ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

MERCEDES-BENZ SSK (W06) 1927 GERMANY

MERCEDES-BENZ SSK (W06)
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MERCEDES-BENZ SSK (W06)


RIO 80 1/43? 105mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.24m 全幅約1.7m エンジン 変速機: 6気筒 7L 過給時225HP 4段変速
性能: 最高速200km/h  データーベースでメルセデス ベンツ SSKのミニカー検索

メルセデス ベンツ SSK (W06) ドイツ 1927年

 

 メルセデス ベンツ SSKは前述したメルセデス ベンツ SSのホイールベースを短縮しサーキットでの性能を高めた高性能版でした。Kはドイツ語のKURZ(短いの意)です。エンジンは225HPに強化され最高速200km/hで、ヘッドライト/フェンダーなどを取り外せば即レーシングカーになりました。当時のグランプリレースはレーシングカーやスポーツカーが混在する状態でしたので、レースを意識して開発されたSS、SSKは各種レースで大活躍していました。

 

 ベンツ SSKの純粋なレーシング仕様として、ファクトリーチーム用にはベンツ SSKLが数台だけ製作されました。SSKLのLはドイツ語のLeicht(軽いの意)で、SSKLは徹底的な軽量化をするためにフレーム各部に軽減穴が開けられていました。SSKLについてはサラブレッド期に記載してしていますので、こちらのページ→ メルセデス ベンツ SSKLをご覧ください。

 

 

 ミニカーは1984年頃に発売されたイタリアのリオ(RIO)製です。リオのクラシックカーはほとんどが1990年以前に作られていますが、いずれも当時のミニカーとしては非常に出来が良いものでした。このSSKも実車の迫力のあるスタイルがうまく再現されていて、最近までこれを上回る出来ばえの1/43サイズの量産ミニカーはありませんでした。ただスケールモデル的な観点で見ると、ボンネット部の高さが少し高めなのですが、これは迫力を出すための意図的なデフォルメだと思います。また1/43よりも少し大きめにできているので、1/43の別のミニカーと並べた場合に少し違和感があるのが唯一の難点です。リオは同じ型を使ってSSKLもモデル化していました。リオ以外では1980年代以前の古いものばかりですが、ラミー、ガマ、ノレブのプラスチック製、ブラーゴの1/18などがありました。以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
 

MERCEDES-BENZ SSK (W06) 1
MERCEDES-BENZ SSK (W06) 2

 以下は2008年に発売されたイクソ製のメルセデス ベンツ 300SSK (1/43 型番MUS016)の画像です。製作時期が新しいので、上記のリオ製よりもさらにリアルな仕上げとなっています。細かなスポークを再現したスポークホイールや墨入れ処理がされているボンネットのルーバーなど、かなり凝った仕上げがされています。ベンツ SSKの1/43サイズ量産ミニカーとしては、2023年現在でもこのイクソ製がベストの出来ばえであると思います。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MERCEDES-BENZ SSK (W06) 3
MERCEDES-BENZ SSK (W06) 4

 以下はフロント/リアの拡大画像です。フロントグリル上のスリーポインテッドスターのエンブレム/マスコットは実にリアルに再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MERCEDES-BENZ SSK (W06) 5
MERCEDES-BENZ SSK (W06) 6

 以下は1960-70年代に発売されたラミー製のメルセデス ベンツ SSK (1/43 型番38)の画像です。ラミー後期型のミニカーなので、ラミーのミニカーとしてはプラスチック製メッキパーツが多用されています。フロントグリルが縦に長すぎる感じがしますが、実車の雰囲気はそこそこうまく再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MERCEDES-BENZ SSK (W06) 7
MERCEDES-BENZ SSK (W06) 8

 以下は1960-70年代に発売されたノレブ製のメルセデス ベンツ SSK (1/43 型番150)の画像です。ノレブ初期のプラスチック製です。フェンダー、ドア、リアの形状が上記のSSKと異なっていますすが、これはストリート仕様なのだと思います。これも当時のミニカーとしてはまずまずの良い出来ばえでした。ドアが開閉するギミック付きですが、プラスチックの経年変化で少しボディが変形しているので、ドアがきちんと閉じません。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MERCEDES-BENZ SSK (W06) 9
MERCEDES-BENZ SSK (W06) 10

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MERCEDES-BENZ SS TORPEDO (W06) 1928 GERMANY

MERCEDES-BENZ SS TORPEDO (W06)
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MERCEDES-BENZ SS TORPEDO (W06)


SOLIDO 137 1/43 113㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.7m 全幅約1.7m エンジン 変速機: 6気筒 7L 140HP(過給時200HP) 4段変速
性能: 最高速185km/h  データーベースでメルセデス ベンツ SSのミニカー検索

メルセデス ベンツ SS トルペード (W06) ドイツ 1928年

 

