ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

TOYOTA TOYOPET SA 1947 JAPAN

TOYOTA TOYOPET SA
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
TOYOTA TOYOPET SA


REEN REPLICA 2 1/43 89mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.8m 全幅約1.59m エンジン 変速機: 4気筒 995cc 27HP 3段変速
性能: 最高速87km/h  データーベースでトヨタ AA型/SA型のミニカー検索

トヨタ トヨペット SA型 日本 1947年

 

 終戦後すぐにトヨタ自動車は小型車開発を決定し、1947年には試作車が完成しました。同年にGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)から年間300台に限り乗用車生産が許可されたので、この車はトヨペット SA型として発表されました。なおトヨペット(TOYOPET)はこの時に付けられた愛称でした。SA型は全輪独立懸架の鋼板バックボーンフレームに鋼板ボディを載せた極めて先進的な構造で、戦前の欧州製小型車をお手本にしていました。流線型のボディも欧州的で、ちょっと変わったデザインのグリルが付いていました。新開発した4気筒995cc(27HP)のS型エンジンを搭載し、3段コラムシフトで最高速87km/hの性能でした。

 

 戦後いち早く発売されたSA型は意欲的な車でしたが、少し時代に先んじすぎていました。当時の乗用車はほとんどがタクシーに使われましたが、全輪独立懸架は当時の劣悪な道路で酷使される用途には不向きでしたし、2ドア仕様もタクシーには不向きでした。 そんなわけでSA型は1952年まで約200台ほどしか生産されず、営業的には失敗作でした。ただSA型はその後のトヨタの自動車開発にとって、極めて重要な布石となったと思われます。トヨタ自動車が欧米メーカーと技術提携せず、独自技術に拘ったのもこの車での経験が有ったからだと思われます。

 

 

 ミニカーは1970年代に個人コレクターが起ち上げたブランドのリーンレプリカ製です。リーンレプリカは1/43のホワイトメタル製ミニカーで、初期の国産車を6車種モデル化していました。個人が私費を投じて製作していたのでコストがかけられず、ウィンドーや室内の造形は省略されて初期のビンテージミニカーのような素朴な造りでした。リーンレプリカはそれまでミニカーになっていなかった車をモデル化しており、このトヨタ SA型もその一台でした。室内の造形がない素朴な作りですが、プロポーションはしっかりしていて実車の雰囲気が良く再現されています。トヨタ博物館や日本自動車博物館にある実車(レプリカ?)と比べると、屋根の形状が少し違っています。なお2022年現在でもトヨタ SA型のミニカーはこれしかありませんので、車種的に大変貴重なミニカーです。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

TOYOTA TOYOPET SA 1
TOYOTA TOYOPET SA 2

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ROLLS ROYCE SILVER WRAITH 1947? UK

ROLLS ROYCE SILVER WRAITH
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ROLLS ROYCE SILVER WRAITH


SAKURA 世界の名車シリーズ 7 1/43 134㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5.36m 全幅約1.96m エンジン 変速機: 6気筒 4.3L 125HP 4段自動変速
性能: 最高速135km/h  データーベースでロールス ロイス シルバー レイスのミニカー検索

ロールス ロイス シルバー レイス イギリス 1947?年

 

 第2次大戦中のロールス ロイスは航空機用エンジン 「マリーン」の量産にかかり切りで自動車生産は中断していました。「マリーン」エンジンは戦闘機のスピットファイアーなどに搭載され、「バトル オブ ブリテン(イギリス空軍とドイツ空軍との航空機空中戦)」の勝利に寄与したのでした。

 戦時中に開発が進められていたロールス ロイス シルバー レイスが1947年に登場しました。シルバー レイスは戦前の小型車レイスの改良型ですが、シルバー レイスの6気筒4.3Lエンジンは耐久性を向上させていて、シャーシもエンジン搭載位置が前進するなど大幅な近代化が図られていました。シルバー レイスは排気量を4.6L、4.9Lに拡大して、ファントム Vが登場する1959年までに約1700台が生産されました。

 

