ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

BMW 327 1941 GERMANY

BMW 327
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BMW 327


DETAILCARS 332 1/43 105㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.5m 全幅約1.6m エンジン 変速機: 6気筒 2L 80HP 4段変速
性能: 最高速139km/h  データーベースでBMW 320/326/327/328/335 戦前のミニカー検索

BMW 327 ドイツ 1941年

 

 前述したように303をベースにして1935年に1.9Lの319が登場しました。1936年には6気筒2L(50HP)エンジンを搭載する326(4ドアセダン)が登場しました。326はBMW初の4ドア車で、トーションバー式のリアサスペンションや油圧ブレーキの採用など先進的な設計で、高価でしたが人気がありました。327は326の高性能版でエンジンを55HPにパワーアップしており、クーペとカブリオレがありました。これをさらに80HPまでチューンした高性能版もありました。この327は戦後のスポーツカー503/507に繋がるものでした。

 

 319は1937年に329(カブリオレのみ)に発展しますが、すぐに326をベースにして同年に登場した6気筒2L(45HP)エンジンを搭載した320(2ドアセダン/カブリオレ)に切り替わりました。320は1938年には改良型の321に発展しました。321は戦後も1950年まで生産されました。

 326の成功でBMWは高級車市場への進出を図り、1939年には326をベースにして6気筒3.5L(90HP)エンジンを搭載した335(4ドアセダンと2/4ドアカブリオレ)を登場させました。335は全長約4.84mと336より大きな4ドアセダンで、4段変速で最高速145㎞/hの性能でした。こんな具合にBMWの4輪車は徐々に充実していきました。

 

 

 ミニカーはディテールカー製で、1995年に発売されました。ディテールカーはイタリアのCDCグループのブランドで、1992年頃から主に1/43のダイキャスト製ミニカーを作っていました。ディテールカーはその名のとおりディテールにこだわった良い出来ばえのミニカーが多く、当時の他社ブランド(コーギーやソリドなど)でも販売されました。この327もフロントグリルの造形がリアルで、赤/黒のカラーリングのクーペボディが良く再現され、当時としてはかなり良い出来ばえでした。これ以外の327のミニカーは、ブッシュの1/87、ユニバーサル ホビー(たぶんディテールカーのOEM?)などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

BMW 327 1
BMW 327 2

 以下は1996年頃に発売されたシュコーの335(型番02231)の画像です。前述した同時期のシュコーの315/1ほど凝った作りではないですが、そこそこ良い出来ばえです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BMW 335 1
BMW 335 2

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VOLKSWAGEN TYPE 82E COMMANDER 1943 GERMANY

VOLKSWAGEN TYPE 82E COMMANDER
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VOLKSWAGEN TYPE 82E COMMANDER


RIO SL040 1/43 95mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4m 全幅約1.5m エンジン 変速機: 4気筒 985cc 24HP 4段変速
性能: 最高速 不明  データーベースで戦前のフォルクスワーゲンのミニカー検索

フォルクスワーゲン タイプ 82E コマンダー ドイツ 1943年

 

 ドイツ語の「VOLKSWAGEN」とは直訳すると「国民車」で、この名前は戦前のナチス政党が掲げた「国民車構想」に由来していました。「国民車構想」とは国民の誰もが買える安価な実用車を開発するというもので、同じような構想を抱いていたフェルディナント ポルシェ博士がその開発にあたりました。1938年に完成したプロトタイプにはKdF(Kraft durch Freude:喜びを通じての力)という政治スローガン的な名前が付けられました。

 

 「国民車構想」で開発されたフォルクスワーゲン KdFを買う為の積立て貯金システムが開始され、20万人以上がこのシステムに加入しました。1938年にはKdF専用の生産工場も完成しましたが、1939年にドイツが第2次世界大戦を始めた為、KdF専用生産工場はKdFをベースとした軍用車の生産に転じることになり、結局KdFは一般国民にはほとんど渡らずじまいで敗戦となってしまいました。戦後このKdFをベースにしてビートルが登場しました。

 

 

 ミニカーは1997年頃に発売されたリオ製です。軍用車に転用されたKdF タイプ 82E コマンダー(指揮官車)をモデル化しています。艶消し塗装されて無線アンテナが付き、ヘッドライトが灯火管制の為ひさしの付いたブラックアウトタイプに変更され、ジープのようなアウトドア用のタイヤを履いてます。軍用車として変更された点が実車に忠実に再現され良く出来ています。リオはこのほかにも迷彩を施したKdF軍用車を数種類モデル化しています。リオ以外のKdF軍用車のミニカーは軍用車をモデル化しているホビーマスターの1/48、ビテスのタイプ 83 荷台付トラックなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

