ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

ROLLS ROYCE (SILVER GHOST) ARMOURED CAR MK IA 1920 UK

ROLLS ROYCE (SILVER GHOST) ARMOURED CAR MK IA
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ROLLS ROYCE (SILVER GHOST) ARMOURED CAR MK IA


MATCHBOX YS38 1/48 109㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.93m 全幅約1.93m エンジン 変速機: 6気筒 7.4L 80HP 4段変速
性能: 最高速72km/h 主砲 ヴィッカース重機関銃 データーベースでロールス ロイス シルバー ゴーストのミニカー検索

ロールス ロイス (シルバー ゴースト) 装甲車 MK IA イギリス 1920年

 

 ロールス ロイス シルバー ゴーストはその類まれな耐久性と信頼性を評価され、イギリス軍に装甲車用としてそのシャーシを供出することを求めれられました。1914年に80HPにパワーアップしたエンジンを搭載したシャーシに装甲したボディを架装し、ヴィッカース機関銃を装備する装甲車が作られました。この装甲車は第1次世界大戦に投入され、その後装甲の強化などの改修が行われて第2次世界大戦でも使われたそうです。

 

 映画「アラビアのロレンス」で有名なイギリス軍のロレンス中尉は第1次世界大戦中のアラビア半島での作戦でロールス ロイス装甲車を愛用していました。彼は晩年にこの世で一番欲しいものを問われたとき、「シルバー ゴーストとそれに一生乗れるだけのタイヤ」と答えたそうです。これはシルバー ゴーストの高い信頼性を示す逸話の一つです。このように長持ちしたシルバー ゴーストのシャーシは、ボディを乗せ換えて最後は霊柩車として使われたものがたくさんあったそうです。(参照画像→ ロールス ロイス 霊柩車)

 

 

 ミニカーはマッチボックス製で、1990年代に発売されたYシリーズのスペシャル エディションの一つです。イギリスの空軍(RAF)博物館に保存されている1920年に改修された装甲車 MK IAを忠実に再現してあり、非常に良く出来ています。機関銃の付いた砲塔が回転するギミック付きです。(参照WED サイト→ 空軍(RAF)博物館) ロールス ロイス 装甲車の量産ミニカーはたぶんこれしかないと思います。(レジン製やホワイトメタル製の少量生産ミニカーはあります) 以下はフロント/リアの拡大画像と砲塔可動ギミックの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

ROLLS ROYCE ARMOURED CAR MK IA 1
ROLLS ROYCE ARMOURED CAR MK IA 2

 以下は1977年に発売されたマッチボックス製のロールス ロイス (シルバー ゴースト) 消防車 (1/48 型番Y06)の画像です。イギリスのケント州の消防署に実在した消防車をモデル化しています。(画像では見づらいですが、ボディ側面に「BOROUGH GREEN & DISTRICT」と表示されていて、これはケント州内のボロウ グリーン地区の意です) シルバー ゴーストのシャーシに、消防車のボディを架装しています。はしごを装備していますが、消防車に付き物の消防ポンプなどの装備が付いていません。この車は主に消防隊員輸送に使われ、消防ポンプなどは牽引するトレーラーに積載していたようです。(実車画像→ ロールス ロイス 消防車) 画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ROLLS ROYCE (SILVER GHOST) FIRE EIGINE 1
ROLLS ROYCE (SILVER GHOST) FIRE EIGINE 2

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ROLLS ROYCE (SILVER GHOST) FIRE EIGINE 3
ROLLS ROYCE (SILVER GHOST) FIRE EIGINE 3

このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります

http://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=1624

MACK AC TANK TRUCK 1920 USA

MACK AC TANK TRUCK
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MACK AC TANK TRUCK


MATCHBOX YYM38044 1/60 115㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約7m エンジン 変速機: 4気筒 7.7L (75HP?) 3段変速
性能: 最高速 不詳  データーベースでマック トラックのミニカー検索

マック AC タンク トラック アメリカ 1920年

 