 なお戦前のロールス ロイスの最上級車ファントム IIIは生産中止となりました。ファントム IIIが生産中止となったのは、戦前の世界大恐慌と戦後の経済状況の悪化でファントム IIIのような運転手付高級車を購入する富裕層が減ったことでした。

 

 

 ミニカーは1970年代後半にスーパーカーシリーズを出したサクラが、世界の名車シリーズとして1979年に発売しました。箱にシルバー レイスと記載されていますが、年式などは明確化されていません。コーチビルダー マリナー パークウォード製の公用車的なリムジンをモデル化しているようです。スーパーカーシリーズでは欧州製ミニカーをコピーしていたようですが、このシルバー レイスはサクラがオリジナルで起こした型と思われます。フロントグリル周りの造形はかなり適当な出来ばえですが、サイドビューについてはそこそこうまくモデル化しているので、この時代のシルバー レイスの雰囲気がそれなりに感じられる出来ばえとなっています。ドア開閉ギミック付きです。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

ROLLS ROYCE SILVER WRAITH 1
ROLLS ROYCE SILVER WRAITH 2

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TUCKER 48 1948 USA

TUCKER 48
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TUCKER 48


SOLIDO 4524 1/43 123mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5.56m 全幅約2m エンジン 変速機: 水平対向6気筒 5.5L 166HP
 4段手動変速/3段自動変速
性能: 最高速192km/h  データーベースでタッカーのミニカー検索

タッカー 48 アメリカ 1948年

 

 起業家で自動車デザイナーでもあったアメリカ人 プレストン タッカー(Preston Tucker)は自分が理想とする車を作るためにタッカー自動車を1946年に設立しました。彼が計画したタッカーは流線型ボディ、リアエンジン搭載の後輪駆動、自動変速機、全輪独立懸架サスペンション、ステアリングと連動するセンターヘッドライト、シートベルトなど先進的で安全性に配慮した乗用車でした。しかしあまりに先進的だったために、エンジンや変速機の開発が思うように進みませんでした。結局は資金難で計画が挫折し車は51台が製作されただけでした。

 

 フランシス コッポラが監督した1988年の映画「タッカー(原題Tucker: The Man and His Dream)」は、プレストン タッカーとこの車を題材とした話で、この映画のヒットでタッカーが広く知られることになりました。この映画には当時残存していた実車が登場し、タッカーに脅威を感じた既存自動車メーカー(BIG3)が政治的な妨害をしたという話もでてきます。(確たる証拠などはないようですが) この車が量産されていたとして本当に売れたかどうかは疑問ですが、技術的には非常におもしろい車でした。

 

 

 ミニカーは1990年に発売されたソリド製です。1948年に生産されたタッカー 48をモデル化しています。ミニカーの発売時期から考えると、この車がミニカーとなったのは映画がヒットしたからでしょう。当時としては先進的な流線型ボディ、特徴的な3つ目ヘッドライト(センターが前輪と連動する)のフロント周り、リアエンドの放熱用グリルなど実車の特徴が良く再現されています。室内のステアリングホイール部分の造形も結構リアルです。これ以外のタッカーのミニカーは京商の1/18、フランクリン ミントの1/24、マッチボックス ディンキー、ジョニーライトニングの1/64などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

TUCKER 1
TUCKER 2

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VOLKSWAGEN BEETLE 1948 GERMANY

VOLKSWAGEN BEETLE
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VOLKSWAGEN BEETLE


RIO 88 1/43 95㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4m 全幅約1.55m エンジン 変速機: 空冷水平対向4気筒 1131cc 25HP 4段変速
性能: 最高速105km/h  データーベースでフォルクスワーゲン 初期型のミニカー検索

フォルクスワーゲン ビートル ドイツ 1948年

 

 戦後フォルクスワーゲンの工場はイギリス軍が管理し、1946年から生産が再開されました。ただナチスが進めていたKdF(ビートル)に戦勝国は魅力を感じなかったようで、引取先がありませんでした。結局オペルで工場長をしていたハインツ ノルトホフが再建を引き受けました。 彼はオペルの親会社GMで生産と販売について学んでおり、アメリカ式の大量生産方式を取り入れ、販売面でもアメリカ式サービスを徹底させKdFを世界のビートルに変身させました。

