ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

MERCEDES-BENZ 130H (W23) 1934 GERMANY

MERCEDES-BENZ 130H (W23)
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MERCEDES-BENZ 130H (W23)


IXO MUS026 1/43 96㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.05m 全幅約1.52m エンジン 変速機: 4気筒 1.3L 26HP 4段自動変速
性能: 最高速92km/h  データーベースでメルセデス ベンツ W23のミニカー検索

メルセデス ベンツ 130H (W23) ドイツ 1934年

 

 1929年に起こった大恐慌による世界的不況の時代背景の下、1934年のベルリン ショーで発表されたメルセデス ベンツの小型大衆車がメルセデス ベンツ 130Hでした。130HのHはドイツ語のHECKMOTOR(リアエンジンの意)のHで排気量はメルセデス ベンツ車として最小の1.3Lでした。フロントグリルのない外観も含めて従来のメルセデス ベンツ車とは異質の車でした。水冷4気筒1.3L(26HP)エンジンをリア車軸より後ろに搭載し、4段自動変速で最高速92km/hの性能でした。

 

 メルセデス ベンツ 130Hは6気筒エンジンを搭載する170の7割ほどの価格(それでもオペルなどよりは高かった)で、2ドアセダンとカブリオレがありました。130Hは1935年までに約4300台が生産され、1936年にエンジンを170Vと同じ4気筒1.7Lエンジンに変更した170Hに切り変わりました。この時代の1.3Lのリアエンジン車といえば、フォルクスワーゲン ビートルが思い起こされますが、130Hはビートルの生みの親であるF.ポルシェ博士がダイムラー社に在籍中に開発されています。130Hとビートルは内部構造がよく似ていることから、ポルシェ博士が開発に関与していたようです。

 

 

 ミニカーは2011年に発売されたイクソ製です。このミニカーは元々はアルタヤ(ALTAYA)のミニカー付き雑誌「Mercedes-benz Collection」のNo41(黒と青のツートンカラー)として作られたものでした。それの仕上げレベルを変えて、イクソのカタログモデルとして発売されたのがこのミニカーです。細かな灯火やモールなどがきちんと再現されていて赤/黒のツートンカラーも綺麗で良く出来ています。これと同じものがイクソの別ブランドのホワイトボックスでも発売されています。130Hはメルセデス ベンツ車の歴史を知るうえで重要な車ですが、量産ミニカーは最近までこれしかなくその点で貴重なミニカーでした。2017年になってAUTOCULT(レジン製)でもモデル化されました。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

MERCEDES-BENZ 130H (W23) 1
MERCEDES-BENZ 130H (W23) 2

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MERCEDES-BENZ 500K ROADSTER 1934 GERMANY

MERCEDES-BENZ 500K ROADSTER
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MERCEDES-BENZ 500K ROADSTER


FRANKLIN MINT EY72 1/24 210㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5m 全幅約1.8m エンジン 変速機: 8気筒 5L 100HP過給時160HP 4/5段変速
性能: 最高速160km/h  データーベースでメルセデス ベンツ 380K/500K/540Kのミニカー検索

メルセデス ベンツ 500K ロードスター ドイツ 1934年

 

 ポルシェ博士が設計したスポーツカー メルセデス ベンツのSシリーズの後継車のKシリーズとして380K(8気筒3.8L 90HP過給時140HPエンジン搭載)が1933年に登場しました。(KはKOMPRESSOR:過給器の意です) 380Kは翌年には500K(5L 100HP過給時160HP)、1936年には540K(5.4L 120HP過給時180HP)と排気量を拡大していきました。全輪独立懸架、全輪サーボ付油圧ブレーキなど先進的な技術が使われ、380Kの最高速は145km/h、500Kの最高速は160km/h、540Kのの最高速は170km/hと当時最も高価で高性能な車でした。

 

 Kシリーズには2/4ドアサルーン、4座クーペ/カブリオレ、2座ロードスターなどのボディが架装されましたが、派手な2座ロードスターが一番良く知られています。なおSシリーズはレーシングカーとしても活躍したのですが、Kシリーズは高級ツーリングカーでレースで使われることは無かったようです。380Kは約150台、500Kは約300台、540Kは約400台が生産されました。540Kの価格は当時の一般的な車の10倍以上でしたので生産台数は少なく、ユーザーは王侯貴族など一部の富裕層でした。