 アメリカのトラック専業メーカーのマック トラック社は1902年にマック ブラザーズ社(THE MACK BROTHERS COMPANY)として起業しました。最初はバスを製造し、1907年に最初のトラックを製造しました。同社は全ての部品を自社開発して品質管理を徹底することで、信頼性と耐久性を確保していました。その為1914年に登場したAB型トラックは故障が少ないことでヒットしました。(実車画像→ マック AB型トラック)

 

 1916年に登場したAC型は、マックの名前を有名にした優れたトラックでした。AC型の最大の特徴はラジエーターをエンジンとキャビンの間に配置したことでした。この配置は当時のルノーも採用していましたが、跳ね石などによるラジエータの破損を防ぐことができました。またデフユニットをフレーム内に内蔵し後輪をチェーン駆動していました。この方式は過大な負荷がかかった時にチェーンが破損することで、それ以上の破損を防ぐことができました。当時のトラックはオフロードなど過酷な環境で使われており、故障の少ないマック トラックは頑丈であるという定評を築きました。AC型は1938年まで長く生産されました。

 

 

 1922年にマック トラック社となり、ブルドッグが同社のシンボルとなりました。1930年代になると大型のBシリーズとFシリーズ(キャブオーバー)と中型のEシリーズが主流となり、市場で高く評価されました。1938年に大型ディーゼルエンジン(6気筒8.5L)を自社開発しています。1940年にはLシリーズが登場し、1950年代までマックの代表的なトラックとなりました。 (実車画像→ マック Bシリーズ マック Lシリーズ)

 ミニカーは1995年頃に発売されたマッチボックス製のマニア向けYシリーズです。マック AC型のタンク トラック (タンクローリー) 'TEXACO' をモデル化しています。実車の雰囲気が良く再現されていて、黒と赤のカラーリングがきれいです。キャブ手前の金色の部分がラジエータで、タンクのバルブ関係や後輪のチェーン駆動部分がうまく仕上げてあります。(ただ縮尺が1/60と中途半端なのが、今一つですが) マッチボックスはAC型の消防車やボックスバンなど約10種類をモデル化しています。古いマック トラックはフランクリン ミントやヤトミンでもモデル化されています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

MACK AC TANK TRUCK 1
MACK AC TANK TRUCK 2

 以下は同じマッチボックス製のバリエーションで1985年頃に発売された マック AC ボックスバン (1/60 型番Y30)の画像です。こちらはウィンドースクリーンの無いボックスバンをモデル化しています。一般向けのYシリーズですので、上記のマニア向けYシリーズに比べると細部の仕上げが簡素化されています。荷台に表示されている「ACORN STORAGE Co.」は最近まで存在していたイギリスの輸送関係の倉庫/保管施設の管理会社のようです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MACK AC TANK TRUCK 1
MACK AC TANK TRUCK 2

このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります

http://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=1876

LEYAT HELICA 1921 FRANCE

LEYAT HELICA
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
LEYAT HELICA


RIO 62 1/43 112㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.8m 全幅約2m エンジン 変速機: 空冷水平対向 2気筒 8HP プロペラ直接駆動
性能: 最高速80km/h?  データーベースでレイヤのミニカー検索

レイヤ エリカ (プロペラ推進自動車) フランス 1921年

 

 レイヤ社はフランスの自動車メーカーで、フランス人のマルセル レイヤ(Marcel Leyat)が1919年に創立しました。マルセル レイヤは航空機の技術者で、1921年のパリ モーターショーで公開された同社初の4輪自動車ヘリカ(HELICA フランス語でプロペラの意)は「翼のない飛行機」として知られていました。「翼のない飛行機」と呼ばれるだけあって、翼を付けると航空機そのものといった外観をしていました。なおレイヤ社はヘリカ以前にも同じような構造の3輪車のプロトタイプ(ヘリコサイクル)も開発していました。 

 

