ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

MERCEDES-BENZ SS TORPEDO (W06) 1928 GERMANY

MERCEDES-BENZ SS TORPEDO (W06)
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MERCEDES-BENZ SS TORPEDO (W06)


SOLIDO 137 1/43 113㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.7m 全幅約1.7m エンジン 変速機: 6気筒 7L 140HP(過給時200HP) 4段変速
性能: 最高速185km/h  データーベースでメルセデス ベンツ SSのミニカー検索

メルセデス ベンツ SS トルペード (W06) ドイツ 1928年

 

 前述したレースカーのスーパーチャージャーエンジンを成功させたフェルディナンド ポルシェ博士は6気筒スーパーチャージャーエンジンを設計し、ベンツのツーリングカーに搭載していきました。1926年に登場した最初のモデルは「Kヴァーゲン」と呼ばれ、6気筒6.3L(110HP 過給時160HP)エンジンを搭載し、当時最速のツーリングカーでした。それをさらに発展させたのが「Sヴァーゲン」で、ベンツのスポーツカー Sシリーズの最初のモデルとなります。Sヴァーゲンは6気筒6.8L(120HP 過給時180HP)エンジンを搭載し、さらにそのエンジンを6気筒7L(140HP 過給時200HP)にパワーアップしたのがSSでした。

 

 ミニカーはフランスのソリド製です。ソリドが1960年代に発売したクラシックカーシリーズ(約10種類)は当時としては非常に出来が良いミニカーでした。このベンツ SSもその一つで型番を4137に変更して、その後20年以上も生産された傑作でした。ソリドの別ブランドのベレム(VEREM)でも発売されています。ソリド以外のミニカーとしては、古いマッチボックスのYシリーズ、イクソとその廉価版ホワイトボックス( WHITE BOX)の物があります。イクソの物は元々はフランスのミニカー付き雑誌「VOITURES CLASSIQUES」(No30)用として作られた物でした。

 

 

 以下はソリドのバリエーションで幌を立てたSS(型番132)の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
 

MERCEDES-BENZ SS 1
MERCEDES-BENZ SS 2

 以下はマッチボックスのYシリーズ(型番Y16-2)の画像です。ヘッドライトがグリル横から生えているなどマッチボックス流の簡素化が行われていますが、全体の雰囲気がベンツ SSから外れていないのはさすがです。当時の安価なクラシックカーのミニカーとしては上出来でした。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MERCEDES-BENZ SS TORPEDO 3
MERCEDES-BENZ SS TORPEDO 4

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OPEL 10/40HP TYPE 80 1928 GERMANY

OPEL 10/40HP TYPE 80
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
OPEL 10/40HP TYPE 80


IXO MUS056 1/43 110mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.7m 全幅約1.77m エンジン 変速機: 4気筒 2.6L 40HP 3段変速
性能: 最高速85km/h  データーベースで戦前のオペルのミニカー検索

オペル 10/40HP タイプ 80 ドイツ 1928年

 

 前述したようにオペルはラウプフロッシュが大成功し、1928年にはドイツ最大の自動車メーカーとなりました。ラウプフロッシュの上級車として10/40HP(税制上馬力/実馬力) タイプ 80が1925年に登場しました。10/40HPは4気筒2.6L(40HP)エンジンを搭載した中型車で、4ドアセダン、2ドアクーペ、ホイールベースを拡大した3列シートの6/7人乗りの4ドアワゴン、4ドアリムジンがありました。。外観はそっけない四角い箱型ですが、同時期にフランスでフォード式大量生産方式を採用したシトロエン B2によく似ており、当時の大量生産車に共通するデザインでした。セダンは3段変速で最高速85km/hの性能でした。タイプ 80も大量生産方式により低価格で、1920年代のドイツでは一番ポピュラーな中型車だったそうです。

 

 オペルは1927年に6気筒4.2Lエンジン搭載のタイプ 100、1929年には8気筒6Lエンジン搭載のレーゲント(REGENT)などの大型車を登場させました。1920年代後半になるとGMやフォードのアメリカ系メーカーがドイツ市場に本格的に進出し、小型車から中型/大型車への進出を図っていたオペルはそのクラスでは対抗することが難しくなりました。そこでオペルはGMと提携する道を選び1929年にGM傘下となりました。1931年にラウプフロッシュの後継車1.2Lなど小型車も登場し、1930年代半ばにはオペルは年間10万台以上を生産するヨーロッパ最大の自動車メーカーとなりました。 (実車画像→ オペル レーゲント 1929)

 

 

 ミニカーは2014年に発売されたイクソ製のミュージアムシリーズです。タイプ 80の6/7人乗りのロングホイールベース版リムジンをモデル化しています。このミニカーは元々はドイツのミニカー付雑誌「OPEL COLLECTION」のNo.38でモデル化された物をイクソのカタログモデルとして発売した物です。この当時の地味なセダンがモデル化されたのはミニカー付雑誌ならではのことだと思います。(タイプ 80の量産ミニカーはこれ以外はありません) 実車の雰囲気がうまく再現され、少し大きめにデフォルメされたグリル上のマスコット、側面の細いクロームモール、エッチング材の繊細なワイパー、室内などの細部もイクソのこのシリーズに共通する良い出来ばえです。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