 前述したベンツ レースカーのスーパーチャージャーエンジンを成功させたフェルディナンド ポルシェ博士は6気筒スーパーチャージャーエンジンを設計し、メルセデス ベンツのツーリングカーに搭載しました。1926年に登場した最初のモデルはKヴァーゲンと呼ばれ、6気筒6.3L(110HP 過給時160HP)エンジンを搭載し、当時最速のツーリングカーでした。それをさらに発展させたのがSヴァーゲンで、その後のメルセデス ベンツのスポーツカー Sシリーズの最初のモデルとなりました。Sヴァーゲンは6気筒6.8L(120HP 過給時180HP)エンジンを搭載し、さらにそのエンジンを6気筒7L(140HP 過給時200HP)にパワーアップしたのがSSでした。

 

 Sシリーズは当時のスポーツカーとしては非常に高価でしたが、その高性能と魅力的なデザインで富裕層に人気がありました。またSシリーズは市販スポーツカーでしたが、レーシングカーとしても1920年代後半から1931年までヨーロッパのレースで活躍しました。1928年にSSのホイールベースを短縮したSSKが登場し、1931年にはSSKを軽量化したSSKLが登場しました。SシリーズはスポーツカーレースだけではなくGPレース(現在のF1相当)にまで参戦していました。

 

 

 ミニカーは1965年に発売されたフランスのソリド製です。ソリドが1960年代に発売したクラシックカーシリーズ(約10種類)は当時としては非常に出来が良いミニカーでした。このメルセデス ベンツ SSもその一つで型番を4137に変更して、その後20年以上も生産された傑作でした。ソリドの別ブランドのベレム(VEREM)でも発売されました。ドア開閉ギミック付きで、インパネのメーターは紙のシールで再現してありました。ソリド以外のメルセデス ベンツ SSのミニカーとしては、古いマッチボックスのYシリーズ、イクソとその廉価版ホワイトボックス(WHITE BOX)の物があります。イクソの物は元々はフランスのミニカー付き雑誌「VOITURES CLASSIQUES」(No30)用として作られた物でした。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

MERCEDES-BENZ SS TORPEDO (W06) 1
MERCEDES-BENZ SS TORPEDO (W06) 2

 以下は同時期に発売された上記のバリエーションで幌を立てたメルセデス ベンツ SS (型番132)の画像です。こちらは3本の排気管がボンネットから出ているボンネット右側の画像を載せました。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MERCEDES-BENZ SS 3
MERCEDES-BENZ SS 4

 以下はマッチボックス製のYシリーズのメルセデス ベンツ SS(1/45 型番Y16-2)の画像です。ヘッドライトがグリル横から生えているなどマッチボックス流の簡素化が行われていますが、全体的な雰囲気がメルセデス ベンツ SSから外れていないのは老舗ブランドらしい上手い造形です。縮尺が1/45と中途半端でしたが、当時の安価なクラシックカーのミニカーとしては上出来でした。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MERCEDES-BENZ SS TORPEDO 5
MERCEDES-BENZ SS TORPEDO 6

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MERCEDES-BENZ SS TORPEDO 7
MERCEDES-BENZ SS TORPEDO 8

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OPEL 10/40HP TYPE 80 1928 GERMANY

OPEL 10/40HP TYPE 80
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
OPEL 10/40HP TYPE 80


IXO MUS056 1/43 110mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.7m 全幅約1.77m エンジン 変速機: 4気筒 2.6L 40HP 3段変速
性能: 最高速85km/h  データーベースで戦前のオペルのミニカー検索

オペル 10/40HP タイプ 80 ドイツ 1928年

 

 前述したようにオペルは小型車ラウプフロッシュが大成功し、1928年にはドイツ最大の自動車メーカーとなりました。ラウプフロッシュの上級車として10/40HP(税制上馬力/実馬力) タイプ 80が1925年に登場しました。10/40HPは4気筒2.6L(40HP)エンジンを搭載した中型車で、4ドアセダン、2ドアクーペ、ホイールベースを拡大した3列シートの6/7人乗りの4ドアワゴン、4ドアリムジンがありました。外観はそっけない四角い箱型ですが、同時期にフランスでフォード式大量生産方式を採用したシトロエン B2によく似ており、当時の大量生産車に共通するデザインでした。セダンは3段変速で最高速85km/hの性能でした。タイプ 80も大量生産方式により低価格で、1920年代のドイツでは一番ポピュラーな中型車だったそうです。

 

