ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

GM CHEVROLET ASTRO I 1967 USA

GM CHEVROLET ASTRO I
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
GM CHEVROLET ASTRO I


CORGI 347 1/43 105㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.49m 全幅約1.84m エンジン 変速機: 水平対向6気筒 2.9L 240HP  
性能: 最高速 不詳  データーベースでシボレー アストロ I/IIのミニカー検索

GM シボレー アストロ I アメリカ 1967年

 

 シボレー アストロ I (XP-842)はGMのスタイリング実験車で、1967年に公開されました。前述したコルベア モンザ GTのデザインをさらに発展させた車で、水平対向エンジンをミドシップ搭載する構成は同じでした。最大の特徴は空気抵抗を究極的に低減させた極端に低い車高(約0.9m)です。通常のドアでは乗り降りが大変なので、リアカウルがキャノピー状に開き、シートも連動して電動で立ち上げる構造となっています。(この車は雨の日には使わないとのことです) またリアウィンドーがありませんが、後方視界は屋根の上に付いたペリスコープ(潜望鏡式ミラー)で確保しているそうです。 

 

 このデザインを実用的に発展させた、シボレー アストロ IIが1968年に公開されました。このデザインは、その後のGMの1980年代のスポーツカー コルベットやファイアーバードあたりに反映されているように思います。(実車画像→ シボレー アストロ II)
1969年には前輪1輪の3輪車とした、ジェット機のようなシボレー アストロ IIIも公開されました。なお1995年に登場したGMのミニバンにもシボレー アストロという名前が付いていますが、全くの別物です。(実車画像→ シボレー アストロ III)

 

 

 ミニカーは1969年に発売されたコーギーの当時物です。特徴的なデザインを忠実に再現していて、魅力的なミニカーに仕上がっています。実車の特徴であるリアカウルが開閉しシートが連動する仕掛けは、いかにもそれらしい恰好をしたコーギー十八番のフィギュアを2体付けてうまく再現しています。シボレー アストロ Iのミニカーはこれとこれをコピーしたオートピレンの物しかありません。シボレー アストロ IIはメーベトイ(マテル メーベ)がモデル化していました。当時のコーギーはこのようなスタイリング実験車を結構モデル化していました。例えば以下のアダムス プローブ 16(型番384)やアウトビアンキ ランナバウト ベルトーネ(型番386)などです。これらのミニカーは見た目がかっこいいので、どちらも30万台以上も売れていました。なおアストロ Iはもっと多くて50万台近く売れました。(1960-1970年代のミニカーは大量生産品でしたから) 以下はフロント/リアの拡大画像とキャノピーが開いてシートが立ち上げるギミックの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

GM CHEVROLET ASTRO I 1
GM CHEVROLET ASTRO I 2

 以下は1970年に発売されたコーギーのアダムス プローブ 16 (ADAMS PROBE 16 1/43? 型番384)の画像です。イギリスのアダムス ブラザーズ社が1969年に製作したスタイリング実験車のプローブ 16をモデル化しています。車高が86㎝しかなく、ガラス屋根の一部をスライドさせてその開口部から室内へ乗り込みます。
  (実車画像→ アダムス プローブ 16)
ADAMES PROBE 16 1
ADAMES PROBE 16 2

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CHAPARRAL 2F PROTOTIPO 1967 USA

CHAPARRAL 2F PROTOTIPO
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CHAPARRAL 2F PROTOTIPO


MERCURY 30 1/43 96㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.94m 全幅約1.78m エンジン 変速機: V型8気筒 7L 525HP 3段自動変速
性能: 最高速 不詳  データーベースでシャパラル 2Fのミニカー検索

シャパラル 2F プロトタイプ アメリカ 1967年

 