 

 

 ミニカーは1/24サイズのフランクリン ミント製で、1986年にフランクリン ミントの通信販売だけで販売されました。当時の価格は18000円(現在の感覚では約4万円相当)と高価でした。500Kでも一番派手な2座のロードスターをモデル化しています。ドア/ボンネットなどが開閉し、サイズが大きいので細部まで精密に再現されていて、非常に素晴らしい出来ばえです。現在の1/18の精密ミニカー(オートアートなど)と比較しても、ほぼ同じぐらいの精密さです。現在ではプラスチックが使われることが多いサスペンションなどのメカ部分のパーツがダイキャスト製なので、その分だけ質感がリアルでなおかつ頑丈にできています。なお閉じた状態の幌(軟質プラスチック製)も付属しており、側面画像のように取り付けることができます。

 この500Kは現在も続くフランクリン ミントのプレシジョン モデル(ダイキャスト製精密モデル)の最初のモデルでした。当時の大スケールミニカーは1/43を大きくしただけの雑な作りのものが多かったのですが、この500Kはそれらとは別格の出来ばえで非常に高く評価され、少なくとも数万台は販売されたはずです。この成功はその後のプレシジョン モデルのシリーズ化につながりました。プレシジョン モデルは主に1/24サイズのクラシックカーが中心で、現在までに約1000種類ほどがモデル化されています。(1/43や1/18もあります) いずれも少し高価ですが、ドアなどの可動部が多く、エンジン/シャーシ/サスペンションなどのメカ部分も再現した極めて精密なものです。1990年代半ばまでは精密な大スケールミニカーといえば、フランクリン ミントがベストでしたが、その後オートアートなどの安価なミニカーが登場しその座を奪われました。またプレシジョン モデルは部品点数の多い精密なミニカーを中国で生産するといった生産方式の先がけとなりました。

 以下この時代を先取りした精密なミニカーの詳細を画像で紹介します。まずはフロント/リアの拡大画像と、室内の拡大画像です。現在の感覚ではフロントグリルや内装は格別に精密とは言えませんが、前輪のサスペンションは現在のミニカーと遜色ないぐらいリアルです。ドアは後ろをヒンジとする前開きです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

MERCEDES-BENZ 540K ROADSTER 1
MERCEDES-BENZ 540K ROADSTER 2

 以下はボンネットを開いたエンジン部とランブルシート(折畳式補助席)の画像です。エンジンは結構リアルに出来ています。ランブルシートにはリアの左側リアフェンダー上にあるステップに足を掛けて乗り込みます。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MERCEDES-BENZ 540K ROADSTER 3
MERCEDES-BENZ 540K ROADSTER 4

 以下はボディの底のシャーシ/サスペンションと前輪のステア動作の画像です。(ハンドル操作で前輪をステア出来ます) サスペンションなどに金属パーツを使っているので、質感がリアルで簡単には壊れないぐらい頑丈です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MERCEDES-BENZ 540K ROADSTER 5
MERCEDES-BENZ 540K ROADSTER 6

 フランクリン ミント製以外のKシリーズのミニカーは、カーソル、ソリド、マッチボックスのYシリーズ、Bブラーゴの1/18、マイストの1/18、最近ではイクソの500Kと540K、ネオやマトリックスのレジン製などたくさんあります。以下は1970年代に発売されたドイツのカーソル(CURSOR)製のメルセデス ベンツ 540K ロードスター (1/50? 型番878)の画像です。材質はプラスチックで、ダイムラー ベンツ社のプロモーション モデルとして企画されたシリーズ物の一つでした。縮尺がおよそ1/50なので1/43に比べると一回り小さいのが今一つですが、V字型のスクリーンとその横についたランプなど実車の特徴的な部分が良く再現されています。1970年代に作られたミニカーとしては非常に良くできていました。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MERCEDES-BENZ 540K ROADSTER (W29) 7
MERCEDES-BENZ 540K ROADSTER (W29) 8