 オペルは1927年に6気筒4.2Lエンジン搭載のタイプ 100、1929年には8気筒6Lエンジン搭載のレーゲント(REGENT)などの大型車を登場させました。1920年代後半になるとGMやフォードのアメリカ系メーカーがドイツ市場に本格的に進出し、小型車から中型/大型車への進出を図っていたオペルはそのクラスでは対抗することが難しくなりました。そこでオペルはGMと提携する道を選び1929年にGM傘下となりました。1931年にラウプフロッシュの後継車1.2Lなど小型車も登場し、1930年代半ばにはオペルは年間10万台以上を生産するヨーロッパ最大の自動車メーカーとなりました。 (実車画像→ オペル レーゲント 1929) (実車画像→ オペル 1.2L 1932)

 

 

 ミニカーは2014年に発売されたイクソ製のミュージアムシリーズです。オペル 10/40HP タイプ 80の6/7人乗りのロングホイールベース版リムジンをモデル化しています。このミニカーは元々はドイツのミニカー付雑誌「OPEL COLLECTION」のNo.38でモデル化された物をイクソのカタログモデルとして発売した物でした。この地味なセダンがモデル化されたのはミニカー付雑誌ならではのことだと思います。(タイプ 80の量産ミニカーはこれ以外はありませんので) 実車の雰囲気がうまく再現され、少し大きめにデフォルメされたフロントグリル上のマスコット、側面の細いクロームモール、エッチング材の繊細なワイパー、そこそこ良く再現された室内などイクソのミュージアムシリーズに共通する良い出来ばえです。 以下はフロント(マスコット拡大)/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

OPEL 10/40HP MODEL 80 1
OPEL 10/40HP MODEL 80 2

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BMW DIXI (3/15) 1928 GERMANY

BMW DIXI (3/15)
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BMW DIXI (3/15)


SCHUCO 82229417892 1/43 71mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3m エンジン 変速機: 4気筒 750cc 15HP 3段変速
性能: 最高速75km/h  データーベースでBMW ディキシーのミニカー検索

BMW ディキシー (3/15) ドイツ 1928年

 

 1916年に設立されたドイツの航空機エンジンメーカー BFW(Bayerische Flugzeug Werken)が名前を変更して、1922年にBMW(Bayerishe Motoren Werke(バイエルン発動機製造会社)が設立されました。青と白のBMWのエンブレムはバイエルン州の旗(青と白の格子模様)に由来するもので、良く言われている高速回転している飛行機のプロペラのデザインだという説は正しくないようです。1920年代に2輪車製造に進出し水平対向2気筒エンジン搭載の2輪車R32で有名になりました。(実車画像→ BMW R32 )

 

 1928年にイギリスのオースティン セブンのライセンス生産をしていたディキシー社から製造権を得て4輪車のディキシーを発表しました。ディキシーの標準モデルは4気筒750cc(15HP)エンジン搭載で最高速75km/hでしたが、18HPにパワーアップし最高速90km/hの2シーターのスポーツ仕様や商用バンなどのバリエーションが追加されました。1929年には名前がディキシーから3/15に変更されました。1932年にオースチンとのライセンス契約を終了し、自社開発の3/20が登場しました。ディキシー(3/15を含む)は約2.5万台が生産されBMWの基礎を固めました。スポーツモデルが1930年のモンテカルロラリーでクラス優勝するなどディキシーは本家のオースティン セブン同様にレースで活躍しました。(実車画像→ BMW 3/20 )

 

 

 ミニカーは1997年頃にBMW特注品として発売されたシュコー製です。実車が小さいのでミニカーも70㎜程のサイズですが、リアルなフロントグリルやディスクホイールなどシュコーらしいレベルの高い出来ばえです。画像がモノクロに見えますが、フロントグリル上の大きめに作られたBMWの青/白のエンブレムで分かるようにカラー画像です。シュコーはカブリオレや商用バンもモデル化しています。シュコー以外のディキシーのミニカーはチィス(ZISS)のカブリオレ、イクソ PREMIUM CLASSIXXSの商用バン、オートアートの1/18、ブレキナの1/87、RICKOの1/87などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

BMW DIXI 1
BMW DIXI 2

 以下は1997年に発売された上述したシュコーのバリエーションで、BMW ディキシー 3/15 カブリオレ (1/43 型番02293)の画像です。黒/黄のカラーリングが鮮やかで、オープンカーなので室内がそこそこ良く再現されているのが分かります。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BMW DIXI CABRIOLET 1
BMW DIXI CABRIOLET 2

 以下は1970年頃に発売されたドイツのチィス(ZISS)の別ブランドであったR.W. MODEL製のBMW ディキシー カブリオレ(1/40? 型番57)の画像です。ワイヤースポークホイールを履いたスポーティな2座のカブリオレのモデル化で、1/43より少し大きめにできています。全体的な色使いから少し玩具ぽっくみえますが、1970年頃のミニカーとしては結構リアルに出来ています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BMW DIXI CABRIOLET 3
BMW DIXI CABRIOLET 4

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BMW DIXI CABRIOLET 5
BMW DIXI CABRIOLET 6

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