ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

ROLLS ROYCE 20HP (TWENTY) 1923 UK

ROLLS ROYCE 20HP (TWENTY)
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ROLLS ROYCE 20HP (TWENTY)


RIO 72 1/43 115mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5m エンジン 変速機: 6気筒 3150cc 50HP 3段変速
性能: 最高速100km/h  データーベースでロールス ロイス 20/25/30のミニカー検索

ロールス ロイス 20HP イギリス 1923年

 

 第1次大戦後の不況で高価なシルバー ゴーストだけでは販売が厳しくなったロールス ロイスは、1922年に「ベイビイ ロールス ロイス」と呼ばれた20HP(TWENTY)を発表しました。価格はシルバー ゴーストの約半額で、シルバー ゴーストと同じ6気筒ですが半分の排気量の3150cc(約50HP)エンジンを搭載し3段変速機で最高速100km/hの性能でした。(注:名前の20HPは課税上の馬力を表示したもので、実際のエンジン出力は50HPということです) 外観的にはラジエータの前につくシャッターが横向きになっていることが特徴です。

 

 初期の変速機は3段変速でしたが、1925年に4段変速に変わりました。同じ年に、ギヤボックスの回転力を使った精巧なメカニカルサーボのついたファントムと同じ4輪ドラムブレーキが採用されました。また当初横向きであったラジエータの前につくシャッターは、最終的に縦向きになりました。シルバー ゴーストより小型のエンジンを搭載していたので、あまり大型のボディを架装することは想定していなかったようですが、実際には大柄なリムジンボディが架装され動力性能不足が問題になったこともあったようです。そこで1929年にはエンジン排気量を3.7L(75HP)に拡大した20/25HPが登場しました。

 

 

 ミニカーは1981年に発売されたリオ製です。コンパクトなパーソナルカーといった感じがする20HP 2ドアクーペをモデル化しています。このようなコンパクトなボディのロールス ロイスのミニカーは珍しいです。ミニカーがモデル化している2ドアクーペに良く似た実車の画像をWEBサイトで見つけましたが、ミニカーのキャビン部分は少し小さめにデフォルメされているようです。フロントグリル、フロントグリルのマスコット(スピリット オブ エクスタシー)とエンブレム(RR)など実車をうまく再現してあります。ボンネットを外すと6気筒エンジンが再現されています。リオのミニカーとしては標準的な出来ばえでしたが、当時のミニカーとしてはとても良い出来ばえでした。購入してからもう40年以上経過していますが、塗装はきれいなままです。ただホワイトリボンタイヤのリボン部分がタイヤの有機溶剤による腐食で少し変形しています。 以下はフロント(マスコット拡大)/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

ROLLS ROYCE 20HP 1
ROLLS ROYCE 20HP 2

 以下はボンネットを外したエンジンルームの画像と底板部分のシャーシ/サスペンションの画像です。エンジン/ドライブシャフト/シャーシ/サスペンションがリアルに再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ROLLS ROYCE 20HP 3
ROLLS ROYCE 20HP 4

 以下は同時期に発売された幌を開いたバリエーション(1/43 型番73)の画像です。幌が開いているので室内の座席配置(後席は予備の2+2シーター)が良くわかります。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ROLLS ROYCE 20HP 5
ROLLS ROYCE 20HP 6

このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります

http://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=194

ROLLS ROYCE PHANTOM I 1926 UK

ROLLS ROYCE PHANTOM I
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ROLLS ROYCE PHANTOM I


MATCHBOX Y36 1/45 115mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5m エンジン 変速機: 6気筒OHV 7668cc 約100HP 4段変速
性能: 最高速141km/h  データーベースでロールス ロイス ファントムのミニカー検索

ロールス ロイス ファントム I イギリス 1926年

 

 ロールス ロイスは1907年からシルバー ゴーストだけを作り続け、1925年までに6000台以上を販売し、その高い信頼性で「The Best Car of the World」の名声を確立しました。シルバー ゴーストは高価なため顧客は王侯貴族がほとんどで日本の皇室も1920年に2台を購入しています。そのシルバー ゴーストもさすがに性能的に時代遅れになり、1925年に後継車として登場したのがファントムでした。(なお1929年にファントム IIが登場してからはファントム Iと呼ばれるようになりましたが、これは公式の名前ではありません)

 

  旧型のサイドバルブ式エンジンは新型のOHV6気筒 7668cc(90-100HP)エンジンに変更されました。技術的な特徴としてはギヤボックスの回転力を使った精巧なメカニカル サーボのついた4輪ドラムブレーキが採用されていることで有名でした。ファントム Iはイギリスとアメリカに製造工場があり、イギリスでは1929年まで約2200台が生産され、アメリカの工場では1931年まで約1200台が生産されました。なおイギリス版とアメリカ版ではステアリングホイールの位置、ホイールベース、変速機の仕様などが少し異なっていました。

 

 