VOLKSWAGEN COMMANDER 1
VOLKSWAGEN COMMANDER 2

 以下は2002年頃に発売された同じリオ製の限定品でフォルクスワーゲン タイプ 87 (KdF) 軍用車 アフリカ戦線 1941 (1/43 型番MM RIO AK41)の画像です。タイプ 87 (KdF)は4輪駆動方式を採用したセダン型軍用車で、アフリカ戦線(AFRIKA KORPS)で使われた指揮官車をモデル化しています。上記のタイプ 82E 指揮官車とほとんど同じですが、こちらには前輪左フェンダーの上にノテック(NOTEK) ライトという特殊な灯火管制灯が追加されています。これは上空から目立たないように前方を照らすための灯火で、ドイツ軍の軍用車によく付いている装備です。良く出来たドイツ軍将校のフィギュアが付いています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VOLKSWAGEN COMMANDER 5
VOLKSWAGEN COMMANDER 6

 以下は2003年頃に発売されたUAN製のフォルクスワーゲン タイプ 87 (KdF) ドイツ防衛軍 冬仕様 1941 (1/43 型番UAN205)の画像です。UAN(U.A.N.)はARTモデルやリオなどのミニカーを使いフィギュアーを付けた特別モデルを製作しているイタリアのメーカーです。これは上記と同じリオのタイプ 87を使った限定品で、当時の価格は12500円とずいぶん高価でした。たぶんソ連との東部戦線で使われた指揮官車をモデル化しているのでしょう。これにもドイツ軍将校のフィギュアが付いています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VOLKSWAGEN COMMANDER 3
VOLKSWAGEN COMMANDER 4

 以下は2001年頃に発売された同じリオ製のバリエーションでフォルクスワーゲン KdF 大島駐独大使 1939 (1/43 型番142)の画像です。これは軍用車ではなく当時の日本大使館で使われていた政府の公用車をモデル化しているようです。日独伊三国同盟締結の立役者で当時は駐独大使であった大島浩氏のフィギュアが付いています。リオはこのような歴史的事実に基づいたミニカーを何点かモデル化していますが、このようなミニカーは単なる車の模型とはちがう意味での面白さがあります。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VOLKSWAGEN KdF 6
VOLKSWAGEN KdF 7

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VOLKSWAGEN TYPE 166 SCHWIMMWAGEN 1944 GERMANY

VOLKSWAGEN  TYPE 166 SCHWIMMWAGEN
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VOLKSWAGEN  TYPE 166 SCHWIMMWAGEN


VITTES VICTORIA RMV99001 1/43 93㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4m 全幅約 エンジン 変速機: 空冷 4気筒 1131cc 24HP 4段変速 パートタイム4WD
性能: 最高速80km/h 水上10km/h 4輪駆動 データーベースでシュビムワーゲンのミニカー検索

フォルクスワーゲン タイプ 166 シュビムワーゲン ドイツ 1944年

 

 シュビムワーゲンはフォルクスワーゲン KdFをベースにした水陸両用軍用車で、上述したのキューベルワーゲンの発展型でした。独語のシュビメン(SCHWIMMEN)は英語のSWIMで泳ぐという意味なので、シュビムワーゲンは泳ぐ車という意味です。車台がバスタブのような構造になっているので、船のように水に浮きます。車体後部にはエンジンによって駆動される3枚羽のスクリュウ式推進装置を持ち、それを使って水上では10km/hで走行できました。スクリュウ式推進装置は使わないときは駆動軸とのカップリングを外して、上に跳ね上げておくことができました。

 

 空冷4気筒エンジンは985㏄から1131cc(24.5HP)に強化され、水上から陸に上がる際などの悪路走破性を高める為に4輪駆動方式(パートタイム式)が採用されました。1941年にタイプ 128 シュビムワーゲンが完成し、1942年からはホイールベースを短縮して悪路走破性を向上させた改良型のタイプ 166に変わりました。構造が複雑なのでキューベルワーゲンほど多くは生産されておらず、高い機動性が必要な部隊に配備されました。1944年まで生産され総生産台数は約15000台でした。

 

 

 ミニカーはビテス グループのブランドで軍用車をモデル化していたビクトリア(VICTORIA)製で1998年に発売されました。プロポーションが良く、水上で使われる手漕ぎ用オールやスコップなどの細かな備品がプラスチック製パーツで再現されていてとても良く出来ています。水上走行で使われるスクリュウ式推進装置の跳ね上げもできます。同じ仕様で幌付のバリエーションもありました。見た目が面白いユニークな車ですので、軍用車マニアでなくても一台欲しくなるミニカーです。これ以外のシュビムワーゲンのミニカーはミリタリー物をモデル化しているホビー マスターの1/48、童友社の1/43、シュコーの1/87などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像とスクリュウ式推進装置を下す動作の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