 

 初期のビートルは戦前のKdFとほとんど同じ構造/デザインで、空冷4気筒1131㏄(25HP)エンジンを搭載し、4段変速で最高速105km/hの性能でした。初期型はリアウィンドーが2分割でしたのでスプリット ウィンドーと呼ばれています。そのリアウィンドーは1953年には楕円形に変わりました。1947年頃には輸出されるようになり、1950年からサンルーフがオプション設定されました。1954年からエンジンが1192㏄(30HP)に変わり、最高速が110km/hに向上しました。

 

 

 戦前のKdFも含めてフォルクスワーゲン ビートルのミニカーはたくさんあります。(当サイトのデーターベースでは約1400件がリストアップされています。ビートルのミニカーは年式が明確にわからない物が多いので半分ぐらいは年式未記載です) 私はビートルのミニカーを約50種類ほど保有していますので、それらを年代別に分けて紹介することにします。まずは1952年以前のスピリット ウィンドーのビートルを紹介します。最初の1台は私の好みで1988年に発売されたリオ製のビートルを選びました。リアウインドーが2分割の初期型をモデル化しています。プロポーションが良く適度に古くさい(懐かしい)作風で、ビートルらしさが感じられるミニカーです。リオは商用車、軍用車などビートルのバリエーションを約60種類ほど作っています。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

VOLKSWAGEN BEETLE 1
VOLKSWAGEN BEETLE 2

 以下は1997年頃に発売されたリオ製のビートル 1947 フェルディナンド ポルシェ博士 フィギュア付 (1/43 型番SL043)の画像です。ビートルの生みの親のフェルディナンド ポルシェ博士のフィギュアを付けたもので、ビートル本体はフロントウィンドーの前にラジオ用のアンテナが付いていることが上記の型番88と異なります。ポルシェ博士のフィギュアは、ひげと頭髪がそれらしくてなかなか良い出来ばえです。なおポルシェ博士は1951年に75歳で亡くなられています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VOLKSWAGEN BEETLE WITH Dr. PORSCHE 1
VOLKSWAGEN BEETLE WITH Dr. PORSCHE 2

 以下は1993年頃に発売されたリオ製のビートル 輸出仕様 サンルーフ付 1950 (1/43 型番107)の画像です。ビートルは1947年頃からヨーロッパ/アメリカに輸出されるようになり、1948年には生産台数の1/4が輸出されていたそうです。これはその輸出仕様をモデル化していますが、オプションのサンルーフ仕様となっているぐらいしか上記の型番88との違いがありません。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VOLKSWAGEN BEETLE 1950 SUNROOF 1
VOLKSWAGEN BEETLE 1950 SUNROOFT 2

 以下は1997年頃に発売されたリオ製のビートル タクシー 1947 (1/43 型番SL038)の画像です。昔はビートルのような2ドアセダンでもタクシーに使われたようです。これもフロントウィンドーの前にラジオ用のアンテナが付き、タクシーと表示された荷物用のルーフラックが追加されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VOLKSWAGEN BEETLE TAXI 1947 1
VOLKSWAGEN BEETLE TAXI 1947 2

 以下はたぶん2000年頃に発売されたソリド製のビートル 1950 (1/43 型番AC2757)の画像です。ソリドは型番4559でビートルをモデル化していますが、これはそれと同じものをアシェットの雑誌付きミニカーとして発売した物のようです。(オークションサイトで入手しました) 安価なミニカーですので特別に凝ったところはありませんが、ソリドらしいシャープな造形で良く出来ています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VOLKSWAGEN BEETLE 1950 3
VOLKSWAGEN BEETLE 1950 4

 以下は1979年頃に発売されたカドー(KADO)製のビートル 1200 1949 (1/43 型番218)の画像です。カドーは玩具問屋の可堂玩具が起こしたブランドで、これはホワイトメタル製の少量生産品でした。ワイパーやドアミラーが別部品となっているなど凝った造りで、当時のミニカーとしては良く出来ていました。ただ当時の価格で5800円とかなり高価でしたが。。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VOLKSWAGEN BEETLE 1955 1
VOLKSWAGEN BEETLE 1955 2