 ミニカーは1990年に発売されたマッチボックスのYシリーズです。コーチビルダー フーパー(HOOPER)が架装した4ドア リムジンをモデル化しています。マッチボックスのYシリーズの初期物はカラーリングや造形にやや玩具的なところがあったのですが、1980年代後期になるとスケールモデル的な造形がされるようになりました。このファントム Iも縮尺1/45と標準的な縮尺の1/43より少し小振りなのがいまいちですが、プロポーションがしっかりしていてかなり良い出来ばえです。赤茶と黒のツートンのカラーリングもロールス ロイスの雰囲気によく似合っています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

ROLLS ROYCE PHANTOM I 1
ROLLS ROYCE PHANTOM I 2

このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります

http://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=195

ROLLS ROYCE PHANTOM I 1927 UK

ROLLS ROYCE PHANTOM I
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ROLLS ROYCE PHANTOM I


DIAPET G122 1/30 197mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約6m エンジン 変速機: 6気筒OHV 7668cc 約100HP 4段変速
性能: 最高速141km/h  データーベースでロールス ロイス ファントムのミニカー検索

ロールス ロイス ファントム I イギリス 1927年

 

 ロールス ロイスは1907年からシルバー ゴーストだけを作り続け、1925年までに6000台以上を販売し、その高い信頼性で「The Best Car of the World」の名声を確立しました。そのシルバー ゴーストもさすがに性能的に時代遅れになり、1925年に後継車として登場したのがファントムでした。(なお1929年にファントム IIが登場してからはファントム Iと呼ばれるようになりましたが、これは公式の名前ではありません)

 

 これもファントム Iのミニカーですが、こちらはクーペ デビルと呼ばれる運転席の屋根がない馬車時代からの伝統的なボディ形式のセダンをモデル化しています。日本のダイヤペット製で、1979年に3種類発売されたクラシックカーシリーズの1つです。シリーズにはこれ以外にフォード リンカーン ロードスター 1927 (1/25)、デューセンバーグ J 1930 (1/27)がありました。日本のメーカーがこのようなクラシックカーをモデル化するのは珍しいことでした。1970年代後半はスーパーカーブームの後でミニカー市場は景気が良かったので、ダイヤペットはマセラティやシボレー コルベットなどの外国車をモデル化するなど、いろいろ新しいことをやっていましたので、その一環だったと思います。

 

 

 この類のクラシックカーの大スケールミニカーでは定評があったフランクリンミント製と比べると精密さでは見劣りしますが、ダイヤペットとしてはかなりリアルに仕上げてあり、ファントム Iのミニカーとしては合格点の良い出来ばえでした。また細部の金具類もしっかりした作りで、室内が彩色してあるなどなかなか見応えのあるモデルになっていました。4ドア開閉、ボンエット取り外しのギミック付きでさらにこのシリーズは全て運転席のレバー操作でライトが点灯するといったギミックもついていました。(単3電池2本を使用します) 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

ROLLS ROYCE PHANTOM I 1
ROLLS ROYCE PHANTOM I 2

 以下はライトが点灯するギミック/ボンネットを取り外したエンジンルームの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ROLLS ROYCE PHANTOM I 3
ROLLS ROYCE PHANTOM I 4

このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります

http://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=196

ROLLS ROYCE 20/25HP 1928 UK

ROLLS ROYCE 20/25HP
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ROLLS ROYCE 20/25HP


ELIGOR 1030 1/43 110mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.5m エンジン 変速機: 6気筒 3669cc 75HP 4段変速
性能: 最高速110km/h  データーベースでロールス ロイス 20/25/30のミニカー検索

ロールス ロイス 20/25HP イギリス 1928年

 

 第1次大戦後の不況で高価なシルバー ゴーストだけでは販売が苦しくなったロールス ロイスは、1922年に「ベイビイ ロールス ロイス」と呼ばれた20HP(TWENTY)を発表しました。価格はシルバー ゴーストの約半額で、同じ6気筒ですが半分の排気量の3150cc(約50HP)エンジンを搭載し3段変速機で約100km/hの性能でした。(注:名前の20HPは課税上の馬力を表示したもので、実際のエンジン出力は50HPということです) 外観的にはラジエータの前につくシャッターが横向きになっていることが特徴でした。

 

 1929年に20HPはエンジン排気量を3.7L(75HP)に拡大した20/25HPとなりました。20/25HPは同時に発表されたファントム II のホイールベースを短くしたもので、ファントム IIの優れた機能が全て採用されていました。20/25HPは自ら運転するユーザーに人気があり大ヒットし、1936年までに約3800台が生産されました。この成功はロールス ロイスの財政状況を改善しました。 1936年に20/25HPはエンジン排気量を4.3L(115HP)に拡大した25/30HPとなりました。このパワーアップは20/25HPに大型ボディを架装した場合に問題となったパワー不足を解消するものでした。25/30HPは1938年までに約1200台が生産されました。1938年には前輪独立懸架を採用するなどして改良され、新たにレイス(WRAITH:亡霊の意)という名前が付けられました。