VOLKSWAGEN SCHWIMMWAGEN 1
VOLKSWAGEN SCHWIMMWAGEN 2

 以下は車体床下部分と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VOLKSWAGEN SCHWIMMWAGEN 3
VOLKSWAGEN SCHWIMMWAGEN 4

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VOLKSWAGEN BEETLE 1948 GERMANY

VOLKSWAGEN BEETLE
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VOLKSWAGEN BEETLE


RIO 88 1/43 95㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4m 全幅約1.55m エンジン 変速機: 空冷水平対向4気筒 1131cc 25HP 4段変速
性能: 最高速105km/h  データーベースでフォルクスワーゲン 初期型のミニカー検索

フォルクスワーゲン ビートル ドイツ 1948年

 

 戦後フォルクスワーゲンの工場はイギリス軍が管理し、1946年から生産が再開されました。ただナチスが進めていたKdF(ビートル)に戦勝国は魅力を感じなかったようで、引取先がありませんでした。結局オペルで工場長をしていたハインツ ノルトホフが再建を引き受けました。 彼はオペルの親会社GMで生産と販売について学んでおり、アメリカ式の大量生産方式を取り入れ、販売面でもアメリカ式サービスを徹底させKdFを世界のビートルに変身させました。

 

 初期のビートルは戦前のKdFとほとんど同じ構造/デザインで、空冷4気筒1131㏄(25HP)エンジンを搭載し、4段変速で最高速105km/hの性能でした。初期型はリアウィンドーが2分割でしたのでスプリット ウィンドーと呼ばれています。そのリアウィンドーは1953年には楕円形に変わりました。1947年頃には輸出されるようになり、1950年からサンルーフがオプション設定されました。1954年からエンジンが1192㏄(30HP)に変わり、最高速が110km/hに向上しました。

 

 

 戦前のKdFも含めてフォルクスワーゲン ビートルのミニカーはたくさんあります。(当サイトのデーターベースでは約1400件がリストアップされています。ビートルのミニカーは年式が明確にわからない物が多いので半分ぐらいは年式未記載です) 私はビートルのミニカーを約50種類ほど保有していますので、それらを年代別に分けて紹介することにします。まずは1952年以前のスピリット ウィンドーのビートルを紹介します。最初の1台は私の好みで1988年に発売されたリオ製のビートルを選びました。リアウインドーが2分割の初期型をモデル化しています。プロポーションが良く適度に古くさい(懐かしい)作風で、ビートルらしさが感じられるミニカーです。リオは商用車、軍用車などビートルのバリエーションを約60種類ほど作っています。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

VOLKSWAGEN BEETLE 1
VOLKSWAGEN BEETLE 2

 以下は1997年頃に発売されたリオ製のビートル 1947 フェルディナンド ポルシェ博士 フィギュア付 (1/43 型番SL043)の画像です。ビートルの生みの親のフェルディナンド ポルシェ博士のフィギュアを付けたもので、ビートル本体はフロントウィンドーの前にラジオ用のアンテナが付いていることが上記の型番88と異なります。ポルシェ博士のフィギュアは、ひげと頭髪がそれらしくてなかなか良い出来ばえです。なおポルシェ博士は1951年に75歳で亡くなられています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VOLKSWAGEN BEETLE WITH Dr. PORSCHE 1
VOLKSWAGEN BEETLE WITH Dr. PORSCHE 2

 以下は1993年頃に発売されたリオ製のビートル 輸出仕様 サンルーフ付 1950 (1/43 型番107)の画像です。ビートルは1947年頃からヨーロッパ/アメリカに輸出されるようになり、1948年には生産台数の1/4が輸出されていたそうです。これはその輸出仕様をモデル化していますが、オプションのサンルーフ仕様となっているぐらいしか上記の型番88との違いがありません。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VOLKSWAGEN BEETLE 1950 SUNROOF 1
VOLKSWAGEN BEETLE 1950 SUNROOFT 2

 以下は1997年頃に発売されたリオ製のビートル タクシー 1947 (1/43 型番SL038)の画像です。昔はビートルのような2ドアセダンでもタクシーに使われたようです。これもフロントウィンドーの前にラジオ用のアンテナが付き、タクシーと表示された荷物用のルーフラックが追加されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VOLKSWAGEN BEETLE TAXI 1947 1
VOLKSWAGEN BEETLE TAXI 1947 2