 上記のリオ製 ビートルのバリエーションの変わり種として、クリスマス仕様の物があります。ヨーロッパの老舗ミニカーメーカーは毎年12月になるとクリスマス仕様のミニカーを発売します。日本にはほとんど輸入されないのであまり見かけませんが、日本の初春仕様トミカのようなものです。 以下が1999年のクリスマス仕様として作られたビートル(型番SL077)の画像です。金メッキされたビートルにサンタさんのフィギュアとプレゼントの箱が付いています。プレゼントの箱には青、緑、赤、金色の色違いが4種類、サンタのフィギュアも4種類、ビートルのタイヤが白いものなど色々の組合せがあって、シリアル番号付の1000台限定品として発売されました。遊び心がある楽しいミニカーになっています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VOLKSWAGEN BEETLE EXPORT Xmas 1
VOLKSWAGEN BEETLE EXPORT Xmas 2

 これ以外のクリスマス仕様のミニカーがみたい方はこちら→データーベースでクリスマス仕様のミニカー検索

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TALBOT LAGO T26C F1 1948 FRANCE

TALBOT LAGO T26C F1
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TALBOT LAGO T26C F1


BRUMM R074 1/43 95㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.1m 全幅約1.3m エンジン 変速機: 6気筒 4.5L 260HP 4段変速
性能: 最高速270km/h  データーベースでタルボ ラーゴのミニカー検索

タルボ ラーゴ T26C F1 フランス 1948年

 

 戦前の1920年代にSTDグループ(サンビーム、タルボ、ダラック)は、速度記録やGPレースに挑戦していました。速度記録車ではサンビーム 1000HP (1927年 327.97 km/h)、レースカーでは1926年のタルボ ダラック 1500などが代表的なマシンでした。1935年にSTDグループのフランス工場をアンソニー ラーゴが買い取ってタルボ ラーゴとなってからも、タルボ ラーゴ T150などがレースで活躍していました。(実車画像→ サンビーム 1000HP)
(実車画像→ タルボ ダラック 1500)

 

 戦後にタルボ ラーゴは戦前に開発していたT26でレースに復活しました。1948年にT26を改良したT26Cが登場しました。当時はスーパーチャージャーで過給したアルファ ロメオ 158やマセラティ 4CLTが強かったのですが、タルボ ラーゴは1949年のベルギーGPとフランスGPで優勝するなど活躍しました。1950年に始まったF1選手権でも1951年まで参戦し、マイナーなレースでは優勝していました。またT26Cの2座仕様のT26 GSが1950年ルマンで総合優勝(ドライバー ロジェ親子)しています。

 

 

 ミニカーはブルム製で、1982年頃に発売されました。1948年式でとくにどのレースのモデルというわけではないようです。(ブルム初期のモデルにはこのような考証がアバウトなものがあります) 後に作られた型番R113のT26Cは1951年ドイツGPの出場車(ドライバー J.クレス)をモデル化しています。今見ると少し物足りない部分もありますが、1980年代当時のミニカーとしてはかなり良い出来ばえでした。これ以外のT26Cのミニカーは老舗ディンキー(英)の当時物がありました。また1950年ルマン優勝車のT26 GSをイクソやスパーク(レジン製)がモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像とコクピット周りの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

TALBOT LAGO T26C F1 1
TALBOT LAGO T26C F1 2

 以下は1950年代に発売されたディンキー(英)製の当時物 タルボ ラーゴ T26C (1/40 型番230)の画像です。このミニカーは1985年頃にミニカーコレクター仲間から譲ってもらったもので、私が保有するミニカーのなかでもかなり古いものです。タイヤは交換されていて、塗装は綺麗なのでリペイントかもしれません。縮尺1/40ぐらいで、上記ブルム製より少し大きいです。70年ほど前に作られたミニカーですが、実車の雰囲気は良く再現されていて、排気管などの細部もそこそこうまく再現されています。ドライバーのフィギュアもいかにもそれらしい感じがします。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
TALBOT LAGO T26C F1 3
TALBOT LAGO T26C F1 4

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