ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

VOLVO PV544 1958 SWEDEN

VOLVO PV544
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VOLVO PV544


TEKNO 822 1/43 101mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.36m 全幅約1.58m エンジン 変速機: 4気筒 1.6L 60HP 4段変速
性能: 最高速137km/h  データーベースでボルボ PVのミニカー検索

ボルボ PV544 スウェーデン 1958年

 

 ボルボ(VOLVO)はラテン語で「私は回る」という意味があり、スウェーデンのベアリング メーカーSKF社の子会社の名前でした。このSKF社によって自動車メーカーのボルボ社が1927年に創業されました。最初の車は4気筒2Lエンジンを搭載したオープンカーで、1929年には6気筒3Lエンジンを搭載した中型セダンのPV650が発売されています。1930年代にアメリカ GMの技術者を雇い入れ、その技術で小さなアメリカ車的な設計の車が開発されました。

 

 スウェーデンは過酷な環境の広大な国土を持つため、信頼性の高いエンジンを搭載した頑丈な車体が必要とされました。1930-1940年代のアメリカ車はまさにそのような条件を満たす車でした。スウェーデンは中立国でしたので、第2次大戦には参戦しておらず、ボルボは1946年にPV60シリーズを発表しました。PV60は6気筒3.7Lエンジンを搭載した大型車で、同時期のアメリカ車と同じようなスタイルをしていました。(実車画像→ ボルボ PV60 1946)

 

 

 1944年にボルボ初の小型車PV444が登場しました。PV444の444は4人乗り、40HP、4気筒(1.4L)エンジンを意味し、モノコックボディを採用し大量生産によって低価格で提供されました。デザインはやはりアメリカ車的なデザインで、3段変速で最高速100km/hの性能でした。1958年までに約20万台が生産され、信頼性や耐久性が高く評価されました。1958年にPV444を改良したPV544が登場しました。フロントとリアのウインドーが拡大され、室内は5人乗りになりました。4気筒1.6L(60HP)エンジンを搭載し、4段変速が採用され最高速は137km/hに向上しました。PV544は1.8L(68HP)エンジンが追加されて1965年まで約24万台が生産された人気車種で、ラリーでも活躍しました。

 ミニカーは1959年に発売されたテクノ製の当時物です。北欧デンマークのテクノは1950-1970年代にボルボやサーブなど他社がモデル化しない北欧車を多くモデル化しており、しっかりした塗装で独得の雰囲気がある高品質なミニカーを作っていました。このPV544も実車の雰囲気がうまく再現され細部も良く仕上げてあり、当時としてはかなりレベルの高いミニカーでした。なお現在のテクノはオランダに移転しており、主に商用車/トラックを1/50でモデル化しています。これ以外のPV544のミニカーはシュコー ピッコロの当時物 1/90、イクソのラリー仕様、ブッシュの1/87、ヴィーキングの1/87などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

VOLVO PV544 1
VOLVO PV544 2

 戦前のボルボのミニカー→ データーベースで戦前のボルボのミニカー検索"

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VOLVO 122S AMAZON 1958 SWEDEN

VOLVO 122S AMAZON
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VOLVO 122S AMAZON


DINKY(UK) 184 1/45 97㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.45m 全幅約1.62m エンジン 変速機: 4気筒 1.6L 85HP 4段変速
性能: 最高速151km/h  データーベースでボルボ アマゾン (120/130/220)のミニカー検索

ボルボ 122S アマゾン スウェーデン 1958年

 

 ボルボの大型車として120シリーズ アマゾンが1956年に登場しました。当初のアマゾンという名前はギリシャ神話の女性戦士アマゾンに由来したものでしたが、車名に3桁数字を使うようになってからは120シリーズに改名されました。当初は4ドアセダンだけで、ボディはボルボで初めてフラッシュサーフェースを採用しそれまでのPVシリーズと同様にアメリカ車的なスタイルでした。ボルボ 121は4気筒1.6L(60HP)、122は1.6L(78HP)エンジンを搭載し、4段変速で最高速143km/h(122)の性能でした。

 

