ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

SCANIA VABIS 3241 POST BUS 1923 SWEDEN

SCANIA VABIS 3241 POST BUS
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
SCANIA VABIS 3241 POST BUS


MATCHBOX Y16 1/49 122㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約6m 全幅約1.8m エンジン 変速機: 4気筒 3.5L 36HP 4段変速
性能: 最高速 不詳 乗車定員12名 データーベースでスカニア バスのミニカー検索

スカニア バビス 3241 郵便バス スウェーデン 1923年

 

 スカニア社はスウェーデンの重工業会社で、1900年に設立されました。最初に2輪車を製造しすぐに自動車製造をはじめ、1902年にはトラック(1.5t)を製造しました。1911年に同じスウェーデンの乗用?/トラック メーカーのバビス社(VABIS)と合併し、スカニア-バビス社となり、同年にスウェーデン初の国産バスを製造しました。1939年に乗用車市場から撤退し商用車に特化しました。

 

 第2次世界大戦中は軍需対応で自動車以外に戦車も生産しました。1950年代には生産した車の半分以上が輸出されるようになり、国際的な企業に発展しました。1969?にスウェーデンの乗用車メーカー サーブ社(SAAB)と合併し、サーブ-スカニア社となりました。1995年にはサーブと分離し、スカニア社となりました。現在のスカニア社はフォルクスワーゲン グループに属し、ダイムラー、ボルボに次ぐ世界第3位の大型商業車メーカーです。1970年代までのトラックはL**という名前、それ以後はボンネット式はTやH(HAUBER)、キャブオーバー式はRやR TL(TOPLINE)という名前が付いているモデルが多いです。

 

 

 ミニカーは1988年に発売されたマッチボックスのYシリーズです。通常の安価なYシリーズとは異なる専用の梱包箱に収められたマニア向けの特別仕様品でした。スカニア-バビス時代の3241型の郵便バスをモデル化しています。このバスは農村部にて郵便サービスや公共交通サービスに使われたそうです。前輪にソリを付け後輪はクローラー(キャタピラ)となっている雪上車仕様で、スウェーデンの厳しい風土を反映しています。実車諸元の参照画像と見比べてみると、実車をかなり忠実に再現していることがわかります。縮尺が1/49と中途半端なのが今一つですが、スカニア初期の雪上車仕様のバスということで、車種的に珍しく面白いミニカーです。バリエーションで同じモデルの屋根にもみの木を積んだクリスマス仕様や雪上車仕様でない郵便バスもモデル化されています。スカニアのミニカーはトラックやバスといった商用車がほとんどですが、ヘルパの1/87、ブレキナの1/87、コーギーの1/50と1/76、オックスフォードの1/76など結構たくさんモデル化されています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

SCANIA VABIS 3241 POST BUS 1
SCANIA VABIS 3241 POST BUS 2

スカニアのミニカー→ データーベースでスカニアのミニカー検索"

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TRAM SOUTHAMPTON CORPORATION TRAMWAYS 1923? UK

TRAM SOUTHAMPTON CORPORATION TRAMWAYS
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
TRAM SOUTHAMPTON CORPORATION TRAMWAYS


CORGI C990/1 1/72 126mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約9m? 全幅約2.4m? エンジン 変速機: 電気モーター 
性能: 最高速 不詳   データーベースで路面電車のミニカー検索

路面電車 サウサンプトン コーポレーション イギリス 1923?年

 

 都市内の交通機関であった乗合い馬車は、1840-50年代には道路上に敷設された線路上の車両を馬で引く路面鉄道となっていきました。路面鉄道は馬車よりも乗り心地が良く乗降りがスムーズにできるメリットがありました。その後馬の代わりに動力を蒸気エンジン、ケーブル牽引、電気モーターとする試みが行われ、1890年以降は電気モーターが主流となりました。ケーブル牽引はその名の通り地中に這わしたケーブルで車両を引っ張ります。ケーブル牽引の実例としては現在も使われているサンフランシスコ名物のケーブルカーがあります。

 

