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VOLVO PV544 1958 SWEDEN |
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![]() TEKNO 822 1/43 101mm
実車諸元 画像参照
ボルボ PV544 スウェーデン 1958
ボルボ(VOLVO)はラテン語で「私は回る」という意味があり、スウェーデンのベアリング メーカーSKF社の子会社の名前でした。このSKF社によって自動車メーカーのボルボ社が1927年に創業されました。最初の車は4気筒2Lエンジンを搭載したオープンカーで、1929年には6気筒3Lエンジンを搭載した中型セダンのPV650が発売されています。1930年代にアメリカ GMの技術者を雇い入れ、その技術で小さなアメリカ車的な設計の車が開発されました。
スウェーデンは過酷な環境の広大な国土を持つため、信頼性の高いエンジンを搭載した頑丈な車体が必要とされました。1930-1940年代のアメリカ車はまさにそのような条件を満たす車でした。スウェーデンは中立国でしたので、第2次大戦には参戦しておらず、ボルボは1946年にPV60シリーズを発表しました。PV60は6気筒3.7Lエンジンを搭載した大型車で、同時期のアメリカ車と同じようなスタイルをしていました。(実車画像→ ボルボ PV60 1946)
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1944年にボルボ初の小型車PV444が登場しました。PV444の444は4人乗り、40HP、4気筒(1.4L)エンジンを意味し、モノコックボディを採用し大量生産によって低価格で提供されました。デザインはやはりアメリカ車的なデザインで、3段変速で最高速100km/hの性能でした。1958年までに約20万台が生産され、信頼性や耐久性が高く評価されました。1958年にPV444を改良したPV544が登場しました。フロントとリアのウインドーが拡大され、室内は5人乗りになりました。4気筒1.6L(60HP)エンジンを搭載し、4段変速が採用され最高速は137km/hに向上しました。PV544は1.8L(68HP)エンジンが追加されて1965年まで約24万台が生産された人気車種で、ラリーでも活躍しました。 |
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![]() ![]() 戦前のボルボのミニカー→ データーベースで戦前のボルボのミニカー検索 |
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VOLVO 122S AMAZON 1958 SWEDEN |
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![]() DINKY(UK) 184 1/45 97㎜
実車諸元 画像参照
ボルボ 122S アマゾン スウェーデン 1958
ボルボの大型車として120シリーズ アマゾンが1956年に登場しました。当初のアマゾンという名前はギリシャ神話の女性戦士アマゾンに由来したものでしたが、車名に3桁数字を使うようになってからは120シリーズに改名されました。当初は4ドアセダンだけで、ボディはボルボで初めてフラッシュサーフェースを採用しそれまでのPVシリーズと同様にアメリカ車的なスタイルでした。ボルボ 121は4気筒1.6L(60HP)、122は1.6L(78HP)エンジンを搭載し、4段変速で最高速143km/h(122)の性能でした。
1958年に85HPにパワーアップした高性能版の122Sが追加され、1961年には1.8L(82HP)エンジンに切り替わり2ドアセダン(131/132)や5ドアワゴン(221/222)が追加されました。1967年に追加された高性能版(104HP)の123GTはラリーで活躍しました。合わせガラスを使ったフロントウインド、クラッシュパッドが貼られたダッシュボード、世界初の3点式シートベルトの採用など120シリーズにはボルボの安全に対する進んだ姿勢が見られました。2Lエンジンが追加され1970年まで生産されました。総生産台数は約67万台でした。
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ミニカーは1961年に発売されたディンキー(英)製の当時物です。高性能版の122Sをモデル化しています。縮尺は明記されていませんが、1/43よりすこし小さめで1/45ぐらいで出来ています。60年以上も前に発売されたビンテージミニカーですので素朴な作りですが、プロポーションは良く実車に忠実な造形で1960年代のミニカーとしては良く出来ていました。これ以外の120シリーズの当時物ミニカーはテクノ(同じ型番で4ドアと2ドアがある)やスポットオンがありました。当時物以外ではブレキナの1/87、イクソ(ホワイト ボックス)のセダンとワゴン、国産名車コレクション、ミニチャンプスのセダンとワゴン、オックスフォードの1/43と1/76などたくさんあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) |