 1958年に85HPにパワーアップした高性能版の122Sが追加され、1961年には1.8L(82HP)エンジンに切り替わり2ドアセダン(131/132)や5ドアワゴン(221/222)が追加されました。1967年に追加された高性能版(104HP)の123GTはラリーで活躍しました。合わせガラスを使ったフロントウインド、クラッシュパッドが貼られたダッシュボード、世界初の3点式シートベルトの採用など120シリーズにはボルボの安全に対する進んだ姿勢が見られました。2Lエンジンが追加され1970年まで生産されました。総生産台数は約67万台でした。

 

 

 ミニカーは1961年に発売されたディンキー(英)製の当時物です。高性能版の122Sをモデル化しています。縮尺は明記されていませんが、1/43よりすこし小さめで1/45ぐらいで出来ています。60年以上も前に発売されたビンテージミニカーですので素朴な作りですが、プロポーションは良く実車に忠実な造形で1960年代のミニカーとしては良く出来ていました。これ以外の120シリーズの当時物ミニカーはテクノ(同じ型番で4ドアと2ドアがある)やスポットオンがありました。当時物以外ではブレキナの1/87、イクソ(ホワイト ボックス)のセダンとワゴン、国産名車コレクション、ミニチャンプスのセダンとワゴン、オックスフォードの1/43と1/76などたくさんあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

VOLVO 122S AMAZON 1
VOLVO 122S AMAZON 2

 以下は2016年に発売された国産名車コレクション製のボルボ 122S アマゾン (1/43 No.267)の画像です。メーカーはイクソで、イクソは別ブランドのホワイト ボックスでアマゾンを発売していますのでそれを流用しています。雑誌付きの安価なミニカーですので、室内の仕上げは簡素化されていますが、プロポーションが良く細部の仕上げも値段相応以上でよく出来ています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VOLVO 122S AMAZON 3
VOLVO 122S AMAZON 4

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VOLVO 122S AMAZON 5
VOLVO 122S AMAZON 6

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VOLVO P1800 1960 SWEDEN

VOLVO P1800
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VOLVO P1800


TEKNO 825 1/43 101㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.4m 全幅約1.68m エンジン 変速機: 4気筒 1.8L 100HP 4段変速
性能: 最高速166km/h  データーベースでボルボ P1800のミニカー検索

ボルボ P1800 スウェーデン 1960年

 

 ボルボ初のスポーツカーとしてP1800が1960年に登場しました。ボルボ アマゾンのシャーシにイタリアのカロッツェリア フルアがデザインした2+2の美しいクーペボディを架装したもので、ボルボには生産工場の余裕がなく当初の生産はイギリスのジェンセンに委託されました。ボルボ自製の4気筒1.8L(100HP)エンジンを搭載し、4段変速機で最高速166km/hと高性能でした。美しいスタイルと高性能でアメリカを中心に人気がありました。

 

 ジェンセンが生産したボディには塗装等に問題があり、1963年からは生産が内製に切り替わりました。これ以後スウェーデンで生産したという意味で名前にSが追加され1800Sとなり、エンジンも108HPに強化されました。1969年にはエンジンが2L(118HP)に切り替わり、最高速も180km/hに向上しました。1972年にワゴンスタイルを採用した1800ESが追加されデザインが一新されましたが、1973年に生産中止となりました。P1800シリーズの総生産台数は約4.7万台でした。

 

 

 ミニカーは1960年頃に発売されたテクノ製のレアな当時物です。北欧デンマークのテクノは1950-1970年代にボルボやサーブなど他社があまりモデル化しない北欧車を多くモデル化しており、しっかりした塗装で独得の雰囲気がある高品質なミニカーを作っていました。このP1800は1960年代前半のビンテージミニカーなのでグリルやバンパーに金属製パーツが使われ、テクノらしい頑丈なミニカーに仕上がっています。(開閉ギミックはありません) このミニカーは実車のデザインを強調する為にキャビン部分が意図的に小さくデフォルメされていると思っていましたが、今回実車の外形図とミニカーの外形を比較してみたところ、かなり実車の寸法に正確であることがわかりました。これは個人的には予想外の結果で、このビンテージ物のミニカーがリアルに出来ていることを再認識しました。P1800の当時物ミニカーはディンキー、コーギー、スポットオン、ノレブの初期物(プラスチック製)がありました。当時物以外ではミニチャンプス、イクソ(プレミアムX ホワイトボックス)、オックスフォードの1/76、ヘルパの1/87、ノレブなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