 電気モーターによる路面鉄道(路面電車)は英語ではトラム(TRAM又はTRAMWAY)と呼び、1879?にドイツのシーメンスがベルリン博覧会で公開したものが最初でした。なお線路を必要としない自動車による乗合いバスも同時期に発達しており、有名な2階建てロンドン バスの最初のモデル(ディムラー製)が1904年に登場しています。路面電車は乗合いバスに比べて給電線/ポイント/レールのメンテナンスなどの運行システムにコストがかかるので、自動車の発達に伴い徐々に衰退していきました。なお最近は路面電車が見直され、ヨーロッパなどで復活しています。(実車画像→ ディムラー製の最初の2階建て ロンドン バス 1904)

 

 

 ミニカーは1990年頃に発売されたコーギー製です。1920年代のイギリスのディック カー(DICK KERR)社製の2階建て路面電車で、イギリス南部の都市サウサンプトンのサウサンプトン コーポレーションで使われていた路面電車をモデル化しています。縮尺は1/72で、コーギーの2階建てバスや路面電車はこの縮尺で作られているものが多いです。路面電車の特徴である運転レバー、屋根上の集電器、床下の動輪/排障器などが再現されています。運転手のフィギュアが付いていて梱包箱は街並みのジオラマ風になっていますので、ノスタルジックな雰囲気のある楽しいモデルに仕上がっています。この路面電車は前後の運転席がオープンになっていますが、運転席が客室と一体化していたタイプもありました。当時の古い路面電車の画像を探すと、ほとんどが2階建て路面電車で、コーギーは2階建て路面電車もモデル化しています。コーギーはこの種のクラシックなバスや商用車を数多くモデル化していますが、それらは日本国内ではほとんど販売されていません。(日本国内ではこのジャンルのミニカーは売れないからでしょう) 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

TRAM SOUTHAMPTON CORPORATION TRAMWAYS 1
TRAM SOUTHAMPTON CORPORATION TRAMWAYS 2

 以下はジオラマ仕立てとなっている梱包箱の画像と床下の画像です。梱包箱の道路上には線路があり、路面電車床下の動輪がその線路の上に乗っています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
TRAM SOUTHAMPTON CORPORATION TRAMWAYS 3

 以下は上記と同時期に発売されたコーギー製の2階建て路面電車 (1/72 型番C992/1)の画像です。上記の路面電車のバリエーションで、同じディック カー(DICK KERR)社製の2階建て路面電車です。側面下部に「LEEDS CITY TRANSPORT」と表示されていますので、イギリスのリーズ市で使われていた路面電車をモデル化しています。上記のバリエーションですので、同じような出来ばえになっています。こちらには運転手のフィギュアが付いていませんが、やはりフィギュアが付いている方がリアルな感じがします。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
TRAM SOUTHAMPTON CORPORATION DOUBLE DECKER TRAMWAYS 1
TRAM SOUTHAMPTON CORPORATION DOUBLE DECKER TRAMWAYS 2

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MERCEDES-BENZ TARGA FLORIO 1924 GERMANY

MERCEDES-BENZ TARGA FLORIO
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MERCEDES-BENZ TARGA FLORIO


CURSOR 1072 1/43 92mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.8m 全幅約1.7m エンジン 変速機: 4気筒 1.99L 過給時120HP 4段変速
性能: 最高速120km/h  データーベースで戦前のメルセデス ベンツのミニカー検索

メルセデス ベンツ タルガ フロリオ ドイツ 1924年

 

 ダイムラー社からベンツ社に移籍してきたフェルディナンド ポルシェ博士(スポーツカー ポルシェの創立者)の初仕事はスーパーチャージャー付きの新しいエンジンの改良でした。ポルシェの設計変更を受けたエンジンを積んだレースカーは、1924年のタルガ フロリオ レースに出場し総合優勝しました。搭載されていた4気筒1.99Lエンジンは過給時に120HPと高性能でした。なおこの車の名前は厳密にいうとメルセデス ベンツではなくメルセデスとなります。(1926年にダイムラー社とベンツ社が合併したことで、ダイムラー ベンツ社のメルセデス ベンツというブランド名ができたので)

 