 以下はたぶん2000年頃に発売されたソリド製のビートル 1950 (1/43 型番AC2757)の画像です。ソリドは型番4559でビートルをモデル化していますが、これはそれと同じものをアシェットの雑誌付きミニカーとして発売した物のようです。(オークションサイトで入手しました) 安価なミニカーですので特別に凝ったところはありませんが、ソリドらしいシャープな造形で良く出来ています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VOLKSWAGEN BEETLE 1950 3
VOLKSWAGEN BEETLE 1950 4

 以下は1979年頃に発売されたカドー(KADO)製のビートル 1200 1949 (1/43 型番218)の画像です。カドーは玩具問屋の可堂玩具が起こしたブランドで、これはホワイトメタル製の少量生産品でした。ワイパーやドアミラーが別部品となっているなど凝った造りで、当時のミニカーとしては良く出来ていました。ただ当時の価格で5800円とかなり高価でしたが。。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VOLKSWAGEN BEETLE 1955 1
VOLKSWAGEN BEETLE 1955 2

 上記のリオ製 ビートルのバリエーションの変わり種として、クリスマス仕様の物があります。ヨーロッパの老舗ミニカーメーカーは毎年12月になるとクリスマス仕様のミニカーを発売します。日本にはほとんど輸入されないのであまり見かけませんが、日本の初春仕様トミカのようなものです。 以下が1999年のクリスマス仕様として作られたビートル(型番SL077)の画像です。金メッキされたビートルにサンタさんのフィギュアとプレゼントの箱が付いています。プレゼントの箱には青、緑、赤、金色の色違いが4種類、サンタのフィギュアも4種類、ビートルのタイヤが白いものなど色々の組合せがあって、シリアル番号付の1000台限定品として発売されました。遊び心がある楽しいミニカーになっています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VOLKSWAGEN BEETLE EXPORT Xmas 1
VOLKSWAGEN BEETLE EXPORT Xmas 2

 これ以外のクリスマス仕様のミニカーがみたい方はこちら→データーベースでクリスマス仕様のミニカー検索

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VOLKSWAGEN BEETLE KARMANN CABRIOLET 1949 GERMANY

VOLKSWAGEN BEETLE KARMANN CABRIOLET
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VOLKSWAGEN BEETLE KARMANN CABRIOLET


RIO SL041 1/43 95㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4m 全幅約1.55m エンジン 変速機: 空冷水平対向4気筒 1134cc 25HP 4段変速
性能: 最高速105km/h  データーベースでフォルクスワーゲン ビートル カブリオレのミニカー検索

フォルクスワーゲン ビートル カルマン カブリオレ ドイツ 1949年

 

 フォルクスワーゲン ビートルのカブリオレ仕様は戦前のKdFにも設定がありました。戦後はコーチビルダーのヘップミューラー(HEBMULLER)社が2座席のカブリオレ、コーチビルダーのカルマン社が4座席のカブリオレを製作していました。ヘップミューラー社のカブリオレは畳んだ幌の大部分が座席後方部分に隠れてしまうのが特長でした。一方カルマン社のカブリオレは4座で、畳んだ幌は後部座席の後方に大きくはみ出しました。

 

 1949年にヘップミューラー社の工場が火災にあってカブリオレの生産ができなくなってからは、カルマン社だけの生産になりました。カルマン社のカブリオレは通常のビートルの約1.5倍の価格でしたが、高級なビートルとして人気が高く1979年まで生産されました。 カルマン社カブリオレの総生産台数は約23万台で、ビートルの総生産台数は約2153万台ですから100台に1台ぐらいがカブリオレだったことになります。ビートルの後継車ゴルフ Iに1979年に設定されたカブリオレがビートル カブリオレの実質的な後継車となりました。

 

 

 ミニカーは1997年頃に発売されたリオ製のカブリオレです。前述したセダンのバリエーションなので、セダンと同じく適度に古くさい(懐かしい)作風がビートルの雰囲気に合っていて良い出来ばえです。実車同様の2トンカラー仕立てのカラーリングも綺麗です。ビートル カブリオレのミニカーはたくさんありますが、ほとんどはカルマン社製カブリオレです。当時物としてはポリトーイのELシリーズとSシリーズの1/25、トミカ、ダイヤペットの1/30などがありました。当時物以外ではビテス、ブッシュの1/87、ホンウェルの1/72と1/43、ミニチャンプス、シュコー、ノレブ、リオなどたくさんあります。ヘップミューラー社製カブリオレのミニカーは少なくてミニチャンプス、ノレブ、ブッシュの1/87ぐらいしかありません。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