 1967年のスポーツカー世界選手権にシャパラル 2Fが登場しました。シャパラル 2Fは前述したシャパラル 2Dをベースにしてエンジンを7Lに変更したもので、ボディはそれまでの抑揚の大きいダイナミックなデザインから直線的なデザインに変わりました。リアには前述した2Eと同じ大きなリアスポイラーが付いていました。このスポイラーはボディ周辺の乱流を避ける為に、長い支柱で高い位置に配置(ハイマウント式)されていました。スポイラーは角度を変えることでダウンフォースを調整でき、ダウンフォースはサスペンション部分に直接作用するように設計されていました。

 

 1967年シーズンの成績はブランズハッチ 6hで優勝していますが、ポールポジションを獲得してリタイアするパターンが多かったようです。パワーアップしたことで早くなりましたが、自動変速機がパワーアップに耐えられずオーバーヒートするなど信頼性が足りなかったようです。2Fが採用したリアスポイラーはF1にも波及し、1968年にはリアスポイラーを装着したF1マシン ロータス 49Bが登場しました。(実車画像→ ロータス 49B 1968 )

 F1のスポイラーもハイマウント式や可変式に進歩していきましたが、支柱が折れるなどの問題があり、安全性の問題から1969年には高さの低い固定式に規制されました。1970年にはシャパラルとして最も独創的な設計がされたカンナムマシンのシャパラル 2Jが登場しました。

 

 

 ミニカーは1968年に発売されたマーキュリー製の当時物です。シャパラル 2Fのプロトタイプをモデル化しているようなので、特定のレース仕様ではありません。黄色のヘッドライがやや玩具的ですが、プロポーションは悪くなく当時のミニカーとしては結構リアルに作ってありました。リアスポイラーは支柱が上下し角度が変えられ、ガルウィング式ドアと燃料供給口蓋の開閉ギミックが付いています。当時のミニカーは子供向けだったので、この種のギミックは必須の物でした。最近の1/43サイズのミニカーはコストの問題などがあってこの類いのギミックを付けていませんが、ギミックがあるほうが(子供でなくても)面白いことは明らかだと思います。(ロートルコレクターの私はこのようなギミックが好きです) シャパラル 2Fは発表当時に大きなスポイラーが話題になったことから、ソリド、ポリトーイ、メーベトイ、メルクリン、ガマなど当時の老舗ブランドが当時物ミニカーを作っていました。特にソリドは後車軸を押すとスポイラーの角度が変化するという凝ったギミックが付いているなど良く出来ていました。当時物以外ではイクソ、ミニチャンプス、エグゾトの1/18などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像、ドアと燃料供給口蓋開閉ギミックとコクピットの画像、スポイラーの動作ギミックの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

CHAPARRAL 2F PROTOTIPO 1
CHAPARRAL 2F PROTOTIPO 2

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FORD MERCURY COUGAR 1967 USA

FORD MERCURY COUGAR
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD MERCURY COUGAR


DINKY 174 1/40? 121mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.83m 全幅約1.8m エンジン 変速機: V型8気筒 4.7L 225HP 3/4段手動変速 3段自動変速
性能: 最高速190km/h  データーベースでマーキュリー クーガーのミニカー検索

フォード マーキュリー クーガー アメリカ 1967年

 

 フォード マーキュリー クーガーはマーキュリーのスペシャリティーカーとして1967年に登場しました。サンダーバートとマスタングの間を狙った車で、マスタングと主要なコンポーネントを共用していましたが、ホイールベースは75㎜長くボディもひとまわり大きくなっていました。ボディ形式は2ドアハードトップのみで、フロントグリルはカバー開閉式のヘッドライトを採用した全面グリルでリアのテールライトもフロントに合わせたデザインになっていました。このデザインは同時期のフォード サンダーバードと同じコンセプトで、万人向けのマスタングよりもスペシャリティーカーとしてよりスポーティになっていました。 (参照動画→ マーキュリー クーガー ヘッドライト カバー開動作)

 