 

 

 ミニカーは1980年頃に発売されたフランスのエリゴール製です。ロールス ロイス 20/25HPの4ドアリムジーンをモデル化しています。エリゴール初期のミニカーはノレブ初期のプラスチック製ミニカーの型を流用したものが多いのですが、これはエリゴールのオリジナルと思われます。当時のミニカーとしてはかなりリアルな造形で良く出来ていました。なおホイールはディスクホイールのように見えますが、スポークホイールの上にカバーを掛けてあるタイプのようです。またミニカーの底板には1928と銘記されていますが、正しくは1929年式だと思われます。エリゴールはバリエーションでホテルの送迎車仕様もモデル化しています。これ以外の20/25HPのミニカーはオックスフォードの1/43があります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

ROLLS ROYCE 20/25HP 1
ROLLS ROYCE 20/25HP 2

 以下は同時期に発売された上記のバリエーションで、ロールス ロイス 20/25HP タクシー カールトン ホテル (1/43 型番1051)の画像です。有名な カールトン ホテルで送迎用に使われていたタクシー(ハイヤー?)をモデル化しています。ボディサイドにカールトン ホテルのロゴが表示されていて、屋根には顧客の荷物を積んでいます。現在の高級ホテルでも送迎用にロールス ロイスを使っている例がありますので、このミニカーがモデル化している実車も存在したのでしょう。(なお室内にサイドウィンドーのパーツが剥がれて垂れ下がっていますが、無視してください) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ROLLS ROYCE 20/25HP HOTEL CARLTON 1
ROLLS ROYCE 20/25HP HOTEL CARLTON 2

このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります

http://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=198

ROLLS ROYCE PHANTOM I CABRIOLET DE VILLE 1929 UK

ROLLS ROYCE PHANTOM I CABRIOLET DE VILLE
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ROLLS ROYCE PHANTOM I CABRIOLET DE VILLE


FRANKLIN MINT YF56 1/24 230㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5.5m エンジン 変速機: 6気筒OHV 7668cc 約100HP 4段変速
性能: 最高速141km/h  データーベースでロールス ロイス ファントムのミニカー検索

ロールス ロイス ファントム I キャブリオレ ドヴィル イギリス 1929年

 

 ロールス ロイスは1907年からシルバー ゴーストだけを作り続け、1925年までに6000台以上を販売し、その高い信頼性で「The Best Car of the World」の名声を確立しました。そのシルバー ゴーストもさすがに性能的に時代遅れになり、1925年に後継車として登場したのがファントムでした。(なお1929年にファントム IIが登場してからはファントム Iと呼ばれるようになりましたが、これは公式の名前ではありません)

 

 ミニカーはクラシックカーの大スケール(1/24)ミニカーで定評があったフランクリンミント製のファントム Iで、1989年に発売されました。客室部分が幌で覆われたカブリオレ形式となっています。ロールス ロイス社の公式認可モデルでしたので、細かいところまでリアルに再現されています。ドアやボンネットなどが開閉可能でエンジンが再現されていることなどはフランクリンミント製では当たり前ですが、フロントウインンドーを跳上げることができることや有名なマスコット(フライング レディ)部分が銀メッキ処理されているなど凝った仕上げとなっていて、公式認可モデルと謳っているだけのことはあります。またステアリングホイールと連動して前輪が操舵できるギミックも付いています。ただ質感が良く表現された幌を開閉することまでは出来ません。(この類の幌が開閉できるギミックが付いている量産ミニカーは私の知る限りではありませんが)

 

 

 フロントグリル上部のロールス ロイスの赤いロゴも良く出来ています。現在のロールス ロイスのロゴは黒ですが、これは1933年に創立者の一人であったヘンリー ロイスが死去した際に、喪に服する意味でロゴが黒になったとのことです。なおもう一人の創立者のチャールズ ロールズは1910年に飛行機操縦中の事故で亡くなりました。 以下はフロント(マスコット拡大 前輪操舵ギミック動作)/リアの拡大画像です。マスコットは黒ずんだ色になっていますが、これは本物の銀が錆びた状態(硫化銀)になっているからです。プラスチックの蒸着メッキではこのようにはなりません。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

ROLLS ROYCE PHANTOM I CABRIOLET DE VILLE 1
ROLLS ROYCE PHANTOM I CABRIOLET DE VILLE 2

 以下はボンネットを開いたエンジンルームの画像とフロントウインンドーの跳ね上げ動作/サイドステップ部分に収納された工具収納部開閉/床下部分シャーシの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ROLLS ROYCE PHANTOM I CABRIOLET DE VILLE 3
ROLLS ROYCE PHANTOM I CABRIOLET DE VILLE 4

このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります

http://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=197

 

ページ  « 前へ 1  2  3  4  5  6  7   次へ »

 

 

 

当サイト掲載記事の無断転載を禁じます。
Copyright(C) 2004-2024 MINIATURECAR MUSEUM All rights reserved.