VOLKSWAGEN BEETLE KARMANN CABRIOLET 1
VOLKSWAGEN BEETLE KARMANN CABRIOLET 2

 以下は1992年に発売されたリオ製のフォルクスワーゲン ビートル カブリオレ (1/43 型番93)の画像です。上記の幌を立てたバリエーションで、こちらのほうが先に発売されたものです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VOLKSWAGEN BEETLE KARMANN CABRIOLET 3
VOLKSWAGEN BEETLE KARMANN CABRIOLET 4

 以下は1975年頃に発売されたポリトーイ製の当時物 フォルクスワーゲン ビートル 1303 カブリオレ 1972 (1/25 型番S15)の画像です。ポリトーイのSシリーズ(1/25)は当時の大スケールミニカーのはしりで、このビートル カブリオレは当時のミニカーとしてはサイズに見合った良い出来ばえでした。トランク/ドアが開閉し幌は閉じた状態と開いた状態のものがあり、交換できます。ただポリトーイがそれまでに得意としていたエンジンなどのメカ部分がほとんど再現されていない点が今一つでした。この後Sシリーズはただ大きいだけの大味なミニカーになっていきましたので、これはまだましなものでしたが。。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VOLKSWAGEN BEETLE KARMANN CABRIOLET 5
VOLKSWAGEN BEETLE KARMANN CABRIOLET 6

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VOLKSWAGEN BEETLE KARMANN CABRIOLET 7
VOLKSWAGEN BEETLE KARMANN CABRIOLET 8

 以下は1977年に発売されたポリトーイ製の当時物 フォルクスワーゲン ビートル 1303 カブリオレ 1972 (1/43 型番EL43)の画像です。上記の1/25のカブリオレとほぼ同時期に作られたものです。ポリトーイのELシリーズは当時の廉価版ミニカーでしたので、安っぽいフリーホイールを使っています。全体的な仕上げレベルは良くないですが、基本的なプロポーションは悪くないです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VOLKSWAGEN BEETLE KARMANN CABRIOLET 9
VOLKSWAGEN BEETLE KARMANN CABRIOLET 10

 以下は1989年に発売されたビテス製のフォルクスワーゲン ビートル カブリオレ 1949 (1/43 型番EL43)の画像です。前述したビテス製のKdFのバリエーションで、初期のカブリオレをモデル化しています。赤/黒のカラーリングが綺麗で、まずまずの出来ばえです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VOLKSWAGEN BEETLE KARMANN CABRIOLET 11
VOLKSWAGEN BEETLE KARMANN CABRIOLET 12

 以下は1992年頃に発売されたビテス製のフォルクスワーゲン ビートル カブリオレ ポリス 1949 (1/43 型番414B)の画像です。これも前述したビテス製のKdFのバリエーションで、布製の簡易ドアを持つドイツ警察用のカブリオレ(タイプ 18A)をモデル化しています。このタイプのビートルはビテスしかモデル化していないようで面白いミニカーです。フロントウィンドー両端に付いている補助灯のようなものは青のパトライトです。実車の初期物はヘップミューラー製で、後にドアの付いた仕様(タイプ 15A)も作られたそうです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VOLKSWAGEN BEETLE KARMANN CABRIOLET 13
VOLKSWAGEN BEETLE KARMANN CABRIOLET 14

 以下は2000年頃に発売されたソリド製のフォルクスワーゲン ビートル カブリオレ 1950 (1/43 型番AB8710)の画像です。ソリドは型番4571でビートル カブリオレをモデル化していますが、これはそれと同じものをアシェットの雑誌付きミニカーとして発売した物のようです。(オークションサイトで入手しました) 安価なミニカーですので特別に凝ったところはありませんが、ソリドらしいシャープな造形で良く出来ています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VOLKSWAGEN BEETLE KARMANN CABRIOLET 15
VOLKSWAGEN BEETLE KARMANN CABRIOLET 16

 ヘップミューラー社製カブリオレは折り畳んだ幌のほとんどが運転席背後に収納されるので幌があまり目立ちません。ただしその代わりに後部座席はなくて2座仕様でした。あいにく当方には手持ちのミニカーがありませんので、ミニチャンプスのWEBサイトから借用した画像を載せておきます。2006年に発売されたミニチャンプス製のフォルクスワーゲン ビートル ヘップミューラー カブリオレ 1949 (1/43 型番430052135)の画像です。
VOLKSWAGEN BEETLE HEBMULLER CABRIOLET 1

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