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![]() ![]() 以下は2016年に発売された国産名車コレクション製のボルボ 122S アマゾン (1/43 No.267)の画像です。メーカーはイクソで、イクソは別ブランドのホワイト ボックスでアマゾンを発売していますのでそれを流用しています。雑誌付きの安価なミニカーですので、室内の仕上げは簡素化されていますが、プロポーションが良く細部の仕上げも値段相応以上でよく出来ています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() |
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VOLVO P1800 1960 SWEDEN |
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![]() TEKNO 825 1/43 101㎜
実車諸元 画像参照
ボルボ P1800 スウェーデン 1960
ボルボ初のスポーツカーとしてP1800が1960年に登場しました。ボルボ アマゾンのシャーシにイタリアのカロッツェリア フルアがデザインした2+2の美しいクーペボディを架装したもので、ボルボには生産工場の余裕がなく当初の生産はイギリスのジェンセンに委託されました。ボルボ自製の4気筒1.8L(100HP)エンジンを搭載し、4段変速機で最高速166km/hと高性能でした。美しいスタイルと高性能でアメリカを中心に人気がありました。
ジェンセンが生産したボディには塗装等に問題があり、1963年からは生産が内製に切り替わりました。これ以後スウェーデンで生産したという意味で名前にSが追加され1800Sとなり、エンジンも108HPに強化されました。1969年にはエンジンが2L(118HP)に切り替わり、最高速も180km/hに向上しました。1972年にワゴンスタイルを採用した1800ESが追加されデザインが一新されましたが、1973年に生産中止となりました。P1800シリーズの総生産台数は約4.7万台でした。
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ミニカーは1960年頃に発売されたテクノ製のレアな当時物です。北欧デンマークのテクノは1950-1970年代にボルボやサーブなど他社があまりモデル化しない北欧車を多くモデル化しており、しっかりした塗装で独得の雰囲気がある高品質なミニカーを作っていました。このP1800は1960年代前半のビンテージミニカーなのでグリルやバンパーに金属製パーツが使われ、テクノらしい頑丈なミニカーに仕上がっています。(開閉ギミックはありません) このミニカーは実車のデザインを強調する為にキャビン部分が意図的に小さくデフォルメされていると思っていましたが、今回実車の外形図とミニカーの外形を比較してみたところ、かなり実車の寸法に正確であることがわかりました。これは個人的には予想外の結果で、このビンテージ物のミニカーがリアルに出来ていることを再認識しました。P1800の当時物ミニカーはディンキー、コーギー、スポットオン、ノレブの初期物(プラスチック製)がありました。当時物以外ではミニチャンプス、イクソ(プレミアムX ホワイトボックス)、オックスフォードの1/76、ヘルパの1/87、ノレブなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) |
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![]() ![]() 以下はミニカーの側面画像に実車の外形線(一番外側の線は緑色)を重ね合わせた画像です。フロントグリルとテールライトの外形が少し外れていますが、全体的には実車の外形線と良く一致しています。したがってキャビン部が小さめに出来ているという印象は正しくないようです。(たぶんピラーが太いことでウィンドーの面積が小さくなっているのでそのように感じるのでしょう) (画像のマウスオーバー又はタップで実車の外形線が表示されます) ![]() 以下は1966年に発売されたディンキー(英)製の当時物 ボルボ P1800 (1/42 型番116)の画像です。フロントグリルとバンパーがメッキしたプラスチック製パーツで構成されラインストーンのヘッドライトが使われているなど、当時のディンキー(英)の代表的な仕上げで良く出来ています。またボンネット/ドア/トランクが開閉するフルギミックとなっています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。なおこの当時のディンキー(英)のミニカーのほとんどにはナンバープレート(紙シール)が付いていました。