 当初の標準エンジンはV型8気筒4.7L(200-225HP)で、GTオプションで高性能版V型8気筒6.4L(320HP)がありました。標準仕様でも3段自動変速で最高速190km/hと高性能でした。1968年にGT-EオプションとしてV型8気筒7L(390HP)エンジンが追加されました。1968年にマスタングが大型化したのに合わせて、マーキュリー クーガーも1969年のマイナーチェンジでボディが大きくなりコークボトルラインを強調したデザインとなりました。同時にV型8気筒5.8L(250HP)エンジンが標準となりました。1970年にはノーズ中央部がより強調されたデザインとなりました。1971年に2代目にモデルチェンジしました。初代の総生産台数は約43万台と大ヒットしました。(参照動画→ マーキュリー クーガー 1971)

 

 

 ミニカーは1969年に発売されたディンキー(英)製の当時物です。1/43サイズより少し大きめに出来ていますが、販売戦略で意図的に大きくしたと思われます。金属製パーツのフロント/リアグリルがディンキー(英)らしいやや武骨な造形ですが、プロポーションが良く当時物のミニカーとしてまずまずの良い出来ばえでした。なお当時はミニカーのコストダウンが進められていた時期で、このミニカーも前後バンパー/前後グリル/底板を一体成型するコストダウン設計がされています。ちなみにこのミニカーの当時の定価は800円で、確かにそれ以前より少し安くなっていましたが、それでも同時期の国産ミニカーの約1.5倍の値段でした。ドア開閉ギミックと底板のレバー操作でリアのラジオ用アンテナが上下する変わったギミックが付いています。(底板のレバーとアンテナは軟質プラスチック製の一体物で、レバーをスライドさせるとアンテナが上下するという仕掛けです) これ以外のマーキュリー クーガーのミニカーはマッチボックスの当時物 1/66と1/40、デルプラドの世界の名車シリーズ、ビテスの1/43、サンスターの1/18、アーテルの1/18、ジョニーライトニングの1/64などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内/ラジオアンテナのギミック動作の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FORD MERCURY COUGAR 1
FORD MERCURY COUGAR 2

 以下は2002年に発売されたデルプラド製の世界の名車シリーズ フォード マーキュリー クーガー 1968 (1/43 No.57)の画像です。ヘッドライトカバーを開いた状態をモデル化しています。確証はありませんが、メーカーはたぶんアーテル(ERTL)だと思います。雑誌付きの安価なミニカーですが、プロポーションはまずまずで、灯火類/ドアミラー/室内などの細部も値段相応に仕上げてあります。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD MERCURY COUGAR 3
FORD MERCURY COUGAR 4

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GM CADILLAC ELDORADO 1968 USA

GM CADILLAC ELDORADO
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
GM CADILLAC ELDORADO


DINKY (UK) 175 1/43 135㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5.63m 全幅約2m エンジン 変速機: V型8気筒7.7L 375HP 3段自動変速
性能: 最高速192km/h  縦置エンジン前輪駆動 データーベースでキャディラック エルドラドのミニカー検索

GM キャディラック エルドラド アメリカ 1968年

 

 キャディラック エルドラドはキャディラックのなかでもパーソナル用途に使われたモデルで、2ドアクーペ/コンバーチブルの華やかな高級車でした。1967年に登場したキャディラック 9代目はフロントグリルの基本デザインが縦型4灯式ヘッドライトから横型4灯式に変わり、エルドラド 6代目では格納式横型4灯式ヘッドライト(ヘッドライト前面のグリルが上下にスライドする)が採用されました。V型8気筒7.7L(375HP)エンジンを搭載し3段自動変速で最高速192km/hの性能でした。

 

 この世代から同じようなパーソナル クーペであったオールズモービル トロネードとシャーシを共有することになったので、前輪駆動車となりました。シャーシが同じなのでこの2台は良く似たフォルムとなっていましたが、エルドラドはリアクオーターとサイドビューの鋭角的な造形でより一層個性的なデザインとなっていました。これは同じようなパーソナル クーペでライバルであったフォード サンダーバードなどの影響があったのでしょう。1969年には格納式ヘッドライトが廃止され、1971年にエルドラド 7代目にモデルチェンジしました。

 

 