OPEL 10/40HP MODEL 80 1
OPEL 10/40HP MODEL 80 2

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BMW DIXI (3/15) 1928 GERMANY

BMW DIXI (3/15)
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BMW DIXI (3/15)


SCHUCO 82229417892 1/43 71mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3m エンジン 変速機: 4気筒 750cc 15HP 3段変速
性能: 最高速75km/h  データーベースでBMW ディキシーのミニカー検索

BMW ディキシー (3/15) ドイツ 1928年

 

 1916年に設立されたドイツの航空機エンジンメーカー BFW(Bayerische Flugzeug Werken)が名前を変更して、BMW(Bayerishe Motoren Werke(バイエルン発動機製造会社)が設立されました。青と白のBMWのエンブレムはバイエルン州の旗(青と白の格子模様)に由来するもので、良く言われている高速回転している飛行機のプロペラのデザインだという説は正しくないようです。1920年代に2輪車製造に進出し水平対向2気筒エンジン搭載の2輪車R32で有名になりました。1928年にイギリスのオースティン セブンのライセンス生産をしていたディキシー社から製造権を得て4輪車のディキシーを発表しました。

 

 ディキシーの標準モデルは4気筒750cc(15HP)エンジン搭載で最高速75km/hでしたが、18HPにパワーアップし最高速90km/hの2シーターのスポーツ仕様や商用バンなどのバリエーションが追加されました。1929年には名前がディキシーから3/15に変更されました。1932年にオースチンとのライセンス契約を終了し、自社開発の3/20が登場しました。ディキシー(3/15を含む)は約2.5万台が生産されBMWの基礎を固めました。スポーツモデルが1930年のモンテカルロラリーでクラス優勝するなどディキシーは本家のオースティン セブン同様にレースで活躍しています。

 

 

 ミニカーは1997年頃にBMW特注品として発売されたシュコー製です。実車が小さいのでミニカーも70㎜程のサイズですが、リアルなフロントグリルやディスクホイールなどしっかりした出来ばえです。画像がモノクロに見えますが、フロントグリル上の大きめに作られた青いエンブレムで分かるようにカラー画像です。シュコーはカブリオレや商用バンもモデル化しています。シュコー以外のディキシーのミニカーは、PREMIUM CLASSIXXSの商用バン、オートアートの1/18、ブレキナの1/87、RICKOの1/87などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

BMW DIXI 1
BMW DIXI 2

 以下は1997年に発売された上述したシュコーのバリエーションでディキシー 3/15 カブリオレ(1/43 型番02293)の画像です。黒/黄のカラーリングが鮮やかで、室内がそこそこ再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BMW DIXI CABRIOLET 1
BMW DIXI CABRIOLET 2

 以下は1970年頃に発売されたドイツのチィス(ZISS)の別ブランドであったR.W. MODEL製のディキシー カブリオレ(1/40? 型番57)の画像です。ワイヤースポークホイールを履いたスポーティな2座のカブリオレのモデルで、1/43より少し大きめにできています。全体的な色使いから少し玩具ぽっくみえますが、それなりにリアルに出来ています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BMW DIXI CABRIOLET 3
BMW DIXI CABRIOLET 4

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MERCEDES-BENZ SSKL (W06) 1931 GERMANY

MERCEDES-BENZ SSKL (W06)
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MERCEDES-BENZ SSKL (W06)


RIO 79 1/43? 105㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.24m 全幅約1.7m エンジン 変速機: 6気筒 7.1L 300HP 4段変速
性能: 最高速235km/h  データーベースでメルセデス ベンツ SSKLのミニカー検索

メルセデス ベンツ SSKL (W06) ドイツ 1931年

 

 SSKLは前述したSSKの純粋なレーシング仕様でファクトリーチーム用に数台が製作されました。SSKLのLはドイツ語のLeicht(軽いの意)で、徹底的な軽量化をするためにフレーム各部に軽減穴が開けられていました。スーパーチャージャーを大型化して過給圧を上げベンゾール系燃料を使い最高出力300HP 最高速235km/hと極めて高性能で、各種レースに勝ち続けました。こんな細いタイヤの車で300HPもあったのですから、とてもすさまじい操縦性であったと思います。

 

 ミニカーはイタリアのリオ(RIO)製で、1983年頃に発売されました。リオのクラシックカーはほとんどが1990年以前に作られていますが、いずれも当時のミニカーとしては非常に出来が良いものでした。このSSKLは前述したSKLをベースにして、SSKLに仕立てたもので、SSKLの特徴である軽減穴がボディ下部シャーシに追加されています。SSKが最近まで1/43サイズではベストの出来ばえであったので、このSSKLも同様にベストの出来ばえです。ただ1/43よりも少し大きめにできているので、1/43でできたミニカーと並べた場合に少し違和感があるのが唯一の難点です。型番SL001でミッレ ミリア仕様があり、最近でもSSK/SSKLのバリエーションが作られていますが、国内には輸入されていないようです。