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() 以下は1965年に発売されたコーギー製の当時物 ボルボ P1800 THE SAINT (1/46 型番258)の画像です。コーギーは1962年に型番228でボルボ P1800をモデル化しているのですが、これはそれをベースにしてイギリスのTVドラマ THE SAINT(邦題「セイント 天国野郎」)で主人公が乗っていたP1800に仕立てたキャラクター物です。ボンネットに張られている赤い紙シールはTHE SAINTのロゴです。縮尺が1/46なので1/43より少し小ぶり(全長94㎜)に出来ていますが、プロポーションが良くP1800の当時物ミニカーとして良く出来ていました。(ただし1/43用のホイールがややオーバーサイズになっていますが) 室内には主人公(通称セイント 俳優はロージャー ムーア)と思われる人物のフィギュアが乗っています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() 以下は2000年頃に発売されたミニチャンプス製の ボルボ P1800 (1/43 型番430171622)の画像です。ミニチャンプスらしいそつのない造形で、フロントグリル、灯火類、室内インパネなどの細部がリアルに再現されています。上述したようにテクノのミニカーはキャビンが小さめに感じるのですが、このミニチャンプスのミニカーのキャビンはフロントウィンドーが大きいので、キャビンの大きさが一番正確に出来ているように感じます。ただし寸法的に正確に縮小すれば実車のイメージが再現されるというわけではなく、その辺の出来ばえの良し悪しは型職人の腕の見せ所なのです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() |
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VOLVO FB88 TRUCK 1965 SWEDEN |
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![]() TEKNO 425 1/50 170㎜
実車諸元 画像参照
ボルボ FB88 トラック スウェーデン 1965
スウェーデンのベアリング メーカー SKF社によって自動車メーカーのボルボ社が1927年に創業されました。1928年に最初のトラックシリーズ1(4気筒エンジン搭載 積載量1.5t)を発売しました。このトラックは密閉された運転室(キャビン)を持つ頑丈な構造で、スウェーデンの気候と道路事情を考慮した信頼性の高い設計でした。このトラックは高い評価を受けて大ヒットし、ボルボの業績に寄与しました。
その後国内だけではなくヨーロッパ各国へと輸出されるようになり、ボルボ社の生産する車の中でトラックは大きな割合を占めていました。1980年代にボルボはアメリカのトラック会社のホワイト社と提携し、ボルボ ホワイト トラック社となり、さらに1980年代後半にはGMCの大型トラック部門も加わりました。2001年にはアメリカのマックを傘下に持つルノーのトラック部門を買収し、2006年に日産ディーゼル工業(現在はUDトラックス)も傘下に収めています。
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ボルボのトラックの型式名について説明すると、Nがボンネット型でFはキャブオーバー型です。概略ですがFHが一番大きなトラクター系、FMが中型で平ボディやバンのカーゴ系、FLが小型となります。またアルファベットの後の数字は1980年代以降のモデルではエンジン排気量(単位L)を示します。つまりFH16とはキャブオーバーの大型トラックで排気量が16Lとなります。 |
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以下はドアの開閉ギミックとキャブのチルトギミックの画像です。ドアが開閉し室内もリアルに再現され、キャブをチルトさせるとエンジンが金属パーツで再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)![]() ![]() テクノのミニカーは前輪が操舵できるものが多いのですが、このFB88もボディを傾けることで前輪が操舵できます。また別売で専用のトレーラー(型番452)があり、金属製の連結金具でトレーラーを接続すると全長338㎜のフルトレーラーになります。以下は前輪の操舵ギミックと別売りのトレーラーを接続してフルトレーラー状態にした画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() |
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VOLVO 144 1966 SWEDEN |
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![]() TEKNO 835 1/43 107㎜
実車諸元 画像参照
ボルボ 144 スウェーデン 1966
