ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

GRAHAM PAIGE MODEL 97 ROADSTER 1939 USA

GRAHAM PAIGE MODEL 97 ROADSTER
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
GRAHAM PAIGE MODEL 97 ROADSTER


VOITURES CLASSIQUES (IXO ALTAYA) 13 1/43 123㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5.2m 全幅約1.9m エンジン 変速機: 6気筒 3.6L スーパーチャージャー 116HP 3段変速
性能: 最高速 不明  データーベースでグラハムのミニカー検索

グラハム ペイジ モデル 97 ロードスター アメリカ 1939年

 

 アメリカでトラックを生産していたグラハム社が乗用車を生産する為に、乗用車メーカー ペイジ社を買収しグラハム ペイジ社が1927年に設立されました。グラハム ペイジ社は主として6気筒車を生産していました。1932年に8気筒車ブルーストリーク(BLUESTREAK)などを登場させますが、この車は売れず1936年に8気筒車がなくなりました。その頃に戦前の日産自動車がこの会社の旧型の生産設備を買い取り、それをダットサン 70型として生産しており、日本ではこの件で同社の名前が知られています。(実車画像→ グラハム ペイジ ブルーストリーク 1932)

 

 1938年に「Spirit of motion」と称するフロントグリルやフェンダーを前方に突き出したデザインの車が登場しました。このデザインは「シャークノーズ(SHARK NOSE:鮫の鼻)」とあだ名され、インパクトがある外観の為、同社の代表車種として知られています。このデザインのモデル 97は6気筒3.6Lスーパーチャージャー付(116HP)エンジンを搭載していました。ただこのデザインは不評でほとんど売れなかったそうです。その後1940年にハリウッドという名前の車が登場しました。この車は倒産したコード 810のボディなど他社の部品を寄せ集めたもので、これも売れず最後のモデルとなりました。1941年に生産を停止し、1947年にカイザー フレーザー社に吸収合併されました。

 

 

 ミニカーはフランスのミニカー付き雑誌「VOITURES CLASSIQUES」(No13)用として作られた物でイクソ製です。(当方はオークションで入手しましたが、イクソでもカラーリングなどを変更して2008年に型番MUS013で発売されました) 1938年に発表されたモデル 97 ロードスターをモデル化しています。出来ばえとしては「VOITURES CLASSIQUES」シリーズの標準的なもので、特徴的な突き出したノーズやフェンダー上に組み込まれたヘッドライトなどがうまく再現されています。室内もインパネの中央に当時のラジオらしき物?が再現されているなど良く出来ています。これ以外のグラハムのミニカーとしてはBROOKLIN(ホワイトメタル製)、NEO(レジン製)がありました。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

GRAHAM PAIGE MODEL 97 ROADSTER 1
GRAHAM PAIGE MODEL 97 ROADSTER 2

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PACKARD SUPER EIGHT FORMAL SEDAN 1940 USA

PACKARD SUPER EIGHT FORMAL SEDAN
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
PACKARD SUPER EIGHT FORMAL SEDAN


REXTOYS 61 1/43 122mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5.3m エンジン 変速機: 8気筒 5.8L 160HP 3段変速
性能: 最高速136km/h?  データーベースでパッカードのミニカー検索

パッカード スーパー エイト フォーマル セダン アメリカ 1940年

 

 1930年代になると、世界大恐慌によって高級車の販売が低下しパッカードは販路拡大の為、中級車市場に進出します。1932年に6気筒エンジンを搭載した廉価版のライト シックスを発表しますが、これは評判が悪くすぐに8気筒エンジンに戻しました。 1935年にはシングル エイトの後継車として新型8気筒エンジン(4.6L 120HP)を搭載したスーパー エイトが登場します。スーパー エイトはホイールベースが120インチであったことから、120とも呼びます。スーパー エイトは前輪独立懸架で4輪油圧ブレーキが装備され、パッカードとしては破格の低価格でした。あこがれのパッカードがお安く買えるということで、スーパー エイトは大ヒットしました。1937年にはさらに低価格の6気筒エンジン搭載の110/115を発売しました。この年にパッカードは同社の年間最高生産台数(約11万台)を記録しています。中級車シリーズは一時的にパッカードの業績を上げましたが、パッカードのブランドイメージを下げることになりました。

 

 パッカードはその後、8気筒エンジンを搭載するスーパー エイトの上級車スーパー エイト 160/180などを発表し、高級車マーケットが縮小する中で1930年代を乗り切りました。1941年にはスーパー エイト 180の後継車のクリッパーが登場しました。なお旧型の180の製造ラインの設備がソ連政府に売却され、それを使ってソ連のVIP専用車ZIS 110(後のZIL)が製造されました。

 

 