VOLVO P1800 1
VOLVO P1800 2

 以下はミニカーの側面画像に実車の外形線(一番外側の線は緑色)を重ね合わせた画像です。フロントグリルとテールライトの外形が少し外れていますが、全体的には実車の外形線と良く一致しています。したがってキャビン部が小さめに出来ているという印象は正しくないようです。(たぶんピラーが太いことでウィンドーの面積が小さくなっているのでそのように感じるのでしょう) (画像のマウスオーバー又はタップで実車の外形線が表示されます)
VOLVO P1800 30

 以下は1966年に発売されたディンキー(英)製の当時物 ボルボ P1800 (1/42 型番116)の画像です。フロントグリルとバンパーがメッキしたプラスチック製パーツで構成されラインストーンのヘッドライトが使われているなど、当時のディンキー(英)の代表的な仕上げで良く出来ています。またボンネット/ドア/トランクが開閉するフルギミックとなっています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VOLVO P1800 3
VOLVO P1800 4

 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。なおこの当時のディンキー(英)のミニカーのほとんどにはナンバープレート(紙シール)が付いていました。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VOLVO P1800 5
VOLVO P1800 6

 以下は1965年に発売されたコーギー製の当時物 ボルボ P1800 THE SAINT (1/46 型番258)の画像です。コーギーは1962年に型番228でボルボ P1800をモデル化しているのですが、これはそれをベースにしてイギリスのTVドラマ THE SAINT(邦題「セイント 天国野郎」)で主人公が乗っていたP1800に仕立てたキャラクター物です。ボンネットに張られている赤い紙シールはTHE SAINTのロゴです。縮尺が1/46なので1/43より少し小ぶり(全長94㎜)に出来ていますが、プロポーションが良くP1800の当時物ミニカーとして良く出来ていました。(ただし1/43用のホイールがややオーバーサイズになっていますが) 室内には主人公(通称セイント 俳優はロージャー ムーア)と思われる人物のフィギュアが乗っています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VOLVO P1800 7
VOLVO P1800 8

 以下は2000年頃に発売されたミニチャンプス製の ボルボ P1800 (1/43 型番430171622)の画像です。ミニチャンプスらしいそつのない造形で、フロントグリル、灯火類、室内インパネなどの細部がリアルに再現されています。上述したようにテクノのミニカーはキャビンが小さめに感じるのですが、このミニチャンプスのミニカーのキャビンはフロントウィンドーが大きいので、キャビンの大きさが一番正確に出来ているように感じます。ただし寸法的に正確に縮小すれば実車のイメージが再現されるというわけではなく、その辺の出来ばえの良し悪しは型職人の腕の見せ所なのです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VOLVO P1800 9
VOLVO P1800 10

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VOLVO P1800 11
VOLVO P1800 12

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VOLVO FB88 TRUCK 1965 SWEDEN

VOLVO FB88 TRUCK
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VOLVO FB88 TRUCK


TEKNO 425  1/50 170㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約8.5m? 全幅約2m エンジン 変速機: 6気筒 9.6L ターボディーゼル 260HP 8段変速
性能: 最高速 不詳  データーベースでボルボ トラックのミニカー検索

ボルボ FB88 トラック スウェーデン 1965年

 

 スウェーデンのベアリング メーカー SKF社によって自動車メーカーのボルボ社が1927年に創業されました。1928年に最初のトラックシリーズ1(4気筒エンジン搭載 積載量1.5t)を発売しました。このトラックは密閉された運転室(キャビン)を持つ頑丈な構造で、スウェーデンの気候と道路事情を考慮した信頼性の高い設計でした。このトラックは高い評価を受けて大ヒットし、ボルボの業績に寄与しました。 