ボルボ P120シリーズ(アマゾン)の後継車として140シリーズが1966年に登場しました。信頼性が高く頑丈と言った基本的な構造はP120シリーズを踏襲し、ボディはオーソドックな3ボックスセダンスタイルの近代的なデザインになりました。前後にクラッシャブルゾーンを設けたボディ、側面衝突を考慮した分厚いドア、衝撃吸収式ステアリングコラム、2系統式の4輪ディスクブレーキなどボルボ流で安全性が強化されました。4気筒1.8L(68HP)エンジンを搭載し、4段変速で最高速143km/hの性能でした。
当初は4ドアセダンの144とその高性能版の144Sだけでしたが、1967年に5ドアワゴン(コンビ)の145、1968年に2ドアの142が追加されました。(ボルボの型式名の末尾はドア枚数を示しています) 1968年にフロント部分を拡張して6気筒3Lエンジンを搭載し、フロントデザインを重厚にした上級車のボルボ 164が登場しました。1970年のマイナーチェンジでフロントグリルが黒に変更されエンジンが2L(82HP)に拡大されました。1973年の最終モデルには米国安全基準に対応した大型の衝撃吸収バンパーが付き、1974年に後継車の240/260シリーズにモデルチェンジしました。総生産台数は約120万台でした。
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ミニカーは1969年に発売されたテクノ製の当時物です。140シリーズの4ドアセダン初期型をモデル化しています。プロポーションが正確で、実車の雰囲気が実にうまく再現されています。また1960年代のミニカーですのでフロントグリルやバンパーがまだ金属パーツで作られていて、塗装が厚く丈夫な作りになっていました。(テクノは当時のミニカーの中でも高品質で、それ故に少し高価でした) ボンネット/ドア/トランクが開閉するフルギミック付きです。さらにこの頃のテクノ製のミニカーは前輪操舵ギミックも付いていて、前輪には直進状態に戻すセンタリング機能と実車同様のキャスター角が付いているといった凝った構造になっていました。これ以外のボルボ 140シリーズのミニカーはナコラルの当時物でセダンとワゴン、イクソ(ホワイトボックス、トリプル9、プレミアムX)のセダンとワゴン、ブレキナのセダンとワゴン 1/87などがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア(トランク開閉)の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) |
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![]() ![]() 以下はドアを開いた室内の画像と前輪操舵ギミックと床下部分の画像です。ボディを左右どちらかに押し付けて傾けることで前輪を操舵できます。前輪操舵部の構造は金属製のかなり本格的なもので、どんなにラフに扱っても壊れるようなことはまずありません。(この辺りの設計にはボルボ実車に通じる北欧製造業のポリシーを感じます) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() 以下は上記と同時期に発売されたバリエーションで ボルボ 144 ポリス (1/43 型番835)の画像です。青色の回転灯とサーチライトが屋根に追加され、スウェーデンのポリスですのでPOLISと表示されています。警察官のフィギュアが2体付いていますが、このフィギュアは当時のテクノ製のミニカーで共通に使われていたものです。 (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() |
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VOLVO 164 1968 SWEDEN |
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![]() TEKNO 838 1/43 110㎜
実車諸元 画像参照
ボルボ 164 スウェーデン 1968
1968年にボルボ 144のフロントを延長して6気筒3L(130HP)エンジンを搭載した上級車ボルボ 164が登場しました。独立したフロントグリルなど顔つきが高級車らしい重厚なデザインに変更され、144とは別物に見えました。内装は木目調のインパネやオプション設定の本革シートなど豪華に仕立てられ、自動変速機やパワーステアリングも装備されていました。164は4ドアセダンだけの設定で、4段変速/3段自動変速で最高速175km/hの性能でした。
1972年にボッシュの電子式燃料噴射システムを採用して164Eとばなり、158HPへのパワーアップと排ガス規制をクリアしました。1973年のマイナーチェンジで、リアライト形状など前後の意匠と内装が変更されました。1974年にドアが強化され3角窓が廃止され、アメリカの安全基準に対応して大型の衝撃吸収バンパーが標準仕様になりました。1974年にエアコンなどの豪華装備を標準で装備した限定版の164TEが追加されました。1974年に後継車のボルボ 264が登場し164Eは1975年までに生産されました。総生産台数は約15万台でした。
