ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

OPEL 10/40HP TYPE 80 1928 GERMANY

OPEL 10/40HP TYPE 80
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
OPEL 10/40HP TYPE 80


IXO MUS056 1/43 110mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.7m 全幅約1.77m エンジン 変速機: 4気筒 2.6L 40HP 3段変速
性能: 最高速85km/h  データーベースで戦前のオペルのミニカー検索

オペル 10/40HP タイプ 80 ドイツ 1928年

 

 前述したようにオペルはラウプフロッシュが大成功し、1928年にはドイツ最大の自動車メーカーとなりました。ラウプフロッシュの上級車として10/40HP(税制上馬力/実馬力) タイプ 80が1925年に登場しました。10/40HPは4気筒2.6L(40HP)エンジンを搭載した中型車で、4ドアセダン、2ドアクーペ、ホイールベースを拡大した3列シートの6/7人乗りの4ドアワゴン、4ドアリムジンがありました。。外観はそっけない四角い箱型ですが、同時期にフランスでフォード式大量生産方式を採用したシトロエン B2によく似ており、当時の大量生産車に共通するデザインでした。セダンは3段変速で最高速85km/hの性能でした。タイプ 80も大量生産方式により低価格で、1920年代のドイツでは一番ポピュラーな中型車だったそうです。

 

 オペルは1927年に6気筒4.2Lエンジン搭載のタイプ 100、1929年には8気筒6Lエンジン搭載のレーゲント(REGENT)などの大型車を登場させました。1920年代後半になるとGMやフォードのアメリカ系メーカーがドイツ市場に本格的に進出し、小型車から中型/大型車への進出を図っていたオペルはそのクラスでは対抗することが難しくなりました。そこでオペルはGMと提携する道を選び1929年にGM傘下となりました。1931年にラウプフロッシュの後継車1.2Lなど小型車も登場し、1930年代半ばにはオペルは年間10万台以上を生産するヨーロッパ最大の自動車メーカーとなりました。 (実車画像→ オペル レーゲント 1929)

 

 

 ミニカーは2014年に発売されたイクソ製のミュージアムシリーズです。タイプ 80の6/7人乗りのロングホイールベース版リムジンをモデル化しています。このミニカーは元々はドイツのミニカー付雑誌「OPEL COLLECTION」のNo.38でモデル化された物をイクソのカタログモデルとして発売した物です。この当時の地味なセダンがモデル化されたのはミニカー付雑誌ならではのことだと思います。(タイプ 80の量産ミニカーはこれ以外はありません) 実車の雰囲気がうまく再現され、少し大きめにデフォルメされたグリル上のマスコット、側面の細いクロームモール、エッチング材の繊細なワイパー、室内などの細部もイクソのこのシリーズに共通する良い出来ばえです。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

OPEL 10/40HP MODEL 80 1
OPEL 10/40HP MODEL 80 2

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OPEL OLYMPIA 1951 GERMANY

OPEL OLYMPIA
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
OPEL OLYMPIA


MINICHAMPS 430040404 1/43 95mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4m 全幅約1.56m エンジン 変速機: 4気筒 1.5L 37HP 3段変速
性能: 最高速 不明  データーベースでオペル オリンピアのミニカー検索

オペル オリンピア ドイツ 1951年

 

 1920年代に小型車ラウプフロッシュで成功したオペルは中大型車への進出を目指し、1931年にGMと提携しGM傘下となりました。1930年代にオペルはヨーロッパ有数の自動車メーカーに成長しました。1930年代後半のモデル構成はラウプフロッシュの最終型P4とカデットの小型実用車が中心で、上級小型車のオリンピア、中型車のカピタンも揃えていました。第2次大戦が始まるとGMは撤退し、オペルはナチ政権の命令で軍用車の生産体制に組込まれていきました。(実車画像→ オペル P4 1935) (実車画像→ オペル カデット 1938)

 

 戦後オペルの工場は一時的にソ連に接収されていましたが、GMが経営権を取り戻し、1947年に戦前モデルの生産を再開させました。最初に生産されたのは4気筒1.5L(37HP)エンジンを搭載した上級小型車オリンピアでした。1935年に登場したオリンピアは1936年のベルリン オリンピックにちなんで命名された車で、4気筒1.3Lエンジンを搭載していました。1937年のマイナーチェンジでエンジンが1.5Lに拡大されフロント周りの意匠が新しくなりました。生産が再開されたのはこの戦前型で、1950年のマイナーチェンジでラジエターグリル全体が横に拡大されてよりモダーンなデザインとなりました。1950年から1953年まで生産され、総生産台数は約16万台と大成功でした。1953年にオリンピアはオリンピア レコードという名前に変わり、フェンダーが一体化されたフラッシュサーフェース ボディの戦後型に変わりました。(実車画像→ オペル オリンピア レコード 1953)