 

 その後国内だけではなくヨーロッパ各国へと輸出されるようになり、ボルボ社の生産する車の中でトラックは大きな割合を占めていました。1980年代にボルボはアメリカのトラック会社のホワイト社と提携し、ボルボ ホワイト トラック社となり、さらに1980年代後半にはGMCの大型トラック部門も加わりました。2001年にはアメリカのマックを傘下に持つルノーのトラック部門を買収し、2006年に日産ディーゼル工業(現在はUDトラックス)も傘下に収めています。

  現在ボルボ トラックス社はダイムラー(メルセデス ベンツ ブランド)に次ぐ世界第2位の大型トラックメーカーです。ちなみに3位は同じスウェーデンのスカニアです。ボルボの乗用車部門は1999年にフォードに買収されてボルボ カーズとしてフォード傘下のブランドとなり、2010年には中国企業に売却されています。

 

 

 ボルボのトラックの型式名について説明すると、Nがボンネット型でFはキャブオーバー型です。概略ですがFHが一番大きなトラクター系、FMが中型で平ボディやバンのカーゴ系、FLが小型となります。またアルファベットの後の数字は1980年代以降のモデルではエンジン排気量(単位L)を示します。つまりFH16とはキャブオーバーの大型トラックで排気量が16Lとなります。

 ミニカーはテクノ製(デンマーク)の当時物で、1968年頃に発売されました。1965年に登場した当時の傑作大型トラックであったF88をモデル化しています。FB88のFはキャブオーバー型、Bは3車軸、88はシリーズ名を示します。車体に表示された「ASG TRANSPORT SPEDITION」とはスウェーデンの物流会社ASG社のロゴです。テクノのミニカーはプロポーションが良く、プラスチック製パーツをあまり使わないがっちりとした作りで、塗装もしっかりしています。このFB88も縮尺が1/50と少し小さめに出来ていますが、テクノらしい素晴らしい出来ばえです。(脱着できる幌はプラスチックではなく板金製で頑丈です)

 このミニカーには色々な企業のプロモーション用モデルのバリエションがあったようです。F88のこれ以外の当時物ミニカーはないようで、最近の物ではコーギーやイクソなどがあります。現在の主流であるFHシリーズはヘルパやAWMが約200種類以上をモデル化しています。 以下はドアの開閉ギミックとキャブのチルトギミックの画像です。ドアが開閉し室内もリアルに再現され、キャブをチルトさせるとエンジンが金属パーツで再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

VOLVO FB88 TRUCK 1
VOLVO FB88 TRUCK 2

 テクノのミニカーは前輪が操舵できるものが多いのですが、このFB88もボディを傾けることで前輪が操舵できます。また別売りされていた専用トレーラー(1/50 型番452)があり、金属製の連結金具でトレーラーを接続すると全長338㎜のフルトレーラーになります。以下は前輪の操舵ギミックと別売りのトレーラーを連結する動作の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VOLVO FB88 TRUCK 3
VOLVO FB88 TRUCK 4

 以下はトレーラーと組み合わせたフルトレーラー状態の画像です。
VOLVO FB88 TRUCK 5
VOLVO FB88 TRUCK 6

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SAAB 96 1965 SWEDEN

SAAB 96
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
SAAB 96


TEKNO 827 1/43 96㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.2m 全幅約1.53m エンジン 変速機: 2サイクル3気筒 841cc 42HP 3段自動変速
性能: 最高速120km/h  データーベースでサーブ 96のミニカー検索

サーブ 96 スウェーデン 1965年

 

 サーブ社「Svenska Aeroplan AB」(スウェーデン航空機会社)はスウェーデンの軍用航空機の製造を目的として1937年に設立されました。、第2次大戦中は軍用機を製造していましたが、戦後に自動車製造に進出しました。1949年に完成した最初の量産車は2サイクル2気筒764cc(25HP)エンジンを前車軸上に横置き搭載した前輪駆動車のサーブ 92でした。航空機メーカーらしさが感じられる流線型のモノコックボディは、当時としては珍しく風洞実験で決められたものでした。3段変速で最高速105km/hの性能でした。(実車画像→ サーブ 92 1951)