 以下は2006年に発売されたイクソ製のメルセデス ベンツ 540K ロードスター (1/43 型番MUS001)の画像です。これは元々はフランスのミニカー付き雑誌「VOITURES CLASSIQUES」のNo3用として作られた物で、それをリファインしてカタログモデルとして発売したものです。プロポーションが良く、フロントグリルやホイールなどがリアルで、室内もそこそこ再現されています。540K ロードスターの1/43量産ミニカーとしては、これが現在のベストだと思います。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MERCEDES-BENZ 540K ROADSTER 9
MERCEDES-BENZ 540K ROADSTER 10

 以下は2009年に発売されたイクソ製のメルセデス ベンツ 500K クーペ アウトバーン クリエール (1/43 型番MUS021)の画像です。これは元々はフランスのミニカー付き雑誌「Mercedes-benz Collection」のNo.20として作られた物で、それをリファインしてカタログモデルとして発売したものです。500K クーペはアウトバーンを使って高速(最高速160km/h)で移動することを想定した車で、「アウトバーン クリエール(アウトバーンの急使)」と呼ばれていました。V字に折れたウインドースクリーン、スパッツの付いたリアフェンダー、滑らかに後方に伸ばされたキャビンなど当時最新の流線形スタイルでした。数台しか作れらなかったようで、当初のエンジンは500Kの8気筒5L(160HP)、後に540Kの8気筒5.4L(180HP)でした。プロポーションが良く、エッチング材を使ったフロントグリルなど細部も良く再現されています。Kシリーズのミニカーのほとんどは見ばえがする540K ロードスターですので、この一風変わった500K クーペは目新しさがあって面白いと思います。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MERCEDES-BENZ 500K (W29) Autobahn-Kurier 1
MERCEDES-BENZ 500K (W29) Autobahn-Kurier 2

 以下は1981年に発売されたマッチボックス製のメルセデス ベンツ 540K ロードスター (1/45 型番Y20)の画像です。マッチボックスのクラシックカーのYシリーズは縮尺が統一されておらず、この540Kも1/45と中途半端です。安価なので仕上げは簡素ですが、それでも540Kの雰囲気は十分再現されています。ランブルシート(折畳式補助席)が開くギミック付です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MERCEDES-BENZ 540K ROADSTER 11
MERCEDES-BENZ 540K ROADSTER 12

 以下は1978年に発売されたソリド製のメルセデス ベンツ 540K カブリオレ (1/43 型番67)の画像です。ロードスターとは違って少しフォーマルな感じがする4座のカブリオレをモデル化しています。基本的にはロードスタと同じようなデザインなのですが、このカブリオレを斜め後方からみたリアビューは現在の車にはないこの時代特有の優雅な美しさを感じます。1970年代のミニカーとしては良い出来ばえでした。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MERCEDES-BENZ 540K ROADSTER (W29) 13
MERCEDES-BENZ 540K ROADSTER (W29) 14

 以下は1988年に発売されたソリド製のメルセデス ベンツ 540K カブリオレ (1/43 型番4086)の画像です。上記の型番67の幌を閉じたバリエーションです。カラーリングと幌以外は上記と同じものです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MERCEDES-BENZ 540K CABRIOLET (W29) 15
MERCEDES-BENZ 540K CABRIOLET (W29) 16

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MERCEDES-BENZ W25 1934 GERMANY

MERCEDES-BENZ W25
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MERCEDES-BENZ W25


SPARK S1039 1/43 ㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.04m 全幅約1.77m エンジン 変速機: DOHC 8気筒 スーパーチャージャー 3.4L 354HP 4段変速
性能: 最高速270km/h以上  データーベースでメルセデス ベンツ W25のミニカー検索

メルセデス ベンツ W25 ドイツ 1934年

 

 自動車の歴史にモータースポーツは欠かせないものですが、現在のF1(フォーミュラ1)のような規格化された車(グランプリカー)によるレースが始まったのは1930年代からです。それ以前にも緩い規格はありましたが、1934年に総重量が750kg以下、ボディ全幅850mm以下という規格(エンジンに関しては無制限 俗称:750㎏フォーミュラ)が決まり、1937年まで適用されました。