 

 

 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

MERCEDES-BENZ SSKL (W06) 5
MERCEDES-BENZ SSKL (W06) 6

 リオ以外のSSKLのミニカーでは、ソリドのスタンダードとミッレ ミリア仕様、ニューレイ、ブラーゴの1/18、CMCの1/18などがあります。以下はソリドのミッレ ミリア仕様(型番4004)の画像です。ソリドのSSKLはかなり良い出来ばえです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MERCEDES-BENZ SSKL (W06) 1
MERCEDES-BENZ SSKL (W06) 2

 以下はブラーゴの1/18(型番3002)の画像です。1980年頃に発売されたブラーゴの初期の物ですが、当時の大スケールのミニカーとしては良くできていました。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MERCEDES-BENZ SSKL (W06) 3
MERCEDES-BENZ SSKL (W06) 4

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MERCEDES-BENZ 460 NURBURG PULLMAN (W08) 1931 GERMANY

MERCEDES-BENZ 460 NURBURG PULLMAN (W08)
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MERCEDES-BENZ 460 NURBURG PULLMAN (W08)


IXO MUS020 1/43 125㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5.38m 全幅約1.82m エンジン 変速機: 8気筒 4.6L 80HP 4段自動変速
性能: 最高速100km/h  データーベースでメルセデス ベンツ 460/500のミニカー検索

メルセデス ベンツ 460 ニュルブルク プルマン (W08) ドイツ 1931年

 

 1926年にダイムラー社とベンツ社が合併して、ダイムラー ベンツ社となりました。メルセデスはダイムラー社のブランド名で、この時点でメルセデス ベンツというブランドが出来ました。合併直後にダイムラーの技術部長であったF.ポルシェ博士の下で、新しいツーリングカーが作られました。6気筒2Lエンジンを搭載するシュトゥットガルトと6気筒3.1Lエンジンを搭載するマンハイムで、それぞれの名前はダイムラー社とベンツ社の本拠地に因んでいました。

 

 その両車の上級車としてベンツ初の8気筒エンジン(4.6L 80HP)を搭載した、460 ニュルブルク (W08)が1928年に登場しました。全長約4.9mの大型リムジーンで、1930年に770K グロッサー メルセデスが登場するまではベンツの最上級車でした。460は1931年に5L(100HP)エンジンが搭載できるようホイールベースが拡大されて500 ニュルブルクとなりました。460/500には当時の最先端の技術が採用されており、ローマ教皇用に特別に製作された特注車もありました。最終的には500の名前で1939年までに約4000台が生産されました。

 

 

 ミニカーは2009年に発売されたイクソ製です。ロングホイールベース版の460 1931年式をモデル化しています。元々このミニカーはミニカー付き雑誌「MERCEDES-BENZ COLLECTION」のNo.38用に作られたモデルでした。これはイクソのカタログモデルとして発売したもので、オリジナルの雑誌付きミニカーより細部の仕上げがレベルアップされています。フロント グリル(Nurburgのロゴ付)、ひさしの付いたフロントウインドー、リアのトランク、室内の造形などがリアルに再現されています。またベージュと茶のツートンカラーもベンツ博物館の実車に即したカラーリングになっています。ただしフェンダー部分がプラスチック製なので、このサイズのミニカーとしては軽いのが個人的にはいまひとつの感じがします。(ロートルコレクターの古臭い感覚ですが) イクソは別ブランドのホワイトボックスでも460を発売しています。イクソ以外の460のミニカーはエリゴールがあります。 以下はフロント(グリルの拡大画像)/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

MERCEDES-BENZ 460 NURBURG PULLMAN (W08) 1
MERCEDES-BENZ 460 NURBURG PULLMAN (W08) 2

 以下は1981年頃に発売されたエリゴール製のメルセデス ベンツ 460 ニュルブルク 1929 (1/43 型番1043)の画像です。これは460の標準ホイールベース仕様をモデル化していますので全長は約4.9mですが、このミニカー(全長108㎜)はそれより一回りサイズが小さく出来ています。このミニカーは同じエリゴールのロールス ロイス 20/25HP(型番1030)の型を流用してフロントグリルを変更するなどしてメルセデス ベンツ 460に仕立ててありますので、サイズが合わないようです。当時の高級車は同じようなスタイルをしていたのでこのようなやり方でもそこそこそれらしくは見えるのですが、この460はやや強引すぎるやり方です。 (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MERCEDES-BENZ 460 NURBURG PULLMAN (W08) 3
MERCEDES-BENZ 460 NURBURG PULLMAN (W08) 4

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