 1920年代後半にはGPレースの規格が毎年改定されるようになり、レース専用車の開発に費用がかかるようになったので、ダイムラーはレース専用車の開発を中止しました。専用車開発はやめましたが、ポルシェが設計した市販スポーツカーを転用したレース仕様車でレースを継続することになりました。転用されたのは6気筒7Lエンジンを搭載したメルセデス ベンツ S シリーズで、1928年にはSSとそのホイールベースを短縮して高性能化したSSKが登場しました。

 

 

 ミニカーは1970年代に発売されたカーソル(CURSOR)製です。このミニカーはダイムラー ベンツ社の100周年記念品として製作されたプロモーション モデルの一台でした。このプロモーション モデルは主にダイムラー ベンツ社のディーラーで100周年記念品として販売されたようですが、一般向けにも1978年頃にデパートなどで販売されました。 プラスチック製ですので塗装していないプラモデル完成品のような出来ばえです。全体的にそこそこリアルに出来ていましたので、当時の玩具的なミニカーとは異なるレベルの良い出来ばえでした。ただ無塗装のプラスチック製なのでボディの質感は今一つです。(特にフロントグリルの透明パーツはあまりリアルな感じがしません) 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

MERCEDES-BENZ TARGA FLORIO 1
MERCEDES-BENZ TARGA FLORIO 2

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OPEL 4/12HP LAUBFROSCH 1924 GERMANY

OPEL 4/12HP LAUBFROSCH
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
OPEL 4/12HP LAUBFROSCH


ELIGOR 1093 1/43 73㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3m エンジン 変速機: 4気筒 951cc 12HP 3段変速
性能: 最高速70km/h  データーベースで戦前のオペルのミニカー検索

オペル 4/12HP ラウプフロッシュ ドイツ 1924年

 

 1914年に第1次大戦が勃発し、オペルは軍用車や航空機エンジンなどの軍需品の生産を行いました。1918年に戦争が終わるとオペルは戦前のモデルに手を加えたモデルを発売しましたが、戦後の不況下でそのような車は売れませんでした。そこでオペルは旧式な生産方式を止めアメリカ フォード流の流れ作業による大量生産方式をドイツで初めて採用しました。この方式で1924年に登場した4/12HPは安価で実用的な2シーターの小型車で、4気筒951cc(12HP)エンジンを搭載し3段変速機で70km/hの性能でした。この車は全てが緑色に塗装されていたことからラウプフロッシュ(LAUBFROSCH ドイツ語で雨蛙の意)と呼ばれました。

 

 このラウプフロッシュは全く同じ発想で作られたフランスのシトロエン 5CVとラジエータグリル以外はほとんど見た目が同じでした。(証拠がないですがオペルがパクったようです) シトロエンは見た目がそっくりだということでオペルを告訴したのですが、最終的には色が違うという簡単な理由(シトロエンは黄、オペルは緑)でオペルが勝訴したそうです。4/12HPは1925年にエンジンを1018ccに拡大しホイールベースを延長した4/14HPに改良されました。ホイールベースを伸ばしたことにより4/14HPは4シーターボディを載せることができるようになり箱形のリムジーンも追加されました。ラウプフロッシュは大成功しエンジンのパワーアップなどの改良が行われ4/16HP、4/20HPに発展し、1931年まで生産され総生産台数は約12万台でした。(実車画像→ オペル 4/20HP 1929)

 

 

 ミニカーは1983年頃に発売されたエリゴール(ELIGOR)製です。実車に即した緑色のカラーリングで、ラウプフロッシュ(雨蛙)というニックネームどうりであることが良くわかります。なお実車同様にミニカーも同じエリゴール製のシトロエン 5CVの型を流用してフロントグリルだけを変更しています。エリゴールはバリエーションとして商用バン仕様など十種類ほどをモデル化していました。これ以外のラウプフロッシュのミニカーはガマの4/14HP、ドイツのミニカー付雑誌「OPEL COLLECTION」のNo.22の4/12HPなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