 ミニカーは1969年に発売されたディンキー(英)製の当時物です。当時のヨーロッパのミニカーメーカーはアメリカ車をあまりモデル化しなかったのですが、この車がモデル化されたということはこの車の登場がヨーロッパにもインパクトを与えたことを示しています。縮尺は1/43となっていますが、ボディの大きさをデフォルメで強調しているので少し大きめにできています。低く幅広い実車の雰囲気がうまく再現されていて、当時のミニカーとしては良く出来ていました。紫メタリックにレザートップの派手なカラーリングは実車にはなかったと思われますが、この車のイメージには合っています。ボンネット/ドア/トランクが開閉するギミック付きです。なお経年変化でリアのサスペンションがへたりシャコタンになっていましたので、リアの下にウレタンフォームをかまして車高をあげて撮影しています。これ以外のエルドラド 6代目のミニカーはグリーンライトの1/64、オートワールドの1/64、ネオ(レジン製)などがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉/室内の画像です。室内で助手席の前にあるパイプのようなものはボンネットを開くためのレバーで、これを押し込むことでボンネットが開きます。子供向けでしたから、大人の指でこのレバーを押し込むのはかなりやり辛いです。(このレバーを操作しなくてもボンネットは手で開けられますが) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

GM CADILLAC ELDORADO 1
GM CADILLAC ELDORADO 2

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GM PONTIAC PARISIENNE 1968 USA

GM PONTIAC PARISIENNE
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
GM PONTIAC PARISIENNE


DINKY(UK) 173 1/43 131㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5.5m 全幅約2m エンジン 変速機: V型8気筒 5.3L 243HP 4段変速/3段自動変速
性能: 最高速 不詳  データーベースでポンティアック パリジェンヌのミニカー検索

GM ポンティアック パリジェンヌ アメリカ 1968年

 

 GMグループ内でポンティアックはシボレーより車格が高い中級車です。1960年代のポンティアックはGMグループ内での差別化を図るべくテンペスト、ルマン、グランプリなどデザインが派手で高性能エンジンを搭載するモデルが追加され、ポンティアック ブランドはスポーティなイメージになりました。1967年にカマロの兄弟車ファイアーバードが登場してベストセラーとなり、1970年代にポンティアック ブランドは絶頂期を迎えました。1970年代のモデルはコンパクトカーのベンチュラ、中クラスのルマン、フルサイズのカタリナやボンネビル、パーソナルカーのグランプリ、マッスルカーのGTOやファイアーバードがありました。

 

 カタリナは1950年に登場したモデルで、そのカタリナをGM カナダが生産したモデルはローレンシャン(LAURENTIAN)という名前で販売されました。ローレンシャンはカタリナとほぼ同じ外観でしたが、全く同じではなくカナダ仕様になっていました。 このローレンシャンに1958年に追加された上級仕様がパリジェンヌで1959年からは独立したモデルになりました。1965年に登場したパリジェンヌ 3代目はカタリナ 3代目とほぼ同じデザインで、ポンティアックの特徴である2分割されたフロントグリルと中央の突き出たノーズが印象的なデザインでした。

 

 

 ミニカーは1968年に発売されたディンキー製の当時物です。ヨーロッパに輸出されたパリジェンヌをモデル化しているようです。当時のディンキーはアメリカ車をいくつかモデル化していましたがこれはその1台です。金属製パーツのフロントグリルなどディンキーらしい武骨な作風ですが、実車の雰囲気は良く再現されていて当時のミニカーとして良く出来ていました。アメリカ車のセダンはあまりミニカーにならないので、このミニカーは当時のアメリカ車のセダンとして貴重なものでした。リアフェンダー上のアンテナが底板部分のレバーをスライドさせることで昇降するという変わったギミックが付いています。バリエーションとしてパトカー仕様がありました。これ以外のパリジェンヌのミニカーはウエスタンモデル(ホワイトメタル製)の1960年式とポリトーイ初期のプラスチック製で1962年式があります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内/アンテナの上下動の画像です。(なお右側のアンテナは破損しているので動作しません) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

GM PONTIAC PARISIENNE 1
GM PONTIAC PARISIENNE 2

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