 

 サーブ 92は1955年に3気筒750cc(33HP)エンジンを縦置き搭載に変更した93に、1960年には3気筒841cc(42HP)エンジンを縦置き搭載してリアウインドーを拡大した96に発展しました。1965年にはラジエーター搭載位置をエンジン後方から一般的なエンジン前面に変えたので、フロントグリル開口部が大きくなりました。サーブ 92のラジエータがエンジン後部にあったのは寒冷地の北欧では都合が良かったのですが、寒冷地ではない輸出先ではオーバーヒートが問題となったのでラジエーター搭載位置を変えたのでした。

 

 

 1966年にはエンジンがドイツ フォード製の4サイクルV型4気筒1.5L(65HP)に切り替わり、4段変速で最高速148km/hと性能が向上しました。1969年に前後ウィンドーが拡大されヘッドライトが角型に変更されました。サーブ 96は頑丈な足回りと優れた操縦性により1962年と1963年のモンテ カルロ ラリーで連続優勝するなどラリーで大活躍しました。サーブ 96は基本的な構造はほとんどそのままで安全基準対応などの改良がおこなわれ、1980年まで長い間生産されました。総生産台数は約54万台でした。

 ミニカーは1965年に発売されたテクノ製の当時物です。フロントグリルの形状から1965年式をモデル化しています。50年以上昔に作られたビンテージミニカーなので金属パーツが主体の素朴な造形です。この当時のテクノは非常に品質の高いミニカーを作っていました。この96もプロポーションが正確で実車の雰囲気がうまく再現され、1960年代のミニカーとしてはかなり良い出来ばえでした。普通に箱に入れたまま保管していましたが、現在でも錆がなく塗装に艶まで有るのですから、昔のミニカーの品質はたいした物です。なおテクノはサーブ 96の初期型を1962年にモデル化していて、これはそれを1965年式に変更したものです。(型番の変更なし) フロントグリル部の造形が初期型の金属製パーツのグリルにグリル開口部を追加した形になっていることがそれを示しています。これ以外のサーブ 96のミニカーはディンキー(英)の当時物、コーギー、トロフューのストリート/ラリー仕様、イクソ(ホワイトボックス、プレミアムX、国産名車コレクション)、ブレキナの1/87などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

SAAB 96 1
SAAB 96 2

 以下は1966年に発売されたディンキー(英)製の当時物 サーブ 96 (1/43 型番156)の画像です。これもフロントグリルを変更した1965年式をモデル化しています。メッキしたプラスチック製パーツを使ったフロントグリル部がやや目立ちすぎる感じですが、プロポーションが良くこれも1960年代のミニカーとして良く出来ていました。ドア開閉ギミック付きです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
SAAB 96 3
SAAB 96 4

 以下は1990年頃に発売されたコーギー製のサーブ 96 (1/43 型番D711)の画像です。これはサーブ 96 初期型をモデル化しているので、フロントグリルの形状が上述した1965年式と異なっています。コーギーが1990年代ごろに発売していた「CLASSIC CARS」というシリーズの一つで、このシリーズはマニア向けで1950-1960年代のクラシックカーを昔のコーギー流の作風で再現した物でした。レトロな造形ながら細部はそこそこリアルに仕上げてありよく出来ています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
SAAB 96 5
SAAB 96 6

 以下は2015年に発売された国産名車コレクション製の サーブ 96 V4 (1/43 No.241)の画像です。エンジンがフォード製V型4気筒エンジンに変更された96 V4をモデル化しています。ミニカーの台座には1971年と表示されていますが、フロントグリル形状が96 V4の形状でヘッドライトが丸形ですので1966年とするのが正しいと考えます。メーカーはイクソで、イクソはカタログモデルとして96 V4をモデル化していますのでそれを流用しています。プロポーションが良く、最近のミニカーですので灯火類やドアミラーなどの細部も良く再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
SAAB 96 7
SAAB 96 8

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