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シトロエン DS 23 フランス 1972年
シトロエン DSは1970年にボッシュの電子制御燃料噴射をフランス車で初めて採用し、翌年には3段自動変速機が設定されました。1972年には排気量を2347ccに拡大しDS 23となりました。(トルク重視の設定で2.2Lの139HPから130HPに少しパワーダウンするも最高速は同じでした) このように改良が行われたシトロエン DSですが、基本設計が古いことはいかんともし難く、1974年に後継車のシトロエン CXが登場し1975年に生産中止となりました。
シトロエン DSは1955年の登場から1975年まで20年間生産され、廉価版のシトロエン IDを含めた総生産台数は約146万台(本国生産は約133万台)でした。シトロエン DSは世界の名車を選考したカーオブ ザ センチュリー(名車100選)において、1位のフォード T型、2位のモーリス ミニに次いで3位という評価を受けています。私は学生時代に一度だけDS 21に乗せてもらったことがありましたが、当時の国産車とは全く別物のしなやかな乗り心地だったことを憶えています。
ミニカーは1976年に発売されたディンキー(仏)製の当時物です。スペインのオートピレンがディンキー(仏)のライセンスで生産したミニカーで、 スペイン ディンキー(DINKY(ES))とも呼ぶこともあります。本家のディンキー(仏)はシトロエン DS 23をモデル化していないので、これはオートピレンが型を起こした物のようです。ディンキー(仏)のDS 19(型番530)の型を変更しているので、ややレトロですがシンプルな良い出来ばえです。ボンネットとトランクが開閉するギミック付きです。オートピレンは自社ブランドでもほとんど同じ物を発売していましたが、そちらはホイールが車軸が貫通していないディスクタイプとなっていました。シトロエン DS 19/21に比べるとDS 23のミニカーは少ないのですが、これ以外のDS 23のミニカーはリオのバリエーションでセダンとラリー仕様、ノレブの1/64と1/43と1/18が10種類ほど、スパークのパリ-ダカール ラリー仕様などがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像と室内/リア(トランク開閉)の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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シトロエン GS カマルグ ベルトーネ フランス 1972年
シトロエン カマルグは1972年のジュネーブショーで公開されたコンセプトカーでした。シトロエン GSをベースにした2+2座のクーペで、デザインはベルトーネです。深く傾斜したフロントウインドウ、大きなガラス製のリアウインドウ、ロールバーの機能を持つBピラーが特徴で、ベースのGSより車高が200㎜低くなっています。ロールバーを設けて小さなルーフで広いウインドウを確保する手法は、ランチア ストラトス HFのデザインと同じです。
バンパー下に小さなグリルを持つフロントの造形は、シトロエン DSのフロントを意識したものだと思います。ベルトーネのシトロエンに対する最初のアプローチはこのカマルグで、1982年に登場したシトロエン BXはベルトーネのデザインとなりました。その後もベルトーネは1986年にもBXをベースにしたコンセプトカー ザブルス(ZABRUS)を公開し、1989年に登場したシトロエン XMもベルトーネがデザインしています。BXもXMもフロントの造形や直線的なボディラインなどに、カマルグのデザインが反映されてます。(実車画像→ シトロエン ザブルス(ZABRUS) 1986)
ミニカーは1972年に発売されたノレブ製 JET CARシリーズの当時物でプラスチック製です。ボディやウインドウが経年変化で少し変形していますが、基本的な部分は結構良い出来です。(写真を撮った10年後の2020年には変形が進んでとてもひどい状態になりました) 当時のノレブはプラスチック製からダイキャスト製に移行していた時期で、このカマルグも後期型ではダイキャスト製になりました。プラスチック素材は経年劣化で変形します。レジン製ミニカーもたぶん同じようなことが起こりますので、同じモデルならダイキャスト製を買うべきです。このミニカーは2005年頃に細部をリファインした新しいものが発売されました。カマルグの量産ミニカーはこのノレブとマジョレーの1/55ぐらいしかないようです。以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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シトロエン CX フランス 1974年
シトロエン DSの後継車として1974年に登場したのがCXです。名前は空気抵抗係数を示す記号CXに因んだ物で、その名の通り空力に優れた滑らかなボディにDS譲りのハイドロニューマチックシステムを継承していました。CXは一見ハッチバックに見えますが、後席背後はハッチではなく独立したトランクでした。またリアウインドーが凹面ガラスになっているのもCXの特徴で、空気抵抗を軽減する効果があったそうです。当初のエンジンは4気筒2L(102HP)/2.2L(115HP)で、DSとは異なり横置きされており、5段変速で最高速186km/h(2.2L)の性能でした。1975年のヨーロッパ カー オブ ザ イヤーを受賞しています。
