ製がありました。以下は1978年に発売されたリオ製のブガッティ T41 ロワイヤル ベルリーヌ ド ヴォワイヤージュ (1/43 型番66)の画像です。これはリオ製の1号車の型を流用したバリエーションなので、ボディ以外は基本的に1号車と同じ造形です。上記のフランクリン ミント製の6号車と比較すると、リア製のブガッティ T41 ロワイヤルは1970年代に製作されたミニカーということもあって、フロントグリルの形状や床下部の構造などはあまり正確ではありません。カラーリングなども含めた全体的な雰囲気でもフランクリンミント製のほうがよりそれらしく出来ています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BUGATTI T41 ROYALE BERLINE DE VOYAGE 5
BUGATTI T41 ROYALE BERLINE DE VOYAGE 6

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BUGATTI T41 ROYALE No.41111 ESDERS 1932 FRANCE

BUGATTI T41 ROYALE No.41111 ESDERS
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BUGATTI T41 ROYALE No.41111 ESDERS


IXO MUS004 1/43 133mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約6m 全幅約2m 車重約3t エンジン 変速機: 8気筒 12.7L 290HP 4段変速
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ブガッティ T41 No.41111 ロワイヤル エズデール (2号車) フランス 1932年

 

 ブガッティ T41 2号車はパリの富豪アルマン エズデール(Armand Esders)に1932年に販売されました。この2号車に最初に載せられたボディはエットーレ ブガッティの長男ジャンがデザインした2シーターのロードスターでした。全長6mの大柄なボディながら2シーターという贅沢なデザインで、夜間は運転しないということでヘッドライトが付いていませんでした。この車の名前「エズデール」はオーナーの名前にちなんだものでした。

 

 この車は3年ほどでエズデールから、フランスの政治家のレイモンド パトノートル(Raymond Patenotre)の所有となりました。新しいオーナーは1938年頃に2号車のボディを前述した1号車クーペ ナポレオンに似せたクーペ デビル(COUPE DE VILLE)というボディに載せ替えました。その後この車はルーマニアの国王が購入することになったそうですが、その国王が第2次大戦で失脚したので引き渡されないままパリの下水道に隠されて戦火を逃れ、戦後になってアメリカのハラーコレクションに収められました。現在はブガッティのブランドを持つフォルクスワーゲン社が所有しているそうです。(実車画像→ ブガッティ T41 クーペ デビル 1938)

 

 

 なお2号車の最初のエズデール ボディはブガッティのコレクターで1号車と4号車を保有していたシュルンプ兄弟がブガッティ工場に残っていた部品を使ってレプリカ作成に着手しましたが未完成でした。最終的にはシュルンプ兄弟のコレクションを引き継いだフランス国立自動車博物館が1990年にレストアを完成させました。現在もフランス国立自動車博物館が保存しているようです。

 ミニカーはフランスのミニカー付雑誌「VOITURES CLASSIQUES」のNo1として2005年頃に発売された物で、当方はオークションで入手しました。メーカーはイクソで、イクソは同じ物(細部の仕上げが多少違う)を型番MUS004で2006年に発売しています。復元された2号車の実車を忠実に再現してあり、鮮やかなツートンカラーの魅力的なカラーリング(実車のフェンダーは青ではなく緑なので色合いが異なるが)や室内の造形など良く出来ています。これ以外のエズデールのミニカーはフランクリン ミントの1/24、ウエスタンモデルのハンドメイド品(ホワイトメタル製)があります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

BUGATTI T41 ROYALE No.41111 ESDERS 1
BUGATTI T41 ROYALE No.41111 ESDERS 2

 以下は1991年に発売されたフランクリン ミント製のブガッティ T41 ロワイヤル クーペ デビル (2号車) 1938 (1/16 型番KF10)の画像です。1980年代から1990年代に発売されたフランクリン ミント製の大スケールのミニカーは、ボンネットやドアが可動しエンジンやサスペンションなどの内部のメカもリアルに再現されていて、当時最も精密なミニカーでした。フランクリン ミント製ミニカーの標準的な縮尺は1/24なのですが、これは縮尺1/16なので全長375㎜と1/24より一回り以上も大きいサイズです。ただ単に大きいだけではなく、内装に本物の木を使っているなど並みのミニカーでは考えられないほどの凝った造りで、ほとんど文句をつけるところがないほどの素晴らしい出来ばえです。ただしさすがに大きすぎて、保管するにしても飾るにしても手に余ります。また1991年当時の定価は68000円と極めて高価で、私が購入したミニカーとしては一番高価でした。(オークションでもう少し高いレア物を購入したことはありますが) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BUGATTI T41 ROYALE COUPE DE VILLE 1
BUGATTI T41 ROYALE COUPE DE VILLE 2