 ミニカーはクラシックカー専門だったフランスのレックストイ製で、1990年頃に発売されました。材質はホワイトメタルで、ほとんどが金属パーツですので重いです。プロポーションが正確で、ホワイトメタル製ミニカーに共通する独特の柔らかい作風がこの時代の車の雰囲気にぴったりで良い出来ばえです。1940年式のスーパー エイト セダンのモデル化で前述した1937年型セダンとに比べると、全体的に丸みがついてより近代的なデザインになっていることがわかります。以下はフロント/リアの拡大画像とフロントグリル/室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

PACKARD SUPER EIGHT FORMAL SEDAN 1
PACKARD SUPER EIGHT FORMAL SEDAN 2

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FORD WOODY WAGON  1940 USA

FORD WOODY WAGON
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD WOODY WAGON


ERTL 2517 1/43 117mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5m 全幅約1.7m エンジン 変速機: V型8気筒 3.6L 90HP 3段変速
性能: 最高速 不詳  データーベースでフォード ウッディのミニカー検索

フォード ウッディ ワゴン アメリカ 1940年

 

 ステーション ワゴンとは車体が2ボックスで室内には座席とそれに連続する荷室を備えている車体形式を示します。ワゴンの前にステーション(駅)が付いている理由は、当初この形式の車が列車で駅に到着した人と荷物を最終的な目的地まで運ぶ役割をしていたからだそうです。この形式の車両は商用車として扱われていましたが、それを乗用車的に使うことを最初に提唱し積極的に進めたのはアメリカのフォードでした。1910年代にフォードがT型に初めてステーションワゴン的なモデルを製作しましたが、当時の車体はまだ手作業による木製でしたのでこの車は「ウッディ(Woody)」と呼ばれていました。

 

 その後鋼鉄製ボディがあたりまえの時代になると、製作に手間がかかる木製ボディは高級な仕様となって行きました。少し前までステーションワゴンの後部に木製パネル(又はそれに似せた化粧パネル)が使われていたのはその名残りです。このウッディ ワゴンはV型8気筒3.6Lエンジンを搭載した1940年式フォードのステーションワゴンです。ウッディ ワゴンという名前のとおり荷室部分に本物の木材が使用されていました。1940年頃にはボディは既に鋼鉄製となっていたので、手間がかかる本物の木材を使ったこのワゴンは高級な乗用車でした。

 

 

 ミニカーは1987年に発売されたアーテル(ERTL)製です。初期のアメリカ車をモデル化したアーテルの「VINTAGE VEHICLES」シリーズの1台です。ドアに「WHISPERING PINES LODGE」とロゴが付いていますが、「WHISPERING PINES LODGE」とはコテージタイプの宿泊施設(ホテル)の名前のようですから、これはホテルの送迎車だと思われます。1940年式フォードの特徴である突き出したノーズ/フロントグリルやフェンダーに埋め込まれたヘッドライトが良く再現されています。後部の木材風の仕上げもそこそこリアルで当時のミニカーとして良く出来ていました。同時期のフォード ウッディ ワゴンのミニカーはダンバリーミントの1/24、ヤトミン、ミニチャンプス、ホットホイールの1/64などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FORD WOODY WAGON 1940 1
FORD WOODY WAGON 1940 2

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PACKARD 180 DARRIN CONVERTIBLE 1941 USA

PACKARD 180 DARRIN CONVERTIBLE
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PACKARD 180 DARRIN CONVERTIBLE


SIGNATURE 32398 1/32 169mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5.4m 全幅約1.95m エンジン 変速機: 8気筒 5.8L 160HP 3段変速
性能: 最高速136km/h?  データーベースでパッカードのミニカー検索

パッカード 180 ダリン コンバーチブル アメリカ 1941年

 

 アメリカのの自動車デザイナー ハワード ダリン(Howard A. Darrin)は、友人のトーマス ヒバード(Thomas L. Hibbard)と共同で、コーチビルダー ヒバード&ダリン社を1923年にフランスのパリで創立しました。ヒバード&ダリン社はヨーロッパに住むアメリカ人向けに高級車のカスタムデザインを架装していました。1937年に彼はアメリカに戻り、「パリのダリン(Darrin Of Paris)」という名前の会社でハリウッドの有名人(クラーク ゲーブルやアル ジョルソンなど)向けにカスタムデザイン車を約20台ほど架装しました。これらの車のほとんどはパッカードがベースでした。

 

 ハリウッドの著名人の車ということで、ダリンのパッカードは有名になっていきました。そこで1939年にパッカードはダリンと契約し、1940年のカタログにパッカード ダリン モデルが設定されました。1941年にはダリンのデザインした新型車クリッパーが発表されました。1941年末に太平洋戦争が勃発し、民間乗用車の生産が禁止されたので、パッカードも乗用車の生産を停止しました。パッカード ダリン モデルは1942年までに約50台ほどが生産されたようです。(半数はこのようなカブリオレだったようです)