OPEL LAUBFROSCH 1
OPEL LAUBFROSCH 2

 以下は1960年代に発売されたガマ製のオペル 4/14HP 1925 (1/46 型番976)の画像です。ホイールベースを延長した4/14HPをモデル化していますので、上記の4/12HPより車体が長くなっていることが分かります。ウィンドースクリーンを跳ね上げることが出来るギミック付きです。このミニカーはやや玩具的な作風で作りが大雑把でなのであまりリアルという訳ではありませんが、4/14HPはこれ以外ではモデル化されていない車種なのでその点では貴重なミニカーです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
OPEL 4/14HP 1
OPEL 4/14HP 2

 以下は1960年代に発売されたガマ製のオペル 4/14HP リムジン 1925 (1/46 型番977)の画像です。上記のバリエーションでラウプフロッシュのリムジン(セダン)です。車が小さいのであまりリムジンという名前が似合いませんが、室内は4シーター仕様です。これもやや大雑把な作りですが、実車画像をみると実車もこんな感じの車ですのでそれなりの良い出来ばえともいえます。(実車画像→ オペル 4/14HP) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
OPEL 4/14HP 3
OPEL 4/14HP 4

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HANOMAG 2/10HP KOMMISSBROT COUPE 1924 GERMANY

HANOMAG 2/10HP KOMMISSBROT COUPE
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
HANOMAG 2/10HP KOMMISSBROT COUPE


R.W. MODEL 53 1/43 68㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約2.78m 全幅約1.18m エンジン 変速機: 水冷 単気筒 503cc 10HP 3段変速
性能: 最高速60km/h  データーベースでハノマークのミニカー検索

ハノマーク 2/10HP コミスブロート クーペ ドイツ 1924年

 

 ドイツのザクセン州ハノーファーにあったハノーファーシェ マシネンバウ社(Hannoversche Maschinenbau AG)は1835年に蒸気機関を製造する会社として創立されました。蒸気機関車や軍用の蒸気車を製造し、1910年代からガソリンエンジン搭載の農業用トラクターも製造しました。1920年代にガソリンエンジン搭載の自動車製造に着手し、1925年に小型車ハノマーク(HANOMAG) 2/10HPを発売しました。ハノマーク 2/10HPは水冷 単気筒503cc(10HP)エンジンを車体後部に搭載する全長約2.8mのオープン2座の小型車で、3段変速で最高速60km/hの性能でした。後輪をチェーン駆動していますが、ディファレンシャル機構のない簡単な構造でした。

 

 当時のドイツは第1次大戦の敗戦で経済的に苦しい状況だったので、同時期のオペル ラウプフロッシュBMW デキシーも小さな車でした。ハノマーク 2/10HPはその丸みのある外観が軍隊で供給されていた安価なコミスブロート(KOMMISSBROT:コッペパンの意)(あまり美味しくなかったらしい) に似ていたことから、コミスブロートの愛称で呼ばれました。乗用車と商用バンがあり1928年まで約15000台が生産されました。その後ハノーファーシェ マシネンバウ社は第2次大戦後まで軍用車両を製造し、1960年代の終わりに大型トラックメーカーのヘンシェルと合併し、その後1970年代にダイムラー ベンツに買収されました。

 

 

 ミニカーは1960-1970年代に発売されたチィス(ZISS)の別ブランドであったR.W. MODEL製です。簡単なハードトップの付いたクーペをモデル化しています。小さなミニカーですが、コミスブロートと呼ばれた丸っこいボディがうまく再現されています。灯火類や室内なども良く再現されていて当時のミニカーとして良く出来ていました。リアのエンジンカバーが開閉でき、エンジンも再現されています。これ以外のコミスブロートのミニカーはシュコーが10数種類をモデル化しています。なおそれ以外のハノマークのミニカーは商用車やトラクターがほとんどです。 以下はフロントの拡大画像とリア/エンジンカバーを開いたエンジンルームの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

HANOMAG KOMMISSBROT COUPE 1
HANOMAG KOMMISSBROT COUPE 2

 以下は同時期に発売された上記のバリエーションのハノマーク コミスブロート カブリオレ (1/43 型番52)の画像です。幌を畳んだカブリオレをモデル化しています。シートの背後にスペアタイヤを積んでいます。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
HANOMAG KOMMISSBROT CABRIOLET 1
HANOMAG KOMMISSBROT CABRIOLET 2

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