 

 

 ミニカーは2007年に発売されたミニチャンプス製です。戦後型のマイナーチェンジでラジエターグリルが拡幅された1951年式をモデル化しています。デザイン的には戦前型のアメリカ車に良く似ています。ミニチャンプスらしいそつのない良い出来ばえで、フロントグリルや室内などの細部も良く再現されています。戦前型も含めてこれ以外のオリンピアのミニカーは同じミニチャンプスのカブリオレ仕様、ブッシュの1/87、ホワイトボックスのセダン/バンなどがありますが、1930年代のオペル車はミニカーが少ないです。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

OPEL OLYMPIA 1
OPEL OLYMPIA 2

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OPEL KAPITAN 1951 GERMANY

OPEL KAPITAN
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
OPEL KAPITAN


MINICHAMPS 430043300 1/43 113㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.7m 全幅約1.7m エンジン 変速機: 6気筒 2.5L 58HP 3段変速
性能: 最高速 不明  データーベースでオペル カピタンのミニカー検索

オペル カピタン (カピテーン) ドイツ 1951年

 

 上述したオリンピアの再生産に続き、1948年に戦前型のカピタンも再生産が開始されました。第2次世界大戦直前の1939年に登場したカピタンは6気筒2.5L(55HP)エンジンを搭載した中型車で、当時のオペルの最上級車でした。ボディは同じGMグループ内のオールズモビルなどとよく似たデザインで、フェンダー先端に埋め込まれた独特な形状のヘッドライトが特徴でした。なお車名のカピタン(キャプテン:艦長の意)は現在ではカピテーンと表記するのが正しいようですが、私にはしっくりこないので昔流にカピタンと記載しています。(実車画像→ オペル カピタン 1939)

 

 カピタンの再生産も戦前型そのままのモデルからはじまりましたが、戦後の資材不足で特徴的だったヘッドライトは一般的な丸形に変更されました。1951年のマイナーチェンジでフロントグリルが変更され、トランクスペースが大型化し、エンジンが58HPにパワーアップされました。1953年にオリンピアが戦後型に変わりましたが、同時にカピタンもフラッシュサーフェース ボディの戦後型に変わりました。戦前型カピタンの戦後の総生産台数は約8万台でした。戦後型カピタンは1953年から1958年まで生産され、後継車のカピタン P1にモデルチェンジしました。総生産台数は約15万台でオリンピア同様にこの車もヒットしました。(実車画像→ オペル カピタン(戦後型) 1953)

 

 

 ミニカーは1996年に発売されたミニチャンプス製です。戦後型のマイナーチェンジでフロントグリルが変更された1951年式をモデル化しています。これも前述したオリンピアと同様でミニチャンプスらしいそつのない良い出来ばえで、OPELの赤いロゴがついたフロントグリルや室内などの細部も良く再現されています。これ以外の戦前型カピタンのミニカーはイクソとその別ブランドのホワイトボックスの1950年式、シュコーのモンテ カルロ ラリー仕様などがあります。なおイクソは特徴的なヘッドライトを持つ1939年式もモデル化しています。(イクソが両方ともモデル化したのは、1939年式は1950年式より格段にかっこいいからです) 戦後型カピタンはジク(SIKU)の当時物、シュコー、ブレキナの1/87などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

OPEL KAPITAN 1
OPEL KAPITAN 2

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OPEL REKORD P1 1958 GERMANY

OPEL REKORD P1
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
OPEL REKORD P1


MINICHAMPS 430043201 1/43 107㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.4m 全幅約1.6m エンジン 変速機: 4気筒 1.5L 45HP 3段変速
性能: 最高速125km/h  データーベースでオペル レコードのミニカー検索

オペル レコード (レコルト) P1 ドイツ 1958年

 