 ヘリカは前後2列シートの3人乗り(前列はドライバーのみ)で、後席背後には荷物を置くスペースがありました。水平対向2気筒(8HP)エンジンで駆動するプロペラで推進し、前輪にブレーキがあり操舵は後輪で行いました。車体全体がアルミパネルで出来ていて重量はわずか250kgでした。この車は資金不足で量産出来ませんでしたが、1926年頃までに約30台が生産されたそうです。生産車は画像のようなセダンだけではなく、屋根のないカブリオレもありました。マルセル レイヤはヘリカの改良/実験を続け、1927年には18HPエンジンを搭載したヘリカの実験車がモンテリ サーキットで170km/hの速度記録を達成しました。その後マルセル レイヤは第2次世界大戦までに約30種類の航空機の設計/製造を行いました。彼は当時の航空機創世期ののパイオニアでもありました。

 

 

 ミニカーは1978年頃に発売されたリオ製です。1921年に公開されたエリカをモデル化しているようです。(実車は様々なボディが架装されていたようですが) 飛行機のような特徴的なボディ、空冷2気筒エンジン、プロペラ、簡素な車輪など実車がリアルに再現されています。(プロペラは回転できます) ミニカーではボディは頑丈そうに見えますが、実車はアルミパネル製の簡素なボディでした。(実車動画→ レイヤ エリカ 1921) リオは自動車初期の変わった形状のレーシングカー ジェネラル グランプリをモデル化していますが、このレイヤ エリカも自動車初期にはこんな車があったのだという歴史的な事実を知らしめるミニカーです。(ただ見た目の面白さからモデル化されたということでもありますが) リオはこのミニカーのカラーリングを変更したリファイン版を2013年と2021年に再販しています。なおレイヤ エリカの量産ミニカーはこのリオ製しか無いようです。 以下はフロント(プロペラ回転 エンジン部拡大)/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

LEYAT HELICA 1
LEYAT HELICA 2

このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります

http://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=2060

BUGATTI BRESCIA (T13) 1921 FRANCE

BUGATTI BRESCIA (T13)
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BUGATTI BRESCIA (T13)


BRUMM R040 1/43 75㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3m エンジン 変速機: 4気筒 1368cc 30HP 4段変速
性能: 最高速110km/h (標準仕様)  データーベースでブガッティ ブレシアのミニカー検索

ブガッティ ブレシア (T13) フランス 1921年

 

 1881年にイタリアのミラノで芸術家の家系に生まれたエットーレ ブガッティは美術学校で教育を受けましたが、10代から自動車技術に関心を持つようになりました。彼は芸術的な才能を自動車設計に生かし、1898年に最初の自動車(T1と呼ばれる)を開発しました。その後も自主的に自動車開発を続け、1902年に設計したT2は自動車博覧会で評価され自動車メーカーから注目されました。1909年にフランスのアルザス地方に工場を構えブガッティ社を設立しました。会社設立後の最初のモデルは小型のスポーツカー T13で、当初は4気筒1327㏄(15HP)エンジンを搭載していました

 

 1914年以降にT13のエンジンは1368cc 16バルブ(30HP)に改良されました。当時の高性能車は大排気量エンジンが主流でしたが、小型車ながら高性能小型エンジンを搭載し操縦性が優れたT13は評判となり大ヒットしました。その後T13のボディを拡大したT15(後にT22)、ツーリングカー仕様のT17(後にT23)など改良版が登場しました。第1次世界大戦の影響で一時的に販売中止となり、1921年に販売が再開されました。1921年のイタリアのブレシアで行われた小型車レースではT22が1-4位を独占しその後もレースで活躍しました。それ以後T13とそのシリーズはブレシアと呼ばれるようになりました。T13は1925年まで生産されました。

 

 

 ミニカーは1981年に発売されたブルム製です。ブレシアのレース仕様をモデル化していていますが、具体的にどのレースの車をモデル化しているかは分かりません。ブガッティの特徴である独特の楕円形のラジエータグリルなど、実車の雰囲気がうまく再現されていて当時のミニカーとしては良く出来ていました。(なお初期のT13のラジエータグリルは6角形だったそうです) ブルムはブレシアのミニカーを数種類ほどモデル化しています。なおブルム以外のブレシアの量産ミニカーは2023年現在でも見当たりません。(少量生産品ならホワイトメタル製などいくつかあるようです) 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