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ミニカーは1970年に発売されたテクノ製の当時物です。前述したテクノ製の144をベースにして164の初期型をモデル化しています。テクノ(デンマーク)のミニカーとしては後期の物で、それまでは金属製であったフロントグリル/バンパーにメッキしたプラスチックを使用しています。このフロントグリルの出来があまりよくありませんので、フロントの雰囲気がテクノのミニカーとしては今一つなのですが、それ以外は当時のミニカーとしてよく出来ていました。ボンネット/ドア/トランクが開閉するフルギミックで、144と同じ前輪操舵ギミックも付いています。これ以外の164の当時物ミニカーはポリスティルの1/43と1/25がありました。当時物以外ではイクソ(ホワイトボックス、プレミアムX)とネオ(レジン製)などがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。エンジンルーム内には簡単な造形ですが金属製で6気筒エンジンが再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) |
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![]() ![]() 以下はドアを開いた室内の画像と前輪操舵ギミックと床下部分の画像です。前述した144ではプラスチックでドアの内張を再現していましたが、この164ではコストダウンで省略されています。ボディを左右どちらかに押し付けて傾けることで前輪を操舵できます。前輪操舵部の構造は144と同じですが、金属であったジョイント部分が黒いプラスチックに変更されています。これでもラフに扱って壊れるようなことはないでしょうが、ここもコストダウンされています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() 以下は1977年頃に発売されたポリスティル(ポリトーイ)製の当時物 ボルボ 164E 1974 (1/43 型番CE57)の画像です。衝撃吸収バンパーが付いた1974年式の164Eをモデル化しています。紙箱に1/43と表記されていますが、全長が98㎜ほどなので縮尺は1/48ぐらいになります。型番CEから始まるCEシリーズは廉価版ミニカーの類で、安っぽいホイールなど簡素な仕上げです。ただ当時はこのような廉価版ミニカーが多かったので、164の当時物ミニカーとしては値段相応でまずまずの出来ばえです。ドア開閉ギミック付きです。 (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() 以下は1975年に発売されたポリスティル(ポリトーイ)製の当時物 ボルボ 164E 1974 (1/25 型番S20)の画像です。これも衝撃吸収バンパーが付いた1974年式の164Eをモデル化しています。型番がSから始まるSシリーズは1/24の大スケールミニカーでした。全長が190㎜ほどですので、これはほぼ正確に1/24サイズでできています。衝撃吸収バンパーがやや目立ちすぎですが、全体的なプロポーションは良く当時の大スケールミニカーとしては結構良く出来ていました。ボンネット/4ドア/トランクが開閉するフルギミックで、特に4ドア開閉は前席ドアを閉じた状態で後席ドアだけが開くようにできています。(昔のミニカーはドアのヒンジ構造の制約で、前席ドアを開けないと後席ドアが開かない構造の物が多かったのですが、この164はうまく作ってあります) 室内もそれなりに再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。エンジンルーム内は結構リアルにできていてポリトーイらしいです。衝撃吸収バンパーは横幅がやや大きすぎる気がしますが、これも凝った作りです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() |
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VOLVO 1800ES 1972 SWEDEN |
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![]() MINICHAMPS 430171614 1/43 103㎜
実車諸元 画像参照
ボルボ 1800ES スウェーデン 1972
1960年に登場したボルボ P1800は1970年にボッシュ製電子式燃料噴射システムを採用して130HPにパワーアップした1800Eとなりました。最高速は190km/hに向上し、全輪ディスクブレーキを装備しました。1972年にはクーペボディを大きく変更し、3ドアスポーツワゴンスタイルを採用した1800ESが追加されました。1枚ガラス式のテールゲートは目新しく、旧式のボディスタイルがかなり若返りました。1973年には1800ESだけが生産されました。