 前述したように戦前に登場したオペル オリンピアは戦後の1953年にフラッシュサーフェースボディの戦後型に変わり、名前がオリンピア レコードに変わりました。1957年にレコードの2代目としてオリンピア レコード P1が登場しました。ボディが大型化し、側面まで回り込んだラップラウンド ウインドウ、サイドのモールディング、テールフィンなど当時のアメリカ車風のデザインが採用されました。オペルはGM系列でしたので、当時のシボレーなどとよく似ていました。全長約4.4mの中型車で4気筒1.5L(45HP)エンジンを搭載し、最高速は128km/hの性能でした。

 

 当初は2ドアセダンだけでしたが、1958年に4ドアセダンと3ドアワゴン/バンが追加されました。同時に1.2Lエンジン搭載の廉価版オリンピアが追加されました。1959年に標準モデルの名前はオリンピアが外れて単にレコードに、廉価版オリンピアは1200に変更されました。1959年に1.7L(55HP)エンジンが追加されました。1960年に後継車のレコード P2が登場し1962年まで生産されました。レコード P1は大ヒットし総生産台数は約30万台でした。(実車画像→ オペル レコード P2 1960)

 車名の読み方ですが、現在はレコルトと呼ぶのが一般的なようですが、私は昔風の英語読みのほうがなじんでいるので当サイトではレコードと記載しています。

 

 

 ミニカーは2001年頃に発売されたミニチャンプス製です。ミニチャンプスらしいそつのない良い出来ばえで、灯火類や室内などの細部もリアルです。(インパネのメーター形状も分かります) ミニチャンプスはワゴンのキャラバンもモデル化しています。実車は平凡なセダンですから、ドイツ本国以外ではあまり売れないミニカーだと思います。ただこのような地味な車もきちんとモデル化してくれるのがミニチャンプスの良いところでした。(最近はそうでもないので過去形としました) これ以外のレコード P1のミニカーはジク(SIKU)の当時物、ガマの当時物、テクノの当時物、ブレキナの1/87などがあります。オリンピア レコードのミニカーはテクノの当時物、ジクの当時物、ブレキナの1/87などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

OPEL REKORD P I 1
OPEL REKORD P I 2

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OPEL KAPITAN P2 1960 GERMANY

OPEL KAPITAN P2
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OPEL KAPITAN P2


DINKY(UK) 177 1/48? 100㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.83m 全幅約1.81m エンジン 変速機: 6気筒 2.6L 90HP 4/3段変速
性能: 最高速150km/h  データーベースでオペル カピタンのミニカー検索

オペル カピタン (カピテーン) P2 ドイツ 1960年

 

 前述したように1958年にオペル レコード P1が登場し、レコードの上級車のカピタンも1958年に同じようなラップラウンド ウインドウを持つデザインに変更され、カピタン P1となりました。カピタン P1は全長約4.76mの大型車で6気筒2.5L(80HP)エンジンを搭載し4段変速で最高速は142km/hの性能でした。わずか1年ほど生産されただけで1959年にカピタン P2にモデルチェンジしました。総生産台数は約3.4万台でした。(実車画像→ オペル カピタン P1 1958)

 

 1959年にカピタン P2が登場しました。ボディが大きくなり、フロントグリルが横幅全体に広がり、ルーフが角ばったデザインとなりました。エンジンは6気筒2.6L(90HP)に拡大され、4段変速で最高速は150km/hに向上しました。1960年にGM製3段自動変速機が設定されました。1964年に後継車のカピタン A/アドミラル Aが登場し、生産中止となりました。総生産台数は約14万台でこのクラスのオペル車としては大ヒットでした。

 車名の読み方ですがカピタン(キャプテン:艦長の意)は現在ではカピテーンと表記するのが正しいようですが、私にはしっくりこないので当サイトでは昔流にカピタンと記載しています。

 

 

 ミニカーは1961年に発売されたディンキー(英)製の当時物です。公称スケールの1/43より少し小さめに出来ているようです。60年も昔に作られたミニカーですのでフロントグリルや灯火は銀色塗装処理の素朴な作りですが、プロポーションがしっかりしていて、カピタン P2の特徴であるフロントグリルや角張ったルーフがきちんと再現されています。当時のミニカーとしては素晴らしい出来ばえだったはずです。 これ以外のカピタン P2のミニカーはノレブ初期のプラスチック製当時物、ジク(SIKU)の当時物、ポリトーイ初期のプラスチック製、ミニチャンプス、ブレキナの1/87などがあります。カピタン P1のミニカーはブレキナの1/87、スターライン、NEO(レジン製)などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

OPEL KAPITAN P II 1
OPEL KAPITAN P II 2

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