BUGATTI T13 BRESCIA 1
BUGATTI T13 BRESCIA 2

 以下は1982年に発売されたブルム製のブガッティ T13 1921 (1/43 型番R082)の画像です。上記の型番R040のバリエーションですが、これも具体的にどのレースの車をモデル化しているのかは分かりません。タイヤがホワイトタイヤに変更され、フロントグリルのブガッティのロゴが少しリアルになっているなどの違いがあります。コクピット背後の燃料タンクの上に掲げたゼッケンの表示板のようなものですが、同じような物を掲げたブレシアの古い写真があったのでこのようなゼッケン表示板がレース前のエントリーイベントで使われていたようです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BUGATTI T13 BRESCIA 3
BUGATTI T13 BRESCIA 4

このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります

http://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=161

FIAT 520 SUPER FIAT 1921 ITALY

FIAT 520 SUPER FIAT
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT 520 SUPER FIAT


RIO 49 1/43 130㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5.2m 全幅約1.74m エンジン 変速機: V型12気筒 6.8L 130HP 3段変速
性能: 最高速120km/h  データーベースで戦前のフィアットのミニカー検索

フィアット 520 スーパーフィアット イタリア 1921年

 

 1910年代にフィアットは大衆車量産に力を注ぐようになりましたが、それ以前のタイプ 4/5/6に相当する高級車のラインナップも残していました。1919年に小型車501を発表した際には4気筒2.3Lエンジン搭載の505と6気筒3.5Lエンジン搭載の510の中級車も同時に発表しています。1921年にはロールス ロイスイスパノ スイザなどと競合するV型12気筒エンジンを搭載する大型超高級車520 スーパー フィアットを発表しました。

 

 520 スーパー フィアットはアメリカ市場向けに開発されたといわれています。全長約5.3m 全幅1.74m ホイールベース 3860㎜ 車重2.3tの大型車で、V型12気筒6.8L(130HP)エンジンを搭載し3段変速で最高速120km/hの性能でした。油圧サーボ付全輪ブレーキなど先進技術も採用されていました。ただロールス ロイスのような超高級車はフィアットにはふさわしくなかったようで、520 スーパー フィアットはわずかしか製作されておらず商業的には失敗作でした。その後1922年にフィアットは自社の最高級車として6気筒4.8Lエンジンを搭載した519を登場させました。なお1927年にはスーパー フィアットではない6気筒2.3Lエンジンを搭載した中級車520(1928年から521)が登場しました。

 

 

 ミニカーは1978年に発売されたリオ製です。実車の写真が残されているスーパー フィアットのタウンカー仕様をモデル化しています。全長は実車のデータより少し大きめですが、ホイールベースは正確に1/43(3860㎜÷43≒90㎜)で出来ていますので、リアのスペアタイヤの分が大きめになっている理由のようです。後傾したフロントウィンドーやツートンカラーの塗分けなど実車の写真に忠実に作られています。超高級車の証として運転手に指令を伝える伝声管が運転手背後のガラス仕切りに付いています。リオのクラシックカーはシャーシやサスペンションなどのメカ部分まで再現しているのが特徴ですが、この520もボンネットを外すとV型12気筒エンジンが再現され、シャーシ、変速機、ドライブシャフト、前後サスペンションも再現されています。スーパーフィアットの量産ミニカーはこのリオ製しかありません。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FIAT 520 SUPER FIAT 1
FIAT 520 SUPER FIAT 2

 以下はボンネットを外したエンジンルームの画像と底板部分の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT 520 SUPER FIAT 3
FIAT 520 SUPER FIAT 4

このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります

http://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=175

 

エドワード期 ← ページ  « 前へ 1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  ...14 次へ » → サラブレッド期

 

 

 

当サイト掲載記事の無断転載を禁じます。
Copyright(C) 2004-2024 MINIATURECAR MUSEUM All rights reserved.