 それまでSシリーズでレースを席巻してきたメルセデス ベンツはこの規格に対応する車としてW25を開発します。W25は8気筒3.4Lエンジン搭載ながら徹底的な軽量化で重量を750㎏以下に抑え、流線形ボディ、全輪独立サスペンションを採用するなど古典的な設計のSシリーズとは全く異なる画期的な車でした。W25は緒戦から勝利を重ね、1935年には圧倒的な強さをほこり、ドライバーの R.カラッチオラはドライバーズ選手権チャンピオンとなりました。

 

 当時のドイツはヒットラーが率いるナチス党が政権を握っていました。ヒットラーは国威発揚の手段としてモータースポーツを利用することを決め、国策としてベンツとアウトウニオンを援助しました。それゆえ第2次世界大戦前のグランプリレースでドイツ勢は圧倒的な強さを発揮しました。

 

 

 W25のミニカーは最近まで戦前のメルクリン製(とてつもないレア物)しかありませんでした。1980年代に復刻版が作られており、たまにオークションなどに出品されているのは復刻版です。このミニカーはスパーク製で、画像はWEBサイトから借用しました。W25のボディはアルミ地肌の銀色ですが、これはプロトタイプをモデル化しているので白色になっています。なおスパークはW25の速度記録車仕様もモデル化しています。

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AUTO UNION TYPE A 1934 GERMANY

AUTO UNION TYPE A
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
AUTO UNION TYPE A


MINICHAMPS 5031300313 1/43 ㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.5m 全幅約1.66m エンジン 変速機: V型16気筒 4.36L スーパーチャージャー 295HP 5段変速
性能: 最高速280km/h  データーベースでアウトウニオン タイプ A-Dのミニカー検索

アウトウニオン タイプ A ドイツ 1934年

 

 1932年にホルヒ、アウディ、DKW、ヴァンダラーの民族系4社は協同でアウトウニオン社を結成しました。アウトウニオンは自社を宣伝する為に750㎏フォーミュラ グランプリ(現在のF1グランプリ)に出場することを決めました。またメルセデス ベンツ W25の解説に記載したように当時のドイツ ナチス政権はメルセデス ベンツとアウトウニオンのグランプリレース活動をバックアップしていました。

 アウトウニオンはF.ポルシェ博士(フォルクスワーゲン ビートルの設計者)にレーシングカーの設計を依頼し、博士はV型16気筒エンジンをリアに搭載する世界初のミッドシップエンジン搭載式レーシングカーを設計しました。この車はポルシェ博士の頭文字PをつけてPヴァーゲンと呼ばれ、タイプ Aからタイプ Dがありました。

 

 1934年にホルヒの工場でタイプ Aが作られました。最初のレースは1934年のドイツのアヴァス GPで3位となっています。その後ドイツ GPで初勝利し、スイス GP 優勝、イタリア GP 準優勝などの成績でした。(メインのドライバーはH.スタック)

 

 

 ミニカーはミニチャンプス製で、アウディの特注品です。画像はアウディのWEBサイトから借用しました。画像で見ただけですが、よく出来ていると思います。これ以外のタイプ Aのミニカーはシュコーの1/24 組立てキットぐらいしかないようです。

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MAYBACH DS8 ZEPPELIN CABRIOLET 1934 GERMANY

MAYBACH DS8 ZEPPELIN CABRIOLET
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MAYBACH DS8 ZEPPELIN CABRIOLET


FRANKLIN MINT RJ96 1/24 245㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5.8m 全幅約1.82m エンジン 変速機: V型12気筒 8L 200HP オーバードライブ付 4段変速
性能: 最高速170km/h  データーベースでマイバッハのミニカー検索

マイバッハ DS8 ツェッペリン カブリオレ ドイツ 1934年

 