実用性の高いESを追加したP1800シリーズは人気があり、厳しくなったアメリカの安全基準/排ガス規制にも対応していました。ただ基本設計が古いのは致し方なく1973年に生産中止となりました。P1800シリーズは20年間で約4.7万台(ESは約8千台)が生産されました。ワゴン スタイルの1800ESに人気があったことが、その後のボルボの積極的なワゴン車開発に影響を与えたようです。
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ミニカーは2000年頃に発売されたミニチャンプス製です。ミニチャンプスらしいそつのない造形で、最大の特徴である1枚ガラス式のテールゲートを持つリアエンドの造形がうまく再現されています。また灯火類や室内/インパネなどの細部も良く再現されています。ミニチャンプスは1/18でも1800ESをモデル化しています。これ以外の1800ESのミニカーはデルプラドの世界の名車シリーズ、イクソ(ホワイトボックス、プレミアムX)、モーターアート、ヘルパの1/87などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) |
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![]() ![]() 以下は2002年に発売されたデルプラド製 世界の名車シリーズの ボルボ P1800 ES 1971 (1/43 No.70)の画像です。メーカーは不明ですが、モーターアートの物が良く似ていますのでそれを流用しているのかもしれません。タイヤ径がややオーバーサイズな感じがしますが、この世界の名車シリーズのミニカーとしてはまずまずの良い出来ばえです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() 以下は2016年に発売された国産名車コレクションのボルボ P1800 ES 1972 (1/43 No.279)の画像です。メーカーはイクソで、イクソは別ブランドのホワイトボックスで1800ESをモデル化していますので、それを流用しています。安価な雑誌付きミニカーですので、内装の仕上げが簡素ですが、それ以外はミニチャンプス並みの良い出来ばえです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() |
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VOLVO 66 DL 1975 SWEDEN |
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![]() AUTOPILEN 207 1/43 90㎜
実車諸元 画像参照
ボルボ 66 DL スウェーデン 1975
オランダのDAF社のDAF 30シリーズの上級車として850cc(34HP)エンジンを搭載したDAF 44が1966年に登場し、さらに1968年にルノー製の4気筒1.1L(46HP)エンジンを搭載したDAF 55が追加されました。1972年にDAF 55はフロントのデザインを変更しサスペンションを改良したDAF 66にモデルチェンジしました。ボディ形式は2ドアセダン/クーペと3ドアエステートがありました。同社の独自技術である無段変速機バリオマチックも改良され、最高速は135km/hの性能でした。エンジンを52HPにパワーアップした高性能版マラソン、さらに排気量を1.3L(57HP)に拡大した1300 マラソンがありました。
1975年にDAFは大型トラック製造に専念することとなり、乗用車部門をボルボに売却しました。それに伴いDAF 66はボルボ 66に名前が変わりました。ボルボ 66は衝撃吸収バンパーやドアのサイドインパクトビーム追加などボルボ流の安全対策が施されました。バリオマチックにも変速機をロックする駐車用のPレンジが追加されました。2ドアクーペは廃止されスタンダードはDL、高性能版(マラソン)はGLとなりました。1976年に後継車のボルボ 300シリーズが登場した後も、ボルボ 66は1980年まで生産されました。(ボルボ 66の総生産台数は約10万台でした) (実車画像→ ボルボ 340 1976)
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ミニカーは1977年に発売されたオートピレン製の当時物です。この当時スペインのオートピレンはディンキー(仏)のミニカーを製造していて、それはスペイン ディンキーとして知られています。オートピレンの初期物は他社のコピーでしたが、ディンキーの技術を学んだことで1970年代後半にはレベルの高いミニカーを作るようになりました。このDAF 66も1970年代後半に作られたもので、ディンキー(仏)的な正確なプロポーションの造形で、当時のミニカーとしてかなり良い出来ばえでした。フロントグリルのボルボのロゴ、樹脂製衝撃吸収バンパーなどの細部も良く再現してあります。またこの当時のミニカーは安っぽいプラスチック製ホイールがほとんどでしたが、オートピレンは質感の高い金属製ホイールを使っていてその点も高く評価できます。さらにソリド流のスプリングを使った隙間が目立たないドア開閉ギミックも高評価です。これ以外のボルボ 66のミニカーはイクソ(ホワイトボックスとプレミアムX)とブレキナの1/87などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) |