1975年にホイールベースを延長した高級仕様セダンのプレステージ、ホイールベースを延長したワゴンのブレークと7人乗りのファミリアーレが追加され、1979年にはセダンにリムジーンが追加されました。エンジンは1978年に2.5Lディーゼル、1983年に2.5L、1984年に2.5Lターボ(168HP)が追加されました。(全て4気筒エンジン) 1985年のマイナーチェンジで後期型となり、金属製の前後バンパーが樹脂製に代わり、フロントのデザインや内装が変更されました。1989年に後継車のXMにモデルチェンジしました。総生産台数は約110万台でした。なおシトロエンは経営不振で1974年にプジョーに吸収合併されたので、CXはシトロエン独自設計の最後のモデルでした。
ミニカーは1975年に発売されたソリドの当時物です。ソリド最盛期のミニカーなので非常に良い出来ばえで、CXの特徴的なフロント周りの雰囲気や滑らかなボディをうまく再現しています。ソリドはブレークもモデル化しており、別ブランドのベレムでもセダンとブレークを数種類モデル化しています。これ以外の当時物ミニカーとしては、スペイン ディンキー、そのスペイン ディンキーと同じ型を使っているオートピレン、ノレブ、マッチボックス、ガマ、ポリスティル(ポリトーイ)の1/25などがありました。最近の物ではイクソ、ノレブの1/43と1/18、ミニチャンプス、レジン製ではネオ、マトリックスなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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シトロエン LN フランス 1976年
シトロエン DSと2CVは優れた車でしたが、その間を埋める量販車を持っていなかったシトロエン社は、1960年代後半にDSと2CVが旧態化して販売が低迷すると経営不振に陥りました。また1965年には同様に経営不振だったパナールを吸収合併していますが、経営不振どうしが合併しても所詮はうまくいかないものです。結局シトロエンは1974年にプジョーに吸収合併されました。
プジョー グループとなって最初に発表されたのはシトロエン LNでした。LNは旧態化した2CVを後継する小型車でしたが、中身は1973年に発売されたプジョー 104 クーペのフロント グリルを変えただけの車でした。(シトロエンらしくないのでシトロエンのファンには不評でした) エンジンはアミ 8の2気筒602cc(32HP)を搭載していました。1978年には排気量を650ccに拡大しLNAとなり、後にプジョーの4気筒1.1Lエンジンも搭載されましたが、1986年に生産中止となりました。総生産台数は約35万台で、LNの後継者はビザでした。
ミニカーは1978年に発売されたソリドの当時物です。テールライトの塗装を省くなどコストダウンで仕上げが簡素化されていますが、プロポーションは良くシトロエンらしく見えない点?が良く再現されています。 ソリドは同じ1978年に型番81でプジョー 104 クーペをモデル化しているのですが、実車と同様にプジョー 104 クーペのミニカーはこのシトロエン LNのフロントグリルを変えただけのものでした。 これ以外のLNのミニカーはソリドの別ブランドのべレム、イクソ系のノスタルジーなどがあります。フランスのミニカー付雑誌の「PASSION CITROEN」のNo.77でLNAがモデル化されています。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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シトロエン メアリ フランス 1978年
ディアーヌのシャーシの上にジープ風のオープン ボディを載せた多目的車がメアリで1968年に登場しました。(フランス語ではHは発音しないのでメハリではなくメアリと呼びます) ボディはABS樹脂製で、この材質を初めて自動車に適用した物でした。(なおFRP樹脂製のボディ パネルは1953年にGMがコルベットで採用しています)エンジンはディアーヌ用の602cc(26HP)を搭載しています。当初は2シータでリアは荷台でしたが、後に折畳み式のリアシートも追加されました。
また1979年には4輪駆動式のメアリ 4X4が設定されました。この4輪駆動はエンジンを前後に2つ搭載する2CV 4X4サハラとは異なり、一つのエンジンによるパートタイム式でした。メアリ 4X4は1982年まで、2輪駆動のメアリは1987年まで生産されました。
ミニカーは国産名車コレクションのNo.268 イクソ製で、2016年に発売されました。イクソは型番CLC202でメアリをモデル化していますので、それを流用したものです。良く再現されたフロントグリルやリアルなソフトトップなど、雑誌付きのミニカーながら非常に良い出来ばえです。メアリの当時物ミニカーとしてはノレブ、ポリトーイなどがありました。最近の物では、ソリド、ノレブの1/18と1/43、イクソなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像とソフトトップ/室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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