 ダイムラー社でゴットリーブ ダイムラーの片腕として主任技術者を務めていたヴィルヘルム マイバッハ(Wilhelm Maybach)は、ゴットリーブが1900年に亡くなった後に経営者とそりが合わず1907年にダイムラー社を去りました。彼は友人のツェッペリン伯爵の飛行船事業に加わり飛行船のエンジンを設計し、息子のカールと1909年に設立したマイバッハ社でエンジン製造を行いました。当時の有名な大型飛行船ツェッペリン LZ127型に搭載されたV型12気筒33L(550HP)エンジンはマイバッハ製でした。(飛行船画像→ 飛行船ツェッペリン LZ127)

 

 第1次大戦後の1920年後から20年間ほどマイバッハ社は高級車の設計/製造を行いました。1921年に登場した最初のモデル マイバッハ W3は、6気筒5.8L(70HP)エンジンを搭載しドイツ初の全輪ブレーキを備えた先進的な車でした。この車は排気量が7Lに拡大されたW5に発展し1929年までに約数百台が販売されました。1928年にドイツ初のV型12気筒7L(150HP)エンジンを搭載したツェッペリン DS7が登場しました。(DSはDoppel Sechsの略で意味はダブル シックス 12気筒のことです) 1931年には排気量を8L(200HP)に拡大したDS8が登場しました。 DS8は1934年まで生産されましたが、当時のメルセデス ベンツの超高級車グローサー メルセデスに次ぐ高級車でしたので生産台数はごく少量でした。1935年には6気筒4.2Lエンジンを搭載した高級車SWシリーズが登場しましたが、戦後は自動車生産を止めました。なお1997年にメルセデス ベンツがマイバッハ ブランドを復活させ、2002年にマイバッハ 57と62が登場しました。

 

 

 ミニカーは1992年に発売されたフランクリン ミント製です。マイバッハのほとんどを架装していたコーチビルダー スポーン(SPOHN)製のDS8 ツェッペリン 4ドアカブリオレをモデル化しています。フランクリン ミントの1/24のクラシックカーのシリーズは現在のオートアートなどの大スケールミニカーの先駆けで、シャーシ/エンジン/サスペンションなどのメカ部分が金属製パーツで再現されドアやボンネットが全て可動する当時の最も精密なミニカーでした。当時フランクリン ミント製ミニカーは通信販売でしか購入できないかなり高価で特別なミニカーでしたが、その価格に見合った素晴らしい出来ばえでした。このツェッペリンもカラーリングから室内の細部に至るまで実車を忠実にモデル化しています。特に前後フェンダーやボンネットに空力パーツ的なアクセントラインが入っている独特のボディが良く再現されています。またフロントグリル上のマイバッハのエンブレム、細かなモール類などもリアルです。ボンネットと4ドアの開閉ができエンジンや床下のサスペンションなどもリアルに再現され、前輪もステアリングホイールで操舵できます。これ以外のマイバッハ ツェッペリンのミニカーはミニチャンプス、イクソ(ホワイトボックス)、RICKO(リッコー)の1/87、アンソンの1/18などがあります。 以下はフロント/前輪操舵の画像とリア/4ドア開閉と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

MAYBACH DS8 ZEPPELIN 1
MAYBACH DS8 ZEPPELIN 2

 以下はボンネットを開いたエンジンルームの画像と床下部分の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MAYBACH DS8 ZEPPELIN 3
MAYBACH DS8 ZEPPELIN 4

 以下は2001年に発売されたミニチャンプス製のマイバッハ DS8 ツェッペリン 1932 (1/43 型番436039401)の画像です。こちらは運転席と後席との間に仕切りがあるリムジーン形式のカブリオレをモデル化しています。ミニチャンプスらしいそつのない造形で、室内などの細部がリアルに仕上げられていて素晴らしい出来ばえです。特にフロントグリルの金色のエンブレムやツェッペリンのロゴは実にリアルに出来ています。マイバッハ DS8の1/43のミニカーではこのミニチャンプス製がベストだと思います。ミニチャンプスには色違いで約10種類のバリエーションがあります。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MAYBACH DS8 ZEPPELIN 1932 1
MAYBACH DS8 ZEPPELIN 1932 2

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MAYBACH DS8 ZEPPELIN 1932 3
MAYBACH DS8 ZEPPELIN 1932 4

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