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VOLVO 760 GLE 1982 SWEDEN |
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![]() POLISTIL 5306 1/43 111㎜
実車諸元 画像参照
ボルボ 760 GLE スウェーデン 1982
1982年にボルボ 200シリーズの後継車として700シリーズが登場しました。ボルボ 760は260から引継いだPRV V型6気筒2.8L(155HP)エンジンを搭載し、4段自動変速で最高速190km/hの性能でした。ボディは260同様に角張っていましたが、キャビン形状などがスタイリッシュになっていました。2/4ドアセダン、5ドアエステートワゴンが設定され、4気筒2.3Lターボ(182HP)や6気筒2.4Lディーゼル(109HP)エンジンが追加され、1990年まで生産されました。
1984年には760と同じボディに4気筒2.3L(117HP)エンジンを搭載し、装備を簡素化した740が登場しました。こちらは4段自動変速/5段変速で最高速180km/hの性能でした。2Lターボ(158HP)や6気筒2.4Lディーゼル(109HP)エンジンなどが追加され、1992年まで生産されました。先代の200シリーズのクーペ 262Cはアメリカ市場で人気があり、760にも同じベルトーネ製の2ドアクーペ 780が1985年に追加されました。780はセンスの良いデザインのクーペボディに、ウッドパネルと革張りの豪華な内装を持つボルボの最上級パーソナルカーで、V型6気筒2.8L(170HP)エンジンを搭載し4段自動変速で最高速200km/hの性能でした。
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1970年代にボルボは生産工場の作業環境改善の為、ベルトコンベアーによる流れ作業の生産方式を廃止し、行程毎に数人の作業チームが担当する生産方式を採用しました。作業環境は改善されましたが、生産コストが上昇しボルボは高級車に移行せざるを得ませんでした。安全性と信頼性を売り物にした戦略は成功し、ボルボは高級車ブランドとなりました。そのボルボも世界的な自動車会社再編で1999年に乗用車部門がフォードに売却されました。以後ボルボはフォードの1ブランドとなり、2010年以降は中国の自動車メーカの傘下となっています。 |
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![]() ![]() 以下は上記ポリスティル製と同時期に発売されたバリエーションでボルボ 760 ワゴン(1/40 型番5307)の画像です。ドア開閉ギミック付きです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() 以下は上記ポリスティル製と同時期に発売されたバリエーションでボルボ 780 クーペ (1/40 型番5308)の画像です。ベルトーネ製のセンスの良いクーペ ボディがうまく再現されています。ドア開閉ギミック付きです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() 以下は2017年に発売された国産名車コレクションのボルボ 740 ターボ 1985 (1/43 No.311)の画像です。イクソは別ブランドのプレミアムXでボルボ 740 ターボを発売していますので、これはそれを流用しています。プロポーションが良く灯火類などの細部も良く仕上げてあります。安価な雑誌付きミニカーですので内装の仕上げが簡素化されていますが、もともとはプレミアムX用のミニカーですので値段以上の良い出来ばえとなっています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() |
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VOLVO 480 TURBO 1988 SWEDEN |
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![]() AUTOPILEN 483 1/43 99㎜
実車諸元 画像参照
ボルボ 480 ターボ スウェーデン 1988