 

 

 ミニカーはシグネチャー製のクラシックカーシリーズで、2008年頃に購入しました。1/32と中途半端なスケールですが、そのサイズを生かしてドア/ボンネット開閉などのギミック付きで室内やエンジンもそこそこ再現してあります。ただし1/18ほど精密ではないので、その分値段は控えめ(約3500円)で、財布の軽い私のお気に入りのシリーズです。このダリンもプロポーションが良く、細かいところも値段以上にきちんと作ってあります。これ以外のパッカード ダリンのミニカーは、フランクリン ミントの1/24、ウエスタンモデル(ホワイトメタル製)、最近のMATRIX(レジン製)などがあります。 以下はフロント/リア(トランク開閉)の拡大画像と室内/ボンネット開閉(エンジン部)の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

PACKARD 180 SUPER EIGHT FORMAL DARRIN 1
PACKARD 180 SUPER EIGHT FORMAL DARRIN 2

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FORD LINCOLN CONTINENTAL 1941 USA

FORD LINCOLN CONTINENTAL
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FORD LINCOLN CONTINENTAL


RIO 43 1/43 126mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5.4m 全幅約1.6m エンジン 変速機: V型12気筒 4.8L 120HP 3段変速
性能: 最高速145km/h  データーベースでフォード リンカーンのミニカー検索

フォード リンカーン コンチネンタル アメリカ 1941年

 

 フォードは1922年にリンカーンを買収して傘下に収めました。大衆車フォード T型の大量生産で成功した創設者ヘンリー フォードは、市場の狭い高級車には消極的でリンカーンの買収に乗り気ではありませんでした。ヘンリーの息子のエドセルには世界一の高級車を作りたいという夢があり、リンカーンの買収にはエドセルの意思が働いていました。

 リンカーン部門のイメージアップを図るため、キャディラック シリーズ 60に対抗できる高級車開発が販売部門から要求されていました。そこでゼファーをベースにした試作車が作られました。この試作車は芸術的な素養があったエドセルの嗜好を盛り込んだ欧州風の品の良いデザインでした。この車を見たエドセルの友人から同じ車が欲しいという要望があり、この車は1940年にコンチネンタルの名前で限定生産されることとなりました。

 

 初代コンチネンタルは月100台の限定生産といった高価な車(当時の定価約3000ドル 現在の貨幣価値で700万円ぐらい?)でしたが、そのスタイルには絶大な人気があり、リンカーンとして最も成功したモデルとなりました。戦後型が1946年に発売され、1948年まで生産されました。戦前からの総生産台数は約5000台でした。リア トランクにスペアタイヤを背負った独特のスタイルは、リンカーンの最上級ブランドの象徴として1980年代まで継承されました。

 

 

 ミニカーはリオの初期モデルで、1973年頃に発売されました。昔のミニカーですが、初代コンチネンタルのミニカーとしては現在(2018年)でも最高の出来ばえといっても良いでしょう。実車のイメージが巧みに再現されていて、エンジンやシャーシなどのメカ部分も良く再現されています。幌を閉じた仕様とハードトップ リムジーンのバリエーションがあります。これ以外のコンチネンタル(戦前型)のミニカーは、デルプラドの名車コレクション、フランクリン ミントの1/24、イクソ、オックスフォードの1/76、グリーンライトの1/43などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内/ボンネットを開いたエンジン部の画像です。ボンネットの下にトランペット型のホーンが2つ付いているのが見えます。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FORD LINCOLN CONTINENTAL 1
FORD LINCOLN CONTINENTAL 2

 以下は同時期に発売されたリオの幌を畳んだ状態のバリエーション(型番44)の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD LINCOLN CONTINENTAL 3
FORD LINCOLN CONTINENTAL 4

 以下は1985年に発売されたリオのバリエーションでリムジーン(型番82)の画像です。幌の代わりに丸い窓が付いたハードトップを装備したリムジーンです。プラスチック製のボンネットが経年劣化で少し変形しています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD LINCOLN CONTINENTAL 5
FORD LINCOLN CONTINENTAL 6

 以下は2009年に発売されたイクソのコンチネンタル(型番MUS017)の画像です。最近のミニカーですので細部はリアルなのですが、全体的な雰囲気(デフォルメ)という観点ではリオのほうが優れていると思います。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD LINCOLN CONTINENTAL 7
FORD LINCOLN CONTINENTAL 8

 以下は2002年に発売されたデルプラドの世界の名車シリーズ No.59のコンチネンタル カブリオレの画像です。メーカーは不明です。車高が高めでフロントフェンダーが膨らみすぎと、いま一つの出来ばえです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD LINCOLN CONTINENTAL 9
FORD LINCOLN CONTINENTAL 10

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