 以下はボンネットを開いたエンジンルームの画像とドアを開いた室内の画像です。エンジンルーム内はかなりリアルに出来ていますが、パイピングなどの簡単に壊れるような小さなパーツは付いていないので、その点でCMCなどの超精密ミニカーほどはリアルではありません。フランクリン ミント製ミニカーは展示ケースに鎮座させて眺めるだけのミニカーではなく、一般のユーザーが各部を触って楽しむことができるというコンセプトのミニカーですから、この簡単には壊れないということは重要な要素なのです。室内のシートは起毛仕上げの布張りで、シートの前にあるパーティションは本物の木を使っていて、収納パネルが開閉できます。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BUGATTI T41 ROYALE COUPE DE VILLE 3
BUGATTI T41 ROYALE COUPE DE VILLE 2

 以下はボンネット先端の象のマスコットの画像と底板部分のシャーシ/サスペンションの画像です。あまり壊れることがないフランクリン ミント製ミニカーですが、この象のマスコットの取付け部だけは注意して取り扱いしないと破損する部分で、このミニカーも2回破損させて修復しています。前輪はステアリングホイールと連動して操舵可能で、床下の駆動部は上述したクーペ ナポレオンと同じですが、エンジンとシャフトで接続されて後方にある箱がクラッチボックスで、その後方には変速機とリアアクスルが一体化されたトランスアクスルがあります。(画(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BUGATTI T41 ROYALE COUPE DE VILLE 5
BUGATTI T41 ROYALE COUPE DE VILLE 6

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BUGATTI T41 ROYALE No.41141 COACH KELLNER 1932 FRANCE

BUGATTI T41 ROYALE  No.41141 COACH KELLNER
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BUGATTI T41 ROYALE  No.41141 COACH KELLNER


IXO (ALTAYA )  1/43 
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約6m 全幅約2m 車重約3t エンジン 変速機: 8気筒 12.7L 290HP 4段変速
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ブガッティ T41 ロワイヤル No.41141 コーチ ケルネル (5号車) フランス 1932年

 

 ブガッティ T41 ロワイヤル 5号車はパリのコーチビルダー ケルネル(KELLNER)社が2ドアセダンボディを架装したので、コーチ ケルネルとして知られています。この車は顧客からの注文があって製作されたのではなく、1932年のロンドン モーターショーの展示車として製作されました。ロールス ロイスの3倍もする高価格の為に5号車は売れ残り、その後はブガッティ家が所有していました。

 

 1950年のルマンに参戦したアメリカ人の起業家でレーシングドライバーでもあったブリックス カニンガム(Briggs Cunningham)がブガッティ家を訪問し、同家に保管してあったこの5号車と6号車を格安の価格で購入しました。カニンガムは5号車と6号車を整備し、6号車は1952年にアメリカのコレクターに売却されました。5号車は彼が設立したブリックス カニンガム博物館に展示されました。カニンガム博物館は1986年に閉鎖され、5号車は1987年にオークションにかけられスウェーデンのハンス チューリン氏が落札し、その後も所有者が転々とし1990年代に日本人でメイテック(株)の元社長の関口房朗氏が所有していたこともありましたが、最終的に現在の所有者がだれなのかは不詳だそうです。

 

 

 この車は最近までミニカーがありませんでしたが、2008年ごろにフランスのミニカー付雑誌「VOITURES CLASSIQUES」のNo.45でモデル化されました。画像はその「VOITURES CLASSIQUES」のWEBサイトから拝借しました。メーカーはイクソで、同社のクラシックカーはいずれも良い出来ばえですので、このブガッティ T41 5号車のミニカーもかなり良い出来ばえであるはずです。実物を入手したいのですが、国内のオークションに出てくることなどは無いようですので、イクソがカタログモデル化してくれるのを待ちます。

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