1975年にオランダのDAFは乗用車部門をボルボに売却し、ボルボは小型車DAF 66をボルボ ブランドで販売しました。DAFが66の後継車として開発していた77は、1976年にボルボ 300シリーズとして登場しました。最初に登場した343はルノー製の4気筒1.4L/1.7Lエンジンを搭載した3ドアハッチバックで、変速機を後輪部分に取り付けたトランスアクスル構造でした。当初はDAF独自の無段変速機でしたが、1979年からボルボの変速機が追加されました。1980年に5ドアの345を追加し、1983年に名前を340に統一しました。1983年にボルボ製4気筒2Lエンジンを搭載する360が追加され、1984年に4ドアノッチバックセダンが追加されました。後継車の400シリーズ登場後も1991年まで生産されました。(実車画像→ ボルボ 340 1976)
1986年にボルボ初の前輪駆動車480が登場しました。リトラクタブルヘッドライトを採用した、スポーティな3ドアハッチバックで、当初のエンジンはルノー製の4気筒1.7L(109HP)で、1988年に追加されたターボ仕様(120HP)は最高速195km/hでロータスが設計したサスペンションで操縦性も優れていました。1987年に300シリーズの後継者として400シリーズが登場しました。先に登場した480をベースにしていて、440は5ドアハッチバック、460は4ドアノッチバックセダンで、エンジンは4気筒1.7L/1.8L/2Lなどがありました。DAFの無段変速機もありましたが、ほとんどは通常の5段変速/4段自動変速機になりました。400シリーズはボルボらしい高い安全性を備えた高品質な中型車でした。1995年に後継車のS40/V40シリーズが登場し、1996年に生産中止となりました。(実車画像→ ボルボ 440 1987)
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ミニカーは1989年に発売されたオートピレン製の当時物です。オートピレンの初期物は他社のコピーでしたが、ディンキー(仏)の製造を行うなどして技術を学んだことで1980年代にはレベルの高いミニカーを作るようになりました。1980年代後半にオートピレンはオランダのAHC(DOORKEY)に買収されAHCのミニカーを製造するようになり、一部はオートピレン ブランドでも販売されました。AHCは1990年代初頭に破産しオートピレンも同時に消えました。このボルボ 480はAHCの設計でオートピレンが製造したようです。プロポーションが良く実車の雰囲気がうまく再現されていて当時のミニカーとしては良い出来ばえでした。リトラクタブルヘッドライトとドアが開閉するギミック付きです。なお同じ物がAHC(DOORKEY)ブランドでも発売され、AHC(DOORKEY)ブランドではカブリオレ仕様がモデル化されていました。これ以外のボルボ 400シリーズのミニカーはミニチャンプスの480、イクソ系列のプレミアムXとトリプル9の480と480カブリオレ、AHCの440と460などがあります。 以下はフロント(ヘッドライト開閉)/リアの拡大画像と室内の画像です。なおリトラクタブルヘッドライトはボンネット部分を上から押さえると、前車軸がヘッドライトを押し上げる構造となっていました。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) |
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![]() ![]() 以下は1993年頃に発売されたAHC ドアキー(DOORKEY)製のボルボ 480 カブリオレ (1/43 型番D-134)の画像です。480 カブリオレは1990年にプロトタイプが発表されましたが、量産化はされませんでした。ミニカーは上記の480をベースにしたバリエーションですが、単にボディをオープン仕様に変えただけではなく、ドア開閉ギミックを止め、ヘッドライト開閉用のレバーを追加、ホイールを変更などかなり大幅な変更がされています。 (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() 以下は1989年に発売されたAHC(DOOR KEY)製の当時物 ボルボ 440 (1/43 型番440)の画像です。AHCのミニカーは当時としてはレベルの高い出来ばえの物が多かったです。この440も実車の雰囲気が良く再現され細部もそこそこリアルで良い出来ばえです。ただ車高がやけに低いのですが、それには理由があります。この当時のAHCのミニカーには質の悪いダイキャスト素材を使用した物があり、経年変化でダイキャスト成型パーツが変形/崩壊する物が結構ありました。(私の保有するもので20%ほどの発生確率ですから多いです) この440も底板部分が大きく変形し、それを修正しようとしたら底板が完全に破損してしまいました。その為底板の車軸を支える部分が欠損していて、このような車高が下がった状態なのです。なお破損した底板の画像も以下の画像の最後に表示されます。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() |
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